1996年5月、エヴェレストにおいて起こった大量遭難事故から奇跡的に生還したアマチュア登山家の伝記的ノンフィクション。
ニュージーランドのツアー会社が企画した「商業公募登山」に参加したのは著者を含め全12名(ガイド3名、顧客9名)。ガイドの隊長を含む4名が遭難死しているが、その中に女性登山家の「難波康子」も含まれている。この時の遭難事故では他の隊を含めて9名の命が奪われた。
さてこの遭難事故の様子が語られるのは前半1/3ぐらい。この部分はリアリティもあって引き込まれる。だが残りは著者が鬱から逃れるために登山に傾倒し、家族崩壊の危機に陥り、遭難から無事生還したことでその状況も改善するといったことが延々と語られる。救出活動についてもいわゆるセレブが政治家まで動かして生還するという・・・庶民からすればそれはどうなんだ?と・・・もちろん家族の命を救うためならあらゆる手段を用いるだろうけど。
先日読んだ「アメリカン・スナイパー」もそうだったけど、家族や友人のコメントがあちこちに挿入され、それにコメントを返すと言った文書構成が非常に読みにくい。やや残念な読書感である。
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