蛾ヶ岳・三方分山(市川本町駅〜精進BS)
- GPS
- --:--
- 距離
- 18.8km
- 登り
- 1,774m
- 下り
- 1,112m
過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
何年か前に買っていた山と渓谷社のガイドブック「山梨県の山」をめくりながら目に留まった蛾ヶ岳。昭文社の地図「富士山」ではちょうどタイトルに隠されてしまっている不遇の山。登山レポや四尾連湖畔の水明荘の案内ページを見たところ、三方分山に縦走して馴染みのある富士五湖方面に日帰りでも歩けそうだ。
始発を乗り継いで甲府駅からワンマンの身延線に乗り込み、無人の市川本町駅に到着。日中は晴れる予報だが、どんよりと曇っている。和風の洒落た駅舎だ。踏み切りを渡って坂道を登りしばらく車道を歩くと碑林公園。書道のテーマパークということだが、1日の入園者は何人くらいいるのだろうか。
公園から四尾連峠への峠道に入る。切り通し状になった広い道。由緒ある道らしく、古い石仏や富士講の碑が見られる。古城山はその名のとおり、砦の跡らしい。その少し先の仏岩には狼煙台が復元されている。北面が開け、釜無川が貫く甲府盆地が一望できる。八ヶ岳は雲に隠れている。
四尾連峠の分岐は、案内板の地図の情報量が多すぎて逆に分かりづらくなってしまっている。広い道を大畠山方面に進み、しばらくしてから右へ蛾ヶ岳への細道に入っていく。キレットを越え、落葉が深く積もった山腹の道を巻いて進むと、六地蔵が佇む西肩峠に着く。山頂までは15分ほどの直登。祠の立つ山頂からは南北両面の眺めがよい。毛無山の横で雲に隠れていた富士山はやがて衣を脱ぎ捨て、雄大な姿を見せてくれるようになった。
三方分山への道は最初はロープが張られた急降下で、足元は土が階段状に整備されているようであるが、落ち葉が深く積もっていて段差がつかめずに歩きにくい。急降下が終わると、陽だまりの中、樹間の眺望を得ながらの道である。足元の土の柔らかさが、歩く人が多くないことを教えるが、道は終始しっかりしている上、分岐にはことごとく案内看板が完備されており、迷う心配は全くない。
大ツガが聳える地蔵峠からは尾根を外して八坂の集落へ下っていく。この辺りから昭文社の地図の範囲に入ってくる。地形図にはない道で、ヤマレコの足跡もほぼない道だが、心配無用の歩きやすい道である。八坂で車道に出て、5分ほど歩いて再び山道に入る。ミズナラの大木を見て進むと古びたベンチと小祠のある三ツ沢峠。
三ツ沢峠から三方分山への道はとにかく辛かった。斜面につけられた登山道は斜度はそれなりだが、柔らかい土砂が崩れてきており、歩きにくいことこの上ない。ここまでも右側が下がった道が続いていたため、足裏に疲労がたまっていた。尾根が間近に見える頃になると、テープがなければ道とも思えない状態となる。尾根に出て、馴染みのある鬼ヶ岳や節刀ヶ岳の姿を間近に見て一安心したが、三方分山までは最後の急登が待ち構えていた。
三方分山から望む富士山は、頂を再び雲の中に隠してしまっている。笹の間の道は、これまでと違ってよく踏み固められていて歩きやすいが、女坂峠までの間には、急降下や崩壊が道に迫っている箇所もある。女坂峠からは古の往還道でさらに歩きやすくなる。沢に出合い、堰堤が見えると精進の集落は近い。
集落の中ほどに位置する諏訪神社には何本かの大杉が聳えている。中でも国天然記念物の「精進の大杉」の迫力は圧巻である。往還に沿った由緒ある集落も、半数ほどは空き家。痛々しい姿の家屋も見られ、複雑な気分である。夕暮れを控えた精進湖畔からは富士山が大きく見える。湖面の釣り船や水鳥が逆光に浮かび上がり、美しい。
富士宮からのバスは10分以上遅れて到着。毛無山に登った際の経験から、路線バスの時刻があてにできないことは織り込み済み。果たしてバスの定時から8分後に出発するホリデー快速には間に合わず、事前に押さえておいた高速バスに乗り込む。18きっぷの有効活用と渋滞回避のために相模湖BSでバスを降り、夕闇のうら寂しい相模湖駅への道を10分ほど歩き、JRに乗り換えて帰途についた。
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