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Yamareco

記録ID: 828535
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

前日の雪で季節が戻った赤岳

2016年03月15日(火) 〜 2016年03月16日(水)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
17.3km
登り
1,594m
下り
1,575m

コースタイム

1日目
山行
4:24
休憩
0:22
合計
4:46
6:45
58
7:43
8:05
206
11:31
2日目
山行
6:50
休憩
1:10
合計
8:00
5:40
73
6:53
6:53
47
7:40
7:45
30
8:15
8:15
49
9:04
9:04
23
9:27
9:27
28
9:55
11:00
29
11:29
11:29
21
中山展望台
11:50
11:50
75
13:05
13:05
35
天候 15日:曇り(ガス)から15時ごろに晴れる
   (強風で稜線での行動は困難だったようです)
16日:快晴 風も弱く、理想的な登山日和でした
過去天気図(気象庁) 2016年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
美濃戸口(八ヶ岳山荘)に駐車(500円/日)
仙丈ケ岳の予定が変更になって、久々の美濃戸口。
2016年03月15日 06:45撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 6:45
仙丈ケ岳の予定が変更になって、久々の美濃戸口。
昨日の大雪で季節が逆戻り。
2016年03月15日 06:48撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/15 6:48
昨日の大雪で季節が逆戻り。
1mを超えるつららにびっくり
寒そうな風景ですが、それほど冷え込んではいません。
2016年03月15日 06:55撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/15 6:55
1mを超えるつららにびっくり
寒そうな風景ですが、それほど冷え込んではいません。
赤岳山荘までの林道が長い!
2016年03月15日 06:56撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/15 6:56
赤岳山荘までの林道が長い!
新雪で化粧直しを済ませた川。
2016年03月15日 06:56撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 6:56
新雪で化粧直しを済ませた川。
赤岳山荘
ここまで上がってくるのは4駆でないとちょっと不安。
2016年03月15日 07:42撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/15 7:42
赤岳山荘
ここまで上がってくるのは4駆でないとちょっと不安。
ここでカードの記入と提出。
地図を持ってないのでスマホのGPSが頼りです。
2016年03月15日 07:43撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/15 7:43
ここでカードの記入と提出。
地図を持ってないのでスマホのGPSが頼りです。
アイゼンも装着。
バタバタしているうちに、何組かのパーティーに抜かれました。
2016年03月15日 08:04撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 8:04
アイゼンも装着。
バタバタしているうちに、何組かのパーティーに抜かれました。
北沢、南沢分岐
先に行った人たちはほとんど北沢を選択したようです。
南沢を歩いたのは私ともう一組だけでした。
(この時点で)
2016年03月15日 08:12撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 8:12
北沢、南沢分岐
先に行った人たちはほとんど北沢を選択したようです。
南沢を歩いたのは私ともう一組だけでした。
(この時点で)
申し分のない空
2016年03月15日 08:12撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 8:12
申し分のない空
朝日が射してきました。
2016年03月15日 08:42撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 8:42
朝日が射してきました。
凍らないうちにおにぎりを!
2016年03月15日 08:45撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 8:45
凍らないうちにおにぎりを!
気持ちい〜!
2016年03月15日 09:06撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 9:06
気持ちい〜!
一組の先行者を抜くと、今日のトレースはありません。
かなり降ったようですね。
2016年03月15日 10:01撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/15 10:01
一組の先行者を抜くと、今日のトレースはありません。
かなり降ったようですね。
2016年03月15日 10:19撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 10:19
水木しげる作?
2016年03月15日 10:21撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 10:21
水木しげる作?
横岳が顔を見せた!
2016年03月15日 10:23撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 10:23
横岳が顔を見せた!
ガスが出てきて見え隠れする岩峰群。
2016年03月15日 10:25撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 10:25
ガスが出てきて見え隠れする岩峰群。
2016年03月15日 10:58撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 10:58
赤岳も姿を見せました。
2016年03月15日 11:09撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 11:09
赤岳も姿を見せました。
雲の動きがかなり早い。
2016年03月15日 11:28撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 11:28
雲の動きがかなり早い。
行者小屋に到着。
2016年03月15日 11:31撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 11:31
行者小屋に到着。
テント設営完了
この間に上空はガスで覆われ、稜線は隠れてしまいました。
次々に下りてくる登山者に聞くと、稜線上は強風で行動不能に近く、中岳のコルからみなさん引き返してきたそうです。
地蔵尾根ルートはトレースがないとのことでした。
2016年03月15日 13:41撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 13:41
テント設営完了
この間に上空はガスで覆われ、稜線は隠れてしまいました。
次々に下りてくる登山者に聞くと、稜線上は強風で行動不能に近く、中岳のコルからみなさん引き返してきたそうです。
地蔵尾根ルートはトレースがないとのことでした。
天気回復!
明日が楽しみ♪
2016年03月15日 16:51撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
3/15 16:51
天気回復!
明日が楽しみ♪
中岳と阿弥陀岳
今日起こった阿弥陀岳の雪崩(1名死亡)を知ったのは翌日でした。
2016年03月15日 16:51撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/15 16:51
中岳と阿弥陀岳
今日起こった阿弥陀岳の雪崩(1名死亡)を知ったのは翌日でした。
大同心、小同心から横岳
2016年03月15日 16:52撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/15 16:52
大同心、小同心から横岳
青空の下、スタート!
2016年03月16日 05:42撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 5:42
青空の下、スタート!
赤岳から阿弥陀岳を経由してここに下りてくるプランをイメージしています。
2016年03月16日 05:53撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 5:53
赤岳から阿弥陀岳を経由してここに下りてくるプランをイメージしています。
阿弥陀岳
2016年03月16日 05:53撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 5:53
阿弥陀岳
オーロラのような不思議な輪郭の雲
2016年03月16日 06:06撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 6:06
オーロラのような不思議な輪郭の雲
硫黄岳に朝日が射しています。
2016年03月16日 06:08撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 6:08
硫黄岳に朝日が射しています。
2016年03月16日 06:08撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 6:08
