また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 912600
全員に公開
ハイキング
奥多摩・高尾

相模湖駅ー陣馬山ー市道山ー刈寄山ー今熊山ー武蔵五日市駅(徹夜ハイク)

2016年07月09日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
11:19
距離
30.3km
上り
2,413m
下り
2,424m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
9:31
休憩
1:47
合計
11:18
0:01
14
0:15
0:16
11
0:27
0:28
32
1:00
1:01
23
1:24
1:24
7
1:31
1:31
7
1:38
1:38
26
2:04
2:18
15
2:33
2:35
15
2:50
2:51
10
4:06
4:18
26
4:44
4:58
48
6:25
6:25
10
6:35
6:38
15
6:53
6:53
16
7:09
7:10
12
7:22
7:29
28
10:03
10:22
27
10:49
10:51
28
11:19
11:19
0
天候 くもり、明け方から雨
過去天気図(気象庁) 2016年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
出発点:中央線 相模湖駅
ゴール:五日市線 武蔵五日市駅
コース状況/
危険箇所等
基本的にはハイキングコースなのですが、梅雨時のため濡れて滑りやすくなっております。特に下りで注意を要します。

踏み後は明瞭ですが、伐採用道路、作業者の踏み跡などが少し紛れを生んでます。登山道の踏み跡は硬いのが特徴です。

舟子尾根を刈寄山側から登る場合、登山道からかなり大きく外れていきます。途中高圧線保安のための通路と交差しますが、そこで保安路を登山道側へ入ってください。地図上はまず南下です。

