記録ID: 759275
全員に公開
沢登り
近畿
比良山系 烏谷山 大谷川〜大岩谷〜ルンゼ直登
2015年11月04日(水) [日帰り]
体力度
2
日帰りが可能
- GPS
- 08:00
- 距離
- 5.3km
- 登り
- 730m
- 下り
- 730m
コースタイム
日帰り
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:00
11:45
255分
スタート地点
16:00
16:00
45分
烏谷山山頂
16:45
ゴール地点
“百年前の山を旅する”という服部文祥氏の紀行文集の序章に
登山とは、あるがままの大自然に自分から侵入していき
そのままの環境に身をさらした上で、目標の山に登り、帰ってくることだ
自分の力では出来ないことを、自らを高めること無しに
テクノロジーで解決してしまったらそれは体験ではない。
自然に近いところで活動することが登山の根源的な魅力なのだ。
だから登山者はできる限り生身であるほうがいい。昔の山人のように。
同書9P参照
とある。
氏の登山に対するスタイルは山に対してフェアであろうとし
正面から向き合い、踏破するというより共生しその中で峰々を訪れていく
といったような印象を私は受けています。
まるで昔の人々が交通の手段として山を越え、山の恵みを受け暮らし、生活の一部に山が入り込んでいたように山を楽しまれているような気がします。
私自身はまだまだ技術も経験も体力も乏しいので
最新の技術の結晶のような登山装備を揃え常日頃は山に入っています
また、綺麗に整備され鎖やハシゴがあり危険箇所などが記載された地図まである登山道を登っていくことで
本来の自分の技術で登ることは不可能な
槍や劔、穂高へと安全に登らせて頂いています
しかし、いつも登った後にまるで観光地を訪れているかのような感覚で
登山をしているといった実感がなく、喪失感すらある事が多々ありました
そこで今回の登山では装備を削り
地図に道が載っていなく
また、ネット等でも情報の出てこないルートを探して登りに行ってきました
アプローチとして古では坊村と琵琶湖湖西を結ぶ生活の道として使われていましたが
今は廃道となって地図では波線ルートとなっている葛川越へと至る古道沿いの大谷川から大岩谷へと至り
そしてそのまま沢を詰め烏谷山へと直登して行きました
烏谷山へとなぜ直登したかというと
古道のように葛川越からクルシ谷を経て坊村へと抜けるより
烏谷山から擂鉢山を経て坊村へと抜けていったほうが安全なのではないか?
という愚直な好奇心からでしたが
人の入った痕跡はおろか、獣の痕跡すらありませんでした
大谷川沿いにはかつてあった道が崩落などで途切れつつも残っていました
川が伏流となり枯れた沢を登り始める地点から道は尾根へと続いていましたが
そのまま沢を直上し行き詰まったら薄く残る獣道や草付きをよじ登り他のルンゼ等に移って登りまた元の沢へと戻る
という事を繰り返しているうちに葛川越への古道へと合流しました
小さな尾根を超えるトラバースでも気を抜けないような急斜面で
頼りになるような木や岩も脆いものが多く
時間をかけ模索しながら登っていました
おそらく昔この道を拓いていった山人達も
迷い模索しながら歩き、より安全なルートを選んでいったのではないかと思います
合流後は炭焼き窯跡を烏谷山へと直登していきましたが
少し登ると人の入った痕跡のない狭いルンゼとなり
エスケープをしようと尾根へよじ登っても反対側は切れ落ちておりロープなしでは下降不能で
腹をくくってザレて急な岩場や草付きを登って行きました
もとよりロープがあっても届かないような高低差の部分もあり
内部では岩は脆く支点が取れそうになかったのでフリーで登っていくしかないと思われます
山頂付近の草付きで傾斜がゆるくなっていくにつれ安堵と共に
安易な考えで登った事を猛省しました
遭難せずに生きて帰ってくる事ができて本当に良かったと久しぶりに思い
様々なことを考えさせられる山行となりました
尚、地図のルートは手入力で入れたので実際のものと異なります。
登山とは、あるがままの大自然に自分から侵入していき
そのままの環境に身をさらした上で、目標の山に登り、帰ってくることだ
自分の力では出来ないことを、自らを高めること無しに
テクノロジーで解決してしまったらそれは体験ではない。
自然に近いところで活動することが登山の根源的な魅力なのだ。
だから登山者はできる限り生身であるほうがいい。昔の山人のように。
同書9P参照
とある。
氏の登山に対するスタイルは山に対してフェアであろうとし
正面から向き合い、踏破するというより共生しその中で峰々を訪れていく
といったような印象を私は受けています。
まるで昔の人々が交通の手段として山を越え、山の恵みを受け暮らし、生活の一部に山が入り込んでいたように山を楽しまれているような気がします。
私自身はまだまだ技術も経験も体力も乏しいので
最新の技術の結晶のような登山装備を揃え常日頃は山に入っています
また、綺麗に整備され鎖やハシゴがあり危険箇所などが記載された地図まである登山道を登っていくことで
本来の自分の技術で登ることは不可能な
槍や劔、穂高へと安全に登らせて頂いています
しかし、いつも登った後にまるで観光地を訪れているかのような感覚で
登山をしているといった実感がなく、喪失感すらある事が多々ありました
そこで今回の登山では装備を削り
地図に道が載っていなく
また、ネット等でも情報の出てこないルートを探して登りに行ってきました
アプローチとして古では坊村と琵琶湖湖西を結ぶ生活の道として使われていましたが
今は廃道となって地図では波線ルートとなっている葛川越へと至る古道沿いの大谷川から大岩谷へと至り
そしてそのまま沢を詰め烏谷山へと直登して行きました
烏谷山へとなぜ直登したかというと
古道のように葛川越からクルシ谷を経て坊村へと抜けるより
烏谷山から擂鉢山を経て坊村へと抜けていったほうが安全なのではないか?
