東山・高ボッチ・鉢伏山
- GPS
- 06:30
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,164m
- 下り
- 1,175m
コースタイム
東山 10:55-11:05
荷直峠 11:25-11:30
高ボッチ 12:10-12:25
鉢伏山荘 13:40-13:45
鉢伏山 14:00-14:30
扉温泉 15:45
三城口バス停 16:10
天候 | 晴れ(ただし空気が澱んでいて遠くの展望はほとんどなし) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
塩尻駅 09:10-(塩尻市地域振興バス)-09:40 御野立口バス停 (帰り) 三城口バス停 17:25-(松本電鉄バス)-18:10 松本駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※今回はGPS電池切れのため、ルートマップの軌跡は推定です。 今回、まず最初に東山に寄っていることと、東山まで地形図の破線路を追おうとしたことから、少し面倒な歩き方をしています。 でも御野立口バス停から荷直峠まで車道を歩き、東山にも寄らないのであれば、車道歩きが長いことを除けば全く問題のない分かりやすいルートのはずです。 東山に寄る場合でも、単に車道から東山の三角点を往復するだけであれば、東山の真東(正確には東南東)からの踏み跡を辿れば、片道ほんの5分程度で着くと思います。 御野立口バス停から東山までの間は、車道→送電線巡視路→塩嶺野外活動センター内の遊歩道→地図にない新しい林道→東山直下から頂上へ向かう直線道、とたどりましたが、文字で詳細を綴るのはちょっと困難です。 ルート図や下記「感想」をご参照下さい。また、林道工事はまだ途上段階にあったので、その後も延伸や新道の敷設などで状況が変わっている可能性が大きいと思われる点についてもご留意下さい。 車道終点の荷直峠から高ボッチ高原へは、一応は一般のハイキングコースとされているようですが、激しい急坂のため、雨後など地面が濡れて滑りやすい時には、相当の注意が必要そうでした。 高ボッチ高原から鉢伏山荘までは、約6kmに及ぶ長い車道歩き。特に後半2kmは登りなので、夏の炎天下で歩くのは少々厳しかったです。 鉢伏山荘から扉温泉への道は、極上の下山路でした。惜しかったのはすでに午後も3時近くなり、しかも北側斜面なので明るさにかげりが見え始めていたことです。ここは午前の明るい陽光の中で、もう1度歩いてみたい気がしています。 帰路で三城口バス停から乗り込んだのは、松本駅と美ヶ原高原美術館を結ぶ路線バスです。 2010年現在、公共交通で唯一、美ヶ原へ乗り入れているこの路線は、ここ何年かはGWと夏季だけといった、ごく短期間の限定運行が続いていました。 さらに昨年まで2路線あったうちの片方(美ヶ原高原行き)が休止されて、2010年の運行はついにこの1路線だけとなり、しかも1日2往復に減便までされていたのです。 その代わり、なぜか運行期間は拡大されて、普段の土日にも走るようになっていたのですが、この日は行楽シーズンではないとはいえ、帰りの便の乗客は6人だけでした。 せっかく走ってくれているのに、この利用状況では、来年以降の運行がどうなるか心配でなりません。 |
写真
感想
鉢伏山は美ヶ原や霧ヶ峰のすぐご近所にあり、花の百名山として知られていますが、南北の両アルプスと八ヶ岳から間近に囲まれて、それらをぐるりと見渡せる展望の山でもあります。
ところが、一応は良く晴れていたにもかかわらず、空気が澱んでいてスッキリとした展望がなく、満足に見えたのがすぐ近くの美ヶ原や霧ヶ峰だけというのはガッカリでした。
それでも、高ボッチ高原の伸びやかな景色や、満開で迎えてくれたズミの白い花、鉢伏山から扉温泉へ下るルートにあった美しい針葉樹林など、多くのものが印象に残る山歩きとなっています。
塩尻駅から塩尻市地域振興バスに乗って、終点の御野立口で降ります。ここでいつものようにGPSの電源を入れると、なんと電池残量がゼロ。充電池の充電が不完全だったようなのです。
