丹沢/中川川大滝沢(鬼石沢)
- GPS
- 06:28
- 距離
- 13.1km
- 登り
- 1,454m
- 下り
- 1,436m
コースタイム
- 山行
- 5:21
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 6:29
天候 | 晴れ(19〜23℃) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
大滝橋から林道(未舗装)に入り、ゲートを入った所の余地に駐車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆道の状況 ・登山道(大滝橋〜畦ヶ丸) 道標が多く設置されており、道迷いの不安は無い。 マスキ嵐沢から一軒家避難小屋の区間では登山道は急崖に開かれているので、平易とは言え滑落には注意が必要と感じる。 ・鬼石沢 トポ(「丹沢の谷110ルート」)には書かれていない分岐、出合が幾つかあり、都度読図が必要。特に上流では滝のスケールは減少している。 ◆登山ポスト 大滝橋には無し。西丹沢自然教室にはあり。 |
写真
感想
梅雨入り宣言が出たがそんないつも雨が降る訳でも無いしと日曜日に鬼石沢を計画したら、大正解!実に沢日和な青空が広がった。畦ヶ丸に突き上げる鬼石沢は御影石のナメ床が綺麗な静かな沢だった。
平塚の野っ原をクルマで走っていると正面に富士山が見えた。これは意外と天気が良さそうと気分も盛り上がる。往路は渋滞も無く大滝橋に着いた。クルマはダートの林道を少し走ってゲートを入った所の余地に停めた。他に駐車車両は無し。クルマを降りて空を仰ぎ見ると青空が広がる。一週間前の週間天気予報だと曇り後雨だったけど、予想外に沢日和の雰囲気だ。出発準備をしていると沢の向こうの森からドラミングが聞こえる。実に長閑。
林道から登山道へと踏み込み30分でマスキ嵐沢に出合う。ここから急崖に付けられた径をぐいぐい登って行くとやがて径は水平になり沢が隣りに寄り添ってくる。そうすると一軒屋避難小屋ももうすぐ。ここで沢装備を身に付けながら大休止。登山者には全然逢わなかったが休憩していると沢登り装備のパーティがやって来た。やはり鬼石沢を目指すとのこと。
看板も立てられている鬼石沢は小屋の右手を流れている。小屋の裏手に向かって作業道が延びており、それを辿って行くとすぐに第一堰堤が見えて来る。作業道はそのまま堰堤の右岸側を乗越して行く。沢が右に軽く屈曲する辺りには倒木が沢山折り重なりあって堆積していて、その区間では作業道は左岸側に付け直されているが、すぐにまた右岸へと導かれる。しかしナメ床も現れて来たのでもう水流を歩く方が気持ちが好いと言うもんだ。直線的に延びていた沢がどんと突き当たると二俣で小さなナメ滝を越えて左俣に進むと正面にF2-10mだ。どうしてF2?と言う所だけど雨棚はまた宿題だ。最後尾で近づいて行くともうAki-CLさんは右側の草付きから取り付いてスルスルと登ってしまってる。2番手にはT井君、そして13Kさん、僕と続いた。
F2の上に立つともう眼前にF3-20mがある。手前のナメ滝を勘定に入れて20mと言う所だろうか。Aki-CLさんはロープを出して左壁から取り付き、バンドを斜上して右壁に移動、枯れ枝に心もとなくもランニングビレイを取るかと考えていたら残置ハーケンを発見しランニングビレイを取り一安心。Aki-CLさんが追加のスリングを要求するのに下から放るが中々届かない。スカッと落ちて来たスリングは滝壺にドボンとなるが投げた人の責任払いと言うことでT井君が滝壺を漁るのだけれど意外と深くて見付け難い、且つ結構水も冷たく大変だった。3ヶ所の残置ハーケンでランニングビレイを取ってAki-CLさんは抜けた。フィックスしたよ、のコールがあり僕がTiblocを使ってフォロー。最初から右壁を行く。流水のすぐ脇は逆層気味だが一手我慢して枯れ枝に辿り着く。ここに立ち込むと中間のスラブで中々次の一歩が進めない。右手をピンチグリップで目の前のホールドを掴みながら左足をスラブに出して、と思ったら指を掛けていたホールドが掛けてテンション。次のトライでは何とか行けた。ここを越えるとやや楽になり落ち口は右手のリッジを数手攀じって終了。T井君もちょっと苦労した模様だけど無事にノーテンションで登って来た。最後に13Kさんがフォローして無事終了。
