こんにちは!
ヤマレコ代表のmatoyanです。
2005年10月30日から始まったヤマレコは、本日で公開から15年が過ぎました。
ヤマレコは「また山に行きたくなる」サービスとして、山行記録の投稿サイトから始まりました。
登山の計画を始めとした様々な機能を少しずつ積み上げながら、スマホアプリやスマートウォッチアプリなど様々なプラットフォームでも活用できる便利な道具として進化を続けてきました。
ここまで歩みを止めずに進み続けられたのは、ヤマレコの開発や運営を支えてくれている社内・社外メンバーの皆さん、そしてヤマレコを見て、投稿して、応援してくださっている多くの皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
10周年、5周年でも振り返りの記事を書いたので、今回も10周年から15周年までの期間について振り返ってみたいと思います。
話が長くなりそうなのでその前に・・・、
15周年記念として、みんなで1つのトランプを作る、トランププロジェクトの企画を開始しました。
ぜひお気に入りの写真を選んで応募をしてみてください!お待ちしてます!
2015年〜2016年(11年目)
ヤマレコはスマホアプリへの進出がかなり遅れていて、このときは「ヤマメモ」という地図アプリをAndroid版だけリリースしている状態でした。
それとは別に、友人に「ヤマレコ」という山行記録の閲覧アプリをボランティアで作ってもらっていたのですが、友人も色々と忙しくなりアップデートをする時間も取れず、もう自社でアプリを作るしかない状態になっていました。
まずヤマレコの地図アプリであることを明確にするために、Android版のアプリを「ヤマレコMAP」という名称に変更し、登山地図アプリとしてリニューアルしました。
ここから本格的にアプリを作ることを決意し、iOSアプリの開発について勉強し始めます。
まずは比較的作るのが簡単な登山者の見守りアプリ「いまココ」を2016年4月にリリースし、その地図の機能をベースに地図アプリを一気に作り、6月にはiOS版の「ヤマレコMAP」アプリをリリースしました。
2ヶ月ほどの短期間で作ったため、最初のリリースではGPSログも取れないし、標高グラフもないし、単に地図をダウンロードして圏外でも現在地がわかるという機能しかない、本当に単純なアプリでした。
2016年の年末には、ヤマレコの山岳保険制度「チーム安全登山」の運営メンバーで初のオフラインイベント「安全登山フェスタ」を開催しました。
オフラインイベントは初の開催でしたが、ボランティアで助けていただいた皆さんや、会場を提供いただいた毎日メディアカフェの皆さん、そして出演いただいた方々のおかげでイベントは大成功でした。その後も2017年の年末、2019年の夏とイベントを続けることができました。
残念ながら新型コロナの影響で今年のイベントは見送ることになりましたが、状況が良くなればまたリアルなイベントで皆さんとお会いできると嬉しいです。
2017年(12年目)
2017年は、iOS版アプリ開発に明け暮れた1年でした。
スタートはただの地図閲覧アプリだったiOS版アプリについて、まず山行記録を読めるようにした上で、機能が重複する旧ヤマレコアプリを閉鎖しました。その後は山行計画や日記などの機能を順次実装していきました。
新しい機能を作ること自体は楽しいのですが、慣れないiOS版アプリで苦労しながら作ったことを覚えています。
また2016年から入社してくれたKJさんにはメッセージの機能を作ってもらい、Web側の開発やユーザーサポートをお願いできるようになってきました。このため自分はアプリ開発に全力を傾けられるようになったというのも大きいです。
10月には今のヤマレコの特徴である他の人の登山の軌跡がわかる「みんなの足跡」について、夏道/冬道/クライミング/スキーの4つのアクティビティに分類して表示を切り変えられるようにしました。
この「みんなの足跡」のデータを見た国土地理院の担当者の方から連絡をいただき、「地理院の地図にある登山道の情報が古く、整備できない状態が続いているため、協力をしてもらえないか」とお声がけをいただきました。
地理院地図はヤマレコのサービスを通じて皆さんに使っていただいていますし、自分としても学生時代から紙の地図にお世話になっています。地理院の地図は今後も様々なアプリや紙で使い続けられるでしょうし、そのプラットフォームになる地図を改善できるなら、ぜひ無償で協力させていただきたい、と申し出て登山道修正のためのデータ提供に関する協定を締結することになりました。
この地理院地図の改善協力については現在も続いています。
2018年(13年目)
Webサイトでは自分の山に関する情報を見て楽しめる、他の人はプロフィールを見るとどういう人なのかがわかる、ということを主眼に、新しい試みとしてMyアイテムの機能、バッジ表示機能、挑戦中の山リストなどの機能を順次リリースしました。
