谷川岳 主脈縦走 〜静かな上越国境稜線を東から西へ〜
- GPS
- 12:48
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 2,642m
- 下り
- 2,328m
コースタイム
- 山行
- 11:08
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 12:37
天候 | 暑過ぎる五月晴れ(日陰と風が愛おしい) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
土合駅 ◆下山後に土合駅まで戻る手段 平標登山口バス停(元橋バス停でもよい)から南越後観光バスに乗って湯沢駅前バス停(越後湯沢駅)へ(600円)。 越後湯沢駅から上越線で土合駅(410円)。 上越線の終電は17時53分。それに乗るためには15時55分のバスに乗らなければならない。間に合わなかったらタクシーで移動となる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【山行ルート】 ◆西黒尾根 言わずと知れた日本三大急登だが急登感はあまりない。鎖場は足場となる岩が滑りやすい。 ◆谷川岳〜万太郎山 オジカ沢ノ頭の手前に鎖場あり。頭の西側に避難小屋。小虫が多かった。 子障子ノ頭も小虫が多かった。西に下ったところに避難小屋。避難小屋から南に10分下ると水場(未確認)。 ◆万太郎山〜仙ノ倉山 万太郎山から西に30分下ったところに避難小屋。そこから少し下ると毛渡乗越(赤谷川橋に至る分岐だが踏み跡は薄く見えた)。 エビス大黒ノ頭への登りではツバメが近くを飛び回る。 エビス大黒ノ頭から仙ノ倉山への中間に避難小屋。 この区間の4つの避難小屋はすべてシェルターのようなもので数人しか入れない。宿泊を前提に計画するのは危険。 ◆仙ノ倉山〜平標登山口 これまでと異なり木道となる。 登山口に熊注意の看板あり。 【山行ルート上のトイレ】 土合駅 谷川岳ビジターセンターの駐車場 谷川岳肩ノ小屋 平標登山口の駐車場 |
その他周辺情報 | ◆水上周辺のコンビニ セブンイレブン ファミリーマート |
写真
感想
新潟と群馬の県境にまたがる谷川岳は、岩壁登攀黎明期に多数の死者を出したことから"魔の山"と呼ばれる。一方、たくさんの尾根と稜線と登山口を持つため多様な山行が可能な谷川連峰は、初心者から熟達者までを虜にする。私も谷川岳の虜になった一人だ。今回の谷川岳主脈は、2年前の馬蹄形縦走を終えてからいつか歩きたいと思い続けたルートだ。
午前3時、土合駅から出発。日の出まで1時間半あるが満月が夜道を照らす。西黒尾根は樹林帯なので月明かりは届かないが、4時過ぎには白毛門の向こう側から明るくなってきた。樹林帯を抜けてラクダの背に着くころには既に太陽が姿を現していて、晴れることを確信する一方で、日中帯の気温がどれだけ上昇するか不安に感じた。
7時過ぎに谷川岳トマノ耳に登頂。これまで何度も登ってきた頂上だが、この時間に登ったのは初めてだ。いつもならオキノ耳に向かうのだが、今回の目的地は遙か西にある。肩ノ小屋から先に延びる谷川岳の主脈は憧れだった。その主脈稜線に初めて足を踏み入れる。
歩き始めてすぐにお花畑が歓迎してくれた。シャクナゲ、ヤマザクラ、ハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、タテヤマリンドウなど、夏の訪れを感じさせてくれる。中ゴー尾根分岐を過ぎて岩壁を登り、最初の『頭』であるオジカ沢ノ頭に到着。オジカ沢は中ゴー尾根の西側を流れる沢のことで、その流れる先には谷川温泉がある。オジカ沢ノ頭から南にはとても素敵な姿の川棚ノ頭があるが、そちらには薄く踏み跡がある程度なので興味はあるが今回は向かわず万太郎山へ向かう。
万太郎山までには小障子ノ頭、大障子ノ頭を越える。地図で見るとそれほど高低差はないのだが、長く歩いてくると疲労のためだろうか、登りがとても厳しい。気温上昇と直射日光が容赦なく体の水分を奪い取っていく。水の残量が気になる。