F3を越えるとナメ滝が続きやがて10m石積み堰堤に出合う。堰堤の上に岩が乗っているように下から見えたのだが、堰堤の上に立つとそんなものは無くちょっと不思議な感じ。そしてF4-7mのナメ滝。難しさは感じない。F4の上は花崗岩のナメ滝が延々と続き、鬼石沢で一番素敵な所と言う感じだ。そして何となく沢が左に曲がった所で大岩が重なり合ったF5-6mCS滝に出合う。これが鬼石沢の由来となった鬼石か、と仰ぎ見ていたら皆さんとっとと胎内潜りへと向かってる。テーブルのような岩のステージが記念写真用に最高かと思ったのだけど…。胎内潜りの入口には赤い矢印が書かれているが、最後の所が中々窮屈だった。13Kさんはウエストバッグが邪魔だったとこぼしていた。鬼石の上に立つと沢は二俣に別れていることが解る。右手の沢は北へと向かい左手の沢は西へと向かう。後でGPSのログを見てもちょうどルートの屈曲点になっていた。地図を確認して左俣に進む。
トポによるとF5から大きな岩が乗っている堰堤までF6-5mを含んで3つの滝マークが描かれているのだが滝らしいものは全く見られなかった。沢の真ん中に大木が立っているような所があったからそこが元は滝だったのかもしれない。トポは1995/4となっているから20年余りの歳月での変化なんだろう。そしてこれこそ本当の大岩が乗った堰堤に出合った。堰堤を越えて1040m地点で二俣があるがここは方位を見ながら右。更に1060m地点でも二俣があり右を進むとまた二俣、ここが奥の二俣だろう。右俣に進むとすぐにスラブの5m滝があり、それを越えると樋状の10m滝。どちらも容易だ。そして古い堰堤に出合う。
堰堤を越えると8mCS滝と記述のある滝が見えて来るが、2段合わせても4mと言うスケールに現状ではなっている。Aki-CLさんが大きなチョックストンに更に挟まっている頭位のチョックストンにスリングを巻いて手掛かりを工作し、突破。右側にはお誂え向きにフィンガーサイズのクラックも走っていたのでここはカムを使ってみようとセットした。使える所ではやっぱり楽なものだ。流木に立ち込んで左手を遠くに探るとカチホールドがあるのでスリングに右手を絡ませ左足を外傾したスラブに乗せて立ち込むと一気に乗越せる。
もう源頭部の雰囲気だ。所々にヤマツツジが残っている。三俣は左側に進む。5分も歩くと最後の10mCS滝だ。ただここも4m程にスケールダウンしている。谷に土砂が流れ込んでいる様子が伺える。ここは右岸側を登る。先頭に立つAki-CLさんはそのまま斜面を直登して稜線を目指す構えだ。T井君も彼に続く。ふとCS滝方向を見ると落ち口に向かってトラバースしている踏み跡があったので僕はそちらへと向かった。CS滝の上からはもう谷をそのまま詰めて行くと稜線、登山道を歩く姿も見えた。藪漕ぎ無しで稜線の鞍部に出ることができた。Aki-CLさんとT井君はコブの向こう側に出た模様だ。まだ12時前と予定よりも大分早いので畦ヶ丸まで登ることとした。畦ヶ丸で沢装備を解いて大休止。展望が余り良くは無いが畦ヶ丸は訪れる登山者が少ないので落ち着いた雰囲気を感じる。
下山は大滝峠上から一軒屋避難小屋を経て来た径を戻る。稜線近くの森からはカジカガエルの鳴き声が盛んに聞こえた。すっかり初夏の気分なのだろう。僕等も初夏らしい一日を楽しめた。
大岩の堰堤、胎内潜り等、水量の割に巨岩が印象に残る沢。
沢沿いに詰めると嫌らしいガレ場もなく平易な草付を登って登山道に至る。
避難小屋が二つあるのでトラブル発生時は多少安心?
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