吾妻渓谷 川原湯温泉と八ッ場ダム〜5年の変遷
- GPS
- 05:15
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,633m
- 下り
- 1,627m
コースタイム
- 山行
- 4:20
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 5:21
天候 | |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
新宿→赤羽→高崎→川原湯温泉 JR埼京線・高崎線・吾妻線 3,020 起点・終点:川原湯温泉駅 川原湯温泉→赤羽 JR吾妻線・高崎線 3,020 特急草津 1,860 赤羽→新宿 JR湘南新宿ライン ↑ 新宿→町田 小田急 370 特急ホームウェイ 410 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・危険個所なし。 ・今回歩いた車道にはすべてに広い歩道が付いているので安心して歩ける。 ・長いトンネル歩きがキツい。 ○吾妻渓谷 ・以前は川原湯温泉駅からすぐ近くだったが、移転して新しくなった川原湯温泉駅からは車道を1時間ほど歩いて十二沢駐車場辺りから遊歩道に入る。 ・鹿飛橋には行ける。十二沢駐車場から10分くらい。 ・鹿飛橋からは、上流に向かって小蓬莱の展望台までは行けるが、そこから上流側は通行止め。鹿飛橋に戻るしかない。 ・鹿飛橋から国道に上がって、大蓬莱(旧熊の茶屋)までは行けるが、そこからは工事車両のみで歩行者も通行止め。 ・楢沢トンネルの前を通って国道を下流側に進むと、猿橋という新しい橋が出来ていて、十二沢駐車場に戻ることができる。 ・総合的には鹿飛橋を中心に、下流側は周回でき、上流側は小蓬莱の展望台・大蓬莱までそれぞれピストンになる。 ・上記も、工事の都合で変わることもあるようだ。 |
その他周辺情報 | ○温泉 川原湯温泉 王湯 500 |
写真
感想
吾妻渓谷は以前に川原湯温泉駅から歩いたことがある。
5年前の2011年。
この頃は、政権交代により八ッ場ダムの建設が中止になり、再びの工事の再開が決まる直前あたりの時期。
自分が生まれるよりもはるか前に八ッ場ダムの建設が決まり、激しい反対運動があって、
そして長い長い年月をかけた交渉の末、ようやく住民の高台への移転が始まった。
そんな折の建設中止。
なんともやるせない気持ちを駅の人から聞いたのが印象的だった。
あれから5年。
八ッ場ダムの工事が再開され、吾妻線の線路も付け替えられて川原湯温泉駅も高台に移転し、王湯をはじめ川原湯の温泉街も移転している、ということを知ったので、行ってみることにした。
車で行った方が楽な場所ではあるけれど、前回と同じく敢えて電車で。
今回は変わったもの、変わらないものを列挙してみる。
<川原湯温泉>
○変わったもの
・川原湯温泉駅
眺めのいい高台に綺麗で立派な駅舎ができている。でもまだ周辺には店も何もない。
以前に駅があった場所は、既に行くことができなくなっている。
八ッ場大橋の上から以前駅があった場所を見ることができたが、もう跡形もない。
・川原湯の温泉街
駅からトンネルを隔てて徒歩15分くらいの場所にある。
狭い路地だった以前とは対照的にとても広々としている。
でもまだ店も少なく、広すぎるせいか人影もまばらで閑散としている印象がある。
以前の場所は今では建物もほとんど取り壊されていて、何もない。
・王湯
以前の面影を残しつつ、2階建ての綺麗な建物になっていた。
浴室は以前よりも広い。
ここには以前同様に多くの人がいた。
・八ッ場大橋
5年前は建設中の橋脚だけだった。
今は川原湯と対岸の川原畑を結ぶ巨大な橋が完成している。
建設中の名前は「湖面1号橋」だったが「八ッ場大橋」になった。
橋からの眺めは素晴らしい。
ダムが完成すれば、湖上の橋になってまた景色は変わりそう。
○変わらないもの
・川原湯温泉神社
今も以前のままの場所に、以前のままにある。
ただ、駅からだと廃墟になった旧温泉街への道の途中にあり、道の先は行き止まり。
新温泉街に行く道からは枝道になり、しかも短く急坂を下って引き返さないといけないので、訪れる人は少なくなったのではなかろうか。
<吾妻渓谷>
○変わったもの
・渓谷遊歩道へのアクセス
川原湯温泉がある上流側からアクセスする方法はない。
川原湯温泉から1800mほどもある長いトンネルを抜けて、下流側に回り込んでからでないと行けない。
十二沢というところにある渓谷遊歩道の入口が最寄りになるが、
駅からだと早くても1時間ほどの車道歩きになる。
十二沢には駐車場も作られている。
・小蓬莱の展望台
木々が多くてすっきり見晴らせないのは相変わらずだが...
