立山→五色ヶ原 〜テントを背負って晴歩雨歩〜
- GPS
- 23:47
- 距離
- 27.6km
- 上り
- 2,405m
- 下り
- 3,374m
コースタイム
- 山行
- 0:43
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 0:48
- 山行
- 8:23
- 休憩
- 2:44
- 合計
- 11:07
天候 | 7/15 ガス 7/16 晴れ→ガス→曇り 7/17 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
扇沢の無料駐車場 【扇沢→室堂】 立山黒部アルペンルート |
コース状況/ 危険箇所等 |
【立山周辺(雷鳥沢→別山→立山)】 残雪なし。危険個所なし。 あえて難所を挙げれば雄山〜一ノ越での観光客渋滞。 【浄土山→ザラ峠→五色ヶ原】 鬼岳東面に残雪あり。ステップが切られているがズルズル滑る。 鬼岳、獅子岳周辺はお花畑となっている。 獅子岳からザラ峠への下りはガラ場で浮石多数。 五色ヶ原は木道で整備されていて、周辺はお花畑。 【五色ヶ原→平ノ小屋】 平ノ小屋まで延々と樹林帯を下る。雨のため滑りやすかった。 倒木を乗り越えたり潜ったりする。 【平ノ小屋→黒部ダム】 黒部湖西岸をトラバース気味に歩く。 中ノ谷には橋が架けられているが、増水により渡りにくい場所がある。 御山谷など他の沢の橋は問題なく通過できる。 |
写真
装備
個人装備 |
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
ナイフ
カメラ
テントマット
シェラフ
|
---|---|
共同装備 |
GPS
ロールペーパー
ポール
テント
|
備考 | ガスが足りずに3日目の朝食まで持たなかった。 |
感想
3週間以上前から計画していた飯豊山の縦走は直前の天気予報を見て断念し、検討の結果、立山から五色ヶ原まで歩くことにした。立山は3年前に登っているが、浄土山から南の五色ヶ原までは初めてとなる。
【7月15日(金)】
自宅をのんびりと出発し、先週に続いて扇沢に着いたのは13時頃。明日から連休で駐車場は一杯になるだろうが、前日入りのため無料駐車場は余裕があった。14時の関電トンネルトロリーバスも空いていて快適だ。室堂に到着したのは15時半頃。登山届を提出して本日の宿である雷鳥沢キャンプ場に出発。ガスに覆われている室堂から石畳の上を歩き、キャンプ場にテントを張る。LTEの繋がるスマートフォンで天気予報をチェックすると、明日はガスに覆われるとのこと。梅雨だからと諦め、星空も期待できないので20時に就寝。明日の出発は早い。
【7月16日(土)】
2時に起床。立山を登らずに一ノ越に向かえばいいという案もあったが却下。室堂まで来て剱も立山も登らないなんてありえない。まだ夜の闇に覆われているが、うっすらと立山の稜線が見える。これは天気予報が外れるのではないかと思い、予定通りに雷鳥坂を登って別山乗越に向かう。
雷鳥坂はこれまで2回登っているがライチョウに会えたことはなく、今回も会えなかった。だんだん明るくなってくる東の空。立山の稜線がはっきり見えてくる頃、西の白山上空もうっすらと赤く染まる。
別山乗越に着いて見えるのは、『岩と雪の殿堂』と言われる剱岳。雲海を挟んだ後立山連峰のシルエットも素晴らしい。
ta「なんじゃこりゃあ!!」 ←松田勇作?
de「登ってよかったでしょ♪」 ←ドヤ顔の立案者
ta「剱岳登りたい」 ←気持ちは分かる
de「メットないし計画にないからダメ」 ←真面目
予定通り別山に向かう。途中で剱岳を見続けるライチョウ(♀)にご挨拶。これまで左側に見えていた剱岳は別山でいったんお別れ。別山という名前の由来は、剱岳と立山を離別する山ということだと思う。真砂沢カールから、2013年11月23日の表層雪崩で7名の死者を出し、富山県の入山届提出義務化のきっかけとなった真砂岳を通過し、内蔵助カールの稜線を抜け、巨岩で武装した立山へ。
最初のピークである富士ノ折立は立山の北峰。立山というのは雄山にある一等三角点の名称で、富士ノ折立、大汝山、雄山の3峰の総称にもなっている。
続く大汝山は立山の最高峰3015m。主峰は雄山だが「最高峰は俺だ!」と主張する中央峰で、やはり展望は圧巻。北には剱岳、東に目を向けていくと白馬三山、五竜岳、鹿島槍ヶ岳、針ノ木岳。南には槍・穂高、野口五郎岳、水晶岳、笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳といった北アルプスが世界に誇る名峰たち。