万太郎山に登頂し、越路避難小屋に向かうと3名の登山者が休憩していた。1人が捻挫してしまったらしく、どこから下山するか検討していた。万太郎山に登り返して吾策新道から土樽に向かうか、毛渡乗越から川古温泉に向かうかということだったので、後者は渡渉がありそうなので前者を勧めた。万太郎山は主脈稜線のちょうど中間地点に当たり、どのルートで下山しても長い。ここでの怪我は救助要請が最適なのだが、なんとか自力歩行可能ということで自力下山するようだ(その後、土樽駅から3名とも乗車したので安心した)。
毛渡乗越からエビス大黒ノ頭に登る。南側が岩壁になっていて、そこにツバメの巣があるらしく、無数のツバメが上空を飛び交う。我々を警戒しているのだろうか、すぐ近くを威嚇するかのように飛んでいく。12時ちょうど、エビス大黒ノ頭に到着。谷川岳からここまで4つの『頭』を通ってきた。このエリアは頭が多い。エビス大黒ノ頭で昼食の予定だったが、計画より30分遅れているので少しだけ休憩して先に進んだ。避難小屋まで少し下り、主脈最高峰の仙ノ倉山へ登る。
13時ちょうど、仙ノ倉山に登頂。仙ノ倉山は谷川連峰の最高峰で、日本二百名山に選定されている。前を見れば平標山とその向こうには常に我々を見守っていた苗場山、振り返れば歩いてきた稜線の先にうっすらと谷川岳。トマノ耳から6時間でここまで歩いてきたのだ。
仙ノ倉山から平標山は木道で整備されている。平標登山口から平標山、仙ノ倉山は去年の紅葉シーズンに歩いたがかなり混雑するため、登山初心者向けの配慮と、自然保護のためだろう。休日はたくさんの登山者で賑わう平標山の広い頂上には我々だけしかいない。ここに至る長い上越国境稜線歩きもここまで。平標山から平標登山口までは国境でなくて新潟県だ。
平標登山口までは松手山まで緩い下りが続き、松手山を過ぎると樹林帯となる。しばらく下ると国道17号を通る車やバイクの音が聞こえてくる。そこで縦走の終わりを実感した。
主脈を踏破したが、歩いていない谷川連峰の登山ルートはまだまだある。上越のマッターホルンと呼ばれる大源太山、土樽起点の裏馬蹄形縦走などは近いうちに実現したいものだ。
◆おまけ動画
例の3人組です。こちらにもいらっしゃいましたね。
左足がほとんど曲がらないらしく後ろ向きで歩いたり苦労しながら恐ろしく時間かけて下りなんとか列車に間に合いました
当人次の日会社来てましたが病院行きを強く進めて帰りに整形外科に行ったようです。
私が本日休みなので経過はまだ報告ありませんが後遺症などないといいのですが…
namerouさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
痛めた足で万太郎山を下山するのは大変だったでしょう。上越線の終電に間に合ったのは不幸中の幸いでしたね。
怪我の程度は分かりませんが、靭帯を痛めると回復に時間が掛かるかもしれません。早い復帰を願っております。
こんにちは〜
いや〜素晴らしい景色です!
いつかは挑戦したい憧れのルート!
無事に完走、お疲れ様です。
お見事でした!!
では、また。
NJ-TAKAさん、こんにちは。
充実した縦走になりました!気温が高くなったにも関わらず、平標山から谷川岳まで眺めることができたのは幸運でしたね。
谷川連峰は多彩な山行計画が立てられるので面白いです。次は裏馬蹄かも
コメントありがとうございました。
わぁ〜、凄いですね!
日帰りで主脈縦走を歩いてしまうとは流石ですねぇ〜。
また、バスの時刻がギリギリだったようで間に合って何よりです。
いやぁ〜、稜線が素晴らしいですね!
遠くの景色より間近の稜線に見入ってしまいました。
いつか歩きたいのですが、日帰りはとても無理なので、よく考えなければなりませんね。
あっ、偶然にも同じに日に山友が歩いていますので(1泊2日)、そのレコをご覧頂ければと思います。
お疲れさまでした。
ayamoekanoさん、こんばんは。
日帰りで頑張りましたが、2年前の馬蹄形より今回のほうが疲れました。前半の直射日光が効きましたね〜。
「遠くの景色より近くの稜線」という感覚は歩いていても感じました。谷川連峰は稜線好きには堪らないですね!
コメントありがとうございました。
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