また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 726931
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

超スローでやっと硫黄岳(槍ヶ岳の北)

2015年09月19日(土) 〜 2015年09月24日(木)
 - 拍手
体力度
7
1〜2泊以上が適当
GPS
49:25
距離
31.4km
登り
2,917m
下り
2,916m
歩くペース
ゆっくり
2.12.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
11:27
休憩
0:00
合計
11:27
5:17
687
千丈乗越
16:44
硫黄岳南東尾根基部
2日目
山行
11:34
休憩
0:00
合計
11:34
5:30
694
硫黄岳南東尾根基部
17:04
硫黄岳冬道合流点
3日目
山行
11:57
休憩
0:50
合計
12:47
5:00
120
硫黄岳冬道合流点
7:00
7:50
597
17:47
硫黄岳南東尾根基部
4日目
山行
12:54
休憩
0:00
合計
12:54
6:46
774
硫黄岳南東尾根基部
19:40
千丈乗越
休憩は表示してありませんが、ほぼ1時間おきに5−10分、たまに20分程度。

新穂高温泉ー千丈乗越間は通常コース:
 0日目 鍋平駐車場06:25 - 千丈乗越17:15
 5日目 千丈乗越04:00 - 奥丸山08:00 - 新穂高ケーブル乗り場15:15
天候 千丈乗越から下り始めて戻るまでほぼ晴。硫黄岳頂上は晴天。
過去天気図(気象庁) 2015年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
新穂高温泉鍋平駐車場(深山荘脇は満車)
コース状況/
危険箇所等
硫黄岳は藪につぐ藪。岩場はなし。超急傾斜だがアイゼンを付ければ安心。まともなテン場は頂上のみ(普通の人は一日で往復でしょうが)。2200 mあたりの小鞍部も多分張れます。登り口にはよいテン場。千丈沢も高巻きは藪無しとは行きません。
その他周辺情報 槍平小屋での昼食(カツ丼とか)の提供は、10時半からだそうです。ほぼアルファ米とナッツだけで数日暮らした後、カツの卵とじが食べたかった! 畳平から鍋平登山者用駐車場への道は案内がなく、GPSの電池も切れてしまったので、最後の最後になんと藪こぎ。深山荘の内風呂で6日分の垢を落とし、やっと人に還りました。
千丈沢の下り始め。真正面の硫黄岳がまだ低い。激藪氏の記録(以下激と略)にあるように、左方にあるような草の付いているところが一番歩きやすく、ついで大きめの石に覆われているところ、細かい石の所は最悪です。
2015年09月20日 05:29撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/20 5:29
千丈沢の下り始め。真正面の硫黄岳がまだ低い。激藪氏の記録(以下激と略)にあるように、左方にあるような草の付いているところが一番歩きやすく、ついで大きめの石に覆われているところ、細かい石の所は最悪です。
H2490あたりで激に従い中央の岩を降りました。問題なし。帰りは左を巻いたのですが、結構急で、草のないところは登りにくい。
 なお、この下のH2280付近で耳を澄ませたら水音。帰りにはここで水を汲みました。左岸ぎりぎりです。激にある右岸からの水はさらに下です。
2015年09月20日 06:32撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/20 6:32
H2490あたりで激に従い中央の岩を降りました。問題なし。帰りは左を巻いたのですが、結構急で、草のないところは登りにくい。
 なお、この下のH2280付近で耳を澄ませたら水音。帰りにはここで水を汲みました。左岸ぎりぎりです。激にある右岸からの水はさらに下です。
硫黄岳が少し高くなりました。頂上付近に立木が疎らに並んでいるのが分かります。
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硫黄岳が少し高くなりました。頂上付近に立木が疎らに並んでいるのが分かります。
小さな雪渓がまだ残っていました。硫黄岳の頂上は右端。
2015年09月20日 08:34撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/20 8:34
小さな雪渓がまだ残っていました。硫黄岳の頂上は右端。
ここから見る小槍は大きいですね。
2015年09月20日 08:45撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/20 8:45
ここから見る小槍は大きいですね。
六ノ沢出合で大休止。直前にいくつか赤布、なぜここだけに?帰路、下流側に左(南)からのガレが何ヶ所か出ていて、GPSがなければ曲がってみたくなるかも、と納得。
 ここからは左岸を通しました。小さめの支流が歩きやすいかとたどってみると藪に突入したり、高巻くとちょっと奥のほうが藪の具合がよいのでついつい復帰が先延ばしになったり。帰路に分かったのですが、H1900あたりの水量はここより少なめで、そこまでは本流を自由に渡り返しながら歩けます(沢靴なし)。その先は左岸通しだけれど、大きな支流は歩けるし、高巻きは最小限にすべきでした。なお、この写真の少し右、左岸に、激のものと思われる平らな幕営適地あり。
