【台湾最高峰 3,952m】玉山 (日本名:新高山)
- GPS
- 15:19
- 距離
- 22.7km
- 登り
- 2,956m
- 下り
- 2,900m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
飛行機
台北→高鉄嘉義 : HSR (台湾の新幹線) 高鉄嘉義→阿里山 : バス 阿里山→上東埔/塔塔加登山口 : チャーター車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・入山には事前申請/許可が必要です。(詳しくはページ下部の[感想]にて) ・頂上直前の400mほどの区間は、かなり急で鎖場のような箇所がありましたが、 基本的に登山道はよく整備されており、安全に登ることができました。 特に初日の塔塔加登山口から排雲山荘までは楽なコースです。 |
その他周辺情報 | ・登山口に近い有名な観光地の阿里山にて前泊/後泊しました。 ・阿里山はホテルの相場が高いようなので、もう少し離れた場所で宿泊するとコストが抑えられるかもしれません。 |
写真
装備
個人装備 |
パスポート
入山許可証
入山申請書(警察提出用)
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
携帯
時計
サングラス
タオル
|
---|---|
備考 | 日本の山小屋と異なり、排雲山荘にはコーヒー・お酒やおつまみが買える売店がありませんでした。もう少し食料系を充実させると良かったかも。 |
感想
【見所】
・メインの見所は日の出。その意味では富士山的な山だなという印象でした。
・1日の入山数が制限されていて混雑しておらず、快適な登山が楽しめました。
・バス移動区間を含めると、地上付近の熱帯的な植生から茶畑、針葉樹林帯と標高に応じてどんどん植生が変化してくのはなかなか面白い感じです。昔日本人がだいぶ伐採しちゃったようですが、それでもまだまだ天然の巨木が残っており、見所です。
・標高は3952mと富士山より高いのですが、森林限界を超えているのは頂上付近だけなので、北アルプス的な高山の雰囲気を感じなが歩くという楽しみはありませんでした。
【初海外登山としてもオススメ】
・さすがに隣の国ですので、全般的には行動しやすいです。治安も不安を感じるような場所はありませんでした。
・唯一困ったのが、見た目では日本人とわかってもらえず、徹底的に中国語(もしくは台湾語?)で話しかけられたことぐらいです(笑)
・海外とは言っても隣の国なので、アメリカやスイス、ニュージランドの山のように「日本の山と全然違う雰囲気」という感じではないです。日本の山の常識が概ね通用します。
・ツアーもあるが、全部自分で手配可能。
コスト効率や時間効率の点では、日本からの登山ツアーに参加したほうがいいと思います。が、日本語も英語もけっこう通じるし、漢字で筆談するという手段も使えるので、自由に行動したい人は自分で入山申請や予約して行くのがオススメです。日本で登山経験があれば、初海外登山でも全く問題ないと思います。(さすがに初海外旅行で行くには厳しいかも。)
【入山許可について】
・玉山への入山は1日90人ほどに制限されており、
事前に入山許可証を取得する必要があります。
申請は35日前までにネットから行い、抽選に当たれば入山することができます。
90人のうち、20人ほどの外国人枠があり、そちらの方が当選しやすいようです。
抽選日は1ヶ月前なので、まず入山の申請を行い、当選後に航空券やホテルを予約しました。
・申請窓口
https://mountain.ysnp.gov.tw/japan/index.aspx
日本人の場合は、外国人旅客「排雲山荘」事前申請という枠で申請します。
入山許可と山小屋「排雲山荘」を同時に予約できるものです。
外国人枠なので抽選には当たりやすいです。
なお、申込の混雑状況は公開されているので、
https://mountain.ysnp.gov.tw/japan/LocationAppIndex.aspx?pg=01&w=3&n=31003
日程に余裕がある人は、
人数が少ない日を狙って申請するのもいいかもしれません。
申請方法の概要はホームページ上に書かれているのですが、細かいことは
申請・手続きを進める過程で送られてくるメールの方に記載されています。
メールは、中英日の3ヶ国語で書かれているのですが、
中国語や英語で書かれていることが日本語版には書かれていなかったりします。
日本語で概要をつかんだ後は、中国語版・英語版もチェックした方がいいかと思います。当然中国語版がもっとも正確っぽいです。
・添付書類について
申請ページには3000m以上の山に登った証明云々とかかれていますが、
排雲山荘に宿泊する場合は、必要な添付書類はパスポート(の写真)のみです。
(日帰りで登る場合のみ登山経験の証明が必要)
・装備やルート計画の記入欄
例を参考に大まかに記入すれば問題なさそうです。
日本語で記入しましたが、特に問題なく許可されました。
・料金の振込について
振込先は当選後送られてくるメールに記載されています。
ただ、日本から送金すると手数料が高く、台湾ドルでの送金も難しいので、
オークション代行をされている方を経由して振込ました。
http://www.bobo.url.tw/nippon/
なお、外国人の場合は当日現地払いが許されるようで、
その旨を当選後連絡しておけば事前の振込は不要なようです。
(英語版にしか記載されておらず、振り込んだ後に気づきました。。。。)
・問い合わせ先
その他わからないことは問い合わせましょう。
https://mountain.ysnp.gov.tw/japan/Email_Index.aspx?pg=03&w=3&n=34001