最後に、立山南峰の雄山。主峰であり、昔から信仰の対象となっている。室堂から2時間で登れてしまうため混雑するのだが、混雑の前に登れたのでお祓いを受けることにした。3年前はお祓いを受けずにいたので、厳密に言えば雄山登頂は初めてとなった。
雄山から一ノ越までの渋滞に巻き込まれながら下り、五色ヶ原に通じる浄土山へ向かう。今回は浄土山には登頂せず、竜王岳の西側を巻いて鬼岳へ。竜王岳はドーム型の頂上で登山道はないが、何人かは頂上に向かっていた。竜王岳を直下から見上げると「竜王」の名にふさわしい雰囲気を感じる。続く鬼岳は東側を巻く。雪の残る斜面を慎重にトラバースしていく先にはチングルマやハクサンイチゲが一面に咲き誇る花畑が広がる。花畑はその先の獅子岳まで続く。足元は竜王、鬼、獅子という恐ろしい名前の通りガレ場で落石や転倒に注意が必要だ。
獅子岳から下った先はザラ峠。400年以上前の戦国時代、厳冬期にこの峠を越えて大町に抜けた佐々成政はすごいと思う。
ta「佐々成政は"寒くね?"とか言ったのかな?」
de「その頃の有名な武将は"寒くね?"とか弱音を吐かないと思うよ。」
ta「すげえな!尊敬する人を聞かれたら佐々成政と答えるわ!」
ガスの立ちこめるザラ峠を越えて五色ヶ原の看板のある木道に着く。お花畑で有名な五色ヶ原だがガスに覆われて残念だと思っていたら、五色ヶ原山荘の手前で急に晴れた。五色ヶ原の神様が我々を歓迎してくれたようだ。
山荘で受け付けを済ませて10分先のキャンプ場へ木道を下る。木道近くにテントを設営し、持参した赤ワインで乾杯。ビールが飲みたくなったので山荘に行く途中、ライチョウ親子に遭遇。晴れたとはいえガスが濃いため出てきたのだろう。自由に歩き回る雛5匹をまとめる親鳥は大変だろう。烏帽子岳、野口五郎岳、赤牛岳の見える場所で飲むビールは美味い。よく見れば槍の先も顔を出している。このキャンプ場が人気なのもうなずける。夕食を食べたら眠くなり、夕日まで仮眠のつもりが起きたら20時過ぎていた。
【7月17日(日)】
3時に起床。いつ雨が降ってきてもおかしくない空模様。夜中もわずかに降雨があったようで、フライシートが濡れている。
出発直後から雨が本降りとなり、残念ながら一眼レフ撮影はここまで。特に危険はないだろうと思っていたが、雨に濡れた岩は滑りやすい。刈安峠から平ノ小屋まではヌクイ沢側に落ちないように慎重に下る。太い倒木を乗り越えたり潜ったりして平ノ小屋に着いても雨は止まない。
平ノ小屋からは平坦な道かと思っていたらアップダウンを繰り返す。さらに急流の渡渉もあり、想像以上の苦戦を強いられる。さらに、渡渉により登山靴が浸水してしまい足が重くなる。気分が上がらないとペースも上がらない。やはり雨の日の登山は苦手だ。晴れていれば、黒部湖西岸歩きは赤沢岳、スバリ岳、針ノ木岳を見上げながら歩けるのに。
そんな感じで歩き続け、ロッジくろよんまであと少しのところまで来たら急に晴れだす。あと2時間早く晴れてくれればと恨み言も言いたくなるが、昨日の稜線歩きが素晴らしい晴天だったのでプラマイゼロと考えよう。
青空の下の黒部ダムから見る黒部湖は、2日前に見た黒部湖と同じく美しかった。
コメント
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こんばんは〜
いいルートですね〜
ザラ峠に五色が原、いいですね〜
それにしてもtanyaさん、面白いです
ちょっとツボです。
では、また。
NJ-TAKAさん、こんばんは。
戦国武将に興味がある登山者なら一度は歩きたいザラ峠。ガスに巻かれながらの山行も良いものです。
車の回収がなければ薬師岳まで歩きたいですね。長期休暇が取得できるなら雲ノ平・高天原から水晶岳・赤牛岳といった周回がベストですけどね!
コメントありがとうございました。
立山から黒部湖(黒部ダム)への道があるのですね!
しかも途中の「ザラ峠」は戦国武将との関わりがあるとは…。
調べてみる価値ありです。
2日目は青空快晴のようで何よりです。
さすが立山!、素晴らしい景色ですなぁ〜♪
お二人さんのツーショットも良いですが、20枚目写真の「かっこいいな俺」に惚れ惚れしました(笑)
テン泊のリベンジは雷鳥沢キャンプ場にしようかな(思いつきました)。
久しぶりの立山でも…、剱岳は無理無理…。
お疲れさまでした。
ayamoekanoさん、おはようございます。
ザラ峠は沙羅沙羅峠とも言うらしく、折角の機会なので風野真知雄著『沙羅沙羅越え』を読んでいます。ハードシェルやクランポンなどない時代の積雪期に富山〜大町を横断したというのだから驚きですね。
別山からの剱岳は圧巻でした。剱沢にテント張るなら剱岳にも登ってみては?注意すべきは、ヨコバイと落石と、渋滞です(笑)
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