「Mt.Fuji は ”見る山 & 登る山”」 ↑富士宮R↓プリンスRで富士山
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 1,506m
- 下り
- 1,506m
コースタイム
- 山行
- 5:41
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 6:46
・今日も首からデジイチぶらさげて歩いた。無駄に多い写真枚数が500枚超え(ええ大半は没ですとも)
・標高のせいか、それとも年のせいか、スタートから息が荒い状態。やはり駐車場に前泊して高所順応しておいた方が無難だったか?
天候 | 晴→ガス&爆風→晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
レストハウスと登山口上がってすぐにトイレあり 登山届はレストハウス内階段踊り場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●危険個所なし道明瞭。問題は気候・温度変化と高所対応。この日は「初雪化粧」(残念ながら「初冠雪」ではないようだ) ●宝永山では巨大落石があったようなので足早に通過。 |
その他周辺情報 | 富士山天母の湯 ¥410/1H ¥720/3h ¥200/1H延長毎 http://www.anmonoyu.com/ |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
北八ヶ岳を十二分に堪能した。翌日も北八ヶ岳をOneDayハイクする予定だったが、少々苔の森にも飽きた。それに泥道と滑る石で心も折れ気味。
とりあえず風呂に入りながら明日の予定を考えた。
2日間で北八ヶ岳制覇を目論んでいたのだが、もう次回でいいです。天気予報の不安定さから色々と他のプランは用意していた。「北アや南アもいいけどなんかもっと変化が欲しいなぁ。おお!富士山なんかどうだろう」思いのほか疲労感残ってるが、素人さんでも大勢登ってるし、コースタイムから鑑みるに何とかなるでしょ。
”富士山は見る山であって登る山ではない”
などという変な格言めいたものまであるが、やっぱり一度は登ってみたい。
...ということで、
一日目にして山登り満腹(むしろ胃もたれ気味)の私は、それほど大きな期待もせず富士山登山に決定。問題はここからのドライブ時間。3時間以上はかかりそうだ。ともかく荷物を整理してすぐに出発進行。
しかし、寝不足&疲労で『道の駅 朝霧高原』あたりで限界を迎えた。漆黒の登山口駐車場より、多少明るさがあって安心設備の道の駅に車中泊するのを好む私。高所順応したかったけど良しとしましょう。寝れない車中泊に悩まされ続けてきたが、新たに導入した車のフルフラット快適空間のおかげで今宵も熟睡できて助かった。
さて実を申すと、(前述の格言ではないが)私は”富士山を眺める”のが大好きなのである。富士山見つけるとテンション上がる...まぁ多くのハイカーさんも同じか。富士山をぐるっと回ってドライブしたり、富士山見たさに箱根周辺の山にも登ったりしている。今回闇夜で残念だったが『道の駅 朝霧高原』からもなかなかの眺めだった記憶がある。そういえば、富士山眺めながら絶叫マシーン乗りまくった富士急ハイランドも良かったなぁ。富士急のホテルで朝食とりながら見た雄大な富士山の姿は忘れられない...とまぁ思い出は尽きないのだ。黒土の荒々しいお姿、白雪を被った端正なお姿、どちらも神々しくて好きだ。
◆さすが富士山、やっぱりここは普通じゃない
富士山スカイラインへ入ろうとすると、人が立っていて止められた。「何ごと!?」と思ったが、自転車の大会があるらしく「6:00〜11:30まで通行止め」との事。ついこの間、土砂降りの”UTMF”が開催されたばかりだと思うが、年中様々なイベントがあるようだ。危うく登山口まで行けないところだった。
駐車場に着くとたくさんの車。全部が登山目的ではないとしてもかなりの数だ。公式には登山シーズン終了なのだが、みんな大好きなんですねぇ。駿河湾など眺めながら朝食とってのんびり準備。いやぁ、こんな贅沢なスタート準備ないですよ。すでに満足感漂いながら、昨日と同じように遅めのスタートとなる。