上記ページから日本語で問い合わせると、けっこうきちんと返事が返ってきました。
【排雲山荘の寝袋・食事の予約】
入山許可や山小屋のスペースの予約は上記の国家公園局に申請するのですが、
食事と寝袋の提供は民営化されており、連絡先が異なります。
http://www.yushansky.com.tw/multimedia2.html
から英語の注文書をダウンロードして、
ページに書かれているアドレスにメールしました。
こちらも、事前に言っておけば現地払い可能です。
注文したのは、寝袋+夕食+早い朝食+ブランチのセットです。
「早い朝食」は、日の出を見たい人向けの朝食で、私が訪問したときは
朝2:30に提供されました。また、夕食は17:30、ブランチは8:00だったかと思います。
ただ、こちらは公園局と異なりオペレーションがややいい加減でした。
私の場合、2回メールしても返事が帰ってこなかったので、
電話で確認を依頼しました。(英語は通じました。)
で、その後予約を確認した旨の返信メールまで受け取ったのですが、
結局現地にいってみたら予約が山荘に伝わっていませんでした。
確認メールのプリントアウトを持参していたので、交渉して特に問題なく食事も寝袋もゲットできましたが、
当日現地で申し込むと少し料金が高いようです。
また、人数によっては食材の用意がないかもです。
なので、こちらについては直前にリコンファームするなど、
警戒しておいたほうがいいかと思います。
【警察への申請】
上記の入山許可とは別に、外国人は警察にも申請が必要です。
http://www.npa.gov.tw/NPAGip/wSite/lp?ctNode=12421&CtUnit=1728&BaseDSD=7&mp=1
から『外國人入山申請書』をダウンロードして事前に記入しておき、
当日塔塔加の警察に提出します。
パスポートと入山許可証を見せる必要はありましたが、
警察に出す書類は、外國人入山申請書だけでOKでした。
【地図について】
・紙の地図
私がネット上で入手できた中でもっとも詳細な地図は、
玉山国家公園の各種パンフダウンロードページ
http://www.ysnp.gov.tw/jp/downloads/index.aspx
にある"Northwestern Section of Yushan"というPDFに入っているものです。
私はこの一部を拡大プリントアウトして持参しました。
等高線は入っていますが、コースタイムは入っていません。
コースタイムについては本山行記録の写真1つめの概念図をご参照ください。
現地に行ってみると、昭文社の[山と高原地図]と同様のものを持っている人がいたので、
台湾では登山地図が売っているようです。(たぶんこれ↓)
http://www.books.com.tw/products/0010673286
・玉山登山アプリ『玉山登頂趣』
https://itunes.apple.com/jp/app/yu-shan-deng-ding-qu/id647752016?mt=8
地図の解像度がイマイチなのですが、コースタイム入りの登山地図が表示できるアプリもありました。地図上に現在地が表示できて便利なのですが、日本国内で起動してみたときはエラーが出て使えませんでした。現地で起動してみると問題なく使えました。
【装備などの注意点】
・基本的には日本の山と同様の装備で大丈夫でした。
・注意点(1):排雲山荘では水(飲める冷水)の提供がなく、お湯のみです。
お湯があるのはイケテルのですがペットボトルだと溶けるので
熱いお湯を入れられるものを持参したほうがいいと思います。
(飲めない)水道はあります。
・注意点(2):売店がありません。
お酒やおつまみ、コーヒーなど、必要な方は持参したほうが良いです。
・注意点(3):高山病対策
富士山より高く、高山病には気をつける必要が有ります。
私の場合は、台北にいるときからダイアモックスを服用しました。
ダイアモックスは
http://www.jstm.gr.jp/japan_map.html
に記載のある病院で入手可能です。
・注意点(4):ガスカートリッジの入手
カートが飛行機に持ち込めないので、使う方は現地入手が必要です。
私の場合今回は持ち込みませんでしたが、
排雲山荘の外や(本当は禁止されているけど)途中の休憩所で使っている人はいました。
他にもあると思いますが、台北駅の東側にアウトドアショップが並んでいる場所をたまたま通りがかって見つけました。このあたりで入手できるかと思います。
https://www.google.co.jp/maps/@25.04651,121.5198607,3a,75y,321.79h,74.59t/data=!3m6!1e1!3m4!1sXL7jd7nCcndTx5qSztUQgw!2e0!7i13312!8i6656!6m1!1e1
・注意点(5):登山口から先は全面禁煙でした。
・注意点(6):SIMカード
たぶん、日本の携帯会社のローミングも使えると思いますが、
SIMフリーのiPhoneなどを使われている方は、
より安価なプリペイドSIMがお勧めです。
台北の空港には外国人用のSIMカードが売っており、
外国人向けはデータ通信使い放題です。
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/yamaguchi_kenta/070200009/
なお、排雲山荘にはフリーWIFIがありました。が、ときどき、
繋がらないことがありました。
【交通・ホテルの手配など】
日本からの移動も含め、アプローチはどうしても時間がかかってしまいました。
山行は一泊二日ですが、台北・阿里山でそれぞれ前後1泊づつしました。
・日本→台北