今日は最初の東山までの間で、実際に道があるかどうかも不明な地形図の破線路を追おうとしていたので、GPSが使えないのは大きな痛手です。でも今さらどうすることもできないので、久しぶりに地形図とコンパスで歩き切る覚悟を固め、不安も抱えつつの出発となりました。
最初は車道を歩いて、塩嶺キャンプ場のすぐ北の十字路を左折し、すぐに展望台やトイレを見送ると、その先の右カーブの所から直進気味に延びる山道が分かれています。
事前に確認していたGoogleマップでも、このあたりに塩嶺野外活動センター内を結ぶ小径が巡らされていて、車道と並行して進めるように書かれていたので、早速これを入ることにしました。
ところがこの道、どこまでもほぼ水平に続いて、一向に登っていかないのが変なのです。かなり進んだところで、実は送電線巡視路なのだと分かりました。
今日はただでさえGPSが無いというのに、始めからいきなり、想定していたルートを外してしまいました。
でも単なる巡視路にしては良く歩かれている明瞭な道で、どこかに出られそうな気配を感じたので、しばらく付き合って進んでみることにします。やがて道は二手に分かれていきますが、矢印だけが書かれた標識に従って急斜面を直登していくと、送電線鉄塔の建つ1120m小ピークに出ました。
ここでは頭上で十字に交差している送電線の具合から、現在地をほぼ特定することができて、不安解消です。そして近くには岡谷市教育委員会による「大分水嶺」の標識が立てられていました。ルートを外したおかげでこんな意外な物が見られて、道迷いも悪くないものです。
送電線鉄塔のピークからは、歩いてきた送電線巡視路が東西方向に延びているほかに、北に小径が下っていました。
その小径を下っていくと、すぐに塩嶺野外活動センター内に入ったらしく、ゲートボール場でプレーしている人達の横を抜けて、駐車場やトイレのある広場に出ます。駐車場には当然林道からの道が通じているはずですが、薄い踏み跡がまだ北に続いていたので、それを追って行くことにします。
すると、しばらく進んだ先で真新しい林道に上がりました。地形図にはない新しい林道です。Googleの航空写真を見て踏み跡がありそうに見えたので、それを辿ってみようと思っていたまさにその場所に、今や立派な林道が出来上がっていたのです。
さらに進むと頭上に送電線が密集しはじめると同時に、沢に近づいていき、沢筋を上がってきた左後方からの道と合流しました。送電線と地形の両方から、現在地形図の破線路上にいることはもう明らかです。あとは、今や立派な林道となっているこの破線路を北上して行けば良さそうです。
しばらく地形図の破線の通りに進んだ先で、道は直進と右折の二手に分かれていて、やや状態の悪い直進方向の道を選んで登り続けていきます。
やがて進路を東向きに変えて平坦な道になり、しばらく進んで細い直線道と直角に交差する十字路に出ると、その直線の具合には思い当たるものがありました。Googleマップで、東山の南斜面にほぼ直線の道が2本通じているのを見ていたのです。この直線道の先に東山があるに違いありません。
その細い道を入ると、かなりの急斜面を一直線に直登していく辛い登りとなりましたが、思った通りに、登り詰めた地点が東山の頂上でした。「東山山頂」の標柱と三角点が、それぞれ少し離れた地点に見つかっています。
東山の三角点の所からは、そのまま東へ下る道が続いていたので、これを降りていくと、すぐに地図にも載っている林道に出ました。出てきた地点には特別な目印もなく、明瞭な踏み跡ではあるものの、分かっていないと入り込めないような雰囲気でした。
あとはもう、この林道を素直に進むだけです。最後のほうでハイキングコースの標識に従って山道でショートカットしていき、再び林道に戻ると、そこが林道の終点でした。そこに立つ標識は字がかすれて読みにくくなっていましたが、現在地だけは「荷直峠」と読むことができました。
荷直峠からの登山道は、とてつもない急登でした。しかも標高差約200mにわたって続く、非常に長い急登です。傾斜が急であることは地形図からも明らかなので、覚悟はしていましたが、多少はジグザグで緩和されると思っていたのにそれもほとんどありません。