当初は「富士山登るなら御殿場ルート」と決めていた。でも『プリンスルート』という素敵なネーミングのルートを知ってしまったので今回富士宮口を選んだ。『プリンスルート』とは2008年に皇太子様がお登りになられたコース。スタートの標高が高い富士宮ルートと、混雑少なくて比較的道が優しい御殿場ルートをハイブリッド。しかもおまけに宝永山も寄れるという反則的なルートなのである。前日の疲れもあるし、折角マイカー規制も解除されているのだからとこのコースを選んだ次第である。
まずは富士宮ルートで登る。もう高度2300mを超えているので、高所順応苦手な私は既に息づかいが荒い。「本当にこの調子で山頂までたどり着けるのか?」とちょっと弱気になる。しばし歩くと、2名のハイカーさんにぶち抜かれ、そのうしろ姿を見ることは2度とはなかった。初心者っぽいハイカーさんもいる一方、やはり剛の者も集うさすが日本一の山だ。
ほどなくして新6合目に到着。ブル道との分岐でウロウロしていると『雲海荘』のおば様が手招きしている。どうやら道を間違えないように呼んでくれたようだ。しばし雑談。「山頂付近が白くなってる。たぶん雹とか霰が降ったんではないかなぁ」との事。見上げてみると白いものが見えガスもかかっているようだ。一抹の不安を感じつつ先を急ぐ。
既に高山山頂レベルの高度。下界に広がる駿河湾と大森林の眺めは最高だ。岩と砂利ばかりとはいえ、他の山と一線画した山容はやっぱり摩訶不思議で面白い。見上げる行く先は果てしなく大富士山の存在感がもの凄い。富士山登山で言われるネガティブなコメントに「変化が少ない」というご意見を散見する。それは確かにそうかもしれない。でも、これらの景観を楽しめないというのはどうなんだろうと思ってしまった。
◆さすが富士山、標高あげると天候一変する
標高あげると風の勢いが増してきた。向かい風になると歩みも重くなるほど。9合目あたりでさすがに”滝汗っかき”もTシャツ&ペラペラウィンドブレーカーでは厳しくなってきた。薄いフリースに着替える為ウィンドブレーカーを脱いだところ、Tシャツ一枚の私の姿に周囲の刺すような視線を感じたのは勘違いであろうか...
そして登山道にはまさかの雪も目立ち始めた。さらに強まるガスと風。数分前とは状況が一変した。何とか富士宮ルート頂上に到達したが、そこは想像を絶する光景だった。
足元は一面真っ白。飛ばされるという程ではないにしろ緊張感漂う程の暴風。「ガスで先も見通しきかないこの状況で、剣ヶ峰まで登る人いるのだろうか...」一抹の不安を感じつつも一応PH目指して進む。しかし、最後の登りを進み始めると、実は多くのハイカーが登っていることに気づいた。「こんな状況で皆さん奇特なことです」と自分の事は棚に上げつつ最後のひと踏ん張り。「短いながらも最後の登りがキツイ」というコメントをよく目にする。自身を鼓舞する為か、雄たけび上げながら登っているハイカーさんもいらしゃった。
そして人間はじめて45年、我ついに日本最高峰に立つ。
◆さすが富士山、ど迫力の大噴火口お鉢巡り
山頂に辿り着くと急激にガスがはれ青空まで見え始めた。「ウオオオオオオオオオ、スゲエエエエエエエエ(JOJO的な表現)」思わず声も漏れるというもの。少々山慣れしてしまい、登山始めた頃の感動が沸き立たなくなった今日この頃。「私も随分擦れてしまったものだ、あの頃が懐かしい」などと未だ初心者のくせに偉そうに思っていたが、久々に沸き立つ歓喜の瞬間。
大噴火口の大きさは私の空間把握をはるかに超えていた。果てしなく広がる眼下の雲海は成層圏の雰囲気さえ漂よわせ、宇宙的なものを感じる(すんません誇張し過ぎました)。周囲のハイカーさんも喜びの笑顔をみせているものの、そこそこ冷静そうなのでちょっと拍子抜け。私だけ大富士山にあてられやすい性格なのだろうか。
山頂では何枚も何枚も何枚も写真を撮り、混雑する山頂標識では隙間見つけて自撮りしたり、火口眺めて雲海眺めてを繰り返し、震える山頂に長居してしまった(まぁせいぜい30分ほどですけどね)。
