徳網山の山頂に亡き愛犬の化身が…
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 484m
- 下り
- 472m
コースタイム
- 山行
- 4:00
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 5:30
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
途中の尾根に出てから、急登となり、ところどころ痩せた個所や、岩場もあるが、それほど危険なところはない。 |
写真
感想
紅葉が綺麗で、山頂の眺めが良く、しかもカミさんもいっしょなので、余りきつくない山はないか、地図を見たり、山行記録を読んだりするうち、目に留まったのが、徳網山でした。
朝日連峰の南西に派生する稜線の末端に位置する、標高は780メートほどの低山です。
登山口を出発して、杉の林を抜けると、目の前に、錦彩なす紅葉の山道があらわれました。とりわけ素晴らしいのが、ブナの林です。百年、二百年は経ったと思われる巨木が、鮮やかな黄の衣装をまとって、次から次へと目に入ってきます。それに真紅のモミジが絶妙の配置で色を添え、まさに天然の芸術作品です。
ルートの半ば過ぎまでは、比較的ゆるやかな登りが続きます。その途中で、早くも下山して来た男性に会いました。
「初めてきたけど、本当いい山ですね。この次は妻を連れてきます」といいながら足早に下って行きました。何でも、これからもう一つ山に登るのだそうです。
636メートル峰まで来ると、登山道は右に方角を変え、山頂までは、やせた尾根の急登となります。この尾根、見晴らしが良く、変化に富んでいて、気持ち良く登れます。小さな岩場を通過すると、間もなく山頂となります。
山頂に登りつくと、息をのむような、展望が待っていました。北東には、朝日連峰の主稜、袖朝日岳、西朝日岳、中岳、大朝日岳、平岩山、大玉山、祝瓶山が連なっています。新潟の山の開拓者・藤島玄の名著「越後の山旅(上巻)」によれば、徳網山、桧岩屋山、西朝日岳を経て、大朝日岳に至る古道があったといいます。その稜線が目で、はっきりと辿れます。
そして、南には、早くも雪化粧をした飯豊連峰が白く輝いていました。 しばらくはカミさんと二人、声もなく、360度の展望に目を奪われるだけでした。
コッヘルにお湯を沸かし、昼ごはんの支度をしていると、どこからともなく一羽の蝶が、やって来て、私達の回りを飛び交ったり、帽子や、背中にとまったりします。褐色の蝶で、ちょうど色づいた葉が、枝から散って飛んできたような色合いをしています。
蝶は、私達が食事をしている間、おねだりするように、まとわりついていました。妻は、昨年亡くなった愛犬の化身だと、本気とも冗談ともいえない口調でつぶやきました。
愛犬は、山やキャンプにもよく連れて行きましたが、かなりの食いしん坊で、食事時などは私達家族にまとわりついて、離れなったこともあり、それを思い出したのでしょう。私も、どうかするとそんな気持ちにさせられました。
蝶は、私達が食事を終えると、いずこへともなく去って行きました。
誰もいない我々だけの山頂で、のんびり1時間あまり過ごした後、下山に掛かりました。ところどころにナメコを見つけては、それを採りながら、ゆっくりゆっくり、午後の光に照らされた紅葉の中を下りました。
隠れた素晴らしい山に出会うことができた、晩秋の一日でした。
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