飛騨沢〜新雪の槍ヶ岳へ挑戦 孤高の峰

2015年11月03日(火) 〜 2015年11月04日(水)

• GPS: 32:00
• 距離: 25.8km
• 登り: 2,153m
• 下り: 2,146m

コースタイム

1日目

• 山行: 2:38
• 休憩: 0:26
• 合計: 3:04

13:10 新穂高温泉駅
13:12 13:12 小鍋谷ゲート
13:48 13:52 穂高平小屋
14:22 14:40 白出小屋
15:30 15:34 滝谷避難小屋
16:14 槍平小屋

2日目

• 山行: 9:37
• 休憩: 2:13
• 合計: 11:50

4:30 槍平小屋
6:14 6:17 飛騨沢千丈乗越分岐
9:05 9:08 飛騨乗越
9:19 9:48 槍ヶ岳山荘
10:21 10:37 槍ヶ岳
11:03 11:14 槍ヶ岳山荘
11:20 11:23 飛騨乗越
11:58 11:58 飛騨沢千丈乗越分岐
13:00 13:31 槍平小屋
14:08 14:29 滝谷避難小屋
15:10 15:21 白出小屋
15:43 15:48 穂高平小屋
16:20 16:20 新穂高温泉駅
16:20

天候

2015/11/2の天気図
http://www.tenki.jp/past/2015/11/02/chart/
2015/11/3の天気図
http://www.tenki.jp/past/2015/11/03/chart/
2015/11/4の天気図
http://www.tenki.jp/past/2015/11/04/chart/

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

行き：
濃飛バス　松本BC 11:05 - 平湯温泉 12:30/12:40（乗換え）- 新穂高ロープウェイ 13:16
松本〜新穂高はチケット通しで購入できました。夏季は直通バスあり。

帰り：
濃飛バス　新穂高ロープウェイ 16:55 - 高山濃飛BC 18:31
同上　　　高山濃飛BC 19:00 - 名古屋駅 21:30　予約制

コース状況／危険箇所等

槍平〜飛騨沢2300m … 所々に雪あり、夏道。夜明け前ハイクで枝沢に誘導されないか最初不安でしたが、要所にしっかり赤テープがあって安心できました。

飛騨沢2300〜2600m … 千丈分岐点まで前日下山者2名のトレースあり。分岐から千丈沢乗越はルート判別不能。登るにつれ雪は増え続け、足が潜りました。

飛騨沢2600〜3000m … カール地形、新雪の大斜面でトレースなし（あっても微風程度で消える）。膝程度のラッセルが主ですが積雪深にムラがあり、あちこちで石礫帯が露出。吹き溜まりでもブッシュの枝先が出ています。ピンクテープの竹棒の頭も出ており、それらを繋ぐようにツボ足で登りました。下りは大斜面を気持ちよく飛ばせます。

槍の肩〜穂先 … 誰もいないので往復下山ルート利用。鎖30%が雪埋没（70%は出てました）梯子は着氷なし、ルートマークも夏同様、ただし足元は岩と雪の50/50ミックスで12本爪アイゼン登降。グリップが効きにくい腐れ雪でしたが、日陰はクラストしてました。ピッケルは鎖が出ていると邪魔ですが、そうでない箇所は必携アイテム。

その他周辺情報

本当に静かな山行でした。入山日を異にする計３名とすれ違ったのみ。槍平は別棟の冬季小屋が開放されており、無料で利用できました。水場の沢とトイレあり、小屋内部もキレイで申し分ありません。