2015年09月20日 09:42撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/20 9:42
六ノ沢出合で大休止。直前にいくつか赤布、なぜここだけに?帰路、下流側に左(南)からのガレが何ヶ所か出ていて、GPSがなければ曲がってみたくなるかも、と納得。
 ここからは左岸を通しました。小さめの支流が歩きやすいかとたどってみると藪に突入したり、高巻くとちょっと奥のほうが藪の具合がよいのでついつい復帰が先延ばしになったり。帰路に分かったのですが、H1900あたりの水量はここより少なめで、そこまでは本流を自由に渡り返しながら歩けます(沢靴なし)。その先は左岸通しだけれど、大きな支流は歩けるし、高巻きは最小限にすべきでした。なお、この写真の少し右、左岸に、激のものと思われる平らな幕営適地あり。
へつり終わって振り返ったところ。本流はこの左でごうごうと音立ててます。
 千丈乗越からずっと、下流に向かう一人分の新しい足跡があり、硫黄岳に先行かしら。となると激のテン場は諦めかな。湯俣から遡行してきた方に出会ったら、硫黄岳あたりから下には足跡はなかったと。でも硫黄岳では結局誰にも会わなかったし、痕跡もなし。マーキング不要か全部始末されたのか。
2015年09月20日 16:07撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/20 16:07
へつり終わって振り返ったところ。本流はこの左でごうごうと音立ててます。
 千丈乗越からずっと、下流に向かう一人分の新しい足跡があり、硫黄岳に先行かしら。となると激のテン場は諦めかな。湯俣から遡行してきた方に出会ったら、硫黄岳あたりから下には足跡はなかったと。でも硫黄岳では結局誰にも会わなかったし、痕跡もなし。マーキング不要か全部始末されたのか。
硫黄岳登り口の期待していたテン場。平らで石もほとんどなし。しかも手前に小さな支流。写真のテントのすぐ右も奥のほうも、ちょっと整地すれば張れます。と書きながら、こんなに平らな砂地は他にはなかったぞ、もしかして六ノ沢出合も含めて激藪氏が整地してくださったのかしら。もう1箇所だけ、六ノ沢出合の少し下流の左岸側にもありましたが、これも人工?なお、夜になって、ちょい下流に2人ほどお泊まりと知りました。
2015年09月23日 06:02撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/23 6:02
硫黄岳登り口の期待していたテン場。平らで石もほとんどなし。しかも手前に小さな支流。写真のテントのすぐ右も奥のほうも、ちょっと整地すれば張れます。と書きながら、こんなに平らな砂地は他にはなかったぞ、もしかして六ノ沢出合も含めて激藪氏が整地してくださったのかしら。もう1箇所だけ、六ノ沢出合の少し下流の左岸側にもありましたが、これも人工?なお、夜になって、ちょい下流に2人ほどお泊まりと知りました。
登りはじめはこんな藪で、もちろん急。実は、テン場から50mほど西に行くと木のほとんどない笹藪があり、そこから取り付いてしまったのが多分失敗。低木が混じっており足下には石ころ有りで苦労。そのすぐ右の、この写真程度に木のある斜面がたぶん正解です。なんと帰路も、同じくせ者斜面に吸い寄せられてしまいました。
2015年09月21日 06:48撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/21 6:48
登りはじめはこんな藪で、もちろん急。実は、テン場から50mほど西に行くと木のほとんどない笹藪があり、そこから取り付いてしまったのが多分失敗。低木が混じっており足下には石ころ有りで苦労。そのすぐ右の、この写真程度に木のある斜面がたぶん正解です。なんと帰路も、同じくせ者斜面に吸い寄せられてしまいました。
この岩の右をすり抜けて出てきました。ごらんのようにハングしており、その下で雨宿りできます。快適なビバーク地とはとてもいえませんが。
2015年09月21日 11:17撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/21 11:17
この岩の右をすり抜けて出てきました。ごらんのようにハングしており、その下で雨宿りできます。快適なビバーク地とはとてもいえませんが。
H2110で、激に従い笹藪を横切って向こう側の小尾根に移ります。登りでは、写真中央の岩の下側を回り込んでそのまま笹藪を真っ直ぐ(写真では右上方に)上がっていきました。急なのですが、アイゼンを付けているし笹は細くても頼りがい(掴みがい)があります。ところがだんだん笹が薄くなってきて、下りはロープの出番かも。
2015年09月21日 11:48撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/21 11:48
H2110で、激に従い笹藪を横切って向こう側の小尾根に移ります。登りでは、写真中央の岩の下側を回り込んでそのまま笹藪を真っ直ぐ(写真では右上方に)上がっていきました。急なのですが、アイゼンを付けているし笹は細くても頼りがい(掴みがい)があります。ところがだんだん笹が薄くなってきて、下りはロープの出番かも。
H2200の小鞍部。やっと上が見えました。ここはビバークできるかも。でも、寝ころんで試してはいません。
2015年09月21日 13:05撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/21 13:05