金剛の滝は峡谷の中にあって増水時の退避が難しいため、雨天のときは気をつけて行動して下さい。看板では、下りの道も滑りやすい悪路なので雨中、雨後は行くなと警告してあります。
終電一つ前の大月行きを相模湖駅で見送った頃、日付が土曜日に変わった。
2016年07月08日 23:56撮影 by  COOLPIX S30, NIKON
7/8 23:56
終電一つ前の大月行きを相模湖駅で見送った頃、日付が土曜日に変わった。
暫く線路沿いに歩いた後、大き目の陸橋を山側へ渡った。急峻な階段を登はんして与瀬神社へ到着した。縦走の安全を祈願した。登山道は本田に向かって左突き当たりにある。
暫く線路沿いに歩いた後、大き目の陸橋を山側へ渡った。急峻な階段を登はんして与瀬神社へ到着した。縦走の安全を祈願した。登山道は本田に向かって左突き当たりにある。
山中赤い光を発見した。これは誰かいると思って声掛けして近づいたところ、伐採作業中の反射板だった。
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山中赤い光を発見した。これは誰かいると思って声掛けして近づいたところ、伐採作業中の反射板だった。
序盤は脚が重かったが、大平小屋跡まで到着した。
序盤は脚が重かったが、大平小屋跡まで到着した。
大平小屋を過ぎて、明王峠へ向かう前のピーク。ここまで来ると体が温まってきた。
大平小屋を過ぎて、明王峠へ向かう前のピーク。ここまで来ると体が温まってきた。
明王峠前の階段を一気に登った。
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明王峠前の階段を一気に登った。
もうひと歩きで陣馬山だ。山頂前の最終分岐。和田峠へは陣馬山山頂から目指すことにした。
もうひと歩きで陣馬山だ。山頂前の最終分岐。和田峠へは陣馬山山頂から目指すことにした。
2時少し過ぎに陣馬山頂到着。雲はやや薄めだったが夜景を含めて眺望はなかった。
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2時少し過ぎに陣馬山頂到着。雲はやや薄めだったが夜景を含めて眺望はなかった。
夜間は山頂から和田峠へ降りる道を見つけるのにひと手間掛かった。
夜間は山頂から和田峠へ降りる道を見つけるのにひと手間掛かった。
和田峠への滑りやすい下り道を慎重に歩くと前方に今度は青い光が見えた。和田峠の交通標識だ。
和田峠への滑りやすい下り道を慎重に歩くと前方に今度は青い光が見えた。和田峠の交通標識だ。
結界ではない。この林道を行きなさいというテープマークだ。
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結界ではない。この林道を行きなさいというテープマークだ。
鎖を過ぎてすぐにハイキングコースの標識が出た。
鎖を過ぎてすぐにハイキングコースの標識が出た。
和田峠から醍醐丸にかけて、尾根筋でホタルに遭遇した。筆者のデジカメではホタルの光は映らないのが残念だ。
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和田峠から醍醐丸にかけて、尾根筋でホタルに遭遇した。筆者のデジカメではホタルの光は映らないのが残念だ。
市道山までやたらに遠く感じた。救いは時たま目に付くホタルの輝きだった。
市道山までやたらに遠く感じた。救いは時たま目に付くホタルの輝きだった。
地図に名前の出ていない無名峰の標識を見つけてうれしくなった。これはウルシガヤの頭
地図に名前の出ていない無名峰の標識を見つけてうれしくなった。これはウルシガヤの頭
無名峰から市道山方面。あんな遠くまで行かなければならないのか。しかも真下を伐採用道路が走っていて少しがっかり。
無名峰から市道山方面。あんな遠くまで行かなければならないのか。しかも真下を伐採用道路が走っていて少しがっかり。
振り返って陣馬山と醍醐丸。
振り返って陣馬山と醍醐丸。
滑落しそうな薄い踏み跡のトラバースを経て、市道山分岐に到達した。
滑落しそうな薄い踏み跡のトラバースを経て、市道山分岐に到達した。
山頂まで残り100 m。
山頂まで残り100 m。
市道山山頂に到着した。三角点を見つけられなかったのが心残りだった。
市道山山頂に到着した。三角点を見つけられなかったのが心残りだった。
山頂から今熊山方面。あの果てまで行くのか。
山頂から今熊山方面。あの果てまで行くのか。
市道山辺りで雨足がやや早くなった。ここは「いっぽち」山、下山後調べたら、標高780mらしい。
市道山辺りで雨足がやや早くなった。ここは「いっぽち」山、下山後調べたら、標高780mらしい。
尾根筋をたどるので、無名峰を次々に踏んでいった。
尾根筋をたどるので、無名峰を次々に踏んでいった。
植林のために景色が開けて、登り下りの大変さが見て取れる。写真では見えにくいが、手前右端からくだって、伐採地(植林地)境界を登り返す登山道がある。
植林のために景色が開けて、登り下りの大変さが見て取れる。写真では見えにくいが、手前右端からくだって、伐採地(植林地)境界を登り返す登山道がある。
通り尾根の頭
また下って登ると
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また下って登ると
「とやど」
三角点みたいだが違うようだ。
三角点みたいだが違うようだ。
さて、また下って登る。
さて、また下って登る。
栗の木「尾」沢の頭?
