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記録ID: 880023 全員に公開 ハイキング丹沢

丹沢主脈北部(鳥屋-姫次-東野)

日程 2016年05月22日(日) [日帰り]
メンバー zaoluck
天候快晴
アクセス
利用交通機関
電車バス
往路:橋本駅〜鳥屋、バス45分。毎時1本程度運行
復路:東野〜三ヶ木〜橋本駅、バス約80分。土日は16:20東野発1本のみ。橋本行は駅近くの渋滞で遅れ気味になる
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地図/標高グラフ


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コースタイム [注]

日帰り
山行
5時間0分
休憩
38分
合計
5時間38分
S鳥屋バス停09:3709:54宮ヶ瀬コッコパーク側 登山口10:08松茸山自然の森公園 休憩所10:19水沢橋11:27大平(林道終点)11:3512:32大平分岐12:38黍殻避難小屋13:0613:20八丁坂ノ頭13:39東海自然歩道最高標高地点13:41姫次13:4313:45東海自然歩道最高標高地点13:54八丁坂ノ頭14:40林道合流15:15東野バス停G
コースタイムの見方:
歩行時間
到着時刻通過点の地名出発時刻
コース状況/
危険箇所等
登山道に道迷いポイントや危険個所は特になし。登路、降路とも資材モノレールがほぼ平行しています。むしろ林道や集落の道で曲がり角を間違えないように注意
その他周辺情報■お風呂について。東野バス停前の鶴屋旅館は「500円でお風呂に入れる」そうなのですが、高齢のご夫婦で切り盛りしているので時に受け付けていない(=不在)ことがあります。なお、「いやしの湯」は距離1.8キロ、標高差100m下った所です。
■バス待ちについて。鶴屋旅館隣の食料品店「いのうえ」で何か買って店内のベンチで休むことができます。缶ビールもあります。

写真

【番外】小倉橋でトラック事故、1時間待ち
2016年05月22日 08:15撮影 by DSC-HX90V, SONY
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【番外】小倉橋でトラック事故、1時間待ち
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【番外】間もなく撤去終了。右端に覗くバスから歩いて渡って来たが・・・
2016年05月22日 08:59撮影 by DSC-HX90V, SONY
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【番外】間もなく撤去終了。右端に覗くバスから歩いて渡って来たが・・・
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鳥屋バス停から古びた御判場橋を渡り、出発
2016年05月22日 09:39撮影 by DSC-HX90V, SONY
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鳥屋バス停から古びた御判場橋を渡り、出発
林道奥野線の看板。下の立派な道です
2016年05月22日 09:50撮影 by DSC-HX90V, SONY
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林道奥野線の看板。下の立派な道です
コッコパーク
2016年05月22日 09:54撮影 by DSC-HX90V, SONY
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コッコパーク
柏原登山口の手作り標識。どのくらい荒れているのだろう
2016年05月22日 10:06撮影 by DSC-HX90V, SONY
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柏原登山口の手作り標識。どのくらい荒れているのだろう
トンネルを抜けたら松茸山自然の森公園休憩所
2016年05月22日 10:08撮影 by DSC-HX90V, SONY
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トンネルを抜けたら松茸山自然の森公園休憩所
水沢橋。渡った先はすぐゲート
2016年05月22日 10:19撮影 by DSC-HX90V, SONY
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水沢橋。渡った先はすぐゲート
車進入禁止だが駐車場のある散策路入口
2016年05月22日 10:42撮影 by DSC-HX90V, SONY
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車進入禁止だが駐車場のある散策路入口
奥が丹沢主稜。右端が盟主蛭ヶ岳
2016年05月22日 10:53撮影 by DSC-HX90V, SONY
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奥が丹沢主稜。右端が盟主蛭ヶ岳
蛭ヶ岳アップ。頂上の山荘が見える
2016年05月22日 10:54撮影 by DSC-HX90V, SONY
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蛭ヶ岳アップ。頂上の山荘が見える
林道終点。すぐ先に大平分岐を示す道標もあった
2016年05月22日 11:27撮影 by DSC-HX90V, SONY
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林道終点。すぐ先に大平分岐を示す道標もあった
車道はこの広場までで、植林帯の登山道に
2016年05月22日 11:29撮影 by DSC-HX90V, SONY
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車道はこの広場までで、植林帯の登山道に
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モノレールをくぐる(振り返って撮影)
2016年05月22日 12:06撮影 by DSC-HX90V, SONY
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モノレールをくぐる(振り返って撮影)
新緑がきれい
2016年05月22日 12:12撮影 by DSC-HX90V, SONY
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新緑がきれい
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ミツバツチグリかな?
