このプチ旅を始めてから、もう随分と長い年月が経ってしまった。「偉大なるマンネリ」なのか、それとも「継続は力なり」なのか・・・。
今回の行き先は、初めてとなる道北(北海道北部地区)。
おじさん3人を乗せた車は、高速道路と一般道をそれぞれ数時間掛けてひた走り、半端ない距離を走って完全に移動日と化した初日。
幸いにも好天に恵まれ、理想的なドライブ日和。台風13号の影響も気にはなるが、かなりの距離があるのでたぶんそれほど影響はないだろう。
途中、野暮用を済ませるために少し(と言っても、数百キロ)遠回りして経由した道東の小さな町を通り過ぎてから数時間後、ようやくサロマ湖が見えてきた。
その後まもなく、車はオホーツク海沿いの道を北上し、陽が陰り始めた頃にようやく山中にある温泉宿に到着。朝に地元を出発してから宿まで(食事休憩を含めて)およそ11時間が経過。
今さらながらだけど、やはり北海道は広い。
旅の2日目。いよいよ河川調査開始。
朝、宿を出て、少しずつ北の方へと移動しつつ数本の渓流を探る。川はいずれも森の中を静かに流れる穏やかな流れ。そんないかにも道北的な雰囲気の渓流を釣り歩く。
朝方は小雨模様だった天気も、いつしか雨が上がり、ほぼ無風の曇り空。ちなみにこの日、いずれの川も水温は15℃前後。気温は22℃止まり。連日、ニュースになっている本州以南の猛暑日とはほど遠く、もしかしたらここではもうすでに夏は終わってしまったのかもしれないとさえ思う。
毛針が川面を流れ下る度に、あちこちから山女魚(ヤマメ)のピン子(幼魚)が反応して出てくる。しかし、魚体が小さく、なかなかヒットしない。
渓相的には岩魚(イワナ)が住んでいそうな上流域でも、釣れる魚はなぜか山女魚(ヤマメ)ばかり。
北海道においては、山女魚(ヤマメ)の放流が行われることは多いが岩魚(イワナ)が放流されることはなく、言い換えると、岩魚(イワナ)が釣れる川は本来の自然状態が維持されている可能性が高いのだが、残念ながら、釣れるのは小型の山女魚(ヤマメ)のみ。
それでも、やっと一人の竿に20cmクラスの腹部が鮮やかな色をした岩魚(イワナ)がヒットし、他の魚同様、川の中へリリースされて元気に水中を泳いで行く姿を確認し、少しほっとした気分に。
夕方近くになって、別の河川で良型の山女魚(ヤマメ)が釣れたのを機にこの日は納竿。
予約していた海辺の温泉宿で湯に浸かり、汗を流してさっぱりした後、夕餉を取りながらこの日の調査結果を肴に乾杯。
3日目は少し西側の地域に移動し、午前中いっぱい青空の下で再び竿を振る。
型は今一つだったが、道北では比較的珍しい虹鱒(ニジマス)も釣れ、3日間に渡った今回の調査は完了。
道の駅での昼食後、一般道を経て高速道路に入り、長い道のりを家路につく。先ほどまであんなに晴れていた空はいつの間にか曇っていて、3人を乗せた車は、やがて降り出し始めた雨の中。
北海道の短い夏。その北の外れでのささやかな渓流釣りのプチ旅が終わった。