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コースは当麻寺がスタートで、二上山を馬の背まで登ったのちダイトレに入り、20キロコースは大和葛城山まで、30キロコースは金剛山まで、40キロコースは紀見峠までとなっていた。
初めてなので葛城山までの20キロコースで申し込んだが、金剛山までは行けるだろうと考えていた（当日スタートしてからゴールを変更してもよい）。金剛山から先はそのときのコンディション次第で決めればいい、と。が、私の考えは大甘だった。途中で足が全然動かなくなり（とくに登りの階段）、葛城山でゴールするのが精一杯。金剛山ましてや紀見峠など遥か彼方、惨敗というほかない結果に終わってしまった。いささかの挫折感を味わうことに。
振り返って、何がどうダメだったのか、どこがポイントだったのか。いまにしてみれば、つらつら思うところがある。この際あぶり出して、忘れないようにまとめておきたい。
�ゝ嗄�
まず何といっても、脚力が絶対的に不足していた。とくに、ダイトレ名物の階段をグイグイ登って行ける太腿とふくらはぎのパワーと持久力。もしこの大会にリベンジを期すなら、その鍛え直しが不可欠となる（が、いまさらトレーニングするというのも何だかなぁ、という気もする）。
ただ、足については不思議なことがある。あれだけアップアップとなって動かなくなったので、翌日はさぞや筋肉痛に苦しむだろうと思っていたのに、なぜか筋肉痛がまったく起こらなかったのだ。次の日になっても何もない。これはいったいどういうことなのか。
非常に不思議な話なのだが、一つありえるのは、足が動かなくなったのは筋肉が限界に達したからではなく、乳酸が溜まったせいだった、ということである。筋肉そのものはじつはまだ余力があったので、筋肉痛にならなかったのかもしれない。もしそうなら、私は自分のポテンシャルを100パー引き出せていなかったことになる。
では、どうしてそんなことになったのか？ それはペース配分に大きな問題があったからだ。
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周りにつられて初めからオーバーペースで歩いてしまったのが、今回の決定的な敗因だったと思われる。事前には、周りと関係なく自分のペースで歩こうと考えていたのだが、いざ大会が始まると、自分のペースで歩くのは困難だった。周りにつられるし、狭い登山道でうしろから突っつかれると、どうしても速く歩こうとしてしまう。そのため、二上山の登りにオーバーペースで突っ込んでしまった。それが非常にまずかった。すでに馬の背に到達した時点で、これは葛城山さえムリなんじゃないかと思っていた（筋肉が無酸素運動になっている感じが確かにした）。
とはいえ、現実問題として、ランの人とウォークの人がごちゃまぜになった本大会でマイペースに徹して歩くのはきわめて難しい。一つの方法はスタートを遅らせることである。今回は6:30にほかの人たちと一緒に一斉スタートしたが（クラッカーがパンパンッと鳴らされて華やかでよかった！）、スタートを遅らせたら、ハイペースの人たちに巻き込まれないですむ。じゃあ、そうすればよいではないかという話だが、それがそう簡単には済まない。スタートを遅らせるとチェックポイント（CP）の通過が厳しくなるのだ。
��タイムマネジメント
今回は初めてということもあり、時間のことは何も考えていなかった。しかし、実際に歩いてみて、タイムマネジメントが重要であることがよくわかった。
葛城山CPと金剛山CPにはそれぞれ関門時間が設定されていて、葛城山CPは13:00、金剛山CPは14:00となっている。これをクリアできないと先へ進むことができないルールである。
今回葛城山CPに到達したのは11:12で、当麻寺からの所要時間は４時間42分だった（関門時間には十分間に合ったが、足が終わっていたのでゴールにするしかなかった）。このタイムからすると、仮に葛城山でゴールにせず、休憩を取らず、そのまま金剛山へ向かったとしても、私のペースでは水越峠到達が12:15頃、カヤンボ到達が12:45頃、そして、次第に蓄積される足の疲労を加味すると、ちはや園地の金剛山CP到達は楽観的に見積もっても14:20頃になると予想される。間に合わない。金剛山CPの関門時間はけっこう厳しい。
