翌日、雲一つない快晴の中、両毛線に揺られる。谷川岳に向かうときに乗ったっけかと想う。
車体が左に沈むように走る線路で見上げるようにまっ青な空と赤城山を仰ぐ。
こんな日には山に登りたい。本音はついに漏らせずも、麓の牧場で榛名の富士に目を奪われる。羊や馬と戯れてそれはそれで充実していた。
伊香保の石段街は僕には朝飯前も高尾で悲鳴上げたその人は見晴台にはまだ至れる体力は備わっていなかったようだ。
引き返して最奥の黄金の湯で汗を流し、旅館では白銀の湯を堪能する。
日曜日には伊香保ロープウェイで不如帰(ほととぎす)山の頂を目指した。
展望台では雄大で爽快な眺望を得た。
冠雪している黒檜山。子持山が美しいピラミッド型。登山をしないその人もこの景色を喜んでいるものの、僕があまりにも居座っているのだから早く行こうとせがまれてしまう。「本当に山が好きなんだ」
その後は伊香保の神社まで下っていって昨日のリベンジを果たせたと喜び、水沢までの道すがら赤城を真正面からとらえた時の感動や水沢うどんの美味しさは頑張った自分だからこそ、いとおしい。
そのことは僕が言うまでもなく、いずれ自分で気づいてくれるだろうと思う。
それでも
あーーー早く登山がしたい!