栗の木「尾」沢の頭?
「あびらうんけんそわか」山、ではない。縦走路に仏教色の強い標識が散見した。修験者によるものか?
「あびらうんけんそわか」山、ではない。縦走路に仏教色の強い標識が散見した。修験者によるものか?
くだる。同じような写真ばかりになってしまうが、筆者も同じような地形を数え切れないくらいアップダウンして、忍耐力を養った。
くだる。同じような写真ばかりになってしまうが、筆者も同じような地形を数え切れないくらいアップダウンして、忍耐力を養った。
のぼる。
栗の木沢の頭(小ピーク)への標識。メインの登山道は迂回していた。
栗の木沢の頭(小ピーク)への標識。メインの登山道は迂回していた。
栗の木尾根(峰見通り)
栗の木尾根(峰見通り)
赤くて巨大な高圧線の鉄塔の脇を通過、
赤くて巨大な高圧線の鉄塔の脇を通過、
鉄塔通過後、すぐに弾左衛門ノ峰へ到着した。
鉄塔通過後、すぐに弾左衛門ノ峰へ到着した。
ここから長い長いくだりに入り、滑ってしりもちをつかないよう慎重に歩いた。
ここから長い長いくだりに入り、滑ってしりもちをつかないよう慎重に歩いた。
「とっきりば」を確認しそびれた。
「とっきりば」を確認しそびれた。
北へ向かって下る下る。
北へ向かって下る下る。
入山峠付近は盆堀川の水源地らしい。
入山峠付近は盆堀川の水源地らしい。
どこの分岐点か失念した。
どこの分岐点か失念した。
無名峰を経て、
下り始めた。
どんどん下った
倒木を越えながら、北上した。
倒木を越えながら、北上した。
たまに市道山方面が視界に入った。ずいぶん遠くなった。
たまに市道山方面が視界に入った。ずいぶん遠くなった。
そして、刈寄山らしき峰が遠く見えてきた。到着は7時かな。
そして、刈寄山らしき峰が遠く見えてきた。到着は7時かな。
鉄塔下を通過した。
鉄塔下を通過した。
鉄塔を過ぎてすぐ、下りきったところに「旧」入山峠を通過した。すると新入山峠はどこだ?
鉄塔を過ぎてすぐ、下りきったところに「旧」入山峠を通過した。すると新入山峠はどこだ?
「新」入山峠は林道との交差点だ。地形図に出ている入山峠は「旧」である。
「新」入山峠は林道との交差点だ。地形図に出ている入山峠は「旧」である。
伐採用道路はゲートが閉じているが、登山道は右側に開かれている。
伐採用道路はゲートが閉じているが、登山道は右側に開かれている。
刈寄山20分、今熊山70分か。下山は10時は無理かな?
刈寄山20分、今熊山70分か。下山は10時は無理かな?
視界は開けるが、歩いてきた稜線は雲でまったく見えない。
視界は開けるが、歩いてきた稜線は雲でまったく見えない。
山頂直下はどこも階段と決まっているのだ。
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山頂直下はどこも階段と決まっているのだ。
「かりよせやま」山頂到着。このときは、これで主な仕事は終わりと思っていた。
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「かりよせやま」山頂到着。このときは、これで主な仕事は終わりと思っていた。
山頂近くに東屋があった。天気がよければなかなかいい場所だ。
山頂近くに東屋があった。天気がよければなかなかいい場所だ。
山頂をもう一度振り返った。もう来ないかも知れないなどと考えつつ。
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山頂をもう一度振り返った。もう来ないかも知れないなどと考えつつ。
今熊山は、山頂に近い分岐点から入った。
今熊山は、山頂に近い分岐点から入った。
分岐を左へ。尾根伝いに歩く道だろう。
分岐を左へ。尾根伝いに歩く道だろう。
小ピークを巻くところに標識があり、ピークを踏むことができた。踏めるピークは全部踏もうと考えて、遭難しかかった。
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小ピークを巻くところに標識があり、ピークを踏むことができた。踏めるピークは全部踏もうと考えて、遭難しかかった。
このあたりは踏み跡良好。
このあたりは踏み跡良好。
「ずさわらしやま」山頂到着。
「ずさわらしやま」山頂到着。
この当たりは尾根伝いルートとメインの登山道はほぼ平行で、ちょっとした寄り道気分だった。油断して失敗した。
この当たりは尾根伝いルートとメインの登山道はほぼ平行で、ちょっとした寄り道気分だった。油断して失敗した。
舟子尾根 ここを直進した後窮地に陥った。
舟子尾根 ここを直進した後窮地に陥った。
前半は踏み跡も明瞭だった。
前半は踏み跡も明瞭だった。
やがて踏み跡が薄くなり、傾斜が急になった。ペンキマークを頼りにたどった。
やがて踏み跡が薄くなり、傾斜が急になった。ペンキマークを頼りにたどった。
途中、高圧線保安用道の標識があった。ここが登山道へ戻るエスケープルート。
途中、高圧線保安用道の標識があった。ここが登山道へ戻るエスケープルート。
ペンキに沿って直進したところ、登山道と別の方角へ折れていった。斜度も丸腰で通過するには危険すぎたので、出くわしたきのこ(タマゴタケか?)の写真を撮ってから、登り返した。
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ペンキに沿って直進したところ、登山道と別の方角へ折れていった。斜度も丸腰で通過するには危険すぎたので、出くわしたきのこ(タマゴタケか?)の写真を撮ってから、登り返した。