今回マイルを使ったのでほとんど調べてませんが、
格安航空も含め、日本から台湾にはいろいろ飛んでいるようです。
観光含め台北から入るのが普通かと思いますが、高雄に入るのもありかも。
http://www.skyscanner.jp/
・台北→嘉義
嘉義は玉山にもっとも近い大きな街です。
台北からなら台湾新幹線(高鉄/HSR)で行くのが早いです。
(ただし、新幹線の駅は郊外に立地)
時刻表などはこちら。
http://www5.thsrc.com.tw/jp/?lc=jp
切符はアプリでとると、そのまま電車に乗れます。
https://itunes.apple.com/tw/app/tai-wan-gao-tie-t-express/id468963664?mt=8
・高鉄嘉義→阿里山
阿里山は有名観光地で、確か標高2400mぐらいのところにあります。
登山口から車で30分ぐらいのところにあり、
ホテルやコンビニもあるので、前泊の場所としてはまずまずです。
ただし、ホテルは高いです。
高鉄嘉義から阿里山へはバスが1日3本でてます(阿里山A線)。
http://www.taiwantrip.com.tw/Besttour/Info/?id=10
時刻表は、上記ページの「台湾トリップバス情報」というタブをクリックして、
さらに「時刻表と料金」というボタンをクリックすると見れます。
なお、往路(高鉄嘉義→阿里山)はガラガラで、帰路(阿里山→高鉄嘉義)
はほぼ満席でした。
特に予約はせず、往路は現金払い(ただしお釣りは出ないので、
きっちりした金額が必要)できました。
しかし、帰りも現金で払おうとしたら、
なぜか阿里山のセブンイレブンでチケットを買わされました。
なお、多くの台湾人はEasyCard(台湾のSuicaみたいなやつ)で払ってました。
・阿里山のホテル
阿里山賓館というホテルに泊まりました。阿里山では一番いいホテルです。
阿里山にはもう少し安いところもあるみたいなのですが、
ページを見ても中国語のみだったり有名どころの予約サイトに
登録してなかったりするので、予約は断念しました。
なお、阿里山賓館は、中国本土で超有名なctripから予約しました。
http://jp.ctrip.com/
(阿里山泊以外の手段について)
高い阿里山賓館を避けたい場合、他にも手段はありそうです。
参考までに記載しておきます。
・上東埔駐車場からわりと近いところに東埔山荘という小屋があります。
が、電話しても中国語のみで、英語も通じず、断念しました。
中国語できたり、台湾人の友達がいる方は予約できるかも。
http://dongpu.mmweb.tw/
・上東埔駐車場でのキャンプ
当日の朝行ってみると、テントを張っている人たちがたくさんいました。
許されているのか不明ですが、レンタカー利用なら、
上東埔でのテント泊もありかと。トイレと水道(たぶん飲めない)はあります。
・登山ツアーは東埔温泉という街を前泊に使うことが多い様です。
レンタカー利用なら、東埔温泉もありかもです。
http://www.taipeinavi.com/play/400/
・阿里山→上東埔駐車場
阿里山賓館にチェックイン時に、車を手配してもらいました。
朝6:00に迎えに来てくれて$500でした。
どうやら、上東埔→登山口 間のシャトルバス(というかバン)を
やっている業者が阿里山から上東埔そこまで行く際に便乗させくれる
もののようです。
ただ、フロントの人は一般の日の出ツアー客向けのバスに詳しくても、
登山客には詳しくないらしく、
この手段が出てくるまでだいぶ時間がかかりました。
なお、帰りについては上東埔駐車場にバスやタクシーが待っているような
感じのことがどこかに書かれていたので特に手配しなかったのですが、
下山してみるとぜんぜんおらず、困りました。
幸い、客を待っていたツアーバスの運転手さんがたまたま通りがかった
仲間の業者と思しき車を見つけてくれて、阿里山まで帰ることができました。
が、7人乗りの車を丸々貸し切ることになり$1000かかりました。
結局この区間の最適な移動手段は不明ですが、
下りもなんらかの方法で車を手配した上で登られることをお勧めします。
【その他関連リンク】
・Wikipedia 玉山
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%89%E5%B1%B1_(%E5%8F%B0%E6%B9%BE)
・Wikipedia 阿里山
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E9%87%8C%E5%B1%B1
・参考にさせていただいた山行記録。ありがとうございました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-453810.html
http://www.ritouki-aichi.com/0904taiwanmy-photo/gyokusan-taiwan.htm
コメント
この記録に関連する登山ルート
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今年登山を検討していますので、大変興味深く拝見しました
shiogenさんはツアー参加ですか?ソロですか?
ガイドなしでも入山可能でしょうか?できればソロで登りたいので。
ご返信遅くなり恐縮です。
私はソロで登りました。
今は、ガイドがいないとダメという規制はないようです。
と思ったら詳細なレコがありました。大変参考にさせていただきます。
そうは言っても独自で行くのは大変ですし、スゴイですね。
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