守門大岳・青雲岳 (保久礼〜二口周回)

2016年02月12日(金) [日帰り]

• GPS: --:--
• 距離: 13.5km
• 登り: 1,271m
• 下り: 1,255m

コースタイム

日帰り

• 山行: 8:59
• 休憩: 1:14
• 合計: 10:13

5:40 スタート地点
7:25 7:25 保久礼小屋
8:00 8:00 キビタキ避難小屋
9:35 9:37 大岳
10:40 10:40 大岳分岐
11:08 12:20 青雲岳
12:38 12:38 大岳分岐
15:20 15:20 ニ口駐車場
15:53 ゴール地点

天候

快晴

アクセス

利用交通機関：

自家用車

魚沼市二分集落先の除雪終了点。
路肩が広く除雪されており、十数台駐車可能。

コース状況／危険箇所等

★駐車場〜保久礼〜大岳
特に危険な箇所はありません。
BCスキーヤーを中心に入山者が多く、また、連続晴天の二日目なのでしっかりとしたトレースが通っていました。
今後新雪が降った後でも、探りながらトレース上を辿ればラッセルは楽できると思います。
森林限界より上は風の影響で雪面締まっており、トレース外でも深く沈み込むことはありませんでした。

❣山頂では眺望に夢中なあまり、崖側に近付くのは危険です。過去に雪庇の崩落に巻き込まれての死亡事故が起きています。踏み跡があっても、それは安全を保障するものではありません。

★大岳〜青雲岳〜二口登山口
厳冬期に大岳から青雲岳、袴岳方面に縦走する人は少ないようで、トレースはありませんでした。
稜線付近は深いラッセルはなく、せいぜい足首くらい。
鞍部までの下りは斜度が急で、スノーシューだと装着のままでは危険だと思います。
進行方向左側の雪庇に注意し、小モンスター化した潅木がある所を歩きましたが、一度だけ油断して少し崖寄りに行ってしまい、雪で隠されたクラック(深さ2m位)に落ちました。油断禁物です。

下山は二口コースの夏道が通っている尾根を使いましたが、BCの方が登路に使うこともないと思われ、トレースはありませんでした。
この尾根は中間部分が細かなアップダウンが連続する痩せ尾根になっていて距離も長く、雪の状態によっては通過には注意が必要かと思います。
今回は気温上昇に伴ってゲキ重のラッセル(概ね脛くらい)だったので、足場そのものには不安なく通過できました。
尾根末端の大部分は林道に面しているので、雪崩に注意しつつ下りやすい所から林道に出ればよいと思います。私はGPSで確認しながら夏道に近い所を狙って下りました。

※全行程ワカン＋アイゼン装着

写真

2/12 5:38

5時過ぎに駐車場到着。まだ誰も来ていません。
仕度に手間取りましたが、ヘッデン点けて出発。

2/12 5:41

今日は袴岳方面に縦走するつもりなので、換装の手間と時間を省く為スタートからワカン＋アイゼン装着です。
岩稜帯が無い守門岳では全行程これで行けるはず。
トレース上の雪面は固く締まっていました。

2/12 5:45

夜明けまではまだ間があります。満天の星空を縁取る大岳と山々のシルエットが美しい。

2/12 5:49

余談ですが、愛用のモンベルアルパインスパッツ(イージーフィット)の上部ベルトの締めつけがイマイチで、ラッセル時に雪が入り込み易かったので、100均のカラビナに付いているリングを使ってアイゼンバンド風に改良したらバッチリでした。