2016年05月22日 12:22撮影 by DSC-HX90V, SONY
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ミツバツチグリかな?
ニガイチゴもたくさん
2016年05月22日 12:24撮影 by DSC-HX90V, SONY
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ニガイチゴもたくさん
主脈縦走路にぶつかる大平分岐。左が姫次方向
2016年05月22日 12:32撮影 by DSC-HX90V, SONY
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主脈縦走路にぶつかる大平分岐。左が姫次方向
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芝生の広場?の向こうに見える黍殻避難小屋
2016年05月22日 12:36撮影 by DSC-HX90V, SONY
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芝生の広場?の向こうに見える黍殻避難小屋
中もきれいだった。これらとお握りで昼食
2016年05月22日 12:50撮影 by DSC-HX90V, SONY
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中もきれいだった。これらとお握りで昼食
縦走路に戻り、先へ
2016年05月22日 13:07撮影 by DSC-HX90V, SONY
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縦走路に戻り、先へ
中央が丹沢山か?
2016年05月22日 13:20撮影 by DSC-HX90V, SONY
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中央が丹沢山か?
左には丹沢三峰の稜線
2016年05月22日 13:25撮影 by DSC-HX90V, SONY
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左には丹沢三峰の稜線
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左斜め前には蛭ヶ岳(右)から連なる主稜
2016年05月22日 13:27撮影 by DSC-HX90V, SONY
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左斜め前には蛭ヶ岳(右)から連なる主稜
ミツバツツジ(雄しべが少ないのでトウゴクではない?)
2016年05月22日 13:28撮影 by DSC-HX90V, SONY
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ミツバツツジ(雄しべが少ないのでトウゴクではない?)
気が付いたら東海自然歩道最高点
2016年05月22日 13:39撮影 by DSC-HX90V, SONY
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気が付いたら東海自然歩道最高点
姫次到着。正面は檜洞丸
2016年05月22日 13:41撮影 by DSC-HX90V, SONY
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姫次到着。正面は檜洞丸
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左寄りには高々と蛭ヶ岳
2016年05月22日 13:42撮影 by DSC-HX90V, SONY
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左寄りには高々と蛭ヶ岳
大室山?
2016年05月22日 13:43撮影 by DSC-HX90V, SONY
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大室山?
袖平山は我慢した
2016年05月22日 13:43撮影 by DSC-HX90V, SONY
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袖平山は我慢した
シロヤシオ。ゴヨウツツジの別名通りの葉が光る
2016年05月22日 13:45撮影 by DSC-HX90V, SONY
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シロヤシオ。ゴヨウツツジの別名通りの葉が光る