この流れで2019年にはランキング/統計情報のページもリニューアルして、いまのヤマレコマイレージ表示などの機能も加わっています。
アプリの方は、安全に登山をするための機能として、登山ルートに関連する機能を集中的に作り込んでいます。
- 予定ルートを簡単に入力できて、自動でコースタイムを計算する「らくルート」機能
- 地図上で各区間のコースタイムや山頂・登山口などのアイコンが見れる機能
- 予定ルートを入れておくと到着予定時刻を表示する機能
- 予定ルートから外れたことを音と振動でお知らせする「ルート逸脱警告」の機能
などをリリースしました。
2019年(14年目)
昨年は山岳遭難の位置や内容が確認できる「山岳遭難マップ」のリリースを行いました。
これまでバラバラにしかなかった山岳遭難の情報がまとめられ、かつ地図上で確認できるようになったのは、大きな一歩ではないかと思います。
情報量や内容については各提供元から提供いただける範囲でお願いしています。
提供元によっては危険箇所の情報も提供されており、皆さんの登山にも役立てていただけるのではないかと思います。
また昨年の(個人的に)最も大きいトピックは、Apple Watch版アプリのリリースです。
これまで積み上げてきた地理情報システムに関する技術と、アプリ開発に関する技術を総動員して、バッテリーの少ない時計でも快適に使える地図アプリが作れたのではないかと思います。
Apple Watch版アプリでは「ルート逸脱警告」の機能との連携で、道から外れると手首の時計が振動してお知らせするようになりました。
道迷い遭難の防止においては「予定していた道から外れた」ことをどれだけ早く気付けるかが重要なので、Apple Watchを使っていただいている方には有用さを実感いただけているのではないかと思います。
秋にはApple Watch Series5がリリースされ、方位センサーが搭載されました。
アプリの方位表示も従来の扇形の形状から、矢印+線で地図上の方位が「紙の地図に近い読図のやり方で」確認できるようになりました。
スマホを水平に持って、前に見える道と、矢印の先に伸びる線を合わせることで正確な向きを知ることができます。
2016年にiOS版を開発した登山者見守りアプリ「いまココ」のAndroid版をリリースし、Webサイト、iOSアプリ、Androidアプリのどのデバイスを使っていても、家族が登山者の位置情報を確認できるようになりました。
こちらも安全登山の実現に向けた一つの取組みとして考えています。
昨年の10月にはヤマレコのロゴを新たにリニューアルし、アプリの名称も「ヤマレコMAP」から「YamaReco(ヤマレコ)」に変更しました。
2020年(15年目)
2020年の春は新型コロナの影響で緊急事態宣言が発令され、自粛の要請を受けて山に行けない方も多くいらっしゃいました。
山に行けない週末でもヤマレコを楽しんでいただけるように、「過去の山行記録」キャンペーンを開催しました。
引き続き安全登山に関する機能を作り続け、Webサイト版のらくルートの機能、そしてアプリ版のらくルートについてもより快適に操作できるようにゼロから機能を作り直しました。
5月にはAndroidで使えるスマートウォッチ「WearOS by Google」対応のアプリをリリースしました。
Apple Watch版と同じように、手元で地図を確認したり、ルートから外れたら通知でお知らせをしたりする機能が入っています。
また、6月から7月にかけては、「ヘディングアップ」表示に対応しました。
ヘディングアップは自分の向かっている方向が上になる機能です。カーナビの設定でも北が上になるモードと、進行方向が上になるモードを選べるようになっていますが、それと同様の機能です。
進行方向を知るという目的であれば進む向きにスマホを向けるだけで良くなるので、人によっては直感的に操作できるようになったのではないかと思います。
9月にはiOS14のリリースに合わせて、iOS14から新たに追加されたウィジェットの機能をリリースしました。
ホーム画面にウィジェットを追加しておくと、ホーム画面上で現在地を気軽に確認することができるようになりました。
iOSによってアプリが終了させられてしまった場合でも、ウィジェット上にログが取れていない警告が出るので、より確実にログを取り続けることができるようになります。
ヤマレコの地名ページを拡張した「山の紹介記事」や「おすすめルート」の整備も順次行っています。
どんな山なのか歴史や背景を知りたい場合に「山の紹介記事」、実際に山に行こうと思ったときの情報源として「おすすめルート」を活用いただけるといいんじゃないかなと思います。
そして本日、15周年を迎えました。
15周年記念としてみんなで1つのトランプを作る「トランププロジェクト」を開始しました。
ぜひ皆さんの写真を投稿してみてください。たくさんのご応募をお待ちしてます!