保安用路は斜面を巻くようにして登山道方面へつながっていた。少なくとも死にそうな場所へは連れて行かれないだろう。
保安用路は斜面を巻くようにして登山道方面へつながっていた。少なくとも死にそうな場所へは連れて行かれないだろう。
さっきの下りを強行していると、向かいの斜面から谷を越えてこちらに来ないといけなかった。
さっきの下りを強行していると、向かいの斜面から谷を越えてこちらに来ないといけなかった。
登山道と合流して、やれやれ一安心。
登山道と合流して、やれやれ一安心。
ここまで来ると、もう快適なハイキングコースという感じだった。
ここまで来ると、もう快適なハイキングコースという感じだった。
5km地点ということは、まだ5kmくらい歩かないといけないのか。
5km地点ということは、まだ5kmくらい歩かないといけないのか。
今熊山には神社があり、山頂直下は石段があり、狛犬もいた。
今熊山には神社があり、山頂直下は石段があり、狛犬もいた。
これまでの無事を感謝した。この鳥居の横に「金剛の滝」方面という標識が出ていたため、欲を出して滝を見に行くことにし、第2の窮地に陥った。
これまでの無事を感謝した。この鳥居の横に「金剛の滝」方面という標識が出ていたため、欲を出して滝を見に行くことにし、第2の窮地に陥った。
今熊山山頂標識。
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今熊山山頂標識。
今熊山入り口の道が良かったから安心していたが、金剛の滝方面への下りは、滑りやすい勾配の急なコースだった。
今熊山入り口の道が良かったから安心していたが、金剛の滝方面への下りは、滑りやすい勾配の急なコースだった。
木橋を歩くと、腐りかけた板が今にも折れそうでどきどきした。
木橋を歩くと、腐りかけた板が今にも折れそうでどきどきした。
この三叉路から、さらに危なっかしいコースを下った。ただし、道自体は階段なども整備されており、ちゃんとした登山道である。
この三叉路から、さらに危なっかしいコースを下った。ただし、道自体は階段なども整備されており、ちゃんとした登山道である。
こんな警告も出ている。
こんな警告も出ている。
砂利と雨でつるつる滑るコンクリート丸太の階段を下りながら谷底に下りると、標識はこの藪の中を進めという。川はない。
砂利と雨でつるつる滑るコンクリート丸太の階段を下りながら谷底に下りると、標識はこの藪の中を進めという。川はない。
河原はあるけれど川はない。奥久慈佐中の不動滝の時と似たパターンのようだ。水は砂利の下を流れているのだろう。
河原はあるけれど川はない。奥久慈佐中の不動滝の時と似たパターンのようだ。水は砂利の下を流れているのだろう。
突然10m超の立派な峡谷の中に飛び出した。水はない。雨降りでこうなら、滝は枯れているのではと心配した。
突然10m超の立派な峡谷の中に飛び出した。水はない。雨降りでこうなら、滝は枯れているのではと心配した。
やがて浅い川が出てきた。道がきってあるので渡渉の必要はなかった。
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やがて浅い川が出てきた。道がきってあるので渡渉の必要はなかった。
先ほどにもまして危なっかしい木橋を渡った。一人ずつ歩いてくれとの警告があった。
先ほどにもまして危なっかしい木橋を渡った。一人ずつ歩いてくれとの警告があった。
木橋を二つ渡って。
木橋を二つ渡って。
滝。落差3mくらい。これが金剛の滝ですといって標識までつけるのはややさびしくないかと誤解した。
滝。落差3mくらい。これが金剛の滝ですといって標識までつけるのはややさびしくないかと誤解した。
小滝の横に岩穴が掘ってある。石仏でもあるのかと覗いてみたところ、、、
小滝の横に岩穴が掘ってある。石仏でもあるのかと覗いてみたところ、、、
洞窟(というよりトンネル)を抜けたところで10m超の瀑布を拝むことができた。写真では小滝との違いがないように見え、迫力を伝えられないのが残念だ。
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洞窟(というよりトンネル)を抜けたところで10m超の瀑布を拝むことができた。写真では小滝との違いがないように見え、迫力を伝えられないのが残念だ。
もし鉄砲水が来たら逃げられない。雨中水がやたら少ないのも気持ち悪かったので、さっさと引き上げた。
もし鉄砲水が来たら逃げられない。雨中水がやたら少ないのも気持ち悪かったので、さっさと引き上げた。
この峰を越えれば、広徳寺について、縦走は完了だ。
この峰を越えれば、広徳寺について、縦走は完了だ。
人家が見えてきた!
人家が見えてきた!
最後の滑りやすい下りを慎重に歩ききると、道路に出た。
最後の滑りやすい下りを慎重に歩ききると、道路に出た。
広徳寺は立派な山門を持つ大きなお寺であった。アジサイとの調和もこの季節らしい涼しさだ。
広徳寺は立派な山門を持つ大きなお寺であった。アジサイとの調和もこの季節らしい涼しさだ。
苔が美しい。
縦走の無事を感謝して手を合わせた。
縦走の無事を感謝して手を合わせた。
駅まではまだひと歩きである。まず秋川を渡った。キャンパー、釣り人を雨降りにもかかわらず散見した。
駅まではまだひと歩きである。まず秋川を渡った。キャンパー、釣り人を雨降りにもかかわらず散見した。
無事に武蔵五日市駅に到着した。
無事に武蔵五日市駅に到着した。
撮影機器:

装備

備考 雨具、地図、磁石、スマホGPS、行動食、水(2L)、コーヒー(1L)

感想

当面の目標は高尾ー陣馬ー五日市なのだが、距離がかなり長くなってしまい、一晩で歩ききれるかどうかが少々怪しい。まず短いところで、相模湖駅を出発点とすることにした。

高尾からの相模湖方面の列車は11時台に1本、0時台に1本である。高尾から終電一つ前の列車に乗り込むと、相模湖駅に到着したのは深夜少し前だった。列車を見送って身支度をするうちに日付が変わった。

このルートを夜歩くのは久しぶりだった。線路沿いの路地を歩き続ければ中央道をまたげる陸橋に通じるのであるが、線路の反対側にである陸橋を登ろうとしてしまった。

最初のチェックポイントは与瀬神社。核心部分といってもいいかもしれない。境内へ続く石段が急なのだ。今思えば今回の縦走で一番斜度があったかもしれない。よじ登るようにして境内を目指した。深夜過ぎである。境内に街灯があるわけもなく、ヘッドライトをつけたまま、道中の無事を祈った。

神社から登山道へ入るのは少し難しいが、何度か通っているので、迷わずに本殿向かって左の突き当りへ歩き、登山道標識に従って入山した。

まずはきつめののぼりで一気に高度を稼いだ。序盤で体が暖まっていない、そして、眠い。最近は早寝早起きなので0時ごろは熟睡の時間帯だ。さらに蒸し暑かったことがあいまって、最初の急登はペースが上がらなかった。眠気対策、糖分・水分補給に、今回は900mLペットボトルのコーヒーを用意した。結果的にこのカフェインドーピングは相当効いたようだ。

大平小屋の少し手前、前方にオレンジ色の光を発見した。普通のヘッドランプには思えず、またどう見ても人工光なので、いったいこんな夜中にオレンジ色のランプで何をしているのだろうと警戒し、「こんばんは」と声掛けしつつ近寄ったところ、伐採作業中の看板だった。自分のヘッドランプの光が反射しただけだったのだ。前回の白い反射板といい、夜間での反射板の威力はすばらしい。

驚いたことに、蒸し暑くても、吐く息が白くなったことだ。気温よりもむしろ湿度の高さのせいで吐く息の水蒸気が霧になったようだ。標高を稼ぐにつれて気温が下がったのであるが、白い吐く息は逆に見られなくなった。吐く息のように全身からも湯気が立っていた。

大平小屋を過ぎるとコーヒードーピングとウォームアップが効いてきたのか、足取りが軽くなり、明王峠直前のきつめの登りも何とか乗り切った。明王峠から陣馬山までは通いなれた道をスリップにだけ用心して歩いた。曇りのち雨の予報が出ている。陣馬山山頂には2時過ぎに到着。夜景も含めて眺望はまったく効かなかった。さて、ここからは初踏査の登山道だ。

陣馬山山頂から和田峠方面入り口を見つけるところでまごついた。ヘッドランプの光が届くところだけが見えるのだから、陣馬山山頂のような広い場所で、端のほうにたたずんでいる標識を見つけるのは日中ほど容易ではないのだ。自分の歩きだした踏み跡が正しいのかどうかを確認しに戻るなど慎重に進みつつ、なんとか和田峠への下り道を発見した。今回の縦走全般に言えるが、今までに降った雨と、明け方前から降り出した雨のせいで、登山道、特に下りが滑りやすくなっていた。

滑りやすい階段をだらだらと下ると、前方に青い光が見えた。今度は道路標識色の青だったのでおそらくは峠なのだろうと思った。その通りだった。山道ばかりを歩いていると、車両を対象にした標識の出現が少し気味悪くも感じられてしまった。さ、次は醍醐丸が目標だ。

陣馬山でいったん涼しめになった空気がまた蒸し暑くなり始めた頃。近くの藪に点滅する光を発見した。「ホタルだ」と思わず声を出してしまった。たしかに奥高尾ともなれば水がきれいだろうからホタルがいても不思議ではないが、この稜線沿いの道でホタルを眺められるとは思わなかった。このあと市道山にかけて何度かホタルを見たが、いずれも一匹ずつであった。渓流で乱舞する無数のホタルもいいが、尾根道で控えめに単独飛行するホタルにも独特の風情があった。