新穂高〜穂高平の林道ショートカットを往復使いましたが、道幅が狭く落ち葉で滑りやすく感じました。

写真

11/3 9:35

松本へ向かうスーパーあずさ5号

11/3 12:58

平湯温泉乗り換えで新穂高へ。岐阜側はやはり遠い

11/3 13:12

13:12 右俣林道より入山

11/3 13:48

心地良い穂高平

11/3 13:48

ガスの切れ目から雪化粧した奥穂高岳

11/3 15:30

神々しい。滝谷出合より見上げる北穂高の稜線

11/3 16:14

今宵の宿、槍平冬季小屋

11/3 16:44

エアマットを敷きシュラフを準備。誰もいない夜

11/4 5:10

しんしん冷える早朝 04:30 、ヘッドライトで歩き出す

11/4 5:50

白みががる空。槍ヶ岳が見えた

11/4 6:04

夜明けの笠・抜戸岳。素晴らしい1日になりそう

11/4 6:04

笠・抜戸ズーム

11/4 6:14

千丈分岐点。ここでトレースは消えた

11/4 6:15

06:15 まず抜戸岳が朝日を浴びた

11/4 6:24

その9分後に笠ヶ岳もご来光。影のカタチに着目

11/4 6:33

大キレットの巨大シルエット。実は11月〜2月しか見れない

11/4 6:34

初冬の雪肌。北アルプスに来て良かった

11/4 6:44

膝で押し固め、四肢で体重分散してラッセル

11/4 7:02

独り黙々と雪に沈む。ツボ足でマイペースに

11/4 7:49

上部はカールを斜上。写真では薄っすら雪と間違えるかも

11/4 8:07

一幅の絵画を見るような絶景

11/4 8:07

双六〜三俣蓮華岳。多雪の山域だけあって真っ白

11/4 8:10

行けども着かない。しばしラッセル苦行

11/4 8:30

背後に白山。笠ヶ岳とほぼ同じ標高まで来たか

11/4 9:03

凍てついた雰囲気の大喰岳西尾根

11/4 9:03

カール最後の詰め。来し方を振り返る

11/4 9:03

道標が見えた。あとは飛騨乗越へ一直線

11/4 9:05

09:05 稜線に出た。千丈分岐点から3時間が経過

11/4 9:06

槍ヶ岳の穂先と対面。思ったほどの積雪はない

11/4 9:06

大喰岳を振り返る

11/4 9:07

エビの尻尾は可愛いミニサイズ

11/4 9:14

新穂高の谷。降雪ラインがはっきりしている

11/4 9:19

09:19 槍ヶ岳山荘に到着。冬季小屋あり

11/4 9:24

冬季閉鎖中の正面玄関

11/4 9:25

お馴染みのライブカメラ発見

11/4 9:26

槍沢を俯瞰。トレースあり1パーティが下った模様

11/4 9:26

凛と佇む穂先。風もない、誰もいない

11/4 9:26

ルートを確認。下山コースで攻めることにした

11/4 9:29

どら焼でエネルギー補給。シャリバテの特効薬なり

11/4 9:50

穂先へ。ヒトリストの挑戦が始まった

11/4 9:59

大喰岳と穂高連峰。いつしかのカレンダーに見た風景

11/4 9:59

穂先は岩と雪のミックス壁だった

11/4 10:01

ここはヴィアフェラータの感覚で、グイグイ上がっていく

11/4 10:05

雪に埋まった鎖を引き出した。ピッケル刺せば問題ないが、下りの際に心強い

11/4 10:05

来し方を見下ろす。最大で50°くらいのミックス

11/4 10:17

こんな場所にトレースが残っていて感謝

11/4 10:17

頂上梯子の手前でひと呼吸。右に転落したら命はない

11/4 10:27

ひゃっほう

11/4 10:24

セルフタイマー撮影

11/4 10:26

一人きりだと、不思議と広く感じる

11/4 10:25

山頂の祠。下山の無事を祈った

11/4 10:25

生まれて初めて至近距離に見る、冠雪の北鎌尾根

11/4 10:25

加藤文太郎の世界。ソロで自分がここまで来れるのは、ルート整備と道具進化のおかげ

11/4 10:31

昭和初期にここを登った人がいた。本の感動が鮮明に蘇る

11/4 10:26

表銀座コース。雪がつくと急峻なのに気づく

11/4 10:26

東鎌尾根ズーム。ヘリで見下ろしたような景色

11/4 10:26

三角錐の常念岳

11/4 10:26

大天井岳。常念山脈の中では最も白い

11/4 10:26

後立山連峰。一番奥が白馬〜鹿島槍、手前に針ノ木と蓮華

11/4 10:26

剣・立山。手前は裏銀座と竹村新道

11/4 10:26

黒部五郎岳〜北ノ俣岳。常念山脈とは積雪量があまりに違う

