低山にこそ登山地図アプリ

2019年8月14日

こんにちは!ヤマレコ代表のmatoyanです。

お盆休みの期間に入りましたね。皆さんは山に登ってますかー!
私は会社に一人出社してブログを書いてます。

さて、2019年の山の日にNHKのおはよう日本で登山特集の放送がありました。
ヤマレコのデータも活用されています。(記事の後半部分)
WEB特集 データでわかった!いま人気の山と思わぬ落とし穴 | NHKニュース

色々と放送ではカットされてしまったのですが、記事にもあるように道迷いの遭難の7割が1000m以下の低山で発生しているという状況になっています。
今回の記事では「なぜ低山の方が道に迷うのか?」について掘り下げてみたいと思います。

なおここでの「低山」とは、山頂が低いという意味ではなく標高が低い場所のことです。
山頂の標高が高い山であっても登山口付近の標高が低い場所は低山という扱いです。

低山は多くの分岐がある

北アルプスや八ヶ岳などの高い山はそもそも登ることができるルートが少なく、その結果道迷いにつながる分岐が少なくなるため誤ったルートに入るということが少なくなります。
低山になればなるほど道を作りやすくなり、例えば巻道などの分岐が増えていきます。

また「山」は一般的に山頂から麓に向けて四方八方に尾根が広がる地形になるため、下に降りれば降りるほど分岐が増えることになります。
そのため上りについては道が合流していくため間違えることは少なく、山を下るときには道がわかれていくため間違えると想定とは違う場所に降りてしまいます。


写真: 裾野に広がるほど尾根が分かれていく地形

低山は登山道以外の道も入り組んでいる

低山になると登山道だけではなく、林業のための作業道や生活に使われていた道などの他の道や、けもの道などのそもそも道ではない踏み跡などが増えてきます。
そのため低山を歩くと「登山道を歩いているつもりが、実はこれらの違う道に迷い込んでしまっている」というリスクが増えていきます。

また、目印になる赤テープなどについても、林業などで使う目印としてのテープと見分けがつきにくく、テープを頼りに歩くと実は違う場所に着いてしまうという問題も起きかねません。

低山は登山道の整備も行き届きにくい

高い山については登山で訪れる人が多く、その結果優先的に道標などの整備がおこなわれ、道自体も木道などのわかりやすい道が増えていきます。

登山で歩く人が少ない里山などは、予算もつきにくく地元のボランティアなどで整備が行われており、道標なども少なく踏み跡がわかりにくい場所も多くなります。

低山は視界がせまく地形の特徴が少ない

高い山になるほど急峻になり、森林限界を超えると視界も広がります。一方で低山は植物も多くそもそも視界が悪く、さらに緩やかな斜度の山になるため、尾根や谷などの地形の判別も難しくなってきます。
特に春から秋にかけての期間は草や木の葉も茂ってさらに視界が悪くなります。

そのため周囲の地形を地図と照らし合わせて現在地を確認する読図技術についてもより高い能力が求められます。

低山は油断しやすい

このあたりは人によるところもあるとは思いますが、高い山は体力面でも厳しく、かつ緊張を強いられる場所も多く、慎重に登る事が多いと思います。
一方で低山は体力面では厳しくない山も多く、「こんな山ならラクに登れる」と自分の能力を過信してしまい、分岐の確認を怠ってしまう可能性があります。

また下りで標高の低い場所に降りてくるタイミングでは疲労も溜まっており、思考が緩慢になりやすいという面もあります。

この油断という心の動きはやっかいなもので、たとえば複数人の登山の場合は間違いに気付ける人が複数いるのでリスクも減るのが一般的ですが、逆に「誰かがいるから大丈夫」という漠然とした安心感が悪影響をおよぼす場合があります。複数人のパーティ登山の場合は何も考えずに先頭の人についていく、単独の場合も前を歩いている全然関係ない人になぜかついていってしまうなどという話も聞きます。

またパーティ登山の場合は雑談をしているうちに分岐を見逃したり、単独登山の場合は道間違いに1人で気づかないといけなかったり、単独・複数人のどちらの場合も油断をするというリスクがあります。

低山にこそ登山地図アプリ

このような色々な側面を考えたときに、低山のハイキングこそ登山地図アプリが必要になります。
様々な地図アプリがありますが、ネットが繋がらない状況でも動作するアプリであればどの登山地図アプリでも現在地確認には活用できます。

ただ、地図&コンパスでも地図アプリを使っていても、現在地確認を頻繁にしないと登山道から大きく外れるまで気づかず、そして気づいた時点では登り返す時間もなく、無理やり下って遭難するという罠にはまる可能性があります。

ヤマレコMAPの逸脱警告機能を使っておくと、予定ルートから外れたタイミングで音声でお知らせをしてくれるので、油断をしている場合でも道迷いに気がつけます。

また、他の登山者の軌跡がオレンジ色の点で見える「みんなの足跡」機能により、通常の登山地図では描かれていない分岐に立ったときに、どの登山道・踏み跡がどこにつながっているかを確認できてより安全に登山を行っていただけると思います。

ぜひ低山の登山でも登山地図アプリを活用いただければと思います。
(最後はアプリの宣伝になってしまいましたが)

ではまたー
by matoyan

3 Comments

  1. 雲藤 より:

    確かにそう思います。10年位前群馬のイワビツ山に一人で登った時に行きは道が収れんされて頂上では一本道になり何も考えなくとも頂上に行けます。しかし、下山時は、たくさんの枝道がありその枝道に迷い混んでしまい大通りに出た時は1km程度も車から離れた地点に出ました。枝道が多くあることなど考えずに登り帰りは道迷いをしました。 最近は、ヤマレコさんの地図アプリを使用して日立アルプスを縦走した時は道誤りを的確にアナウンスしてもらい地図なしで38kmを踏破出来ました。標高600m以下の低山です。ただし、所有している携帯は古いせいかBattが弱く途中で電源が切れそうになります。予備の電源を持参しておいた事で問題なく山行できました。今回も剣岳~立山縦走の際にも予備電源と山小屋のAC100Vでのを併用しました。しかし、テント泊の場合は、山小屋での充電は出来ません?この時は、充電用の電池をたくさん持参する事になるのでしょうか?太陽光で発電できる携帯充電キッドがあれば使いたいと思います。曇天の場合は充電不可。最後は、地図とコンパスとヘッドランプ、非常食、水の出番になります。何れにしても低山だから遭難するはずが無いと言った安易な気持ちと油断が問題と考えます。

  2. 4080taka より:

    いつもお世話になっております。
    まったく同感で、おっしゃるとおりです。
    少しでも道迷い遭難事故がなくせれば良いですね。

  3. 岡部 一孝 より:

    いつもお世話になってます。
    至極ごもっともだと思います。低山を散策中に登山道ではない道に入り、ヤマレコアプリの警告で何度か助けられました。
    場所によっては何色かのテープが木に巻かれていたり、ある登山道では最初は赤だったのに途中からブルーのリボンに変わったりして地図とアプリの地図を見て確認する事もありました。
    可能なら登山道、林業の作業道、生活道など目的別に使用するテープの色を分けてもらいたく思います。

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