木曽駒ヶ岳・上諏訪新作花火大会・水神社御柱祭り・霧ヶ峰
- GPS
- 26:05
- 距離
- 58.6km
- 登り
- 785m
- 下り
- 1,846m
コースタイム
- 山行
- 1:20
- 休憩
- 4:00
- 合計
- 5:20
- 山行
- 0:30
- 休憩
- 4:45
- 合計
- 5:15
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
駒ヶ根駅前11時30分→12時15分シビラ平12時44分→12時49分千畳敷 2160円 千畳敷駅16時30分→16時35分シラビ平16時50分→17時38分駒ヶ根 2160円 駒ヶ根18時4分→19時20分岡谷19時31分→19時40分上諏訪 上諏訪20時42分→20時52分岡谷 岡谷8時32分→上諏訪8時43分 青春18切符 2370円 上諏訪9時4分→9時19分霧ヶ峰スキー場 車山山頂14時13分→14時38分車山高原ビジターセンター 1000円 車山高原15時42分→16時42分茅野駅 1350円 茅野駅17時35分→新宿21時33分 |
コース状況/ 危険箇所等 |
木曽駒・霧ヶ峰ともにコースはよく整備されています。車山山頂近くは石が浮いてるのでヒール・革靴では登りにくいですが、全てリフトなら普段着革靴でもOKです。千畳敷から木曽駒山頂までは登山装備が必要。しかし、小学校低学年でも登山可能。9月3日でも風が吹くと長袖では寒いです。 木曽駒ヶ岳も霧ヶ峰も小さなお子さん連れの方は沢山いらっしゃいました。ただ千畳敷カールで負ぶい紐で赤ちゃん背負った若いママさんが脚滑らしそうに成って、周囲はひやっとしました。あかちゃんの場合は、ヘルメットと登山用の保護のついた背負子の方が良いかも。千畳敷カールは結構混んでいるので赤ちゃんはちょっとと思いました。 |
その他周辺情報 | 千畳敷カール絶景でした。駒ヶ岳山頂も3000m級とは思えない快適さ、宝剣岳山頂は時間の都合上諦めましたが、木曽駒ヶ岳山頂よりもそちらのほうが達成感はありそうです。 2600mまでロープウェイでスキップと言うイカサマしても結構膝に応えました。新田次郎氏の小説の中箕輪高等小学校児童や、現在でも伊那市・上伊那郡の中学2年生が麓から登頂するのには驚かされます。大正2年の遭難事故を受けても、万全の準備と鍛錬の後に修学登山を実施してきた伊那地方の人々のアルプスの山々への畏敬の念と質実剛健の姿勢は今も息づいているのでしょう。羨ましい環境です。 霧ヶ峰も素晴らしい風景でした。遠くまで続く草原の道は、和田峠の貴重な黒曜石を抱えて秩父の山々や碓氷峠を超えて交易した縄文や旧石器時代の旅人も通ったような感覚を覚えました。彼らも道端の花々を惜しんだのでしょうか?今回は、遠景が雲で閉ざされていたこともあり、次回は時間を掛けて車山湿原・八ケ原湿原・踊場湿原に足を向けて、さらには古代遺跡も拝見したいものです。 9月25日、シルバーウイークの最期には最高標高地点での御柱祭があります。秋の霧ヶ峰の花々と夕日に輝くススキの草原を見に行かれては如何でしょうか? おまけですが、9月3日にあった新作花火大会は和みます感動しますし、まったり観覧できます。お薦めです。 |
写真
装備
個人装備 |
寝袋・マットレス・グランドシート・コッヘル・バーナー・燃料・エマージェンシーヴィヴィ・シェラフインナー・コンパス・懐中電灯・長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
レジャーシート
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
|
---|---|
備考 | フル装備は膝に応えました。膝を痛めるほうが遭難のリスクを高めると痛感、歳を取ると荷物は最小減・軽量化を考えさせられました。 |
感想
青春18切符の使用期限は9月10日です。その週は里での所要があるため山行できません。
北八方の美ヶ原・霧ヶ峰・蓼科山の3連荘と翌日の木曽駒ヶ岳を併せて一気に百名山4座獲得を先週末に目論みました。
