この件の前回の「日記」は下記にあります。
私の代でお墓をなくすには(高倉健の遺作「あなたへ」を想いながら)
https://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-84879
なぜ、お墓をなくすのか。
いつか私も死を迎える。そのときに、私自身は何も残さずに、自然に帰りたいからです。
私の家族やその子どもたちにも、何ものにも制約されずに、自分らしく生き、そして、死後のことも自分で決めてほしいからです。これが一番の理由。
いま一つの理由は、お墓という形で残すのは、子どもたちにとって、大きな負担になる時代になってきているからです。現に、私の子どもとその家族にしても、東京が実家であり、帰省する場所になっています。郷里には、今はすでに、お寺のお墓しか残っていません。
少しずつ、行動に移す。今回は、家族・親族から了解を得ることを、なによりの大事でした。郷里の福島には姉夫婦ですがいます。電話で帰省の連絡をしたときに、「お墓を仕舞う」件で話したいと伝えていました。電話で用件を伝えただけで、姉も義兄も大筋、私の気持ちをわかってくれていた。
姉は、「そうだよねえ。私たちの代ですっきりさせないと、子どもたちがたいへんだもの」と言ってくれました。
義兄も、基本は賛成。義兄は毎朝、仏壇に向かうほど信心深いため、「自分たちの方はどうするのかは、いま思案しているところ」と話していました。義兄は関西の出身です。
ともかく、私たち夫婦と姉夫婦で、一番大事な合意がなって、一つほっとしました。
今後は、墓をなくすという大きな方向で、急がず、順次、手を打っていくことで合意し合いました。
今後の問題は、3つあります。
1つは、父母のお骨の行き場です。
墓石の下部に残っているお骨は、骨とわからない位の量と状態に容量を減らせば、自然に帰すことができます。(減容や粉末化は、葬儀関連会社でもやってもらえる)
私は、父母が仰ぎ見てきた吾妻連峰が見える場所で、自然に帰したいと思っています。
今回初めて気がついたのですが、墓がある墓地の一角に、「無縁仏」のエリアが設けられていました。いままでは気がつかなかったのですが、今回は、新しい墓標が建てられていました。身寄りのない、古い墓石がそこに集められていました。
いまの時代、守る人も絶えた墓が増えていることを、感じさせられました。
自然葬ではなく、こういう形の永代供養を選択する方もいます。
実態を見ながら、姉夫婦との間で、お骨の行く先の件は、引き続き考えてゆくことにしました。
2つめの問題は、墓そのものの撤去費用です。
この墓は、父が亡くなった際に、建てたもの。母も遅れて、ここに入り、それから15年ほどの月日がたちました。
墓の面積は、3坪ほど。都会の
墓地の3倍ほどの広さです。
周囲を白御影石の柵で囲み、墓碑、銘板などもあって、「これを更地に戻すとして、いったいいくら、かかるのか」と案じられました。
お寺側への敷地の「永代使用料」を除いても、「工事」には200万円ほどのお金がかかったと記憶しています。
ただし、墓石や石柵は、まだ年月が浅く、見た目は新品同様です。
私は、墓碑は削り直せば再利用できる、と推定しました。周囲の石の柵も同じ。
すると、墓石などを処分する費用は、再利用分を勘案してもらえるならば、建設費の半額以とか、3分の1で撤去していただけるかもしれません。
実際は、どうかな? 姉夫婦が現地の業者に、こういうケースでの大まかな見積もりを聞いてくれることになっています。
3つめは、この先、お寺様とどう付き合ってゆくかです。
ここでも出費の問題がかかわってきます。
私の方針は、墓はなくしても、私自身は、すぐに離壇するのではなく、父母は「永代供養」の扱いにしてもらいたいと希望しています。
お骨の有無にかかわらず、父母は永代供養碑、ないし無縁仏の場所で、供養する形にしたい。亡くなった父母自身が、郷里のこのお寺の墓地での埋葬を望んできたからです。なによりも、この寺の墓地に入った方々には、父母の知り合いがたくさんいるからです。
