ヤマレコは本日で20周年です!

2025年10月30日

こんにちは!ヤマレコ社長のまとやんです!
ヤマレコは本日で20周年。2005年10月30日の開設からヤマレコをずっと作り続けてきました。
15周年記念の記事に引き続き、今回も20周年記念の記事を書いてみたいと思います。

ヤマレコは「また山に行きたくなる」サービスとして、山行記録の投稿サイトから始まりました。
情報共有のWebサイトから、地図アプリ、そして現在は遭難対策にも貢献できるプラットフォームに着実に進化してきています。

最近はYouTubeも始めたことで、山の中で声をかけていただけることも増えてきました。
さらに多くの方に支えていただけるようになってきたと思います。
社内・社外メンバーの皆さん、そしてヤマレコを見て、投稿して、応援してくださっている多くの皆様のおかげです。本当にありがとうございます!

今回も15周年から20周年までの期間について振り返ってみたいと思います。

2021年(16年目)

この頃はApple Watchの機能追加を頑張っていた段階です。
まだスマホアプリとしても機能が全然追いついていないので、必要なものを順次追加していきました。

まず、Apple Watchのコンプリケーション追加。
文字盤でも登山中に現在の状況を確認できるようになりました。

Apple Watchは設定に制限があって、バックグラウンド動作を許可しないと地図を常に表示し続けられないし、「ワークアウト」の機能をONにすると常時表示はできるんですが、今度は心拍を取るようになってバッテリー消費が増える、という問題があります。

まだスマートウォッチはバッテリー問題はあるのですが、やっぱり手元で地図や情報が見えるのは嬉しい。普段ならスマホのちずアプリでもちろん十分です。ただ実際は厳しい天候のとき、スマホのバックアップとしてもスマートウォッチは有用だと思っていますので、今後もスマートウォッチの活用、推して行きたいと思っています。

スマホアプリも随時アップデートを続けています。
プロフィール画面をアップデートして現行のアプリのデザインになったりしています。

多くの方に活用いただいている「山リスト」の機能、アプリに追加されたのもこの時期になります。

あとは、富士登山専用アプリ「富士山」アプリもこの時期にリリースしています。


この富士山アプリ、完全無料のアプリなんです。事業的には何も稼げていません。なんで開発したかというと、コロナ禍前に「これからインバウンドで富士山が来るぞ!」という話があったからなんですね。コロナ禍が来てしまったので色々と予定が狂ってしまったのですが、インバウンド向けに英語、日本語の両対応でアプリを提供しました。

あとはもう一つ理由があって、富士山ってビジネスになりそうな場所なので、敢えて無料でアプリを出してしまって、裾野を取っておくことで他社が入ってきにくい土壌を作ってしまおう、という目的もあったりしました。

狙いは実際どうだったのか、頑張って作った意味はあったのか、未だによくわからないところはありますが・・・。

標高グラフもSRTMという標高データから、国土地理院の標高データに切り替えを行いました。
SRTMはアメリカのプロジェクトで作られた、世界中をカバーしている標高データなのですが、どうしても精度が悪い。国内で使う分には国土地理院の標高データを使ったほうが精度がいい。もちろんスマホ側のGPSの誤差もあるので、いくら精度を上げても限界はあるのですが、より精度の高いデータを使うように改善をしています。

2022年(17年目)

このあたりでアプリの機能追加だけではなく、デザイン、使い勝手も向上しようという取り組みを始めています。

アプリのデザインを大幅にアップデートして、下山予定の時刻表示がすぐにわかったり、予定ルートを変更できたり、登山中の画面が大きく変わったのもこの時期です。

元々の画面デザインは私が適当に作った画面で、どう考えても素人が作った画面でした。そこで長年一緒に開発を手伝ってもらっている、デザイナーの池上さんに頑張っていただいて、できる範囲で小出しに画面の更新を積み上げていっていました。

アプリの改修はiPhoneとAndroidの両方対応が必要なのですが、使うプログラミング言語も違うし、作り方も違う。やっぱり時間もかかるし、アタマの切り替えも大変でした。

デザインについては、古いものから順次差し替えをしていたので、春頃に登山中の画面を変えたあと、夏に山行記録のページが変わったり、いまのデザインに徐々に近づいてきています。

