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Yamareco

記録ID: 836437
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無雪期ピークハント/縦走
大雪山

東大雪【岩間温泉・音更・石狩・ヌプントムラウシ温泉】

2015年09月02日(水) 〜 2015年09月06日(日)
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yamatoki-tsune その他2人
GPS
104:00
距離
42.6km
登り
2,390m
下り
2,782m
天候 後半悪天。
過去天気図(気象庁) 2015年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
沼の原ーヌプン温泉のルートは林道崩壊以降の荒廃が激しく、それまでの登山道と同じ気分では下れない。計画に入れる場合、十分な装備と天候的余裕を持っていくべき。
ブヨ沼キャンプ場
ブヨ沼キャンプ場
道東の空

感想

入山前日。
下山予定のトムラウシ短縮路に車をデポする。もう一台のレンタカーで入山口の岩間温泉まで行く。朝4時半に札幌に集合した。下道をドライブ。日勝峠で休憩し、日勝峠スキー場斜面を眺める。下山後のことを考えて新得でガソリン補充。トムラウシ短縮路まで約5時間。そこから岩間温泉まで、途中上士幌の道の駅で昼食をとり4時間ほどで到着。温泉につかり、山行の目標など述べて就寝。

入山。
ブヨ沼まで。起床後、手早くスパゲッティを作りデパしようとするが、エッセンに苦戦し時間がかかる。最初の渡渉はサンダルに履き替えて攻略。林道を歩く、ラテルネ行動。入山口には一台のランクル。ここから一気に登る。1週間分のザックが重い、汗が止まらない。ゆるい作業道を進み、傾斜が増すとともに夏道になる。休憩を挟みつつ、肩に上がる頃には高山帯のハイマツロード。やや風が強く快適。十石峠でサブザに切り替えてユニ石狩にアタック。途中、ナキウサギの声を聞く。山頂は眺望よし。峠に戻り、ブヨ沼まで進むが、急登の疲れが溜まりペースが上がらない。しかし、早くにデパしたので午前中に幕営出来た。水場の看板を200ほど下り給水。水量は十分にある。午後、雲が厚くなり雨が降る。翌日の天気は微妙だが雨は持ちそうなので縦走することにする。

起床。
前日の雨は止んでいたが笹つゆが多い。防水対策してデパする。ブヨ沼名物のシカがうろついていた。あとで発覚するが、ここでメンバーがテントポール(バンブー)を忘れる。音更途中の最低コルまではガレ場が続き、目覚めていない体は歩くのに時間がかかる。天候は安定気味だが、旭岳の方角から厚い雲が近づいている。この日は風が強いので避けるように休憩をとる。音更山頂はまだガスが晴れていたが、流れる雲の中ガスったり晴れたりであった。石狩までの最低コルは休むのに最適。ここからJPにかけてはほぼ休めるポイントはない。天候が持つことを祈り縦走する。天候が崩れれば、引き返しも考えられる。緊張の稜線が続く。踏み外せば滑落の危険があるところも数カ所あった。石狩山頂はガスの中だったが、その後回復し、遠くまで広がる大雪の高原を見渡せる。JPまでの道のりは日高っぽく歩くのが楽しい。風はやや強め。風の裏で休憩を挟む。ペースは予定の1.3倍ほどかかっていたので、予備テンバの使用も考えながら進む。急坂の手前の岩場10mほど直登。ここを越えたところで、メンバーが指を怪我する。革手袋をつけさせていればよかった。治療して、坂を下る。ぬかるみがひどく何度も足を取られる。半分ほど下ったところでメンバーがバテるので長めの休憩を取る。沼ノ原まで行くのは諦めることにする。ペテトク沢の最低コル付近の広い夏道上にテントを張ることにする、しかし、テントポールがないことに気づく。フライを使い、タープのようにして幕営した。テンバ付近の水場は最低コルの南側にありそうだったが、藪が濃く取りに行くのは難しそうである。水は多めに持っていたので明日の行動前に補充することとした。15時頃から雨が降り装備が濡れる。クマの気配に怯えながらの就寝。翌日以降天気が悪そうであり、テントポールがないことも考えてヌプンに降りることにする。

