西穂高岳 (独標まで)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 601m
- 下り
- 607m
コースタイム
天候 | 16日の早朝は晴れていたそうです。 山荘をスタートした10時以降は全行程ガスの中でした。 気温は独標で−18度、約20mの北風と合わせて厳しい環境でした。 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ロープウェー西穂高口から山荘までは竹竿にテープの目印が切れ目なしに立ててあり迷うことはありません。 山荘から丸山までも目印がありますが、その後は少なくなります。 トレースは付いていますが風で消えているところも多く、地形をしっかり見て判断が必要に思えます。 独標からの戻りで岩場を下りたところ、ガスで進む尾根が消えていてうっかり隣の尾根に入りかけました。 そこで立ち止まってコンパスと地図でルートを確認できたからよかったものの、そのまま下りていたかもしれない危ないポイントでした。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゴーグル
バラクラマ
ネックウォーマー
毛帽子
靴
ザック
輪カンジキ
アイゼン
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ピッケル
カメラ
ヘルメット
スマホ
|
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感想
雪と岩の壁を登り切って独標に立った時に、自分の中でこの先に進む選択肢はありませんでした。
体力がどうこういう距離ではないし、体が動かない寒さでもない。
−20度、約20mの風の中でここまで来れたことの満足が大きくて、正直山頂に向かう気持ちが残ってはいませんでした。
ホワイトアウトに近いガスの中で、明日視界があればまた向かえばいいと軽く思っていたのも事実。
それより足元の壁を下りることが大問題に思えていました。
気合を入れて、後ろ向きでピッケルに目いっぱい働いてもらいながら壁を下り始めます。
ゴーグルの視野の狭さにも悩まされながら足場を探り、アイゼンの効き具合を確かめて身体を下ろしていきます。
やっと傾斜が緩くなったところでそのまま目の前の尾根道(に見えていた)を下り始めたところ、一瞬ガスの中に見えた隣の尾根。
一緒に下りていたもう一人と方向を見直し、ルートの修正ができたのはラッキーだったけれど、おかしいと思わずあのまま下ってしまうケースもあったんだろうと冷や汗。
丸山付近では初めてライチョウにも遭遇し、短いながらもぎりぎりの経験をした3時間(!)。
後から下りたお二人とも山荘で再会して無事を喜んだことでした。
翌日はさらに下り坂との天気予報。
朝から下山かと、なんとも消化不良のもやもやが胸をよぎりました。
途中ですれ違って山頂まで行かれた男性が山荘に戻ってこられ、話を聞くなかで言われた言葉。
「今日の天気を普通だと思える人は山頂に行けるだろうし、厳しいと騒いでる人は行けない」
「普通」というのは平常心で行動できる意味だと思います。
もう一人、天候の良かった朝にピークハントして下りてこられた方の言葉。
「独標の先の難所はまだ数か所あって、そこを通ってしまうと、戻るときには独標の壁くらいは前を向いて下れるほど意識が変わる。 それだけのスキルは必要」
結局私は翌日下山するまでこの方たちの言葉を頭の中で繰り返すことになります。
西穂山頂に届いた人のレコをいくつか見て、ルートと時間だけをコピーして行ける気になっている軽薄さに強烈なダメ出しをされてしまった気分です。
今日はここまでと撤退を決めるのは状況次第とはいえ、そこに至るまでの情報収集等の準備、現場での対応スキルやモチベーション、何もかも不足していることを思い知らされたのは今更ですがショックでした。
状況を整理することと、撤退の言い訳を探すことはよく似ています。
それは予想できなかったのか?
それを超えるスキルは今回も持たないまま来たのか?
「それは仕方ないです。よく判断しましたね」と誰かに言ってもらいたいのか?