さてさて、天候回復しているうちにお鉢巡りをしなければならない。先ほどの荒れた天候でのハイクはちょっと怖いし...そうここは高度3600mという途方もない場所なのだ(景観に圧倒され少々びくついている)。
進んで行くと西側の景色が見えるようになる。「おお!あれは南アでは?、おお!あれは昨日歩いた八ヶ岳でしょ?」”どこからでも見える富士山” 裏返せば ”どこまでも見渡せる富士山” となるわけだ。この後お鉢をぐるっと周るわけだが、最高峰で独立峰、至極当たり前だけど360°日本一の展望があった。もっと素晴らしい写真をお見せしたいところだが、私の腕では1/100も伝えること叶わず。未見の方は是非ともご自身の目でご確認いただきたい。
大噴火口の姿も見る角度によって変わっていく。ちなみに火口の底は大内院と呼ばれ、深さは8合目にまで達するそうだ。相当深いとは感じていたがそれほどとは...やはりスケールでかくて遠近感狂っているようだ。火口周囲には8つの峰が存在しているというがアップダウンはそれほどきつくもなく、「風がなければいいトレランコースかもなぁ」などと感じるほどだった。
◆さすが富士山、おまけといえどもメインディッシュ並み
無事お鉢巡りを終え、いよいよ『プリンスルート』で下山。さきほどから気になっている宝永山へ寄って帰るのだ。御殿場ルートは岩が少ないので歩きやすく、砂利が多いので下山では膝にも優しい。富士宮Rで登って御殿場Rで下るのはBESTのチョイスだと思える(吉田Rと須走Rは未踏だけど)。こちらのルートは、富士宮Rよりもさらに荒涼とした雰囲気であり、雰囲気変わって飽きさせなかった。
軽快に下って7合5勺目の『砂走館』でお昼タイム。今日は水の摂取量も少ないし、エネルギーもまだ十分。このまま下山してしまってもよかったのだが、せっかく持って上がったご飯&デザート&ハーブティーがある。ここでのんびりランチタイムとした。隣り合わせになった同じく昼食中のソロハイカーさんと談笑。ソロ故の寂しさ、誰とも共有できなかった初富士登山の感動を伝えた(ちょっとご迷惑だったかも)。ソロハイカーさんのお話では毎年富士山に登っているらしい。「私も毎年富士山登る」とこの場で誓うのであった。
ランチを終え下山再開。このコースの残念なところは『大砂走り』を体験できないこと。YouTubeにアップされている大砂走りを見て、「是非やってみたい」と思っていた。
すると、まだ大砂走りのエリアではないはずなのに、黒砂利で足首まで埋まる道になってきた。「おお!それっぽい走りができるかも」と怒涛の走り。いや”走る”というよりも”飛び跳ねる”というイメージ。「うほほほほほほほほほほーい(Drスランプ的な表現)」と疾走する狂乱の中年ハイカー。周囲(といって数人)からは”目を合わせてはいけない人”と思われたかもしれない。「短時間ではあったが、なかなかの韋駄天ぶりだったかな?」と自画自賛。ところが、調子に乗りすぎて急ブレーキ効かず、一度だけ下山中の方を脇へよけさせてしまった。一応謝罪しましたが反省です(皆さんもお気をつけて)。
※激走の大砂走り参考動画はコチラ
https://www.youtube.com/watch?v=fJy53uwUfd0
興奮のプチ大砂走りを終えると、いよいよ宝永山への馬の背の道。黒単色の山肌は異様というほかない。これを見るだけでも富士山まで来る価値ありと思えるほど。大砂走りといい、宝永山といい、下山途中のおまけでも十分楽しめるとは...さすが富士山である。
宝永山山頂ではまたもや爆風。でも駿河湾の眺めは大変良かった。その後火口の底まで下るわけだが、先日大きな落石が登山道まで達したというニュースがあった。上に気を配りながら速足で通過。最下部にはベンチが置かれていたのだが、「ここ落石要注意場所じゃなかろうか...」とその存在に疑問をもってしまった(周りに巨石が散乱してるし)。
この辺りまでくると観光客っぽい人たちの姿も多くなる。岩と砂利の荒野に所々紅葉した草木があって美しかった。
◆さすがだった富士山、余韻も残る感激の山行
期待以上更にそれ以上の山行を終え、まだまだ眼下に広がる絶景を眺めながらゆっくりと帰り支度。スマホもばっちり繋がるという便利な環境。家族に無事下山を報告し、FaceTimeでその素敵な景色も見せてあげた。