日の出に合わせデパ。
予定では5時間ほどの道のりだと考えていたが、10時間もかかってしまう。沼ノ原付近はガスが濃く、夏道が不明瞭。ここで、夏道上の清水をすくい給水。なんとか分岐の看板を見つけて、ヌプン方面に下る。沼ノ原山までの緩い道は笹が濃いめだが、特に何も。その先の道は荒廃しかけている夏道だろうと考えていたが、裏切られる。天気はずっと雨。装備はすでに濡れている。斜面の道からは樹林帯に入り、藪こぎや倒木による巻道を使いながら降りるが、土砂崩れの後が多く、岩場で苦戦させられる。夏道は不明瞭だが、ルート上にいることはわかる感じである。斜面を下りきり、台地上に出ると完全に夏道が消失した。濃い藪の中をコンパスを見て夏道の痕跡を探しつつ前進する。引き返しも考えられたが、行動時間が十分に残っていることや、テントが張れない状況を考えて強行することにする。ビバークもあり得たかもしれない。休憩をとりつつ、なんとか前進しGPSも駆使しながら降り口を見つける。ここからは、道迷いの心配は無くなったが、落石や滑落もあり得る危険な沢ルートであった。降り口へは、笹のフィックスで下る。その後、細い沢型の岩場を下るが、浮石多く難儀する。メンバーが落石を起こしリーダーが打撲してしまう。そこで、尺取り作戦で2人ずつ歩かせてリスクを減らす作戦を取る。ところどころ笹を掴みながらのクライムダウン、2mほどの滝もあり、メンバーは高巻いた。中間部からは倒木多い。沢の側壁は土砂崩れの後があり、緊張する歩行が続く。5mほどの滑滝がでてくる。フィックスロープがあったが切れかけていた。慎重にクライムダウンさせる。水線との出合いで休憩。ここからは何度か渡渉を行いつつ歩きやすいところを進む。一箇所右岸をへつるところがあった。やっとの思いで沢を抜けると、最後に本流の渡渉30mである。雨で増水し水は濁っている、深さは腰まで。スクラムを組み、二人ずつ渡渉する。雨は上がっていたが、全身ずぶ濡れである。林道に出て少し歩くとヌプン小屋に到着した。小屋は2階建で中は虫の抜け殻がたくさん落ちている。ひとまず、中に入り濡れた装備を乾かす。疲労度を考慮し1日停滞することにする。その後、小屋裏の温泉をうまいこと整備して足湯を楽しむ。朝3時までトランプをして就寝。

停滞。
というか、本来の目的である温泉を堪能する1日である。自然起床で朝7時頃に目覚める。メンバーは疲れから11時まで寝ていたが、その間に温泉を整備した。頑張れば全身疲れるくらいの深さになっている。足湯と小屋生活を楽しんだ。サマーバケーション。

林道を歩いてひたすら下山する日。
林道の崩壊はひどく、随所で土砂崩れと林道崩落があった。来年、直すらしいがまたいずれ通れなくなると考えられる。だが、ヌプン峠以降の道はしっかりしていて車で通るぶんには問題なさそう。実際、最近できた轍もあったので、温泉だけ入りたいなら片道1時間程度の歩きで行けるかもしれない。そして、曙橋に下山。ヒッチハイクに成功し、トムラウシの車を取りに行く。途中、車から逃げるヒグマに遭遇した。東大雪荘は老朽化のため改修工事中だったので帯広方面に向かう。スーパー銭湯で汗を流し、ミチンロウに行こうとしたら、タッチの差でランチバイキングにありつけなかった。13:30のタイムリミットを肝に据える。うなだれながらウエスタンで腹ごしらえ。その後、帯広競馬場で3000円ほど溶かし、札幌に帰る。長い夏本番が終わった。

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