過去の山行でも「〇○だから仕方ない」と笑ってごまかすような撤退の仕方が多いくせに、そんな山行を自分で肯定してしまっているからいつまでも同じことしかできない。
亀の歩みでも、前回よりも昨年よりも、少しは進歩した山行であること。
今回のルートは無雪期に一度歩いてから再訪すること。
むっしゅさん、こんにちは♪
厳しい条件下の独標、お疲れ様でした。
昨年同時期、晴天で無風、5峰まで先行者ありと、全ての条件が良かったので山頂まで行けましたが、このような条件下では恐らく同じ判断をしたと思います。
撤退が常に後ろ向きな判断ではないと思いますよ。
良い準備をして高いモチベーションを持ち、その上で天候などの条件が自分にとって平常心で向かっていけるかどうかで決まるような気がします。
私も山に突き返される度、少しずつでもより厳しい条件を受け入れられるようにならなければ、と感じさせられています
なので、撤退の言い訳を考えたり自分を納得させる必要も無い気がしますけど。
むしろ、何事も無く登頂できるより多くのことを学べ、課題が浮き彫りになり、次の山行へのモチベーションになるのではないでしょうか。
(と、自分を納得させている訳ですが )
次の山行、楽しみにしていますね〜
ロッソさん、コメントありがとうございます。
そうですね。 撤退の判断自体は後ろ向きと限らない、次回へのステップになり得るものですよね。
ただ・・・
レコではえらそうなことを書いているくせに、初めての山では必ず引き返しているような現状に呆れているのが正直なところです。
自分のレベルを勘違いしていたようです。
経験を重ねる中で学べるところは学ぶ、スキルを上げるところは上げていかないと、このままじゃレコを公開する価値もない山行が続いてしまいます。
言葉並べるより身体で覚えろ! ってことですね。
西穂独標 お疲れさまでした。
丸山と独標の間でスレ違った者です。
この日は厳しい天候でのアタックになってしまいましたね。
山歩きは個人の自己満足の世界だと思います。
撤退とか登頂とか考えると危険リスクが付きまといますよね、、
わかっている危険の中に入っていくのが冬山登山だと思いますし、
満足と後悔の境界線は自分自身で決めていいのではないでしょうか。
無理をしないと先に進めない状況もあります。
あの稜線を進む人は危険を楽しんでると言うと問題かもしれませんが。。
どこまで楽しむかは人それぞれです。
お互い長く山歩きを楽しみたいものですね!
gakubitoさん、こんにちは。
午後に山荘に帰られて、その時に入口のところで会話していただいた方ですよね?
レコも覗かせてもらいました。
登頂されたんですね。
淡々と記されていますが、とんでもないルートだったんだと今ごろになって思い返しています。
計画の段階で参考に見るレコと違って、自分が歩いた経験と合わせてみると、独標まで届いたことに満足するべきだと思っています。
満足と後悔の境界線・・・なるほど
安全を保ちながらもできることを少しずつ増やしていきたい。
そんな思いが大きくなった帰路でした。
アドバイス、ありがとうございます。
またレコを覗かせてくださいな
私は同日の日程で、中央ア空木岳へ入っておりました☆ピークハント目前にして撤退です(ーー;)
以前に仙丈ヶ岳でお会いした者です。
北アはかなり過酷な環境だったようですね。お伝えする言葉がなかなか見つかりませんが…。どんな結果であれ、各々の山を楽しんでいれば良いのではないのかと思います☆
今回の経験しかり今後へのモチベなどなど?
またレコにお邪魔するかと思います、よろしくお願いします〜
あ、demaeさん! いらっしゃいませ〜
なぜか「マイページ」のコメント一覧にこのコメの表示がなく、いま見つけて驚いたところです
この時期の空木! 大小地獄は無事に越えられましたか?
私も残雪期の空木岳で冷や汗をかいたことがあって、なかなか強烈な思い出になっています
ふだん気分次第のお気楽山行が多いので、時々自分に喝を入れたくなるようです。
そのくせ次回はまたいつも通りのお気楽山歩きかも・・・
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