標高下げると初夏に戻ったかのような暑さ。窓全開で美しい木々に囲まれたドライブを堪能。ほどなくして市街地に入り始めると、山と森の気配はなくなっていた。それでもバックミラーには大富士山の姿がまだある。いつまでもその姿を留めておきたいと願いつつ、長い道のりで家路へと向かうのであった。
◆あとがき
下山後ニュースを確認したら「今日富士山に雪。初冠雪にはならず」との事。雪は確認できたが基準に達していないので”初冠雪”には至らず”初雪化粧”らしい。「初冠雪に初富士登山って何だか素敵だったのになぁ...」と少し残念。立ち寄った温泉で同じく富士山に登った方々とご一緒した。さきほど得たニュースなど伝えたりして、今日の思い出を少しだけ分かち合った。
他の登山とは別物な感じがしますよね。
高山植物や気持ちのよい稜線歩きが好きな人には刺さらない気がしますが、独特の雰囲気、そこに来ている人も含めての景色や空間が合わさって富士山なんだと思います。
紅葉期の涸沢カールがテントも景色の一部になっているのと同じような…
さすがにもう居なかったかもしれませんが、ナイキのエアフォースで登っている外国人や飛び交うアジア圏の言葉聞くと「ああ富士山だw」なんて思っていまします(笑)
大砂走りプチ体感されたんですね。
次はフルで味わってください!
うほほ〜〜〜い♪ではなくルパンのカリオストロの城になりますよ(^^)
kajugumiさん こんにちは
そうですね
色んな意味で他の峰々とは一線を画す山だと思います。
その特異性が故に賛否両論あるのかもしれません。
文中で”たくさん”という表現してますが、
実際のところすごく空いてましたので、
ハイシーズンの富士登山はもっと違った感じだったのかもしれないです
kajugumi さんの動画拝見するともの凄い人だかりでしたから ...
大砂走、
年甲斐もなく興奮しました。
でもそんなに長い時間やれるもんじゃないですね。
いつもと違った部位が筋肉痛になっちゃいましたよ
次回は緑のジャケット着て本番を走ります
追記:
実際に見てもらった方が伝わるので、
文中でkajugumi さんの”大砂走り動画”紹介していいですか?
ご迷惑ならコメしてください
すぐに削除しますの
どうぞどうぞ。
かまわないですよ〜
こんなに雪があっても、冠雪とはならないんだ…不思議
大砂走り、見せてもらいました…
自衛隊のマラソンや、体育会系TVでやってたやつですね…。
靴に砂がはいんない?
普段 富士山が見えない愛知県民は富士山見ると興奮しちゃいますね。
私は、登るより見る方が断然好きです。
ちなみに…
4年前に、海外遠征する友人に付き合って、山頂の頂上小屋で一泊しました。
「隣の浅間神社で挙式する」っていうカップルがいて、彼女が持参したウエディングドレス着てたけど、新郎は高山病でフラフラだった…同宿者で拍手しました。
(火打の小屋でも結婚式にあいました。山結婚、ケッコー多いのかも、ね)
山頂小屋のお泊りの人は海外遠征準備の人が多く、ヒマラヤなどの話を聞きました。
…食事はヒドいし、スタッフの対応は非人間的だし…今まで泊まった小屋で最低・サイアクの小屋でしたが…外に出てご来光待ちの登山者の多さにびっくり。
それはそれは美しいご来光でしたわ。
確かに、よそとは違う山の経験をしますね。
しかし、力つきて富士山とは…体力ありあまってますね〜〜〜
さすがです!!
今回は半袖、短パンじゃなくて残念…
akakiriusagi さん こんにちは
そうなんですよ
あんなに白かったのに初冠雪ならずだったんです
”初冠雪の富士山”とか言いたかった...
日本最高峰でありながら
観光化している富士山
その山容の特異性だけでなく
まぁ色々とおかしな事もあるようですね
頂戴した”思い出話”面白かったです
静かな初富士登山を楽しめて
私はラッキーだったのかもしれません
今回は楽しい”登るべき山”でしたので
とりあえず来年も登ろうと思います
多分またシーズン中は外しますけどね
雪と暴風の高度3600mです
半袖、短パンだと死んでしまいますよ...多分
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