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宮ヶ瀬湖を望む。道の反対側を見れば、
2016年05月22日 13:53撮影 by DSC-HX90V, SONY
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宮ヶ瀬湖を望む。道の反対側を見れば、
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こんな立派な八丁坂ノ頭分岐の標柱
2016年05月22日 13:54撮影 by DSC-HX90V, SONY
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こんな立派な八丁坂ノ頭分岐の標柱
ジグザグの急坂にモノレールが寄り添う
2016年05月22日 14:07撮影 by DSC-HX90V, SONY
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ジグザグの急坂にモノレールが寄り添う
ヤマツツジも発見
2016年05月22日 14:32撮影 by DSC-HX90V, SONY
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ヤマツツジも発見
林道合流
2016年05月22日 14:40撮影 by DSC-HX90V, SONY
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林道合流
棚田に水が張られて
2016年05月22日 15:00撮影 by DSC-HX90V, SONY
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棚田に水が張られて
黍殻山を仰ぎながら青根集落の道を下る
2016年05月22日 15:07撮影 by DSC-HX90V, SONY
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黍殻山を仰ぎながら青根集落の道を下る
バス待ちでお世話になったいのうえ商店
2016年05月22日 16:17撮影 by DSC-HX90V, SONY
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バス待ちでお世話になったいのうえ商店
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感想/記録

 主脈縦走をしたいものの、道志道側へ下りたらバスが1本のみというのは心臓に悪い。といって、逆行しようにも朝1本の東野行バスに千葉県民が乗るのは至難の業。地図をよく見ると、宮ケ瀬湖の北、鳥屋から黍殻山へ登るルートがある。そこで、一度踏査してみようと思い立って訪ねた。
 結論的には、奥野林道の見晴らしがまずまずなので、鳥屋から登って北から逆に主脈をたどるルートもありだなと思った。一方、東野へ降りる道もしっかりしているので、早めに下りて「いやしの湯」で時間調整するルートも大丈夫とみた(暑い時期は東野まで登りかえすのが嫌になりそうだが)。
 この日の山行自体は、実は出足でつまずいた。7:55橋本駅発のバスで鳥屋に向かっていたところ、相模川にかかる旧小倉橋の東詰めで2トントラックが自損事故で動けなくなっていたのだ。乗用車がやっとすれ違える幅の橋で、バスは迂回ができないとかで、レッカーが処理するまで待機することに。だが、あんまり待たされると、東野発のたった1本のバスに乗れなくなる。
 お客は終点へ行く観光の老夫婦と私の3人だけ。営業所と電話連絡していた運転手が「急ぐ方は係の者が指導車(乗用車)で来るので、橋を徒歩で渡ってくれれば拾って先にお送りします」と言うので、すぐ席を立った。すでにレッカー車は到着していたが、警官付き添いで橋を渡り、同じく開通待ちをしている上りバスの所へ。そこで指導車の到着を待っていると、上りバスの運転手から「指導車が間違えて対岸に着いてしまったようです」と告げられた。
 ほかの橋を回って来てくれるというが、見るとレッカー作業が終わろうとしている。運転手は「先に来た方に乗りなさいよ」と言ってくれたが、結局、橋が先に開通して元のバスの乗客に戻ることになった。この間、ほぼ1時間のロス。ただし、バス料金はタダにしてくれた。いろいろ手配してくれた神奈中バス運転手さんたちには好感が持てた。
 さて、かなり遅れたものの、予定していた下山後のお風呂をパスすればバスに乗り遅れることはないと判断し、予定通りのルートで歩き始めた。この串川の谷は「山が楽しくなる地形と地学」(山と渓谷社)に、早戸川の谷に上流部をぶん取られた河川の争奪の事例として登場している。そう思って眺めれば、小広い平地を持つ谷に水の枯れた串川が細々と続くだけというのは、ちょっと不思議な気もする。