ヤマレコの現状の利用状況について
ヤマレコの登録ユーザー数は年々増えています。現在で50万人の方に登録いただいています!
スマホアプリのダウンロード数も2016年から伸び始めて、2020年には50万ダウンロードを突破しました!
Webサイトの閲覧者数も2020年に大幅に伸びて、1ヶ月あたり約190万人の方に見ていただけるサイトに成長しました!
グラフを見ていただくとわかると思いますが、爆発的に伸びることはない一方で、堅実・順調に伸び続けているのがヤマレコのサービスの特徴です。
現状、私一人でシステムの運用管理を行っていますので、利用者が爆発的に増えてしまうとの負荷増大に対応しきれないという問題もあります。今後も地道にこのペースを維持しながら成長を続けていきたいと思います。
ヤマレコの今後について
これまでのヤマレコに対する想いについては、先日なぜヤマレコを作りつづけるのかという記事に書かせていただきました。
具体的にやりたいことも引き続きたくさん残っています。
新しい機能を一つリリースすると、それ以上にやりたいことが増えていきます。
ヤマレコは今後も、使えば使うほど
- 登山が楽しくなる
- 登山者として成長できる
- 無駄な作業を削って、登山を楽しむ時間をたくさん作れる
- 安心して登山ができる
- 自身の能力に対して無理をしない範囲で登山にチャレンジができる
ようなサービスでありたいと思っています。
ヤマレコが長く続き、20周年、30周年と年月を積み重ねていけるように、そして企業のミッションとして掲げている一人ひとりの登山が最高の体験になるように、ITの技術を駆使して新たなチャレンジを続けていきます。
これからも、ぜひとも応援をよろしくお願いします!
いつも助かっています。ありがとうございます!
これからもよろしくお願い致します。^_^
matoyanさん、こんにちは。15周年おめでとうございます
私がヤマレコの存在を知って登録したのが2008年のことで、その頃に武蔵小杉のギークハウスでmatoyanさんのヤマレコ運営講義を聞かせていただきました。
YouTubeライブ配信の中での、自宅に置かれていたヤマレコのサーバーの話…とても懐かしく聞かせていただきました。matoyanさんの元へエラー通知が届くと自宅にいらっしゃる奥様に様子を見てもらい、場合によっては再起動をかけてもらう…みたいな、手作り感満載の運用をしていたんですよね。
その後の事業化からどんどん大きくなり、今は登山者がスマホで気軽に楽しむサービスとして広く認知されるようになっています。(私にとっては未だにパソコンでアクセスするWebサイトのイメージですが…)
次の15周年もますます楽しく便利なサービスとして発展していくことを願っています。私も次の15年間健康を維持して、ヤマレコとともに山登りを楽しみたいと思います
matoyanさん、15周年おめでとうございます。
YouTubeライブ拝見しました、お元気そうで何よりです。ブログには載っていないサーバー点検やら修理の話がいかにもPCオタクらしくて(失礼!)面白くて笑いました。
もちろん趣味と仕事は違うでしょうが、好きなことを仕事にできることはお互いとても幸せなことだと思います。これからも楽しく安全登山のためにご尽力ください。草葉の陰から応援しています。
cd