H2200の小鞍部。やっと上が見えました。ここはビバークできるかも。でも、寝ころんで試してはいません。
H2230、ガレ場越しに北鎌尾根。このガレ場の縁を登るのですが、迷いようがないと思ってマーキングをさぼり気味にしたのを帰路に後悔。短いながら濃い藪をどちらに避けるのか突っ込むのか。藪の中、特に出たところにしっかりマークすべきでした。
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H2230、ガレ場越しに北鎌尾根。このガレ場の縁を登るのですが、迷いようがないと思ってマーキングをさぼり気味にしたのを帰路に後悔。短いながら濃い藪をどちらに避けるのか突っ込むのか。藪の中、特に出たところにしっかりマークすべきでした。
H2340、テープ発見!この上のほうにも。激藪氏のかしら。帰路、もう少し下にも色あせたのがあった。この辺は、快眠とか言わなければビバークできるかも。
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H2340、テープ発見!この上のほうにも。激藪氏のかしら。帰路、もう少し下にも色あせたのがあった。この辺は、快眠とか言わなければビバークできるかも。
H2350、いよいよ恐怖の這松の登場です。でも結構漕げる、というか避けられる所もあり。上部に写っている急斜面に行くと、這松の薄くなっている筋も結構あり。要は、ここまでの藪も結構きつくて(ただし出だしを除けばきついのが連続ではない)、その延長という感じでした。
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H2350、いよいよ恐怖の這松の登場です。でも結構漕げる、というか避けられる所もあり。上部に写っている急斜面に行くと、這松の薄くなっている筋も結構あり。要は、ここまでの藪も結構きつくて(ただし出だしを除けばきついのが連続ではない)、その延長という感じでした。
冬道合流点に到着。右端は槍ヶ岳。中央少し右が大天井。左から1/3のとんがりは目の前のP2400。その左手前、笹が逆三角に凹んで見えるあたりに、一人分、平らに寝られるスペースがあり、寝袋とツェルトにくるまって快適に寝ました。向こう側は崖なので、無駄に付けてきたハーネスは外さずに近くの木にロープで確保。せっかく持ってきたのだし。
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冬道合流点に到着。右端は槍ヶ岳。中央少し右が大天井。左から1/3のとんがりは目の前のP2400。その左手前、笹が逆三角に凹んで見えるあたりに、一人分、平らに寝られるスペースがあり、寝袋とツェルトにくるまって快適に寝ました。向こう側は崖なので、無駄に付けてきたハーネスは外さずに近くの木にロープで確保。せっかく持ってきたのだし。
ここから頂上までがさらに激藪とあったのですが、アイゼン穿いて笹につかまると避けようもあり、思い切って突っ込んでみるとなんとなく踏み跡と感じられなくもない所も結構あり。つまり、ずーっと必死でもがき続けるということはありませんでした。もちろん私の場合、よいしょ、ハアハアハアハア、の連続ですが、全く歯が立たないわけではありません。
2015年09月22日 05:45撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/22 5:45
ここから頂上までがさらに激藪とあったのですが、アイゼン穿いて笹につかまると避けようもあり、思い切って突っ込んでみるとなんとなく踏み跡と感じられなくもない所も結構あり。つまり、ずーっと必死でもがき続けるということはありませんでした。もちろん私の場合、よいしょ、ハアハアハアハア、の連続ですが、全く歯が立たないわけではありません。
頂上直前。ここも、登りはなるべく這松と草付の間を使いました。笹がもう少しあると安心だったのですが。下りは這松を突っ切りました。
2015年09月22日 05:53撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/22 5:53
頂上直前。ここも、登りはなるべく這松と草付の間を使いました。笹がもう少しあると安心だったのですが。下りは這松を突っ切りました。
硫黄岳山頂。広場に出て振り返ると、赤布に赤テープ。その下に三角点(写真に入れたつもりがはみ出してました)。目印がなければまず分かりそうもない埋もれ方です。テープは激藪氏として、はて上にある布は?新しそうだし、もしかしてこれが先行者の方??と思ってネットを探したら、
http://www.michiyo-office.gr.jp/blog/blog.cgi/permalink/20150922184404
この方かもしれない。でも、三角点は見つからなかったと書いておられる。もう次々と人が登る山になったのでしょうか。
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硫黄岳山頂。広場に出て振り返ると、赤布に赤テープ。その下に三角点(写真に入れたつもりがはみ出してました)。目印がなければまず分かりそうもない埋もれ方です。テープは激藪氏として、はて上にある布は?新しそうだし、もしかしてこれが先行者の方??と思ってネットを探したら、
http://www.michiyo-office.gr.jp/blog/blog.cgi/permalink/20150922184404