機能追加で言うと、山の天気予報、ヤマテンの天気予報が見れるようになったのもこの時期です。
結構長い間提案をして、アプリならではの機能もほしいということでオフラインで天気予報が確認できる機能もつけて、なんとかリリースまでたどり着けました。

いまでも活用いただけている機能の一つじゃないかなと思います。

山行記録の検索機能を改善したり、アプリの機能改善も引き続き継続してきました。

2023年(18年目)

御嶽山を対象に実証実験を行い、噴火警戒レベルの変更の変更時にアラートが流れたり、現在の火山活動の状態を確認できる機能を追加しています。
現在も機能としては動いていますが、実際にこの機能が活躍する噴火活動は起きていないので、それはそれで良かったなと思っています。

初心者向けの機能も追加しています。
山ごとにどんなルートがあるのか、らくルートで見るのもいいんだけれども、もっと初心者の方は「コースを選んで登山開始」をしたいんじゃないか、という仮説で作り始めたのが「モデルコース」機能です。
山を見つけたら、その山に関連するメジャーなルートを提供するようにしています。ちゃんとルートを調べて入力する必要があるので、社内のメンバーで入力できる体制づくりもしてきました。

登山計画のコースタイム欄も、それまではただのテキストだったのをビジュアル的にわかりやすく表現するようになりました。「体力度」を表示する機能も追加して、自分の立てた計画、無理してないかを客観的に判断できるようにもしています。

色々と細かい機能改善もしており、例えば、ニックネーム登録の機能で、英数字のみのユーザー名だったのが日本語も付けられるようになりました。クチコミ機能で地図上に現場の情報を掲載できるようにしたり、あとは地味に使える装備チェックリストの機能を追加しています。

計画の装備欄、ザックに装備を入れたらチェックを入れるだけで忘れ物がなくなる、画期的な機能です!

コミュニティ機能も強化しようということで、コメントにいいねを付けられる機能を入れたりもしています。

私の開発リソースがやりたいことに対して足りていなくて、SNS関係の機能はどうしても実装の優先度が低くなりがちで、安全登山に関する機能を優先して実装せざるを得ないところがあるのですが、必要に応じて交流も楽しめるように徐々に機能を厚くしていきたいなとは思っています。

2024年(19年目)

昨年は「ヤマプラ」のサービス終了が大きなニュースの一つだったんじゃないかなと思います。
2015年から9年間、昭文社さんからデータを提供いただき、山と高原地図の上で計画ができる機能として愛用されてきました。

ただ、いろいろな理由が重なって、残念ながら2024年3月で提供を終了するということが決まりました。

ヤマプラが使えなくなって利便性が低下した一方で、ヤマレコとしては自社のサービスである「らくルート」に一本化して、その分さらに自由に計画の機能を強化できるといういい面もできたんじゃないかなと思います。

例えば「歩くペース」については、ほぼすべての記録に掲載できるようになりましたし、体力度もらくルートのコースタイムを元に計算するようになりました。

ヤマプラのサービス終了は残念だったのですが、それをバネにして、ヤマレコとしてはさらに進化できたのではないかとも思います。

ヤマレコのコンセプトを刷新して「もっと自由に冒険できる」を新たに打ち出したのもこの時期です。

登山という行為とヤマレコというサービスを改めて見つめ直してみたときに、ヤマレコのアプリはみんなが自分が行ったことがない場所や体験したことがないことにチャレンジするときに、無理をすることなく、でも一方で他人に頼ることなく自分の力でも安心してチャレンジできる。ITの力を使って皆さんの登山を支えていきたい、という思いでこのコンセプトを設定しました。

音声ガイドの機能も強化して、「道を間違える前に」気付ける分岐のお知らせ機能を提供開始しています。すべての分岐でお知らせができるわけではありませんが、事前に分岐がある、注意が必要であるということに気づけるようになります。やっぱり間違えた後に教えてもらっても、「間違えたけど引き返すのも大変だからショートカットしちゃえ」という気持ちで無理に下って滑落するなどの問題が起きる可能性があります。事前に注意をすることで、このようなトラブルも未然に防げるようになっているのではと思います。

登山中の画面や記録・計画の地図画面で方位の矢印も出るようになり、ひと目見たときにどちらに行けばいいかわからない、計画を他の人に作ってもらった人が、どっちに歩けばいいかわからない、そういう問題も防げるようになったと思います。