 そんなことを思いながら暑い日差しの下を歩き、ようやく森が増えてくると、鶏の声がしてコッコパーク着。廃道化した登山道入り口の指導標は見落とした。「奥野林道」の標識が見え、そのアスファルトの道を木陰を選びつつ辿る。森の中に続く気持ちよさそうな小道で、何かインタビューのロケのようなものをやっていた。蛭に食われなければいいが、などと余計なことを考えてしまう。もっとも、しばらく本格的な雨はないから蛭の出現率は低いかもしれない。
 トンネルをくぐると、そこが松茸山自然の森公園の休憩所だった。車で来て休んでいる人を横目に右へ曲がり、若干下ってほぼフラットな林道をさらに進むと水沢橋のたもとに着いた。小鳥がいい声で鳴いていて、望遠のカメラを手にしたバードウオッチャーが声の方を見ている。何の鳥ですか、と尋ねるとオオルリだとのことだった。
 橋の先にゲートがあり、10台近い車が止まっていた。左上に登る方が奥野林道だ。標高を稼いでいくと、松茸山の散策路入口の看板があり、さらに進むと道が南斜面に出た。新緑鮮やかな丹沢三峰が向こう側にそびえている。その右手の奥、さらに高々とした稜線は棚沢ノ頭から蛭ヶ岳に至る主稜のようだ。望遠レンズで蛭ヶ岳山荘が見えたから間違いない。
 長い林道歩きだが、天気は良いし景色もまずまずなのでそれほど飽きない。急ぎ気味に歩いてきたので、遅れも挽回しつつある。やがて舗装が途切れ、沢の水が路面を湿らせる区間を過ぎると、ほどなく奥野林道終点の看板と大平分岐への指導標が見つかった。指示に従って右上へと登れば、トイレ(?)のような建物がある登山口の広場に着いた。ここまで9劼2時間を切るタイムで歩き切ったからまずまずだ。
 誰かの自転車が置いてある広場で、念のためヒル防除剤を付けたスパッツを装着し、登山開始。きれいに整備された杉の植林帯を急登する。もっと作業道が入り組んだりしているのかと思っていたが、実際は一本道で分かりやすい。作業用モノレールが離れたり並行したりしつつ登山道に沿って伸びているので、道迷いの心配はなさそうだ。
 山腹のジグザグ道を順調に登ってモノレールをくぐると、尾根に出た。若干緩くなった勾配に気を良くしてどんどん登る。持病の好酸球性肺炎はステロイドでしっかり抑えてあるから、脚がへたるより先に呼吸困難に陥る心配はない。尾根が緩やかな傾斜に代わり、ほぼフラットになると左へ直角に曲がる道標が現れた。若干下って、2、3分で無事主脈縦走路の大平分岐に着いた。
 快適な林間の縦走路をちょっと行くと、目指す黍殻避難小屋を示す道標を発見。左へ曲がって多少下ると、芝生の広場の向こうに真新しい小屋が見えた。年配の女性3人組がちょうど出ていくところで、小屋に入ると入れ替わりに男性2人パーティーが出発し、当方の独占となった。窓を開けるとそよ風が気持ち良い。子供の名前を書いた多数の荷物やリュックがデポしてあるが、近くにはいないようで、テーブルでゆったりと昼食を採ることができた。
 トイレを借りて出発。予定の15分遅れまで取り戻したから、第一案の八丁坂ノ頭折り返しのルートならお風呂にも入る時間が取れそうだ。そう思って足取り軽く緩い登りの縦走路をたどる。道は稜線の南東側に若干外れており、日陰になって快適だ。樹間からは丹沢三峰から丹沢山、主稜の蛭ヶ岳に至る稜線が覗く。全部見える展望ポイントはないかな、と左ばかり見て歩いていたら、なんと知らない間に八丁坂ノ頭を通り過ぎてしまった。
 ミツバツツジが名残の花を咲かせ、新しい木道も歩きやすくて、ミスに気付かぬままどんどん先へと進んでしまう。地図では、尾根が平たくなって道が稜線に戻ったあたりが八丁坂ノ頭分岐ということになっている。さすがにおかしいと気づいたのは、標高が1400mに近づいたあたりだった。しかし、訳も分からず戻るのも癪だ。時間があれば寄るつもりだった第2案「姫次折り返し」でもいいや、と腹を決めた時に見えたのが、東海自然歩道最高標高点の標柱とベンチだった。
 一瞬、ここで折り返そうかと考えたが、展望台として知られる姫次は目と鼻の先。どうせ風呂をあきらめるなら姫次まで行っても大同小異の到着になると判断し、脚を伸ばした。夫婦1組が休む姫次では、蛭ヶ岳と檜洞丸が間近に聳え、西の方をサングラス越しに見やると富士山の稜線もかすかに見えた。来ただけの価値はあったと納得し、速やかに折り返した。
 小走りに木道を下りていくと、ミツバツツジに交じってシロヤシオらしい花も咲いているのが見えた。いやいや、気を散らすな、2度も分岐を見落としたらバカそのものだ、と自らに言い聞かせつつ進むと、標高1340m付近に見落としようのない立派な道標が立っていた。北東方向に宮ケ瀬湖が覗き、振り返れば主稜線も良く見える。完全に進行方向左手の景色と撮影に気を取られて、右手に当たる道標を見落としたらしい。やれやれ。
