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2015年11月01日 16:29過去の山行全体に公開

幻の大池

幻の大池と云われていた池がある。地形図での名称は白沢ノ池である。私が山に登り始めた70年代のブルーガイドブックスにも載っていたのだが、このガイドブックは著者の個人的な嗜好が強く、とんでもない場所が載っていた。幻の大池の名称もこの著者の命名だったと思う。

80年代にこの地域の藪山に魅せられて、どうしてもこの池を訪れたくなった。登山道は廃道になっているかもしれないので、北側の沢を詰めていく事にした。なにしろ藪が半端ではない地域なので、もし途中で道が無くなれば猛烈な藪漕ぎを強いられることになるからである。

早朝の登山口につく。T川をモッコ渡しで超える。これは一人乗り人力ケーブルカーみたいなもの。地元の人が釣り、山菜取りなどで利用している。かつての地図ではここから池まで道がついていたようだが、そのまままっすぐ対岸に流れ込む沢を進む。イワナ釣りの人が多いらしく途中までは踏み跡はしっかりしている。やがて左から滝となって目指す池に通じる沢が合流する。その名も池の沢というくらいだから、昔から池の存在は知られていて、登路に使われていたのだろう。出会いの滝を越えると後は大きな滝は無かった。途中で沢筋を間違えると池からそれてしまうので、かなり注意して登路を選んでいく。そろそろ池についても良いあたりだが、それらしい地形にはならない。

やはり途中で沢を間違えたらしい。周りは藪と高いブナ林で見通しは効かない。GPSなんて想像もつかない時代だ。地図とコンパスと樹間から見える地形で、東にそれたのではないかと検討をつけた。戻るよりはこのまま等高線伝いに西に進んでみる。藪もそれほどひどくなかった。突然斜面を直登しているしっかりした道に出た。読みは当たったようで、それは稜線から池に降りる登山道だった。その道を降りていくと直ぐに池の東の傍にでた。

10年以上想い描いていた幻の大池に着いた。そこは静まり返った神秘的な場所だった。周りには自分しかいない。道はないが池を一周してみる。西端に焚火の跡があった。池の真ん中で水鳥が泳いでいる。ただ広がる静寂。

二度と来ることはないだろうと景色を目に焼き付けて帰る事にする。登路を戻る予定であったが、無いと思っていた道があったのでこれを辿ってみることにする。部分的に分かりにくいところはあったが、あっけなくT川に出てしまった。

なにかの拍子にこの池のことを思い出して、ネットで検索してみたらいくつかの記録をみつけた。私が下りに使った登山道は廃道になっているらしいのでこれを書く気になった。
あの静寂はいつまでもそのままでいて欲しい。

写真は国土地理院のサイトから。
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