2/12 5:51

大岳と青雲岳方面のシルエット

2/12 6:08

守門最高峰、袴岳から延びる長大な尾根の末端に位置する、藤平山の方角から空が白みはじめました。

2/12 6:17

長峰に登る尾根の途中で荒沢岳が見えてきました。

2/12 6:17

荒沢岳アップ
まるで屏風のような山容。

2/12 6:25

昨日は旗日で多くの人がここを通ったことでしょう。

2/12 6:41

杉の植林地の斜面を登り、保久礼へ続く稜線の林道に出ました。
大岳がマシュマロのよう。

2/12 6:42

右に視線を移してゆくと、中央に藤平山、右奥の鋭鋒は毛猛山前衛、足沢山塊の桧岳。

2/12 6:42

荒沢岳、越後駒、八海山、奥の方は苗場山。

2/12 6:43

アルプス的な容姿、桧岳

2/12 6:43

かつては越後の穂高岳といわれた荒沢岳

2/12 6:43

越後駒、八海山、巻機山

2/12 6:43

越後駒ヶ岳

2/12 6:43

八海山、巻機山

2/12 6:44

朝日に染まる佐武流山、苗場山、裏岩菅山、鳥甲山

2/12 6:44

黒姫山、妙高、火打、焼山

2/12 6:42

まずはあのマシュマロの頂点を目指します。

2/12 6:56

しかし、素晴らしい景色に目を奪われ、なかなか前へ進めません。
しばらくしてモルゲンが始まりました。

2/12 7:07

越後駒ヶ岳

2/12 7:08

八海山

2/12 7:08

荒沢岳

2/12 7:15

振り返ると、ありとあらゆる山の斜面がモルゲン状態でした。

2/12 7:25

保久礼小屋の横を通過。
1階部分は雪に埋もれています。
積雪量は例年並みに近いようです。

2/12 7:25

本格的な登りのスタート。
ブナの尾根を登っていきます。

2/12 7:44

急登が一段落して振り返ると、ちょうど真後ろに長岡の鋸山。

2/12 7:44

右に視線を移していくと、広大な越後平野の一部が見えました。

2/12 7:55

ようやくお天道様が顔を見せました。

2/12 7:55

ブナの木々も朝日を浴びて伸びをしているかのよう。

2/12 8:01

このモッコリはキビタキ小屋のようです。

2/12 8:13

今朝は霧氷の発生はなく、昨日？の霧氷はみんな足元に落ちていました。

2/12 8:13

樹高が低くなってきました。
間もなく森林限界。

2/12 8:44

森林限界を越えました。
ここからは青と白だけの世界です。

2/12 8:44

雪と風の芸術品。

2/12 8:44

この薄さでこれだけ被さっているなんて...

2/12 8:45

標高は1200m程度と、アルプスでは登山口にも満たない高さですが、もう視界を遮るものはありません。

2/12 8:44

広大な眺望

2/12 8:55

大岳の右、雄大な盛り上がりの奥に青雲岳と主峰の袴岳が見えました。
とても1500mクラスとは思えない景観、鳥肌立った〜(o゜▽゜)o

2/12 8:55

遠く主稜線に雪煙が舞っていました。今日はあの奥の高みに到達できるでしょうか...

2/12 8:55

行く手の左側には中津又岳が見えてきました

2/12 8:56

穢れのない純白の斜面。

2/12 9:04

山頂直下の大斜面。昨日は多くのスキーヤーが楽しまれたことでしょう。

2/12 9:05

風は思うがままに雪面にラインを描いていきます。

2/12 9:07

三段に大きく波打つ斜面。
登りのトレースはその脇を避けています。

2/12 9:07

振り返ると実に広大な眺望。
奥の方に米山の美しい三角形が見えています。

2/12 9:07

こちらは三条・燕方面。
薄っすらと弥彦山が見えています。
肉眼ではさらに大佐度山脈までも見えていました。

2/12 9:11

中津又岳の斜面に描かれた幾つものスジ模様が、たくさんの流れ星のようにも見えます。風の強さを物語っているのでしょう。

2/12 9:12

なかなか頂上に着きません。
ちょっとスタミナが切れてきました。
それに風の冷たさも苦になってきたので...

