私が子供の頃、亡くなった祖母からそうよく言われた。
昇二郎というのは祖母の二番目に産まれた息子さんの事。
戦時中、米軍の艦載機の銃撃に遭い、その傷が悪化して亡くなったのだと聞かされた。
まだ24歳の若さだった。
当時は医薬品も食料品も極度に不足しており、助かる命も助からなかったのだという。
また私の92歳になる母からは、東京上空で米軍の爆撃機に日本の戦闘機が体当たりする瞬間を、何度か目撃したとも聞かされた。
その瞬間、日本の戦闘機はバラバラになって落下し、米軍の爆撃機は大きく旋回しながら少しずつ落ちていった。
それは凄い光景だったよと。
今まで山で死にかけた事が何度かある。
27歳の時、屋久島の宮之浦岳から尾之間へ下る途中の事だった。
増水した鯛之川を何とか渡ろうとして、道から外れてあちこち動き回っているうちに現在地を見失った。
その後数時間、原生林の中をさまよい歩いていたが、奇跡的に道に出られて助かった。
2度目は32歳の時。
冬の赤岳からキレットへ下っていた時に足場を崩して滑落しかけたが、これも奇跡的にアイゼンの爪が岩場に引っ掛かり滑落をまぬがれた。
2回とも運が良かったというよりも、何かに助けられたような気がしてならなかった。
昨日、何度も危ない目に遭ったが、その度に守護神に救われたような気がするという他の方の日記を読んだ。
私はその人の気持ちがとても良く分かる。
私の場合も、叔父の昇二郎さんが
「こっちの世界に来るのはまだ早いよ」
と、助けてくれたのだと今でも信じている。
昇二郎さんの分まで頑張って生きよう。
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