この方かもしれない。でも、三角点は見つからなかったと書いておられる。もう次々と人が登る山になったのでしょうか。
山頂のパノラマ。槍ヶ岳から餓鬼岳まで。
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山頂のパノラマ。槍ヶ岳から餓鬼岳まで。
山頂のパノラマ。三ッ岳から槍ヶ岳まで。
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山頂のパノラマ。三ッ岳から槍ヶ岳まで。
野口五郎岳。
2015年09月22日 07:27撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
9/22 7:27
野口五郎岳。
水晶岳。
2015年09月22日 07:28撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/22 7:28
水晶岳。
鷲羽岳。
2015年09月22日 07:29撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
9/22 7:29
鷲羽岳。
三俣蓮華岳。頂上は人だらけ。
2015年09月22日 07:29撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/22 7:29
三俣蓮華岳。頂上は人だらけ。
冬道合流点に戻り、昨晩寝た跡が凹んでます。左が崖。寝返りは体軸中心。
2015年09月22日 09:34撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/22 9:34
冬道合流点に戻り、昨晩寝た跡が凹んでます。左が崖。寝返りは体軸中心。
H2380。中央にかたまって生えている木を目指すべきでしたが、油断して少し左にそれて、復帰したところです。這松は低く見通しもよいので、どこでも下れます。
2015年09月22日 10:16撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/22 10:16
H2380。中央にかたまって生えている木を目指すべきでしたが、油断して少し左にそれて、復帰したところです。這松は低く見通しもよいので、どこでも下れます。
H2200の小鞍部まで降りてきたら、唐沢岳から燕岳方面にも日があたっていました。
H2200の小鞍部まで降りてきたら、唐沢岳から燕岳方面にも日があたっていました。
さて、登りで笹藪を横切ったH2100付近ですが、その先笹が薄くなると、土の斜面に木が疎らという状況がしばらく続きました。障害物がないので特に下りは快適で(急斜面ではありますが)、真っ直ぐ下っていったら横切り地点を過ぎてしまいました。実は登りで笹原横断はもっと下方でもいいよなと思ったりしたので、ほんの少しだけ登り返して、写真中央の岩の下を横切りました。笹につかまれて安全。ロープは不要。写真左の快適尾根はまだ続いていたので、体力があれば、そのままどんどん下ってみたかった所です。
2015年09月22日 13:52撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/22 13:52
さて、登りで笹藪を横切ったH2100付近ですが、その先笹が薄くなると、土の斜面に木が疎らという状況がしばらく続きました。障害物がないので特に下りは快適で(急斜面ではありますが)、真っ直ぐ下っていったら横切り地点を過ぎてしまいました。実は登りで笹原横断はもっと下方でもいいよなと思ったりしたので、ほんの少しだけ登り返して、写真中央の岩の下を横切りました。笹につかまれて安全。ロープは不要。写真左の快適尾根はまだ続いていたので、体力があれば、そのままどんどん下ってみたかった所です。
昨晩は一缶だけ持ってきたビールで乾杯。朝は少しゆっくりして、撤収後のテン場です。右下の平らなところ。左奥が水場。
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昨晩は一缶だけ持ってきたビールで乾杯。朝は少しゆっくりして、撤収後のテン場です。右下の平らなところ。左奥が水場。
ここ3日は完全に晴だったのに、山の斜面からはこんなに水が。うっすらと虹が架かっています。
2015年09月23日 08:58撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
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9/23 8:58
ここ3日は完全に晴だったのに、山の斜面からはこんなに水が。うっすらと虹が架かっています。
H1900あたりでは本流もしょぼしょぼ。この辺から上は、自由に歩けます。
2015年09月23日 12:22撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
9/23 12:22
H1900あたりでは本流もしょぼしょぼ。この辺から上は、自由に歩けます。
稜線の一番低いあたりが千丈乗越。せめてあそこまでは。で結局、あそこで時間切れ。申し訳ありません。
2015年09月23日 17:08撮影 by  DMC-TZ30, Panasonic
9/23 17:08
稜線の一番低いあたりが千丈乗越。せめてあそこまでは。で結局、あそこで時間切れ。申し訳ありません。