夜間は登山道から外れることは慎むのであるが、薄明が始まるとちょっと無名ピークに立ってみたくなる。特ににそろそろ次の目標の市道山が見えてもいいころだ。そう思って登ったピークにウルシガヤの頭の標識があった。こうして勉強できるところが里山歩きの楽しみの一つでもある。そして谷を挟んだ向こう側に存在感のある山が見えてきた。きっとあれが市道山であろう。それにしても夜明け近くまで歩いてまだくだって登るのかと思うと気が重い。夜明けだというのにヒグラシが鳴き出して、わびしさを加えた。

歩いてきた道を振り返ると、醍醐丸、陣馬山と思しき山が林越しにかすかに見て取ることができる。西日が当たっているときれいなのだろうな。

ウルシガヤの頭から市道山は、まず滑落しそうな薄い踏み跡のトラバースを歩かねばならなかった。今回歩いた道の中では一番悪い部類だっただろう。ここ以外は普通に滑っても道の上にしりもちで住むが、このトラバースは滑れば急斜面を直ちに滑落だ。落ち着いて歩き、なんとか市道山分岐に到達した。

次の強敵は伐採作業に伴う道間違えである。伐採作業に伴って、登山道とは異なる踏み跡ができているのだ。登山道から外れると足元がふかふかしてくるのでなんとなくわかる。一回完全に道から外れたので、硬い踏み跡まで引き返し、目を凝らして登山道の硬い踏み跡を探して道迷いを回避した。

そうしてようやく最後の分岐点、山頂0.1kmと出て来るとありがたい。ひと歩きして山頂に到着した。ここには三角点があるはずなのだが見つけることができなかった。

東のほうの視界が開けている。山と雲ばかり見える。次の目標である刈寄山はどれかもわからない。標識と地図を頼るばかりに歩くしかない。出発しよう。

雨が降り出し、足もとが一段と滑りやすくなってきた。露岩が思いのほか滑るのには難儀させられた。幸い前回の景信山で体験したような、一歩ごとに着地の足がずるっと滑る気持ちの悪さには出くわさなかったが、滑らないように、万一滑っても怪我をしないように、つま先に力を入れ、腰が引けないよう、しかし重心が高くならないように用心しながら下った。

下りに比べると、登りは筋肉への負担はかかるが、スリップの危険はぐっと少なくなるので気疲れはしない。普段と変わらないペースで歩けた。

登り下りを数え切れないほど繰り返したが、中には名前のついているピークも通過した。いっぽち、とおりおねのかしら、とやど、栗の木「尾」沢の頭(?)、栗の木尾根、弾左衛門ノ峰。標識にはしきりに「鳥切場」(とっきりば)の名が表示されていた。とっきりばの場所を標識で確認しそこなったのだが、どうやら入山峠へ折れるところをそう呼ぶようである。

その入山峠へはひたすら下った。下っても標識が出ず、更に下っても標識が出ず、高圧線の鉄塔を過ぎたところでようやく旧入山峠という標識が出た。ということは新入山峠があるわけだ。その峠はもう少し先で林道と交差する点であった。登山道方面に閉門している伐採用道路のゲートがあり、関所破りが必要かと一瞬心配したが、登山道入り口はゲートの横だった。

刈寄山への終盤の登りは、伐採地沿いを歩くため、眺望が効くのであるが、早くなってきた雨足と、ガスのせいで歩いてきた尾根筋我欲識別できない。市道山はどれだろうと考えながらも、もうひと頑張りして、最後の階段を登り、刈寄山山頂に到着した。7時20分は、予定よりやや遅めだ。雨だから仕方がない。山頂には東屋などもあり、天気のいいときにはのんびりと山を眺めながらご飯を食べるのに向いていそうだ。今回は水分とカフェイン、そして糖分補給に使った。後は下山だけか。

今熊山までも、今までと同様、滑る斜面を慎重に下り、下りきった後には力で上り返した。ピークを巻く道が途中何度も出てきたがたいしたピークでもなく、踏み跡もあったのでピーク沿いに歩くことにした。このせいで窮地に陥ってしまった。

ことの始まりは舟子尾根である。登山道は尾根を巻くようにつながっていtが、そこまで歩いてきた登山道同様、尾根筋を歩くことにした。踏み跡が残っているし、杉の幹にはしっかりとペンキマークが見える。迷うことはないだろう。