朝一で岡谷に向かいレンタカーで王ケ頭、車山、蓼科山。その日の内に、岡谷から駒ヶ根に向かって、翌日朝一で木曽駒ヶ岳ピストンと夢想しておりましたが、台風12号の影響で日曜日は登山に適さないとの予報が・・・。そこで土曜日に木曽駒ヶ岳を登って、日曜日はリフトで山頂まで行ける霧ヶ峰と美ヶ原自然保護センターから30分で到達出来る王ヶ頭に絞ることにしました。実のところは、お盆の赤城山から八木原駅までの30kmダウンヒルランの年寄りの冷水により半月板を痛めてしまったので、山頂近くまでロープウェイやリフトや車で行けるエスケープ可能な、山しかいけなかったのです。
さて、夏と違って暗い駅から始発の山手線に乗り、新宿・高尾・上諏訪と乗り継いで駒ヶ根には11時7分に到着です。バス乗り場は長蛇の列との書き込みが多いですが、夏休みが終わると10名位が列を作っただけです。リュクを列に置いてロータリーの向かいのスーパーでビールと発泡酒とお弁当を購入。最後尾の座席の後ろにリュックを置いてしらび平まではうたた寝。流石にロープウェイは小一時間待たねばなりませんでした。
千畳敷駅から大カールの底に少し下ってからは宝剣小屋方向に東に向かって登ります。初めて担ぐ70Lのリュックは万が一の事を考えて色々な装備を放り込んだので、重さがじわじわと身に肩に腰に染みこんで来ます。汗だくになったころに漸く伊那前岳から宝剣岳へ繋がる稜線(乗越浄土?)に到着。少し息を整えて、宝剣小屋の横をすり抜けて中岳に向かいます。中岳の小さな祠に無事を祈った後に、山頂小屋に下ります。山頂小屋前ではテン泊の人が賑やかに寛いでいます。ツェルトの方も居ましたし、スペースも有ったので、テン泊してご来光をとの誘惑がムクムクと擡がって参ります。しかし自分の技術は未熟ですし、台風が九州に上陸しそうな時ですから天候が激変すれば「教職の碑」のような天候になっても不思議ではありません。後5・6年はサラリー伝書鳩をせねばならないので妄想はさておき、そのまま山頂をめざします。千畳敷カールの登りに比べると緩やかな登り道です。石や岩もありますが浮いていないので日光岩根山の山頂付近の蟻地獄的ザレ場より遥かに楽です。
空身の小学生低学年の子供さんたちが走ってどんどん追い抜いていきます。こちらは油の乗り切った太身に自己最重量を背負っていますので牛のような歩みです。牛歩でも歩みを止めずなんとかどうにか2時間15分で到着。木曽側と伊那側の木曽駒ヶ岳神社にお参りをしてからそそくさと引き返します。帰りのロープウェイに間に合わせないと大変ですので。中岳を超えて宝剣小屋まで戻った時に、弁当とビールがそのままで有ったことを思い出しました。これからの下り、膝を痛めている爺としては少しでも 荷物を減らしたい訳です。(もっとも身につくだけでですが・・)。お弁当は、バスの運転手さんが迷うこと無く手にとったソースカツ弁当。地元のバス運転手さんが選ぶのなら間違いないはずです。目論見通り冷えては居ましたが柔らかくボリュームたっぷりのトンカツでした。一気に700mlのビールもお腹に格納。ビールを飲み過ぎて少し冷えてしまったので、薄めのダウンを羽織っててからカールを下ります。登ってくるハイカーも下るハイカーも少なくなったので、着々と下ります。少し膝に違和感を感じた時に駅に到着。膝を痛めているので寧ろ下りの方が時間が掛かりました。16時30分最終一本前のロープウェイで下山です。バスはしらび平では満席でしたが駒ヶ根駅前ではわずか二人でした。駒ヶ根から岡谷へは18時04分発の電車に乗ることが出来ました。19時20分には岡谷に着きますので、あわよくば20時前にレンタカー屋さんに入って車を借りて、美ヶ原の駐車場まで走って夜の星を眺めて車中泊を狙っていました。
ところが、駒ヶ根から岡谷に向かう途中で、浴衣姿の若いカップルが増えてきました。岡谷駅に下りると上り方面にはお祭りの雰囲気が漂っています。改札を出る時に駅員さんに伺うと上諏訪で「新作花火大会」があるとの事、レンタカー屋に車を借りるのと、最悪の時の為の岡谷湖畔公園での野宿先探しは後回しにして、上諏訪に向かいました。駅に向かう列車内からも花火の音が聞こえ、上諏訪駅の西側から中央線の下をくぐって湖畔通り3丁目に出たところからでも花火が良く見えます。高架下から花火会場まで2百メートルしかないですが、会場よりもむしろ湖畔どおりの道の歩道で見たほうが空いていて良く見えます。お店の方が、簡易屋台をそこここに出されています。沖縄料理「ちゃーかんじゅー」さんお屋台のオリオンビールを飲みながら、駐車場の端でキャンピングマットを敷いてまったり花火鑑賞。目も前で上がるので目も耳も楽しめます。30万人の人出との事ですが、他府県からの方はホテルに宿泊されて見られているようで、電車も長く待つことも無く乗れました。突発の花火鑑賞でしたが大満足となりました。上諏訪の街は花火一色でしたのでお店は開いておらず、岡谷で晩ごはんの目論見です。