装備

個人装備
長袖シャツ ズボン 靴下 フリース [冬用下着上下と予備靴下予備手袋] [ホッカイロ] 岩用グローブ 雨具上下 日よけ帽子 ザック [サブザック] 行動食7日分(主としてナッツ) 非常食(ブドウ糖など) 食材(アルファ米製品6日分とおかず2食分) 飲料(500mLペットボトル4本と粉末CCDドリンク10袋) ガスカートリッジ小2 コンロ 食器 ライター 地図(激藪氏のコピー) コンパス ヘッドランプ2 GPS(激藪氏のログ入り) GPS用予備電池 ボールペン ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め 虫除け 携帯 時計 タオル ツェルト ストック2本 ナイフ カメラ テント エアーマット シェラフ アイゼン [ロープ(12m)] [ハーネス] [カラビナ2] [スリング2]    []は不要(下記)。
備考  一番大事なのはアイゼン(6本爪、スノープレートは外す)で、硫黄岳登降ではずっと付けていました。おかげで急斜面の恐怖なし。たまに木の根とかに引っかかりますが。以前、急な草付で威力を経験しており、お勧めです。
 ロープやハーネスの類は、多分気休めとは思っていたのですが、全く出番なし。1箇所下りにロープがいるかもと思ったところも後述のように不要でした。ただ、崖っぷちでビバークしたので、その時だけ近くの巨木に確保して顔を立てました。
 冬用下着だのホッカイロだのは、ビバーク用のつもりでしたが、結局硫黄岳にシュラフを持って上がることにしたので、サブザックも含め不要でした。
 ストックは藪の中では大いに邪魔なのですが、もはや手と一体化しており、ないと普通の道でもバランスも取れないよぼよぼです。