となると、葛城山CPには11:00頃には到達しておく必要がありそうである。大会オフィシャルは「紀見峠まで行くには葛城山CPは12:00頃までに通過する必要があります」とアナウンスしているが、12:00ではまず不可能だろう。葛城山CP11:00通過ということは、今回より10分強早くしなければならない。マイペースを確保するためにはスタートを遅らせたいが、タイムマネジメント的にはそれは好ましくない。完全なるトレードオフの関係にある。
スタートを15分程度遅らせ、6:45頃とするとマイペースで歩きやすくなるかもしれないが、他方、それだと葛城山CP11:00到達のためには、スタートから４時間15分で踏破しなければならない計算になる。今回の４時間42分から30分も短縮しなければならないことになる。これは相当厳しい、というか不可能に思える。
とすれば、やはり6:30にスタートしつつも、何とかマイペースで進み（6:30スタート組のうしろのほうを進むとか工夫して）、そして足のパワーアップを果たして「マイペース」を少し向上させられれば、葛城山CPに12分短縮して11:00に到達できる可能性が開けてくる。どうやら、このあたりが現実的なソリューションとなりそうである。いずれにしろ、金剛山CPが（私には）非常に厳しい関門だということがよくわかった。
�こ�段対策
ご存じの通り、ダイトレは階段がとても多い。そのためよく「階段地獄」とか、逆に自虐的に「階段天国」とかいわれる。この階段部分の歩き方も一つのポイントになってくる。現状、私はポールを使用しないで歩いている。そのため、階段を登る際は100パーセント足の力だけで登っていることになる。これがどうだったのか。
ポールを使って山を歩いたことがないのでよくわからない部分があるのだが、階段の登りにポールを使えば、多少は腕の力でアシストできるのではないだろうか。一段一段の違いは大したことがなくても、何百段何千段と積み重なってくれば、その違いはけっこう大きいかもしれない。もし次回リベンジするとしたら、ポールの採用を考慮すべきかもしれない。
�ド�装
今回は、大会当日少し気温が下がるという天気予報だったので、温かめの服装で臨んだ。これがどうだったのか。とくに冬用のパンツは厚手で、ゴワゴワして少し動き難い。実際、歩いていて抵抗を覚えた。
そのときの気象状況次第ではあるけれど、少なくともパンツは冬用ではななく夏用のライトなものにすれば、ずっと動きやすくなることが期待される。思えば、トレランの人たちはショートパンツで走っているではないか。服装面も留意する余地があるとわかった。
＊
だいたい、いま思うのは以上のようなところである。ダイトレ大会に来年以降リベンジするかどうかはわからないが、もし再参戦するのなら、上記の諸点を踏まえる必要があると思う。
ただ、大前提として、ダイトレ大会が私に向いているかどうかという話がある。今回参加してみて、とてもいい経験ができたとは思っているが、山との向き合い方が私にとって、これが望ましいかたちかどうかというのは、ちょっと考えるところである。
私はやはり周りの自然を愛でながら、自分のペースで味わって登ったり散策したり下ったりするほうが好みに合っている。ひたすらタイムを気にして急ぐというのはどうも世知辛い。今回私自身もそうだったが、多くの人はおそらく周りの自然などほとんど目に入っていなかっただろう。舞台が同じ山というだけで、ふだんの私のスタイルとはまったく異なるつき合い方になるのだ。
その一方、自分のポテンシャルを試す、あるいは向上させるという喜びもあることは理解できる。そういう気持ちが私にも多少はあるから、上記のようなことを考えたりしているのだろうし。
うまく両者を使い分けながらやっていくのが理想なのかもしれない。もし、来年以降リベンジするなら、こんどこそ！（せめて金剛山までは行きたい笑）
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