ところが岡谷駅改札を出てみるとなんと、ほとんどのお店が既に閉店。夕食抜きか?と探し回りやっとこさ駅駐車場横のお店に入りました。
「わしょく亭宮」さんは最初のオーナーが秋田と繋がりがあったとかで、秋田のお酒や肴があります。もちろん信州の食材も。折角ですので長野県名産の桜肉(つまり馬)のモツ煮込み(柔らかくて甘いです。)、新鮮キャベツの豚レモン炒め、秋田のお酒呑み比べセットなどを頼みました。美味しかったです。
すっかりほろ酔い気分で、野宿場所探すもの面倒になったのでカラオケ招き猫さんのフリータイムでソファーを並び替えて熟睡、2600円也。
翌日は、早朝に店を出て、レンタカーのお店が開店するまで、岡谷の街を散策しました、照光寺さんは、平安時代の開創とされる古刹で、明治時代の廃仏毀釈で下諏訪神社の神明寺などの寺宝が本寺に退避することになります。その中には武田勝頼の持念仏も。
山梨県でも東京・神奈川に近い大槻市の一歩手前の甲斐大和で自害した武田勝頼持念仏が諏訪氏に受け継がれたのも不思議と言えば不思議です。武田勝頼はもともと諏訪氏の子女と信玄の間に生まれた傍流で、若年時には諏訪氏を継承していためでしょうか?
早朝にも係わらず、外から真言を唱えていますと、尼僧の方が本堂の扉を開けてくださりご本尊の大日如来像を拝見しお参りすることが出来ました。
本日の無事をお願いし、レンタカー店を8時開店直前に訪問したところ、なんと財布に免許証がありません。焦って自宅に電話すると「あっ、ごめん、コピー必要だったから財布から抜いて返すのを忘れていた。笑」と家人。免許証が無くしては車を借りることは出来ません。お参りした後なのにツキが無いと、とぼとぼと岡谷駅まで歩いて帰り、とりあえず上りの電車に乗り上諏訪駅に到着。霧が峰行きのバスを探します。
やっぱり、9時50分までバスは無いので、途方に暮れていますと、4人連れの女性Gから「一緒にタクシーで行きませんか?」とお誘いを受けました。霧が峰高原強清水まで、20分程4400円で到着です。一人1000円掛かりませんでした。なんともラッキーでした。
降りると高原の涼しい空気に眼が覚めます。前々日は徹夜、前日もソファーで仮眠でしたので睡魔に襲われていました。レンタカーを借りていたら危なかったかもしれません。大日如来さんに感謝です。
朝ごはんを食べていなかったので、霧が峰スキー場のまん前にある「霧が峰高原の店」に入って、ざるそばをお願いしました。
今は懐かしい昭和の雰囲気を残すお店で、女将さんが親切に色々教えてくださいます。店内の壁をみますと、霧が峰の山荘や霧が峰スキー場をロケに使った映画の記念写真や色紙が数多く展示されています。皇族方御幸の記事や原節子を囲んだ映画スタッフの写真・色紙などなどタクシーで来る途中に通り過ぎた上諏訪角田新田出身の新田次郎さんと奥様の藤原ていさんの色紙もありました。
戦後から高度経済成長まで賑やかだった霧が峰高原スキー場の華やかりし頃の思い出が沢山詰まったお店でした。
女将さんに持ってきていただいた蕎麦には瓜と茄子の漬物が沿えられてありビールとよく合います。サービスでいただいた野菜の天麩羅も美味しい。このお店の名物は味噌天麩羅丼だそうで、次回は是非頂きたいと思います。
一方、店を出てからリフトの下を霧鐘塔のある1640mとの丘を目指しますと、周囲には朽ち果てていくホテルや山荘の廃屋が目に付きます。スキー人口減少の影響でしょうか?それとも温暖化の影響でしょうか?物悲しいようですが、江戸時代までは鷹狩り場だったので、静かに自然に帰っていくのも悪いことでは無いのかもしれません。
リフトの降り場の先にある霧鐘塔は霧が濃く道を迷に迷わぬよう設置されたそうですが、鐘を鳴らすと幸せが訪れるとの都市伝説があり、鐘を鳴らすロープには南京錠が鈴成りになっていました。私も適齢期に差し掛かった娘の幸せを祈りました。
しかし鍵が着いたままの物もあり、気が変わったらどちらかが外しに来るのでしょうか?