2/12 9:21

シェルを着込んだついでにアンパンとアクエリビタミンで補給しました。

2/12 9:30

中津又岳(1388m)を超えました。
その奥には粟ヶ岳。

2/12 9:35

ようやく大岳山頂に到着。
厳冬期の守門岳の雄姿に感動です。
でも自慢の雪庇はあまり成長していないようです。

2/12 9:37

袴岳、青雲岳をアップで。
青雲岳の手前の雪庇は結構出てるみたいですね。

2/12 9:35

北東方向の眺望。
奥に飯豊連峰、手前は下田山塊の青里岳、矢筈岳、御神楽岳。

2/12 9:35

南方の眺望。
荒沢岳、越後三山、苗場山、
手前に権現堂山の山稜。

2/12 9:36

広大な越後の里山、魚沼丘陵〜東頚城丘陵。
奥に妙高連山。

2/12 9:36

昨日の登山者が作られたと思われる風除けが二つ。

2/12 9:48

あまりゆっくりもしていられません。
大岳から鞍部に下っていきます。

2/12 9:49

潅木の小モンスター。
細い潅木の枝によくもこれだけのエビのしっぽが付くものです。

2/12 9:51

少し下ったところで振り返ります。
こちら側の斜面は私以外だれのトレースもなくまっさらです。

2/12 9:56

油断していたらいきなり落ちました^^;
厳冬期の全落オープンかっちゅ〜の！！

2/12 10:03

急斜面を下りて鞍部に着きました。
ワカン＋アイゼンはなかなか安定して下れました。
スノーシューではステップが切れず、滑ってしまいそうです。

2/12 10:03

青雲岳への登り返しは潅木モンスターとシュカブラの階段を縫うように登るしかないようです。

2/12 10:12

鞍部からの下田山塊の全容と飯豊連峰

2/12 10:13

下田山塊の盟主、前衛にして最高峰の粟ヶ岳(1292.6m)。

2/12 10:13

青里岳(左・1215.5m)、矢筈岳(1257.4m)
標高だけでは語れない憧れの山々。
飯豊連峰もクッキリ。

2/12 10:13

御神楽岳(1386.5m)のなだらか側。
裏側は下越の谷川岳と称される大岩壁を擁しています。
今年は登りたい山のひとつです。

2/12 10:13

大岳と自分の足跡。
落とし穴に落ちてから左側に逃げているのが分かりますね(笑)

2/12 10:18

目の前の斜面をしきりに雪煙が吹き抜けているのですが、写っていませんね。

2/12 10:21

風の造形
山脈のジオラマのよう...

2/12 10:22

風の造形
古木の年輪か...

2/12 10:28

見えてきたピークは袴岳か？
一瞬のぬか喜び、青雲岳のようです。

2/12 10:28

急斜面をヒーコラ登りきり、ここからしばらく緩斜面です。

2/12 10:32

沈み込みは少ないものの、このところ鈍っていた脚に雪上歩行の疲労が蓄積してペースは落ちるばかり…(>_<)

2/12 10:41

大岳分岐付近から青雲岳。
夏道なら指呼の間かもしれませんが、遠く感じます。

2/12 10:46

平頂のイメージの青雲岳ですがそこそこピークらしさもありますね。

2/12 10:47

丸い足跡。何の動物でしょうか…

2/12 10:55

青雲岳への最後の登り。
結構な急斜面です。

2/12 11:08

青雲岳に到着しました。
袴岳は…まだ遠いなぁ(゜◇゜)

2/12 11:08

袴岳をアップで。
左の1250m峰と烏帽子山(1350m)のピークも目を引く存在です。

2/12 11:08

さらにアップ。
雪庇に入ったクラックまでよく見えます。

2/12 11:08

もう1時間早ければ前進するところですが、今日はここでヨシとしましょう。

2/12 12:19

風除けを作ってお昼にします。

2/12 11:40

今日はとろみスープの白湯麺(^^)

2/12 11:41

次は彼処まで行くぞー！
という気持ちを込めてカンパイ！
リコール対象になってしまったモンベルスコップのおかげで快適なお昼休みでした。

2/12 12:13

青雲岳からの広大な眺望。
尾瀬、越後三山方面。

2/12 12:13

魚沼丘陵、信越の山々。

2/12 12:14

燧ヶ岳

2/12 12:14

荒沢岳、手前に毛猛山塊

2/12 12:14

越後三山

2/12 12:18

予報通り、気温が上がってきました。5℃近くあります。

2/12 12:21

そろそろ下山します。
まずは大岳分岐までトレースをなぞって戻ります。

2/12 12:38

大岳分岐から二口コースの尾根で下山します。
下の方の痩せた部分が見えています。

2/12 13:01

高度が下がるにつれ、沈み込みが深くなってきました。

2/12 13:02

樹林帯まで下ってきました。
ブナと青空

2/12 13:11

いよいよ今日の核心かもしれない痩せ尾根に突入します。

2/12 13:13

痩せ尾根にずっと付いていたアニマルトレース。
尾根上部からは人のトレースに見えたんですけどね(;^_^A

2/12 13:14

尾根の両側はかなりの急斜面。

2/12 13:18

これで表面がクラストでもしてたら怖いところですが、足場を作るのは容易で問題ありませんでした。

2/12 13:20

小さいながらもギャップが2〜3箇所ありました。

2/12 13:21

これを登れってか？(苦笑)

2/12 13:26

痩せ尾根の途中から大岳。

2/12 13:33

暑い日差しとゲキ重ラッセルで距離以上に長く厳しい修行になってしまいました。

2/12 13:53

苦しいときは振り返る。
守門岳の主稜線と下ってきた尾根を一望し、気を紛らわせます。

2/12 14:26

さらに幾つかのアップダウンを経て尾根から大きく下り始めます。

2/12 14:27

雪と青空とブナ林。
思わず見惚れます。

2/12 14:34

最後のトドメの登り返し。
これを越えないと林道に出られません。(>_<)