2016年03月16日 06:18撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 6:18
文三郎尾根から見上げる赤岳ピーク。
2016年03月16日 06:19撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 6:19
文三郎尾根から見上げる赤岳ピーク。
かなりの急勾配ですが、今日の雪はしっかり締まっている印象です。
2016年03月16日 06:37撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 6:37
かなりの急勾配ですが、今日の雪はしっかり締まっている印象です。
北アルプス
2016年03月16日 06:38撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 6:38
北アルプス
中岳分岐
2016年03月16日 06:53撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 6:53
中岳分岐
御嶽山
2016年03月16日 06:53撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 6:53
御嶽山
槍、穂高
2016年03月16日 06:53撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 6:53
槍、穂高
ピークはもうそこに!
2016年03月16日 06:54撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 6:54
ピークはもうそこに!
最後の関門?
2016年03月16日 07:06撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 7:06
最後の関門?
トラバース道からキレット、権現岳
2016年03月16日 07:09撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 7:09
トラバース道からキレット、権現岳
新雪の乗った斜面のトラバース。
足元最大限注意!
2016年03月16日 07:09撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 7:09
新雪の乗った斜面のトラバース。
足元最大限注意!
竜頭頭分岐
2016年03月16日 07:32撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 7:32
竜頭頭分岐
ピークに出て最初に目に入ったのは、ご褒美のような富士山。
2016年03月16日 07:35撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 7:35
ピークに出て最初に目に入ったのは、ご褒美のような富士山。
2016年03月16日 07:35撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 7:35
本日一番乗り♪
2016年03月16日 07:41撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 7:41
本日一番乗り♪
富士山をバックにもう一枚・・・
2016年03月16日 07:42撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
6
3/16 7:42
富士山をバックにもう一枚・・・
足元に広がる絶景を眺めると、疲れが飛びます!
2016年03月16日 07:44撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 7:44
足元に広がる絶景を眺めると、疲れが飛びます!
2016年03月16日 07:44撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 7:44
いまは静かな山頂ですが、今日は賑わいそうだ。
2016年03月16日 07:44撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 7:44
いまは静かな山頂ですが、今日は賑わいそうだ。
2016年03月16日 07:45撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 7:45
阿弥陀岳まで行けるかな?
遠目で見るとトレースが見えます。
10:30を目安に向かってみることに。
2016年03月16日 07:47撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 7:47
阿弥陀岳まで行けるかな?
遠目で見るとトレースが見えます。
10:30を目安に向かってみることに。
権現岳の向こうには南アルプスの峰々。
(左から北岳、甲斐駒、仙丈ヶ岳)
2016年03月16日 07:49撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 7:49
権現岳の向こうには南アルプスの峰々。
(左から北岳、甲斐駒、仙丈ヶ岳)
2016年03月16日 08:12撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 8:12
中岳分岐から阿弥陀岳を望む。
2016年03月16日 08:15撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 8:15
中岳分岐から阿弥陀岳を望む。
コルに下りると中岳が高く見えること!
2016年03月16日 08:27撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 8:27
コルに下りると中岳が高く見えること!
振り返ると赤岳はさすがにもっと高い。
2016年03月16日 08:27撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 8:27
振り返ると赤岳はさすがにもっと高い。
権現岳
ここも歩きたい!
2016年03月16日 08:27撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 8:27
権現岳
ここも歩きたい!
横岳〜硫黄岳
2016年03月16日 08:28撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 8:28
横岳〜硫黄岳
エネルギー補給してスタートしたのですが・・・
2016年03月16日 08:28撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 8:28
エネルギー補給してスタートしたのですが・・・
中岳にトレースはなく、急斜面にどっさり乗った新雪にはちょっと臆病になってしまったので・・・
時間のリミットはまだでしたが、中岳のピークからは先に進むのをやめました。
2016年03月16日 09:04撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 9:04
中岳にトレースはなく、急斜面にどっさり乗った新雪にはちょっと臆病になってしまったので・・・
時間のリミットはまだでしたが、中岳のピークからは先に進むのをやめました。
ここからの下りはいつものハイテンション!
大勢の登山者とすれ違いながら下ります。
2016年03月16日 09:27撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 9:27
ここからの下りはいつものハイテンション!
大勢の登山者とすれ違いながら下ります。
ただいま
撤収の準備をあらかじめしていたので、自分にしてはスムーズな撤収ができたつもり!
2016年03月16日 09:58撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 9:58
ただいま
撤収の準備をあらかじめしていたので、自分にしてはスムーズな撤収ができたつもり!
帰りは北沢経由で、ついでに中山展望台に寄り道。
2016年03月16日 11:29撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 11:29
帰りは北沢経由で、ついでに中山展望台に寄り道。
阿弥陀岳の雪崩はここからだと裏側、南稜で起こったそうです。
亡くなった方のご冥福をお祈りします。
2016年03月16日 11:29撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 11:29
阿弥陀岳の雪崩はここからだと裏側、南稜で起こったそうです。
亡くなった方のご冥福をお祈りします。
今日も誰かがこの壁に取り付いているのかな。
2016年03月16日 11:35撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 11:35
今日も誰かがこの壁に取り付いているのかな。
赤岳鉱泉
こちらにはテントが10張近くありました。
2016年03月16日 11:50撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 11:50
赤岳鉱泉
こちらにはテントが10張近くありました。
アイスキャンデー
2016年03月16日 11:52撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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3/16 11:52
アイスキャンデー
昨日の南沢よりもよっぽど長く感じた北沢の下り。
疲れのせいなんだろうな・・・
2016年03月16日 13:00撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 13:00
昨日の南沢よりもよっぽど長く感じた北沢の下り。
疲れのせいなんだろうな・・・
無事に下りてこれた〜
2016年03月16日 13:39撮影 by  TG-610 , OLYMPUS IMAGING CORP.
3/16 13:39
無事に下りてこれた〜