霧鐘塔の近くに日時計の展望台があり、方位盤の説明によると、北・中央・南アルプスや八ヶ岳さらには富士山が見えるそうですが、台風12号のしわ寄せか雲が多く、昨日登った木曽駒ヶ岳がかろうじて見える程度でした。
そこからは、ほとんどアップダウンの無いハイキングコースを東北に進みますと、乗馬コースを越えて、霧が峰自然保護センター・ドライブイン霧の駅前の交差点に差し掛かります。
甲高い民謡が聞こえる?と、不思議に思っていると法被をまとった男衆を従えて、ボーイソプラノの男の子と背の高い女の子が木遣り歌を唄っています。ミニチュアの御柱を皆の衆が掛け声を掛けて引っ張っていました。
どうみても御柱に跨っている年長者の方の方の体重が重そうです。ハイキングの観光客の皆さんも曳行に参加されています。ミニチュア御柱は、ゆっくりと進んでは止まって、五号園地の方角に進みます。
ハイキングコースが草原から林に差し掛かった苔むした岩の転がる林に、水神社があります。真新しい白木の鳥居を超えてマイクロ御柱が運び込まれ、組合(おそらく霧ヶ峰の森林組合?開発公社?)の社長以下専務や常務さんが先端に斧を入れられます。(どうみても飲み屋とか工務店のしゃちょーさんにしか見えないのですが。笑)観光客がカメラ持って見てるので皆さん少し緊張?その後、日本の大工技の妙技でフリーハンドで先端がカットされ尖らされます。何度か、「あっれ?」「おっかしーなあ?」とか切り直しは入りますが、非常に微笑ましく和やかな御柱祭でした。このような小宮は諏訪地方各地の神社や祠で行われるそうです。
御柱が4本とも聳え立つのを待っていると日が暮れそうでしたので、五号園地を超えてコロボックルヒュッテ方面に向かいます。南西には強清水に向かう丘の道がなだらかに続き、北西には八ケ原湿原と取り囲む牧草地の向こうに鷲ヶ峰がのどやかに見えます。東にはこれから向かう車山山頂の気象観測レーダードームが小さく見えます。低い草地に細々と繋がる小道の上に入道雲が動くだけで、誰ともすれ違いませんでした。夏休みが終わった初秋の少し得したような寂しさがそこにありました。
車山肩のコロボックルヒュッテさんの近くにはハイカーがちらほら。ドライブインのチャップリンさんでは広い店内に私とあと二組だけ、地ビールを頂きましたが、コクの深いものでした。あとは車山山頂にむかって緩やかな勾配のハイキング道が東南の斜面を巻いて登ります。山頂付近では小石が浮いた道となりヒールや革靴では辛そうです。
山頂に着くと巨大な気象ドームが迎えてくれます。南向きの頂きの端からは八ヶ岳、茅野市や富士見町の町並みを超えて、南アルプス、中央アルプスの山々の遠景が見晴らせます。ただ富士山だけは待てど暮らせど雲に阻まれ姿を見せてはくれませんでした。
山頂には車山神社がお祭りされており、やはりここでも7年前に聳立された枯れた御柱が建て替えられるのも待っておりました。車山の御柱小宮祭りの曳御柱と建御柱は9月25日に行われます。参加可能で1800mから1915mまで御柱を曳き上げます。往復2000円のリフト乗り放題券が着いて3000円の参加費ですので、一生に一度の経験としては良いのではないでしょうか?
山頂でカップラーメンを食べた後は、治りきっていない膝の半月板が痛み始めて下れなく成ってしまったので、リフトで下山と相成りました。リハビリの登山でしたのでエスケープのある場所で良かったです。予定通りレンタカーで車山・蓼科山と梯子をしていたら蓼科山で動けなくなって遭難するところでした。麓のビジターセンター横のおみやげ屋さんで、大きなズッキーニと茄子6本、枝豆目一杯入った袋を440円で購入し、帰路につきました。年寄りの山行は、万が一の装備を充実させて重い荷物を担ぐより最低限の緊急避難グッズのみのウルトラライトの方が危険が少ないことを悟りました。購入してしまった70L のリュックは野菜買い出し専用になりそうです。
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