ところが暫く行って、高圧線保安路と交差するところでGPSを見てみると、完全に登山道から外れている。しかも踏み跡は極端に薄くなり、ペンキマークは杉林の急斜面へと続いている。ここで保安路を使えばいいものをペンキマークを追ってしまったのだ。

暫くすると、木の根につかまって這い下りねばならない急斜面となり、挙句にペンキマークは登山道とは別の方角へ折れていくようであった。ここからペンキマークを外れて谷底まで降りて登り返せばいいのであるが、この先にどのような急勾配が待っているかわからない。これって遭難するパターンだよな。そう思って保安路まで引き返すことにした。怪我さえしなければここで何分引き返しても取り返せると言い聞かせながら。

結局登り返しになってしまうが、シカのダッシュやタマゴタケと思しきキノコの写真も取れたから、まあよしとしよう。

下りに比べると、登りはホールドも見つけやすく、思ったより快適に保安路まで引き返した。保安路をたどってみると、踏み跡もかなりしっかりしていて、勾配もほとんどない。ひとつふたつ尾根を巻くと登山道に合流した。

近くにある採石場から、土曜日だというのに作業の音が聞こえる。人里へ戻りたい気分の筆者には、ひとの暮らしの気配があるのは安心する。

合流した後の登山道は、降り続く雨にもかかわらず滑りにくく快適そのものだった。途中不機嫌そうなイノシシが横断し、横断箇所でウリボウが横断し損ねて右往左往しているのにはちょっと緊張した。母親が子を守るために突進してくるかもしれないからだ。幸いウリボウが茂みに隠れてくれたおかげで面倒にあわずに通過できた。

難なく今熊山に到着した。この難なくが曲者だった。近くに金剛の滝がるらしい。ここまで降りたら後はわけないから滝を見て帰ろうということで寄り道したのであった。

今熊山付近だから、もう道は楽なハイキングコースであろうと甘く見ていたのが間違えだった。雨と砂利で滑りやすくなったコンクリート丸太の階段を慎重に下りたり、滑りやすく、しかも今にも折れそうな木橋を渡らされた。

最後に藪の中をひと歩きして山パンツをびしょぬれにすると、河原らしきところに出た。雨天時は増水するというが水がない。これでは滝も期待できないのではと歩いていくと、10mを超える見事な峡谷の間へ河原は続いていた。峡谷の門をくぐるとやっと川が現れ、川沿いの道を通り、これまたおっかなびっくりの木橋を二つ渡り、滝に到着した。滝の落差はせいぜい3mほどだった。滝つぼは深そうだが、これが金剛の滝というのはちょっとさびしい。

滝つぼに向かって右側に洞窟がある。気味悪そうだったが、近づいてみると滝つぼの上部へ抜ける道になっていた。もしやと思い、じめじめした石段を、鎖に掴まりながら上に抜けると、果たして、先ほどの峡谷と同様、10m長の峡谷の中に白い筋を引く金剛の滝本体がいらした。ただ、朝からの雨で増水している割には、控えめな落ち方であった。上流で水がせき止められていたりしたらいやだな、と思い。急いで洞窟を引き返し、河原の入り口まで戻ってきた。水の多いときにはあの河原が完全に川になるのだろう。

川筋から離れて尾根を越えると、今回の縦走で初めて集落が見えてきた。ほっとした。更にひと歩きして、最後の最後に滑りやすい土の斜面に出くわしたが恐る恐る、何とかしりもちをつかづに通過し、林道に出た。

最終中間点の広徳寺は立派な山門と鐘突き堂を擁した大きなお寺だった。ザックをおろして、思いのほか長大となってしまった今回の縦走の無事の下山を感謝して手を合わせた。

しかし登山は終わっても、まだ徒歩移動は終わらない。キャンパーや釣り人のいる秋川を渡り、檜原街道をひと歩きして、広徳寺からゴールの武蔵五日市駅へ着くのに約30分を擁した。朝のうちに着くつもりが昼近い11時過ぎになっていた。

初めてのコースで多少興奮状態にもあったが、コーヒーのカフェインが、眠気と疲労をごまかすのに役に立ったようである。普段は列車に乗ると睡魔がどっと襲うし、足が鉛のように重くなっているものだが、今回は帰宅(帰省)するまでは疲労感がなかった。

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