あとは個人的に一番のニュースは、YouTubeの「ヤマレコ社長の絶対遭難させないチャンネル」の開設です。

2024年6月6日に最初の動画を投稿したのですが、その週末に名古屋の「夏山フェスタ」が開催される予定になっていて、「絶対にそこで宣伝しないと」ということで急遽最初の動画を公開しました。

そこから1年半で260本、チャンネル登録も6.8万人まできました。
ちょっと聞き流しで聞いていても楽しい、ちゃんと聞くともっと学びになる、そんな動画を2日に1回投稿しています。

生成AIを使うことでプログラムの開発がより高速にできるようになったり、YouTubeの原稿も作れるようになったというのも大きいと思います。

2025年(20年目)

2024年から外部のメンバーとして参加していたやっくんが入社して正式にメンバーに加わって、アプリ開発がやっと私以外でもできる社内体制になりました。

山行記録を削減しても復元できる機能を追加したり、山行記録の地図検索機能「ここサーチ」のアプリ版を実装したりしてもらってます。

個人的に今年頑張ったのは、KDDIさんのau Starlink Direct、衛星通信の対応です。

衛星通信を使ってSOS発信ができる機能を実装し、長野県警さん、KDDIさんと共同で実証実験を行いました。7月には実際に正式版の機能としてリリース。
そして8月にはデータ通信にも対応しました。
実際に通常のスマホが圏外のエリアでも、通信が可能になり、「いまココ」アプリを渡している家族によりリアルタイムに位置情報を共有できるようになりました。

※黒い矢印が圏外(通信失敗)、白い矢印が圏内(通信成功)

いざというときに警察・消防の救助隊に位置情報を提供できる遭難者情報照会システムSAGASU、こちらにもデータを反映できるようになりました。

本日、20周年を迎えました!

20周年は流石に大きなマイルストーンだろう、ということで、いろいろと社内のメンバーが企画をしてくれました。20周年のWebサイトを構築したり、キャンペーンを開催したりしています。
まだご覧になっていない方は、ぜひこちらもご覧ください!
ヤマレコ20周年記念サイト

ヤマレコの現状の利用状況について

2025年時点でも、ヤマレコの登録ユーザー数は引き続き増えています。現在で100万人間近、約99万人の方に登録いただいています!

スマホアプリのダウンロード数も2016年から伸び始めて、2021年からさらに加速、今年は9月末の時点で累計155万ダウンロードを達成しています!

グラフを見ていただくとわかると思いますが、相変わらず爆発的に伸びることはない一方で、堅実・順調に伸び続けているのがヤマレコのサービスの特徴です。
相変わらず私一人でシステムの運用管理を行っていますので、もう少し体制を強化できるまではこのペースで伸びてもらえると助かるなと思っています。

ヤマレコの今後について

メンバーも徐々に増えてきて、生成AIの力で開発のスピードも上がり、YouTubeにも手を出して、この5年間も色々と新しいことにチャレンジしてきました。

YouTubeをはじめたことで、私自身の思いを何度もお話させていただく機会も持てるようになりました。ヤマレコを使えば使うほど、登山が楽しくなり、行きたい山に行けるようになり、そして安心して登山ができる。

登山というアクティビティはどうしても自然という厳しい環境と向き合う、という側面が出てきてしまいます。初心者から上級者まで、それぞれの能力とできること、変わって来ると思います。

そういう一人ひとりの能力の違い、そして行きたい山の違い、それらをしっかりと踏まえたうえでサービスを提供・改善していく。そして皆さんが登山を通じてもっと自由に冒険できるように、引き続きチャレンジを続けていきます。

これからも、みなさんの応援をいただけると嬉しいです!