 稜線までほんの気持ち程度登り、北へ伸びる丸い尾根を行くと、間もなく急降下のジグザグ道に変わった。急ぎ気味に来たとはいえ、今日はさほど標高を稼いでいないので脚力には余裕がある。10分ほどハイペースで駈け下り、やや勾配が緩んだところで巡航速度に切り替えた。周囲では小鳥たちに交じってミョーキン、ケケケのエゾハルゼミが鳴いている。
 下るにつれてだんだん暑くなってきた。まだ3時前で、最高気温は上がるという予報だったから下界は大変だろう。やっぱり風呂で汗を流したい。実は駆け下りてみたのはそのせいで、山と高原地図の東野に「鶴屋旅館入浴可」という文字を見つけていたからだ。当初予定のいやしの湯までは行けなくても、バス停前の旅館で風呂を借りる時間くらいは稼げるだろう。
 登山道は標高700mほどでアスファルトの林道に合流し、歩みはさらにはかどった。沢から引いた用水が林の中の道に沿って涼しげな音を立て、やがて開け放した二つ目のゲートを抜けると集落が見えた。田植えをしたばかりの棚田もある。曲がり角を間違えないように気を付けながら下っていくと神社があり、もくろみ通りバスの来る1時間以上前に目的の鶴屋旅館へ着くことができた。
 ところが、玄関は開いているのに呼んでも人の気配がない。お風呂をどうぞという幟も立っているし、横の食堂も開いているが、誰もいない。試しに電話してみたが、奥でむなしくコール音が聞こえるのみ。これは想定外だった。それにしても喉が渇いたので、様子を聞きがてらビールでも買おうと、隣の食品店「いのうえ」さんを訪ねた。
 店番のご夫婦に事情を話すと、「80過ぎのおじいちゃんたちがやっているので、時々どこか行っちゃうのよね」とのことで、奥さんが「探してきてあげる」と出て行ってくれた。恐縮しつつ缶ビールを買い、レジのそばにあるベンチで飲みながら待たせてもらったが、結局、老夫婦は見つからずじまい。店で休んでいて良いとのことなので、ハイボールと菓子を買い足し、ご厚意に甘えて物陰で着替えさせてもらってバスを待った。ご主人とすぐ裏にあった小学校の火事の話になり、4月3日に燃えた神奈川最古の木造校舎がここの青根小学校だったことを思い出した。
 後から一人、林野庁に勤めているという男性ハイカーが缶ビールを買って雑談に加わり、一緒にいのうえ商店を辞した。北海道勤務時代にヒグマに遭ったなどという話を聞かせてもらううち、バスを乗り継ぎ90分の橋本駅までの道中は、たちまちのうちに過ぎた。
訪問者数:150人
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登録日: 2014/2/6
投稿数: 17
2016/6/19 16:17
 こんにちは
先日コメントを頂いたnickiparrottです。ありがとうございました。
千葉から丹沢まで来るご苦労がとてもよくわかりました。それと同時に茅ヶ崎在住の僕がとても恵まれていることもよくわかりました。zaoluckさんの過去たどったコースを参考にさせていただいて、今後も丹沢行に励みます。花の名前の添削も引き続きお願いします。また、いのうえ商店みたいな情報はとてもうれしいですね、僕も心掛けたいです。
ところで尋ねていいのかわかりませんがzaoluckってどういう意味ですか?
(自分のnickiparrottはあまりに単純なので訊いてしまいました)
登録日: 2009/1/4
投稿数: 45
2016/6/19 21:59
 Re: こんにちは
nickiparrotさん、今晩は  返信ありがとうございます。
花の名前の添削なんておこがましい次第で、私のレコで分かる通りシロヤシオはたまたま見たばかりで気が付いたわけでして・・・。いつも山から帰ったら写真の花と葉っぱと図鑑を見比べて、「なんだろう、この花?」と悩んでいます。なんとか同定しても次に山に行くと忘れてしまったりして
お尋ねのzaoluckの由来は、ざおうらく=蔵王楽のごろ合わせです。山形時代、蔵王を楽しむ会、略して蔵王楽の会という実態は飲み会仲間があって、首都圏へ戻ったのを機に勝手にその名前を一捻りしてヤマレコに登録しちゃったのでした
登録日: 2014/2/6
投稿数: 17
2016/6/20 10:36
 Re[2]: こんにちは
なるほど。本当に花の名前は難しいですよね、山から帰るとzaoluckさんと全く同じことをしています。
訊かれていないけど僕のnickiparrottが何かと言うと、大好きな女性ジャズボーカリストの名前です。音楽は昔から好きで聴いていたジャンルは色々ですが、常に女性ボーカルの声に興味があって、好みの声質にドンピシャリとはまったのが彼女でした。機会があったら聴いてみてください。

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