山に登れなくなって一か月以上が経つ。今まで我慢してきた左膝の靭帯の痛みが再発してからひと月。エレベーターやエスカレーターなんか使わない。もちろん手すりなんか触らない。でも、だめ。やっぱりだめか。一段、一段、手すりに捕まりながら慎重に降りる。我慢できない痛みじゃない。先週に比べればふつうに歩けてる。でも他人の目線は左足に。やっぱり引きずってるのは明らかなんだ。
でも、なんで。治らない。
きっかけは谷川岳の下山中に。馬蹄形日帰りの予定がまさかの初冠雪。まだ紅葉の鮮やかな10月だった。凍結した西黒尾根を登り天神尾根を降りた。違和感を感じたのは山頂を少し降りたところだった。転倒も滑落もしていない、ただ、踏ん張っただけ。そのまま田尻尾根を降ったが痛みは増してくる。痛みのピークは1週間後。突然。実家の調理場で牡蠣と鱈、白子の土手鍋、生春巻き、味噌のお焼きを作った。
皆で飲み、喰い、さあ、明日は夜勤、一人暮らしのアパートへ帰ろうと立ち上ろうとしたところ、膝の内側に強烈な痛み。立つことすらできない。「マジか。」山よりも明日の仕事。介護の仕事は片脚でできる仕事じゃない。マジでやばい。
その日は帰れず実家に泊まり、翌日、車で送るという母の申し出を断り、足を引きずって駅まで歩いた。それができなければ仕事ができない。今の限界を知りたかったからだ。その日の夜勤はよく覚えていない。ただ、救急搬送、転倒者。徘徊。すこしハードな日だったことを覚えている。仕事は乗り越えた。でも山は。。春まで無理かも。ていうか、もう無理か。山。
「山なんかやるから」「山をやめれば」その先生の言葉にカチンと来た。でも。
「あ、半月板?そこまでいってない」の言葉に安堵した。そのあとは身体のゆがみと脳の関連性。どちらかというと東洋医学のような話。科学的な話ではない。正直どうでもいいと思った。聞きたいことは一つだけ。山に行けるようにになるまでどれだけ時間がかかるのか。でも聞けなかった。そのとき、カイロプラティックと外の看板に書いてあるのをはじめて知った。肝心の膝に触れる時間は5分も無かった。
俺の言うことを聞けば治る。信じないなら治らない。そう言いたげだった。
「すべての痛みや体調不良は脳からくる。脳の血液の循環とあとは気持ち」「あとは気持ち」の部分に胡散臭さを感じた。別のところに行こう。「大変勉強になりました。(もう二度と来ません)」ここもだめか。そそくさと靴を履こうとしたときだった。あれ?
今まで靴を履くときは左膝を曲げることができない状態(何年間も)だったので右膝を曲げて靴を履くのだがその時は普通に左膝を曲げて靴を履こうとしていた。左膝の痛みが全く無かったのだ。嘘だ〜。(笑)入るときは手すりをつかまらないと立ち上がれなかったのが、スッと手すりなしに立ち上がれた。翌日、支えが無くても立ち上がり歩けた。数日後、手すりを握らなくてもスタスタと階段を登ることも降りることもできた。
魔法にかかったみたいだった。今でもこれは自己暗示にかかっているだけではないかと思っている。(私は意外と人を信じない)それでも「山なんかやるから」あのふざけた発言をした先生のところへ通っている。ときどき、娘のテニスの試合の応援や毎日通う中学生の男の子のサッカーの試合の応援のために休診になる。
今でも先生は「山なんか・・」と言うが、その言葉に被るように「絶対にやめませんよ、山」と私が言う。受付の奥さんが、それに合わせて「ふふふっ」と笑う。
写真:高尾山 城山猫。
こんばんわ
「山なんか行くからけがをする」「遭難する」etc
山だけでなく何でもリスクは付きまとうものですよね
少しでもリスクを事前に排除し、危険を感じたらやめる&引き返す
ケガのリスクを減らす行動に留意する
それでもリスクは「0」に出来ませんけど・・・
山に行かなければ遭難もケガもないのでしょうが、日常生活にもリスクはありますし、リスク回避を突き詰めると何もできなくなっちゃいますよね
air 4224さん、こんにちは。
そうですね。冬山へ行けば雪崩もある。クライミングをすれば落石もある。だけども、山が好きな人はそれを理解した上で必要な準備をして山に行く。それは山にしかない感動や面白さがあるからです。整骨院の先生は、はっきりいう人ではじめはムカつきましたが、(笑)本当に1度で痛みがなくなったので感謝してます。山に興味のない人はたいてい思っていることでしょうが、山の良さを少しはわかってほしいですね!
makasioさんお疲れ様です!!
山に行かれてないと思ったらそういうことだったんですねm(。≧Д≦。)m
その先生、本当に魔法みたいですね😲❕❕
そんなに痛かったのが歩けるようになるなんて‥(о´∀`о)
仕事は大丈夫ですか?
こういうとき介護職だと本当にきついですよね(/´△`\)
人がいなくてただでさえ大変なのに‥無理しないで下さいね🙏
ゆかりさん、お疲れ様〜。
仕事は今はもう、大丈夫!確かに1ヶ月近く、痛みが消えず1度は階段を降りることもできなくなりました。それが本当に治ったんです。嘘みたいに。口の悪い先生は実は凄腕なのかもしれない。今も先生の痛みの論理は信用してないけど…
万全な状態になるまで山は行かない。今は毎日ピアノの練習をしてる。足には体幹チューブを巻いて(笑)
こんばんは。
膝がそんな状態だったんですね。
そうとは知らず、谷川の下山で田尻尾根を歩かせてしまって。。。
かじうらさん、おひさしぶりです。
すいません、あのとき、ロープウェイで絶対降りたくなくて、無理しました。でも、ロープウェイを使うのも山登りだと今は思ってますよ。訳のわからな意地を張ってときどき体が悲鳴をあげます。母親に自分の身体をいたわらない馬鹿と言われました…妹に聞くと相当、あの日は心配していたそうてす。あの足で本当に夜勤をするつもりかと。
ご無理なさらないでくださいね。
お仕事は出来ているようでホント良かったです。
お仕事は生活の基盤。大変でしょうが、頑張ってください。
山とピアノの組み合わせは、いいリフレッシュになる気がしています。
その片方が崩れてしまっても、もう片方がありますよ。しばらく自重して、また、バランスのとれたリフレッシュが出来ることをお祈りしております〜
o(_ _ )o。
しゅんさん、おひさしぶりです。
仕事はもはや問題がありません。大丈夫です。山も行けるのでは!と思ってしまいますが数週間前まで階段を降りることも出来ない状態でした。知り合いで最近、自分と同じ場所を怪我された方が手術に踏み切ったので自分もかと思いましたが、考え過ぎでした。最近はドビュッシーを引きながら体幹チューブトレーニングを楽しんでいます♪
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