湯檜曽川東黒沢〜宝川ナルミズ沢
tadomasa
Aki-CL
体力度について
- GPS
- 18:50
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 2,019m
- 下り
- 2,020m
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- 山行
- 7:36
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 7:57
| 天候 | 8/11 曇り後晴れ、8/12 曇り後晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2016年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
白毛門登山口駐車場を利用。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
◆道の状況 ・東黒沢〜ナルミズ沢 困難な滝は無い。がもちろん沢なりのリスクは付き物。東黒沢、ナルミズ沢共に泳ぎの好きな人には実に楽しい沢だろう。 ・ナルミズ沢〜ジャンクションピーク 登山道は無い。踏み跡が明確な所も部分的にはあるが稜線上は笹に覆われており大変苦労することになる。 ・ジャンクションピーク〜朝日岳〜笠ヶ岳〜白毛門〜登山口 一般登山道であり危険ポイントは少ない。白毛門から数箇所岩場・鎖場がある。 ◆登山ポスト 今回登山届けはぐんま電子申請受付システムから届出した。 白毛門登山口駐車場から先の登山口にも登山ポストはある。 |
| その他周辺情報 | ◆登山後の温泉 湯檜曽温泉「湯の陣」で日帰り温泉入浴。980円+消費税。 |
写真
左岸から沢が入って来る所で幕営好適地発見。1330m地点。二俣には先行パーティが張っているかもしれないので、ここで幕営とする。
1
感想
夏休みの山行として様々な制約条件を勘案し湯檜曽川東黒沢から宝川ナルミズ沢への遡行を選択し、真夏の休日を楽しんで来た。共に難度はほどほどで且ついずれも美しい名渓。ナルミズ沢の源頭部の草原の景色は正に天国のようなと形容される通りだった。けれどその代償はやっぱりそれなりに担わなくてはならず、楽しいながらも塩っぱい沢旅だった。
【8/11】
圏央道開通の恩恵を得て例によって湘南を2:40に出発して5:25には土合橋の白毛門登山口駐車場に到着した。天候はその時点では曇りではあるが快方に向かう予想だ。すぐに東黒沢なので最初から沢装備を身に着けて出発とした。
東黒沢は最初は左岸に付けられた登山道を歩いて行く。堰堤を越えて渓相が美事になって来た所で沢に降り立つ。ハナゲの滝は巻き道を行ったがほぼ沢通しで東黒沢を遡行した。ナメの美しさが際立つ沢だ。釜も多くてキャニオニングで人気の沢と言うのも頷ける。
丸山乗越への分岐は見落として150m程無駄に登り、折り返した。1065m分岐を右俣に取って丸山乗越へと向かうが「上信越の沢105ルート」のトポには書かれていないが本流よりもむしろ滝が多い位だった。やがて沢は源流になり一面の笹原を掻き分けながら丸山乗越に出る。所々で踏み跡は認められるものの峠ではもう踏み跡は判別つかず両手で背の高さの笹を掻き分けてやがて下りをそれなりに降りて行き沢の源頭に至る。ウツボギ沢の細々とした支流の一つに出ることになるが、困難な滝下りも無く、峠から45分程でウツボギ沢本流に出る。ウツボギ沢本流は広河原を成していて数分歩くとナルミズ沢に出る。
広河原では既にキャンプを繰り広げている人もいるが、確かに楽しそうなスペースだ。宝川から入渓してここをベースに沢で遊ぶと言うのもとても楽しいだろう。が、我々は明日の行程があるので少なくとも大石沢出合、出来れば二俣まで今日の行程を進めておきたいものだ。ナルミズ沢は川幅も広く明るい。東黒沢の上流から晴天になり、沢沿いなので気温は20℃程度だが、日射が強く暑い。
ナルミズ沢も所々で滝はあるものの難度は高く無く、気持ち好く越えて行ける。ナメとナメ滝とそれらが湛える深い釜や瀞が美しい。
1330mで左岸から枝沢が合流する手前にテントを張るに実に適した場所があったので、少々時間は早いもののここに幕営することとした。ウグイスもさえずりここに泊って行きなよと言っているようだった。実際沢床よりも1m高く、枝沢も入り、傾斜もさほど無い場所なので幕営地としては最高の部類だ。先に1パーティと単独行者が入っているとの話も広河原で聞いていたので先に進んで詰まるより良い選択だろう。
夕食はいつものようにレトルトカレーだが、ニガウリとスパムの炒め煮も食当として用意していた。更に一品増やせるかと釜でフライを振ったものの残念ながら釣果は無かった。尤も日も未だ高かったし、フライを振るなんて20年以上ブランクがあるしまあ仕方ないね。
【8/12】
起床は3:30。外に出て見ると流石に渓なんでガスが張っている。ペルセウス座流星群が見えるかと期待していたけど残念ながらこんな状況だった。考えてみれば水分が多い渓で夜大気が冷えればガスが張るのは当然だな。
朝食もいつものようにスライス餅入りマルタイラーメン。ゆっくりと準備をして5:38に出発。こんな早朝からでもウグイスが美声で見送ってくれた。
ナメを歩いて行くと10分で8m魚止滝に出合った。トポではその前に3m滝、4m滝がある筈なのだが順番が違う。朝一ではちょっと辛い所もあるが右壁の末端から登る。40分足らずで二俣に達した。右俣に進むと延々とナメ滝が続き、1500mを越えると滝が増えて来た。樋状の滝が続くようになり、1600m奥の二俣に着く。ここまで来るともう草原状の風景が全周を覆っている。未だガスが張っている、と休憩しているうちに見る見る晴れ上がり、青空と緑の草原の素晴らしいコントラストが浮かび上がった。正に「天国のような草原」だ。稜線に上がるまで周囲の景色を十分に堪能した。
大烏帽子岳からジャンクションピーク（JP）への尾根までは笹の背も低くそれ程苦労を感じること無く達することができたが、それからJPまでは大変だった。踏み跡も薄い稜線は笹が密生して滑りやすく登り難い。両手で笹を掴み格闘しながら登高する。下りでは流石にフェルトの沢靴では堪えきれず尻餅が続いたので途中で登山靴に履き替えた。「天国」にはそれなりに代償が伴うと言うことか。JPで登山道に出て本当にホッとしたものだ。
しかし沢を離れて以降の暑さは尋常ではなかった。朝日岳で温度計は25℃、笠ヶ岳で27℃を指していた。一体平地は何度になっているのだろう？と心配になってしまう。夏休みにも関わらず行き交う登山者はごく少なかったのは、こう言う気象条件を知ってのことなんだろうか。水は沢で3L汲んできたのを結局全部飲み干してしまった。朝日岳、笠ヶ岳、白毛門と経る毎に休憩時間は延びて行き最後の白毛門からの下りでは2人共ボロボロの様相。この下りも地獄級だった。これも天国の代償かも。夕べ年の話しはしたけどなぁ…。
ともあれ宿題の一つになっていたナルミズ沢の完全遡行を達成できたことと沢旅を堪能できたことは十分に嬉しい。同時に体力低下を思い知らされた沢旅でもあった。テクニック的な所よりも身体能力の低下をどう補って行くかが今後の課題だな。
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お疲れ様でした。
たぶん8ｍ魚止めの滝(1350m)が2002年9月遡行時の引き返し点でした。
左に曲がった感じがピッタリですね。この辺りの滝の順番がトポだと3m, 4m, 8m魚止滝, 8mとなっているんですけど魚止滝前には滝と呼べる滝はありません…。
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