という愚直な好奇心からでしたが
人の入った痕跡はおろか、獣の痕跡すらありませんでした
大谷川沿いにはかつてあった道が崩落などで途切れつつも残っていました
川が伏流となり枯れた沢を登り始める地点から道は尾根へと続いていましたが
そのまま沢を直上し行き詰まったら薄く残る獣道や草付きをよじ登り他のルンゼ等に移って登りまた元の沢へと戻る
という事を繰り返しているうちに葛川越への古道へと合流しました
小さな尾根を超えるトラバースでも気を抜けないような急斜面で
頼りになるような木や岩も脆いものが多く
時間をかけ模索しながら登っていました
おそらく昔この道を拓いていった山人達も
迷い模索しながら歩き、より安全なルートを選んでいったのではないかと思います
合流後は炭焼き窯跡を烏谷山へと直登していきましたが
少し登ると人の入った痕跡のない狭いルンゼとなり
エスケープをしようと尾根へよじ登っても反対側は切れ落ちておりロープなしでは下降不能で
腹をくくってザレて急な岩場や草付きを登って行きました
もとよりロープがあっても届かないような高低差の部分もあり
内部では岩は脆く支点が取れそうになかったのでフリーで登っていくしかないと思われます
山頂付近の草付きで傾斜がゆるくなっていくにつれ安堵と共に
安易な考えで登った事を猛省しました
遭難せずに生きて帰ってくる事ができて本当に良かったと久しぶりに思い
様々なことを考えさせられる山行となりました
尚、地図のルートは手入力で入れたので実際のものと異なります。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
散策がてら大岩谷近辺の地図記号にある小滝を見に脇道にそれルンゼにはいりましたが破線ルートを少しでも外れると腰ぐらいまであるような岩でも簡単に動く不安定なガレ場となっていました。 トラロープが張られているので間違えることはないと思われますが葛川越を目指される方で苔むした不安定な道になってきた場合はルートミスをしていると考えられた方がいいと思います。 葛川越レスキューポイント1に合流後、烏谷山方面へ直進しルンゼを登攀しましたが 全体的に嫌らしくざれたスラブやチムニー状の地形や急な草付きを登らねばならず 滑落の危険が常に伴うルートでした。 支点を取れるようなアンカーが乏しく懸垂下降等は困難の為 しっかりと見極め判断をして入ってください また、外岩でのクライミング等の経験がない方は入るべきではないと思われます。 |
その他周辺情報 | 駅からの道のりにローソンあり。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
着替え
靴
ザック
行動食
飲料
地図(地形図)
筆記用具
保険証
携帯
時計
タオル
|
---|---|
備考 | 初歩のクライミングの技術があれば部分部分の難所は私でも登ることができたので突破していくことはできると思います。 しかし、ゲレンデとは違い岩は脆く、叩いたら崩れるようなホールドが多かったので慎重を期して登らねばならず、想定より多くの時間を費やすと思われます。 私は何も持って行きませんでしたがロープやクライミングギア等があればリスクを減らすことができると思います。 地図を見て何となくルート取りを考えて山に入ったのですが、イメージと異なり死を意識しながら登り続ける山行となってしまいました。 自責の念を持ってこの山行を記録として残そうと思います。 |
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コメント
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はじめまして、deepkickと申します。読ませていただきました。何気に書かれていますが、すごい山行でしたね。
先日縦走コースを通った際に、烏谷山は通り過ぎましたが、あのルンゼを下から直登されるとは。私は怖くて絶対にようしません。
服部文祥氏の言葉、共感するところもありますが、私はGPSなしでは初めての山に行けないような、山行を続けています。着ているものの素材やギアもそうですが、テクノロジーに守られながら、それでも何とか登っていることに気が付かされる言葉ですね。
お気をつけて、山を楽しまれますように!
はじめまして!
古道探索ついでに冬に軽いアルパインで登れるところを探してたんですが
きょうび記録の無いルートは登るべきで無いなと感じました。
ギアを削いで山に入るのはリスクを高める事にはなると思いますが
同じ山でもまた雰囲気が変わって違う角度から捉え楽しむ事が出来るので
見知った山などであってもオススメですよ。
deepkickさんもご自愛しつつ山を楽しんでください!
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