小蓬莱のすぐ上流側にダムの本体ができるようで、ここからの上流側の景色が一変。
ダムの工事現場が目前に見える。
将来的にはコンクリートの景観に、そしてダムの放水が見られる場所になっていくのだろうか。
・滝見橋
旧川原湯温泉駅の近くにあった滝見橋へはもう行くことができない。
○変わらないもの
・鹿飛橋と渓谷遊歩道の景観
アクセスは大きく変わっても、自然の景観は変わらない。
ダム建設予定地の下流側に当たる部分の景色は、以前と変わっていない。
鹿飛橋にも行くことはできる。
ただ遊歩道にはほぼ全面に手すりが付けられて、道の整備は進んでいた。
・大蓬莱と楢沢トンネル
これらの渓谷沿いの国道にある見どころも、変わらずに見ることができる。
ただ、JRで日本一短いという楢沢トンネルは、残ってこそいるものの、
列車が通ることはもうない...
というわけで、5年ぶりの川原湯温泉と吾妻渓谷。
川原湯の街は想像以上に変貌していて、以前に歩いたコースはもう半分以上歩けなくなっていた。
でも吾妻渓谷の自然の景観は変わらない。
そして八ッ場大橋など、新しい見どころも誕生している。
たまたまではあるが、歩いた場所がダム建設によって変わっていく。
それを目の当たりにできる機会なので、これからも川原湯温泉と吾妻渓谷の変遷を見ていけたらと思う。
次は八ッ場ダムが完成した頃だろうか。
○すべての写真(Googleフォト)
https://goo.gl/photos/GF731Y4oMFgPceJB9
○関連
・2011年11月 吾妻渓谷
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-198420.html
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
八ッ場ダムで吾妻渓谷が沈みゆくのは惜しいこと。
一方で岩櫃から長野原の通過は離合困難であり、吾妻西部の草津、万座、浅間北麓、菅平方面への交通のボトルネックであったのもまた厳然たる事実。幹線道路建設自体は必要ではあるが…ということで、難しいです。
川原湯温泉あたりは、学生時代に留学性三人を連れて、たくみの里で藍染め、泊まった草津で初雪、温泉、夜の湯畑と、朝の西の河原を巡り、紅葉の吾妻渓谷歩きと、川原湯温泉の葺きの料理屋 ふるさとでしめる。
一人がイスラム教徒で、豚が入ってるためにメニューを変えて、大変でしたが、ザ日本の田舎の良さを見せられて良かったです。
南国の人は雪に、共通で楽しめたのは吾妻渓谷の断崖とライトアップされた湯畑でした。
懐かしい限りです。吾妻渓谷 少しでもいい形で残るといいですね。
「写真をみて」
特急草津、昔のB特急と言われていたものとは隔世の感があります。
あずさやひたちに使われている車両でしょうか。
車両も立派になっていたんですねぇ。
こんばんは。
吾妻渓谷、行かれたことあったのですね〜
自分にはダムの是非を論じることはできませんが、
政治とか利権とか、そんなものに翻弄される方々を思うとやるせないです。
道路はかなり良くなっていて、車でのアクセスは格段によくなったのではないかと思います。
でも、逆にその分電車の利用が減ってしまうのでは?と心配です。
川原湯温泉駅は、駅前に店もなくバスもなく、少なくとも以前より不便になっていました。
工事中のところも多いですし、まだこれからなのかも知れませんが。
特急草津。
帰りは疲れて乗ってすぐに爆睡したので中身は覚えてないですが...
あの車両がこれから特急の標準形になるんでしょうかね〜
今時の車両は省電力のための軽量化で座席が薄っぺらになっていて、
昔の車両は座席に重量感があって座り心地は良かったんですけどね...
ここを調べますと、川原湯の移転に関し、二転三転する様に業を煮やして廃業された経緯がわかります。それに対し、地元の上毛新聞でも取り上げられ、悲痛な叫びを垣間見ることができます。
私は父の仕事の関係で、幼少期は沼田に住み、以後も学生時代まで埼玉の中北部に住んでおり、父の仕事先が群馬の辺境、吾妻・下仁田・御巣鷹山近傍の上野村であった関係から、群馬は準地元といえます。
で、その父から教わったというかよく連れてきてもらっていたのが川原湯の「ふるさと」。
茅吹き屋根で、鍋や黍飯がでてくるここの郷土料理は実に美味しく、小さい頃からよく来ていました。そういう思い出のある店であり、味であり。
だからこそ、外国人に古き良きを体現するこの店に連れてきたということでした。
調べてみると2009年に廃業されていたですねぇ。40年続いた名店が口惜しくもありますが、結果として、その最後を自分としてベストと思える形で来ることができたのは良かったのだとも思えました。
やるかやらないかちゅうぶらりんで置くと残すべきものこそが消え去ってしまう。
そこは考えないといけませんよという一例なのだと思います。
ちなみにB特急というか新特急は、特急とは名ばかりの廉価版であり、昔のあさまのような立派なものではありません。
新特急という名でかつてあり、「あかぎ」上野〜前橋、「谷川→水上」上野〜水上、「草津」上野〜万座・鹿沢口、「踊り子」東京〜伊豆急下田など
で、現在はその車両は北関東方面へはなくなり、伊豆方面行きのホームライナーなどに転用されているようです。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する