感想

 もうすぐ70才の爺、急速に体力が衰えつつあり、コースタイムの倍かかることもしばしば。ガイドさんを御願いしても絶対に行けないと思っていた硫黄岳に、激藪氏が昨年無雪期に登られたことを発見し
http://www.gekiyabu.sakura.ne.jp/public/2014/140913-15%20ioudake/ioudake.html
もしかしたらと思いました。ただ、上部は這松の激藪とあり、南アなどにあるような密集して絡み合った漕ぎようもないような藪を想像して、どうせ途中で敗退かな、それにしては往復が大変だ。いろいろ参考にさせていただいているわたぼう氏
http://www.katch.ne.jp/~watabou/index.htm
あたりがきっと行かれるだろうから、その記録を見て考えよう。しかし9月も押し迫ってどなたの記録も発見できず、まあ行ってみるしかないか。
 初日はできたら六ノ沢出合、2日目は体力温存で登り口まで、3日目に登って4日目が予備、5日目か6日目に下山、と胸算用。実際は、よいしょと一歩体を持ち上げるたびにハアハア、あるいはハアハアハア、で全く捗らず。(ちなみに、大きなよいしょの時は、同時に思いっきり息を吐くと楽。)なにせ普通の道でも、人並みの速度だとすぐに乳酸がたまってしまうのです。スローなら長時間歩けるのだけが救い。今回は余計なものを持ってしまったし、医者には水をたっぷり飲めと言われてるので、最初は15kgくらいの荷。恐らくここ十年以上の中での最重量。おかげで(言い訳)、とんでもないコースタイムとなりました。
 硫黄岳そのものは、一日で帰ってこられない可能性大と思い(夜歩きは避けませんがさすがにこの山はなし)、最低限のビバーク支度をしていくつもりでした。ところが登山口までのあまりのだらしなさに、どこかで泊まりは確実だろう、となればしっかり寝よう、とシュラフを持って上がることにしました。小さなサブザックでは入り切りません。水も2L持ちました。こうなると、よほどの藪でなければ撤退するわけにはいきません(近頃は何かと理由を付けてはとても”潔い”のです)。頂上で泊まれそうなことは分かっていたので、最低でも頂上とは思いましたが、這松の激藪の恐怖から最後まで逃れられず、頂上手前でのビバークとなりました。でも寝るときには、翌朝何としてでも登るのだ、と自分を励ますことができました。そういえば、初めてアミノバイタルなるものを買って、硫黄岳の登降だけに全部で8袋くらい飲んだのですが、なんか効いたような気もします。テン場出発時には、モーラステープを腕も含めてそこら中に貼りました。痛くなってから貼るより効くようです。
 こんなよぼよぼ老人でも硫黄岳に登れたんだ、と分かれば皆さまの励みになるかもと、この記録を公開することにしました。情報としては、激藪氏のものですでに尽きています。激藪さん、本当にありがとうございます。頂上で懐かしい山々に囲まれての小一時間、まさに至福でした。
 GPSを持っていれば(藪でなくしたりしなければ)大きく迷うことはないわけですから、マーキングはもしかしたらなしでもよいのかもしれません。体力さえあれば、試行錯誤ができますし。何となくですが、この山は、激藪氏コースの近辺の小尾根なら、どこでも歩けるのではないかな、と感じなくもありません。私自身はこれまで、マークは他人様の残されたものを探させていただくのが主で、必要に応じて自分のを足すという程度でした。というわけで上手なマーキングはできません。ただ今回は、ルート探しで歩き回る体力などないのが分かっていましたから、激藪氏に倣って、いずれ土に還る紙テープを持っていきました。なんと5巻も。糊付きにしたので短く貼ることができ(太い木だと正面からしか見えない!)、2巻弱しか使いませんでした。戻り道、高密度でテープを貼った部分は精神的にとても楽で、さぼったところは大いに後悔しました。貼るのも結構手間ではありますが。
 行き帰りとも千丈乗越で時間切れ緊急幕営となってしまったのは、決して意図してのことではありません。水場もないのですから。まことに申し訳ございません。

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コメント

treeappleさん以外の記録が出るとは!
 treeappleさんの記録に出てくるテントの主ですね。無雪期硫黄岳登頂の偉業達成、ご苦労様でした。山レコでは下山日から一定期間が過ぎると新着一覧に表示されなくなるので、この記録を目にする人は少ないでしょうね。私はグーグル検索で発見しました。

 このルートで登るのは藪屋だけで普通のアルピニストなら文句無しに残雪期の硫黄尾根でしょう。ネット上で徐々に情報が溜まってくると、挑戦者が増えるかもしれません。でも情報があっても難易度は先駆者と変わらず不変で、誰でも行けるような場所ではないですね。

 とにかく長丁場、ご苦労様でした。
2015/11/29 21:36
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