2/12 15:05

腐れ雪のおかげで想像以上に厳しい行程になりましたが、無事に林道に下りました。

2/12 15:17

しばらく歩くと、保久礼に通じる林道の本線に合流しました。
橋の向こうに無雪期の二口登山口駐車場が見えます。

2/12 15:17

ふと、左手の空を見上げたら、ウロコ雲(？)が広がっていました。何かの予兆？

2/12 15:19

ここからは滑走路が完成されています。
ようやくラッセルと、強い日差しからも解放されました。(^^)

2/12 15:40

途中、後ろから来られたBCのお二人に先をお譲りしました。
やはりストップスノーで苦労されたそうです。

2/12 15:53

想像以上にタフな山行になりましたが、無事に戻って来られました。

2/12 16:20

最終目標は達成できませんでしたが、久しぶりに山を満喫した一日でした。

撮影機器：

OLYMPUS STYLUS XZ-10 オリンパス

感想

kikkorin

本格的な山行は1ヶ月振りになってしまいましたが、前回、当初行くつもりだった守門岳に行ってきました。
守門大岳は昨年初めて厳冬期に登りましたが、ガスガスで袴岳の雄姿や大雪庇を拝めなかったので、再訪を誓っていました。
どうせなら、袴岳まで縦走してしまおうと考え(残雪期には保久礼〜袴岳ピストン経験あり)だいぶ早起きしてトライしてみましたが、及びませんでした。
次回はあと1時間早くスタートして踏破したいと思います。
下山ルートは迷った末、できれば周回コースの方が楽しいのと、大岳への登り返しを回避したいという理由からピストンではなく二口コースのルートを選択したのですが、レコの通り裏目ってしまい、修行となりました。
でも、これも経験。次はこれがベースとなり、目標達成に少しでも近付くと思えば今日の頑張りも報われるでしょう。(ポジティブシンキングゥ〜(o´∀`)b)
いずれにしても、厳冬期の越後でまたとない晴天のチャンスをゲット出来(ほぼ春山のようでしたが…)、最高の一日だったことは間違いありません。(o^^o)

コメント

gucchisan

お疲れさまでした(^-^)
とてもいい景色ですね✨写真でも感動するのて実際行ったら凄いんだろうなぁ！キツそうですが行ってみたいです(*^o^*)

kikkorin

Re: お疲れさまでした(^-^)
gucchisanさん、こんにちは。コメントありがとうございます。(^^)

いや〜、天気に恵まれて最高でした。👍
近い所にこんな素晴らしい山があるんですから、晴れを狙って是非行ってみてください。
冬はアプローチが少し長いですが、大岳までなら日帰りで十分楽しめますよー＼(^o^)／

gucchisan

Re[2]: お疲れさまでした(^-^)
ありがとうございます(*^^*)
雪山はまだ行ったことないので若干心配ですが、晴れててトレースあれば大丈夫かな？

kikkorin

Re[3]: お疲れさまでした(^-^)
そうですね、ルートは気合が入りすぎて先頭に立たない限り大丈夫ですよ。
でも他に入山者がいないようなら初見の山は無理せず見送るほうがいいですね。
雪山装備は揃ってますか？　一応スノーシューかワカン、アイゼン、ストックがあれば、山頂まで行けると思います。あと、背負う余裕があればピッケル、ツェルト、コンロ、コッヘルですね。私は使う予定がなくても常に携行しています。
もし体力的な不安があるようでしたら、手始めに里山の低山を登られると良いと思います。
例えば、小千谷の西山山系や、小出の大力山、六日町の坂戸山などいかがでしょうか？
標高差、距離も手頃ですし、どれも地元で登られる方が多い山なので安心感があると思います。　参考になるレコも上がっていますよ。^^

aburage-og3

凄いですネ
麓に住んでいますがとても怖くて１月〜３月の彼岸までは行けません
このレポートを拝見しただけで行けたつもりの妄想で満足します。

kikkorin

Re: 凄いですネ
aburage-og3さん、こんばんわ
私も厳冬期の縦走記録を見たことがなかったので若干の不安はありましたが、終日の晴天が約束された日だからこその決行でした。
少しでも天候に不安(とくにホワイトアウト)があったら、雪庇に沿って一定距離を保ちながらの縦走なんておっかなくて出来ません。晴れててもちょっとした油断で落とし穴に嵌るくらいですから・・・でもいい経験が出来たと思っています。