岩場であればこの程度の急斜面など珍しくはないですが、普通の土の道で、これ程の急坂がここまで長く続くのは、ちょっとほかでは記憶がないほどです。雨後など踏ん張りがきかない状況下では、特に下りで安全に歩けるとはとても思えません。良くこんなところにハイキングコースを通したものだと思ってしまいました。
なんとか急坂を登り切って、傾斜が穏やかになると、そこで出迎えてくれたのは、小さな白い花をいっぱいに付けたグミの木の群生でした。頭上が一面に白く染まって感じられるほどの大量の花の下をくぐっていくと、やがて高ボッチの頂上が目前に見えてきました。
そして一旦車道に出ると、全くハイカーを見なかったこれまでとは雰囲気が一転して、あっという間に観光客の世界に変わります。ツツジをお目当てに多くの人々が車で訪れていたのでした。
遊歩道を歩いて高ボッチの頂上に出ると、観光客が長居しないこともあってか、比較的静かな頂上でした。
しかし澱んでいた空気の中で見渡せる景色は、眼下の諏訪湖と、すぐ近くの霧ヶ峰くらいまでしかなく、これには少々ガッカリです。次に向かう鉢伏山は、まだかなり遠くに見えていました。
高ボッチから鉢伏山へは、鉢伏山荘まで約6kmに及ぶ車道歩きが続きます。強い日差しの下でかなり気温も上がっており、しかも木陰のほとんどないアスファルトの道路を延々と歩くのは、ほとんど苦行に近いものがありました。
それでも道が平坦なうちはまだ良かったのですが、4km近かったほぼ平坦な区間を歩き終えると、ついに残り2kmの登りの始まりです。
炎天下での舗装道路の登りは、もう拷問というほかなく、流れ落ちる汗の量が半端ではありません。熱中症が心配になるほどの状況で、とにかくゆっくりと、度々水分補給をしつつ、同じペースをキープして登り続けていきます。
ようやく鉢伏山荘に着いた頃には、心身ともにかなり疲弊していたので、駐車場脇のベンチでひと休みしていきました。
鉢伏山荘からは、ほんの15分で鉢伏山の頂上に到着しました。遊歩道脇の最高点には、標識と三角点があるだけでしたが、その奥へわずかに下っていくと、いくつものベンチと展望台の建つ広場となっていました。
空気の澱みは相変わらで、展望台に登ってみても、南側に眼下の諏訪湖、北側にすぐお隣さんの美ヶ原が見えるばかり。東西に見えるはずの八ヶ岳や北アルプスは影も形もありません。でも先客はご夫婦と見られる2人組だけという落ち着いた雰囲気で、やがてその2人もいなくなると、その後20分ほどは静かな頂上をずっと独占する贅沢な時間となりました。
鉢伏山から鉢伏山荘近くまでの分岐点まで戻って、扉温泉へ向かう道に入ります。すぐに針葉樹林帯に入るのですが、ここがなんとも美しい森でした。これまでに見てきたほかの針葉樹林とは別格の美しさです。
その美しい森の中をぐんぐんと下り、朽ちかけた営林小屋の前に出て、前鉢伏山のほうから下ってくる道を合わせると、あとは沢沿いの道に変わります。爽やかな水音を聞きながらの緩やかな下りもすこぶる気分が良く、さらに尾根末端まで下ると、今度は美しい白樺林が出現しました。
1000m近い高度差を下る道ですが、それを長いと感じさせない気持ちの良い景色が続いて、これまでに歩いた中でも上位に入る好印象の道となりました。
扉温泉から先は、舗道道路を30分ほど歩いて三城口バス停へ向かいます。バスの時間にはまだ早すぎますが、それは予定通り。最後はバス停の向かいにある「そば処 やまべ」で、ソバを食べながらゆっくり過ごしていきます。
お店は70歳台のおばあさんが1人で元気に切り盛りしていました。ざるそばの大盛りを注文すると、出てきたのはとても風味の豊かなソバで、ソバ湯も好みの濃厚なものが出てきましたし、付け合わせのフキの煮付けも美味しかったです。おばあさんも気さくに話をする方で、店の雰囲気も良く、とても満ち足りた気分でこの日の山歩きを締めくくることができました。
詳細な記録のページ
http://cellist.my.coocan.jp/yama/mt2010_04_06/mt2010_04_06.html#20100612
写真主体のブログ版
http://cellist.blog.ss-blog.jp/2010-06-12
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