中房から表銀座コース~燕岳-大天井岳-常念岳-蝶ヶ岳~
- GPS
- 55:38
- 距離
- 37.4km
- 登り
- 3,029m
- 下り
- 2,974m
コースタイム
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 2:40
- 合計
- 11:15
- 山行
- 8:53
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 10:08
- 山行
- 4:51
- 休憩
- 0:53
- 合計
- 5:44
天候 | 8/5 ほぼ晴れ 8/6 晴れ 8/7 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
穂高駅からは乗り合いタクシーで路線バスより1時間早く中房に到着できました. |
コース状況/ 危険箇所等 |
肝を冷やすような場所はありませんが,疲労の面では常念岳からの大下りは岩も大きく距離があるため,その後の蝶槍への登りに地味に効いてきます. 中房温泉から燕山荘まではこの時期渋滞覚悟. |
その他周辺情報 | 上高地に降りたら小梨平の温泉は外せません.入浴料700円12時より. |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
全体的な感想として,今年最初の山旅だからのんびり表銀座を歩いてこようか...という気分で赴きましたが,快晴・無風と天気に恵まれ汗だくバテバテ,でも素晴らしい景色と稜線歩きを堪能できた山旅でした.
今回は入山口と下山口が遠いのでバスでアクセス.新宿バスタは大きなザックを担いだ方々でいっぱいでした.白馬行の夜行バスで途中の安曇野穂高で下車.穂高駅で乗り合いタクシーで中房温泉へ向かいました.4人乗車でバスより若干高めですが1時間は早く到着できました.
中房温泉〜燕岳のコースは大人気で特に女子率が高いなあと感じました.傾斜もそれなりにありますが,いいタイミングでベンチがあり休憩を取りやすくペースをつかみ易いコースですね.合戦小屋では名物のスイカ(800円)が飛ぶように売れていました.この辺りから樹林帯を抜け,日差しが強くなり汗が流れました.
燕山荘はきれいな外観でヨーロッパの山小屋に来たような(行ったことはありませんが)雰囲気でした.燕岳までピストンした後さあどうしようか.予定時刻を1時間ほどオーバーしており,夕方は雨予報.思案しているところ「これから大天井岳向かうよ」という何人かの言葉を聞いて,私も向うことにしました.
しばらく気持ちのいい稜線が続きます.振り返ると燕山荘が小さくなっていますがいつまでも見ることができるほど平坦でなだらかな道.もう少しで大天井岳という辺りから短いハシゴが現れ,その後は大天荘までぐるっと大天井岳を巻きながら登ります.これが想定外に堪えました.ありがたいことに「あと500m」の標識が100m毎にあるのですが,この間隔がひたすら長く感じました.やっと到着した大天荘は大天井岳直下の平坦なところに位置し,穂高〜槍の峰々を眼前にテントを張れる絶好のロケーションでした.大天荘のトイレはとてもきれいで快適でした.水の補給は大天荘にて200円/Lで販売しています.この後の常念小屋,蝶ヶ岳ヒュッテでも同様です.
この夜は雨も降らず風も穏やかな静かな夜でした.ただし,昼間の日差しがあるときは暑くて汗だくでしたが,日が沈むと一気に冷えてきます.夕方うっかり薄着で寝ていると寒さで飛び起きました.
朝の穂高〜槍のモルゲンロートは最高でした.大天井岳の山頂は本当に素晴らしく,昨日歩いた燕山荘からの道,穂高〜槍,遠くに富士山,これから歩く常念岳への道,すべてが眺められ感動しました.
大天井岳からは東鎌尾根方面に向かう方が多かったように思います.東鎌尾根の稜線もよく見えていたので,次回のお楽しみとします.大天井岳〜常念乗越までの稜線は歩きはこのルートのクライマックスと言っていいほどの素晴らしい景色を堪能しました.こういう景色を眺めながら歩くのが一番好きです.どこまでも続く道,青い空,遠くの峰々.時折吹く風が心地よかったです.
常念乗越で一休みして常念岳への登りに備えました.この日も風はほとんどない快晴でしたので,登りは堪えました.この時はこれで常念岳山頂を越えれば後は楽勝と高をくくっていましたが,その後に大きな誤算であることを知ることとなりました.
常念岳は大勢の登山客で山頂から零れ落ちそうなほどでした.昨秋ここを訪れた時は真っ白ガスの中,誰一人いない山頂でしたが,今回は穂高〜槍が丸見えでした.
常念岳から蝶ヶ岳へはまず大下りがあります.大きな岩が多いですが,踏み跡をよく見れば迷うことはありません.そのあとはあまり視界のきかない樹林帯に入り,蝶槍を含め二つの山を越えます.これが大きな誤算でした.暑さでいつも以上に水を消費し,蝶槍の下で水はもう100mLを切っていました.おまけにシャリバテ気味で,何かを口に入れようにも水がなければ喉を通りません.体調管理の甘さを痛感しました.
ただし,それを除外しても「山と高原地図」にある常念岳〜蝶槍の区間のCTは短すぎるように思います.
蝶ヶ岳ヒュッテに到着したときは,すれ違う方に「だいぶお疲れのようですね」と何度か声をかけられました.それほど疲労困憊だったようです.普段は山小屋でジュース類を買わないのですが,この時はポカリスウェットを一気飲みしました.
蝶ヶ岳のテン場もいいロケーションでした.テン場から穂高連峰を直接望むことはできませんが,ほんの少し駆け上がれば絶景が見渡せます.あまりの疲れで日の入りを拝むことはできませんでした.夜は少し風がありましたが朝は穏やかでした.ヒュッテの宿泊客に聞いたところ,かなりの混雑だったらしく相当に寝苦しかったようです.この時期はやむをえませんね.テン場は50張ほどでしょうか,ヒュッテのすぐ裏手にあるので,トイレや水の心配はありません.
翌朝は長塀尾根を徳澤園まで下りるだけです.すぐに樹林帯に入るため,樹林帯手前でしばらく立ち止まる方が多かったです.快晴の穂高〜槍の峰々を眼前にし,いつまでも眺めていたい衝動に駆られるのも無理はありません.樹林帯はひたすら下ります.徳澤園では名物のカレーとソフトクリームを食べました.小梨平のお風呂で汗を流し(700円12時より),川原の道をのんびりと岳沢を眺めながらバスまでの時間を過ごしました.
今回の山旅では燕山荘で声をかけていただいたご夫婦に感謝します.大天井岳まで向かうモチベーションをいただき,その後も同じルートでお会いし大いに励みになりました.お名前も所在も知りませんがこういう出会いも山旅の楽しみの一つですね.
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