『イエスタデイ』を観た

2019年11月20日 20:59映画全体に公開

「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」が流れ、「あの娘はまだ17才～」と字幕が。そう、初期のビートルズはまだ若かったんです。デビューアルバムの１曲目で、「もう他の女の子とは踊れない、あの場所に立っている彼女を見てしまったから」と歌う。初々しい。でも、カッコいい。それが６年後のラスト・アルバムになった「アビー・ロード」の実質の最終曲「ジ・エンド」では、「最後には、君が受ける愛は君が与える愛と同じになる」と歌う。1969年、今から50年前。カッコよすぎる。

レコーディングのシーンで、ビートルズの曲が数曲流れる。もちろん、歌っているのはビートルズではなく、映画の主人公の俳優。アレンジも全く違うけれど、ビートルズのメロディが聞こえてくるだけで、目頭が熱くなる。体が勝手に反応してしまう。もう、元はとったという感じ。

交通事故にあって、病院で目覚めた時、自分だけが知っているビートルズ。誰も「イエスタデイ」や「レット・イット・ビー」といった名曲を知らない世界になっていた……、というストーリー。もうこれだけで、面白いに決まっている。

『イエスタデイ』は音楽映画だけではなく、ラブコメ映画でもあるんですが、最後の主人公の告白シーンは、個人的に好きではありません。それとラストは、ハリー・◯◯◯◯で終わっても良かったような気がします。エド・シーランの演技が素人っぽくなく、自然体な感じで違和感がなかったです。まあ、本人役だからですよね。あのバンドが存在していなかったり、出演を断られた腹いせか、あのバンドのあの曲がディスられていたりと、マニア向けのネタもたくさんありますが、ビートルズを知らない人が観ても、十分楽しめる映画になっていると思います。映画を観終わったら、ビートルズの曲が聴きたくなるでしょう。「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」から「ジ・エンド」まで聴き通すと、またハッピーになれます。

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