11/4 10:26

薬師岳。その左手前に真っ白の台地、雲ノ平

11/4 10:27

槍ヶ岳山荘との高低差は100mほど

11/4 10:27

厳冬期、ウィペットでこれを登るBCスキーヤーもいる。命がけだと思う

11/4 10:27

富士山遠望。手前は甲斐駒〜間ノ岳

11/4 10:27

乗鞍と御嶽。かすかに噴煙が上がっている

11/4 10:28

穂先より北西の展望。槍平は谷底過ぎて見えない

11/4 10:28

笠ヶ岳の後ろには、加賀白山がくっきり

11/4 10:28

穂先より南の展望。雪の3000m峰が連なる

11/4 10:29

厳しくも美しい穂高連峰

11/4 10:33

西鎌尾根と黒部源流の山々

11/4 10:28

10:37 新穂高へと下山開始。長い鉄梯子で始まる

11/4 10:38

2連で架かる31段、垂直梯子。アイゼンで降りていく途中岩が張り出した箇所あり

11/4 10:49

鎖を掴んで日陰の溝に前爪を蹴りこむ。ザクッという良い音

11/4 10:50

岩場の途中から

11/4 10:54

来し方を振り返る。この先で鎖が途切れた

11/4 10:55

集中！と思わず呟やく。後ろ向きにクライムダウン

11/4 11:03

そして、解放された。思わず叫びたくなる瞬間

11/4 11:09

久々の満足感

11/4 11:14

後ろ髪を引かれる思いで、槍ヶ岳山荘を後にする

11/4 11:18

そして、飛騨沢にドロップイン

11/4 11:28

登りでつけた自分のトレースをスキップで駆け下る。左へターン

11/4 11:32

右ターン。実際滑ったら大転倒するであろう小石つぶつぶ

11/4 11:36

よって脳内BCスキー

11/4 11:39

ふかふか斜面を見つけて一直線に飛ばす

11/4 11:39

走った痕跡

11/4 11:42

まだ下る。ディアミールが本気で欲しくなった。始めたら戻れないんだろうなぁ

11/4 12:00

登りで3時間かかった飛騨沢カール、40分で下ってしまった

11/4 12:35

水場で喉を潤す

11/4 13:01

槍平のキャンプ地。穂高の山々に囲まれている

11/4 13:30

楽しかった。またいつか来よう

11/4 13:36

滝谷出合へ

11/4 15:10

白出沢を横断

11/4 15:43

穂高平より、雪山に別れを告げる

11/4 16:20

16:20 新穂高に下山

撮影機器：

PowerShot S110 CANON

コメント

taichi_n26

美しい写真をありがとうございます
本当に美しい写真 の数々に感動しました。
他のレコも素晴らしそう。 拝見させていただきます。

taksizm

Re: 美しい写真をありがとうございます
taichi_n26 さん

コメントありがとうございます。

毎回ほぼ単独行なうえ、雨 の山行が苦手なもので、レコは晴天写真の一辺倒になってます

今回の槍は最高のコンディションでした 腰ラッセルや強風だったら正直、早々撤退していたと思います

はむぴ

登頂おめでとうございます。
昨日(5日)登った者です！
やけに鎖が雪に埋もれてないな…と思ったら…！

それにしても大雪の翌日に登頂とは…畏れ入りました

taksizm

Re: 登頂おめでとうございます。
Hamussyさん

コメントありがとうございます

ご指摘の通り、前日11/3は冬型でした 千丈分岐点で上部の様子がわかったので良コンディション楽しめたものの、もう少し積もれば表層が雪崩れるかも知れないですし 本当に毎回が勉強です

レコ拝見しました。全て鎖が出てたとすると、気温が暖かかったのかも 11/4はキャメルバックのチューブが朝凍り、穂先の雪も日陰は硬かったです。

ご登頂おめでとうございます

えのしまん

始動
はじめまして！
はやっ!!!
早くもBC始動。
それも槍ヶ岳ですか。
やりますねえ。
槍平まで滑れたのでしょうか？
電車とバスを乗り継いでいかれたのも天晴れです。
昨シーズンから諸事情で車が無いので山スキー行きそうな周りの人達の顔を伺いつつ居候を決め込んでいるのですが、これは見習わなくっちゃですね。

ご免なさい。
脳内BCでしたか。
早とちり

taksizm

Re: 始動
enoshimanさん

はじめまして

たまたま雪が積もった翌日のフカフカで、下りの最中脳内スイッチがスキーモードに入ってました 　笑

当方オフピはアルペン板で少しかじった程度のビギナーで、今冬こそは少しずつBC始めようと企んでます 飛騨沢滑走できる日などいつ来ることやら