装備

個人装備
ハードシェル タイツ グローブ 予備手袋 防寒着 ゲイター バラクラバ ゴーグル 毛帽子 サブザック アイゼン ピッケル 行動食 非常食 飲料 水筒(保温性) ガスカートリッジ コンロ コッヘル 地図(地形図) コンパス ヘッドランプ 予備電池 GPS ファーストエイドキット 保険証 携帯 時計 ナイフ カメラ ポール テント テントマット シェラフ

感想

久しぶりに八ヶ岳を歩いてきました。
この日、本当は仙丈ケ岳に登る予定で戸台登山口に向かっていたんです。
するとその途中、道が雪で塞がっていて通行不能。
雪の少ないこの冬に狙い澄ましたようなトラブルに、なんでやねん!! と一瞬気分が下がりましたが、ここからなら近辺の山は選び放題! 
地理感のない初物は避けて、八ヶ岳に向かった次第です。

天気予報では晴れるようなことを言ってもいたので、とりあえず行者小屋に向かいながらルートを決めようと美濃戸口からスタート。
想像ではもうほとんど地道を歩くイメージだったのが、絶妙のタイミングで昨日どか雪が降り、見渡す限りの銀世界です。
このシーズンにはもうお目にかかれないかと思っていた雪山を歩ける期待感がテンションを上げてくれます。
もうどのルートからどこの山に登っても構わない気でいますが、赤岳から硫黄岳に回るか阿弥陀岳を目指すかを考えてみることに。
平日でも美濃戸からのルートは歩く人はたくさんいて、登山届を書いているうちに10数名が登って行きました。
南沢を歩いていて先行者に追いついたのは男性の二人。 先に行かせてもらうとなんとそこからはノートレースの登山道!
さっき見た人たちはみんな北沢ルートを進んだようです。
結局行者小屋まで私たち3人でラッセルしましたが、まさかこのルートで、とちょっと驚きでした。

行者小屋でテント設営している間に少しずつガスが出て、稜線が隠れるようになりました。
下山してきた登山者に聞くと風の強さが半端じゃなく、みな引き返してきたとのこと。
行動は明日にして、今日はのんびりしておけということです。

