幸運の槍ヶ岳
- GPS
- 56:11
- 距離
- 43.2km
- 登り
- 1,903m
- 下り
- 1,884m
コースタイム
- 山行
- 6:17
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 7:43
- 山行
- 5:33
- 休憩
- 2:54
- 合計
- 8:27
- 山行
- 4:23
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 6:04
天候 | 4/29 晴れ時々曇り 4/30 晴れのち暴風雪 5/1 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
肩の小屋~槍ヶ岳山頂:梯子直下は雪が残っており、慎重なピッケル&アイゼン操作が必要です。浮石もあります。 |
写真
装備
共同装備 |
テント
|
---|
感想
楽しみにしていたGW。微妙な天気予報を気にしながらも、隊長と示し合わせて、上高地入りした。臨時便で朝6時半頃に到着したバスターミナルは粉雪が舞っているが大勢の登山者で活気がある。ゆっくりと支度し景色を楽しみながら歩く。やがて青空が広がり始める。高空を行く飛行機が引く航跡が美しい。お猿もリラックスして昼寝している。徳沢、横尾と過ぎ道に雪が残るようになった。上り坂がきつくなり始めると、久しぶりの山行に太股の筋肉が弱音を吐く。ババ平に到着した時はほっとした。
残雪期とは思えないほど暖かい夜を過ごして、4時起床、5時出発。行く手の斜面を陽が明るく照らし始めるとテンションも急上昇だ。
遠く殺生ヒュッテ、肩の小屋が見える。小屋の硝子窓が太陽を反射して鋭く光っている。急傾斜に喘ぎながら歩き続ける。傍らをBCスキーヤーが滑り降りていく。穂先を見ては力をもらい踏ん張り続けて、ようやく肩の小屋に到着した。
急いで用意を整える。やはり頂上直下に雪がしっかり着いている。下りでは様子によっては隊長を確保できるようにハーネスを着け、ロープを持ち、穂先へと進み始めたが、雪渓に突入した所で、隊長が戻ると言う。とても残念だが無理強いは出来ない。
分かれて雪渓に突入した。かなり登山者が多く、難所では数珠繋ぎ状態だ。上り下り相互に様子を窺いながら道を譲り合って進んだ。雪渓の中間箇所で、少し停滞。下りてきたパーティがロープを出そうか相談を始めた。時間が掛かりそうなので、先に上がらせていただきたい旨を伝えて、少し横にずれて再び上り始めた。雪は適度に締まっておりピッケルとアイゼンは良く効く。
雪面を見ながら慎重に上っていると、突然、あっと言う声が聞こえすぐ左側に人が倒れて来た。真下の人が支えたのだろうそれ以上の落下は止まった。しかし真っ逆さまだ。周囲の人達も私も驚愕しながらも必死に彼の四肢を掴んだ。見ると一斗缶程もある岩を抱いている。岩が落ちると叫び声が聞こえた。下には行列が出来ており10人以上が雪に取り付いている、さらに岩角を越えて見えない場所にも沢山の人達がいるのは間違い無い。死に物狂いで彼の右脚を抱き締めた。皆が口々に下方に向かい、よけて、逃げてと叫ぶ。離しては駄目だと逆さまになった人に言う人、離せという人、いややっぱり駄目だという声が交錯した。
岩を抱いた彼は必死な様子で岩を動かして安定した雪面に据えてくれた。そこで徐々に彼の姿勢を上下入れ替える事が出来た。僅か数分の事だったのだろうが物凄く長く感じた。
気を取り直して山頂へ上がったが、何か気もそぞろで、写真を二枚撮って降りた。隊長に何が起きていたか話す。隊長が引き返さなかったら、私の直後にいてまともにぶつかっていたかもしれないと思う。虫の知らせがあったのかもしれない。
一休みしていると俄かに雲が沸き風が勢いを増した。急いでババ平めがけて下る。途中で尻セードを交えながら一目散に戻り、テントに潜り込むと同時に音を立てて雪、みぞれ、雹が降り注いできた。強風にテントがブワンブワンと揺れている。暴風雪は翌朝まで荒れ続いた。後で知ったが、この天候の急変がいくつかの悲劇を生んだようだ。
翌、早朝には雨に変わり、やがてやみ、青空が戻った。上高地BTに向けて歩きながら眺める残雪を纏った山々は凄く美しかった。
山歩きは片時も油断出来ないが、やはり素晴らしい。
kuro_aさん こんばんは
そして、ありがとうございました。
岩が崩れ不運だったとはいえ、周りに支えてくれた方々がいて幸運でした。
怖い思いをさせて申し訳なくおもいます。
yama3day0さん
あなたの行為は賞賛にあたいしますよ
僕があなただったら、あの急傾斜の雪面で逆さまになって落ちていく時に、他の人達を思い、大岩を放さない勇気があったか、そんな行動が出来たか、自信ないです
浮石を掴んでしまうのは誰にでもおきうることです
ありがとうございました
ありがとうございます。
涙出そうです…(笑)
とにもかくにもご無事で何よりとはまさにこのことですね。
読んでてハラハラしました。
やっぱりこの時期の山は怖いです。
くろさんのスキルあればこそですね。
助けられた方もご無事でよかったです!
kiyo-miさん
何かとついていましたよ
あまりにも人数が多いと危険度が増しますね
あと、天候が変わりやすいから日程に余裕がないと無理しがちですね
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する