12 Comments

  1. bmwr1200rs より:

    おめでとうございます
    なんか、あっという間でした。
    涸沢フェスティバルでチラシを配ったのがつい昨日のことのようです。
    これからも末永いお付き合いよろしくお願いいたします

  2. Bara より:

    20種年おめでとうございます。
    2018年名古屋の夏山フェスタでひょんなご縁からヤマレコを知り使い始めました。今ではこれが無いと登山できないほど絶大信頼を寄せています。これからも登山者に寄り添った素晴らしいアプリを維持/発展して下さい。ヤマレコバンザーイ

  3. 蝦夷山親父 より:

     ヤマレコ20周年、おめでとうございます!
    ヤマレコには本当に何度も助けられました。感謝しています。
    そして何より山スキーがさらに楽しくなりました。それが一番です。

    ヤマレコのさらなるご発展を祈っています。

  4. vega より:

    20周年おめでとうございます。
    楽しいですよ。感謝してます。
    ありがとうございます。

  5. うだだん より:

    20周年おめでとうございます。

    私はアプリ使用歴も1年未満の初心者ですが、1月からほぼ毎週どこかの山に登っています。またほとんどが初めて登る山ですが、ヤマレコアプリのおかげで道迷いの心配をしなくて済むので以前とは安心感が全く違います。
    また他の方の山行記録を拝見することで、登山口へのアプローチや登山道の状況などの最新情報も入手することができます。これも現地に行ってから戸惑ったり、予定が狂うことが無くなって助かっています。

    これからも【ヤマレコ】の更なる発展とともに、このサービスが末長く続いていくことを願っています。

  6. ゆずパパ より:

    20周年おめでとうございます㊗️

    ヤマレコが人生を豊かにしてくれました。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします

  7. capeko より:

    ヤマレコ20周年 おめでとうございます!

    2022年6月より登山をはじめた長野県民です。
    他県で暮らしていましたが、上田市に2012年に出戻り。
    当たり前に見える山は見るだけで「行く」という発想がまったくなく、
    疲れるの、寒いの嫌いでウインタースポーツも素人です。

    そんな私が「山へ行く」と言う気持ちに何故かなって行き方を調べていたらアプリの存在を知り、
    ヤマップとヤマレコを同時にダウンロード。使いやすかったのがヤマレコでヤマレコのおかげさまで一人でも行ける範囲で行ける山を楽しんでいます。

    まとやんはじめ、スタッフの皆様のご尽力には感謝です。
    ほんと、ヤマレコとの出会いがなければ、山へは行けてないです。
    皆様方が積み重ねのおかげ様で楽しく山へ行くことが出来ています。

    これからもヤマレコを頼り切って、その上で自分の器量にあった山行計画をたて、安全に楽しませていただきます。

    明日から21年目、今後とも長期よろしくお願いいたします(^^)/

  8. けいじ より:

    20周年おめでとうございます
    2011年以来利用させていただいております。
    今や国内外問わず、ヤマレコは私の登山には欠かせない存在となっており日々感謝しております
    今後とも益々の繁栄を願っております

  9. かーぷ より:

    ヤマレコ20周年、おめでとうございます!

    2020年に山形で登山に目覚めてから使い始めました。やまがた100名山を目指し ソロでの登山でしたので、ルート検索、道案内ととても心強いアイテムでした。
    特に、山形蔵王の刈田岳でホワイトアウトに遭った際も、しっかり軌跡を示してくれて本当に助かった経験があります。

    YAMAPと併用していましたが、ヤマレコのほうがいろいろ使いやすく有料会員になりました。 現在は仲間も増え、メンバーとの山行計画共有でとても役立っています。

    いろいろな登山者に役立つ機能満載で、これからもよろしくお願いいたします。

  10. kiyo-k811 より:

    20周年おめでとうございます!!
    オールシーズン使いますが特に冬は頼りにしながら利用させてもらっています。
    特に案内の声がお気に入りで買えてほしくないと思っていますが、周りとは違う声の仕様なのか…ずっと気になってます。

    苦しい山行もあの声で乗り越えてきたので、変えないでほしい。けど、進化を続けるヤマレコさんのおかげで安全で楽しい山行ができているので感謝しています。
    これからも、よろしくお願いします♬

  11. hieppii より:

    感謝です

    ヤマレコは一人歩きの心強い相棒
    無くてはならない存在です
    20年間進化し続けてる事に感謝です
    youtubeではまとやんさんの言葉を直接聞けて更にヤマレコ愛が強くなりました

    これからも宜しくお願いします

  12. えち より:

    ヤマレコ20周年おめでとうございます!

    ヤマレコのお陰で色々な楽しみ方を知り、楽しみを共有できる仲間と出会い、私の人生はとても充実した楽しいものとなりました。
    心より感謝しております。
    益々のご発展を心から願っております。

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