そこからは本当に暇を楽しんでしまいました。
下山してきた人たちとしゃべったり、少し日が射すとうとうとしたり、汚れていない新雪で水を作ったり・・・
どこかに向かって歩いていないことを焦る気持ちもありながら、山の空気に包まれてここにいること自体が幸せだと感じられていい気分の午後でした。
当然早めに明日に備えることにします。
焼酎のお湯割りで温まって早々にシュラフの中に・・・

実のところその夜はかなり冷え込んで、寝付けない時間が長く続きました。
外に出ると天然プラネタリウムの夜空に囲まれ、風もない静かな夜。

明るくなって歩き出すと、文三郎尾根は前日までのトレースが残って雪も締まり、快適に歩けます。
見上げると急傾斜にげんなりもしますが、足元がしっかりしているだけで気分的にはすごく楽ですね。
休み休みではありますが快調に標高を上げ、中岳分岐へ。
ここまで来るとほぼ目線の高さで近辺の山と顔を合わせることができます。

山頂部の岩場を乗り切りピークに立つと、富士山が綺麗に眺められました。
北、南アルプス、御嶽に関東方面・・・
足元には雲海も広がり、上空の青空とにはさまれての絶景を独り占めです!
きりっとして透明度の高い空気の中、少しだけ下山時の緊張を忘れて時間を過ごしたのです。

岩場の下りは常に気を使うところ。
この山の岩はつるつる滑る岩ではないにしろ、雪と岩の混じる中で足を伸ばすのは緊張してしまうものです。
鎖場の鎖も雪の下に隠れているところが多いので、常にリスクの小さい動きを選択し続けます。
何があっても自己責任、原因は自分だと言い聞かせながら、体を下ろして行きます。
岩場を過ぎると今度は雪の急斜面。
トラバースの部分もあり、さすがに寒さも忘れる時間が続きます。

分岐から中岳を目指してみます。
一旦コルに下りたところからは円錐形に見える斜面。
まるで吹き溜まりのように積もった雪をかき分けて登りますが、トレースはもちろんなく、下手すると胸まで潜ります。
この雪のほとんどが新雪だとすると表層雪崩が起きやすい状況で、残念ながら自分のレベルではこのルートを進んではいけないと判断しました。
(振り返ると赤岳に向かう登山者が多く見えていて、引き返すのはちょっと恥ずかしいことでしたが・・・)

文三郎尾根を下るうちに大勢の登りの登山者とすれ違い、山頂の賑わいを想像してちょっとうらやましくもなりました。
写真の撮り合いができたり、感動を共有したり、そんな空気もいいですよね。

行者小屋に戻ると、これから登る人たちがまたたくさんいて、上の情報を教えたりの会話が弾んで楽しかったことでした。
その中で昨日の阿弥陀岳の雪崩のニュースを聞いたのです。

阿弥陀岳南稜をガイド登山中の女性二人が雪崩に巻き込まれ、ガイドと女性一人がけが、女性一人が死亡したそうです。
南稜は一般の登山者が歩くルートではないと思いますが、ガイドのフォローもありながら事故に遭ってしまう、何を準備しても雪崩のリスクはゼロにはならないことなんですね。
原因は一つではないでしょうが、事故が起こるときは一瞬のことです。
その一瞬に反応できるスーパーマンではない自分は、安全のためにできることを一つずつ増やしながら必ず実践して毎回無事に下山すること。
亡くなった方は本当に残念なことだったとお悔み申し上げます。
そこからひとつ学ばせてもらいます。

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コメント

登頂されましたね☆
おそらく駐車場でお隣に車を停めさせていただいたのが私です。
白いミニバンです(笑)
軽くご挨拶だけしてお先に歩き始めてしまいまして失礼いたしました。

私も赤岳山頂まで行きたかったのですがあの日はコンディションも悪くやめておいてよかったかもしれませんね。
でも翌日は登りやすかったようですね。
登頂おめでとうございます!

また八ヶ岳を楽しみに行きたいと思っています☆
2016/3/17 23:24
Re: 登頂されましたね☆
starさん、こんにちは
駐車場でもお隣でしたか!
ほとんど一緒にスタートでしたね。

北沢ルートは帰りに歩きましたが、やっぱり南沢ルートの方がお気に入りです。
延々と続く林道歩きは精神的にダメージが大きいですよ・・・

中岳から阿弥陀岳、行ってみたかったんですが、このどっさり乗っている雪が前日のかと思うと、能天気に進むことができなくなってしまいました
ここにはまた何度も来るので、楽しみな宿題にしておきますよ
2016/3/18 13:24
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積雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [2日]
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 八ヶ岳・蓼科 [2日]
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

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