それが認められた場合、いままで、毎年、檀家の義務として、お寺様に毎年2万円ずつを納めてきましたが、これを私の代に限っては続けたいと思っています。
しかし、お寺様の意向によっては、そうはいかない場合もある。
お墓をなくすと、檀家ではなくなり、「離壇料」を払うことが普通と思います。都市部などでは、その金額が100万円前後にもなるところもある。私の郷里は田舎のことですから、そこまではいかないかもしれませんが、どう告げられるか、想定できません。即時に離壇となると、墓の撤去と併せて150万円以上の支出になるかも知れません。
これとは別に返ってこないお金もある。
私の方ではお寺側に墓地の敷地を借りる際、その「永代使用料」(一括支払い)を納めてきました。これも100万円単位のけっこうな金額でした。しかしこれも、墓を仕舞う時点で、返ってはこないと覚悟しています。
お墓は、造るときも出費だけれど、造ったときに匹敵するか、それ以上の苦労・費用が、あとに巡ってきます。
現代人は、故郷が定まらない移動をする時代を生きている。父母が亡くなったころ、私は、ここまでの問題があるということを考えてもみませんでした。
私の責任で解決をすすめるしかありません。
お寺巡りは好きなのでよく墓場を歩きますが、やはり一角に供養する人が居なくなった墓石が山のように積んであるところがありますね。
うちみたいに分家で、墓の中には顔を知っている人しか居ないならまだしも、17代目です、とか35代目です、というような本家の人は、やめるわけにはいかないでしょうね。また帰郷した僕の場合はまだ、お墓参りぐらいホイホイ行けるけれど、遠い町になってしまってはやはり、難しいですね。
人口の多い都市に住むってことはまた、保育園の待機にしろ、受験校の選択肢の多さにしろ、住宅確保の難しさにしろ、お墓の問題にしろ、一生タイヘンな思いをしなくてはなりませんね。既に居ない先祖より、ムスコの代のことを思うのは、どちらかと言えば真っ当な判断だと思います。
先日、近所の小さなお墓の前で、やはり古い墓石を何週間かかけて整理し終わったところを何気なく見ていました。そこでやはり足をとめていたよぼよぼのおばあさんに話しかけたのですが、その返事で、「私達の世代は、お墓がよりどころです。何か悪いことが起これば、お墓を粗末にしたせいじゃないかとか考えてしまうんですよ。」なんておっしゃっていました。世代のせいなのか、年頃のせいなのか。この地域に80年以上は住んで変遷を見てきた婆さんでしょう。
お墓というのは、親しい人の死を悼み、傷んだ心を癒やし、弔う場としては必要なものですが、それならばあんなに頑丈で大きくてつるつるの岩石でなくても良いと僕は思います。1人でどっこいしょと持ち上げられるくらいのざらざらした墓石で十分な気がするのです。
yoneyamaさん、松本あたりのお寺の墓地でも、身よりのない墓石などが、目につく状況なんですね。私も、今回初めて、古い墓石が集められた様子を見て、変化の大きさに驚かされました。墓は、家だけでなく、地域社会の変化も反映する面もあるようです。
>1人でどっこいしょと持ち上げられるくらいのざらざらした墓石で十分な気がするのです。
その人なりの墓ですね。私の田舎の寺の墓も、以前は土盛りだけの墓が多かった。農家の墓は、地方では墓石がないか、本家すじだけに、墓石がある墓(土盛りの集まり)が多かった。
私はこれからも、可能な限りは穏便に、自分らしいやり方を考えていこうと思います。
taniさん今晩はです。
自分的には20年以内に突きつけられる課題ですね。親父が造ったお墓と親父の故郷飯坂はお寺さんにあるお墓です。親戚を見渡すと親父は長男で兄弟は8人程度いますが、女性は嫁に、男子の子供は全て女性、つまり家を継ぐ者は私だけになります。結婚はしていますが子供がいません。
家督は私で最後になり、何時かはお墓を守るモノがいなくなります。
さてどうしたモノか・・・、飯坂のお墓は納骨時に骨壺ごと納めるのではなく直に撒きます。従って無縁仏になった場合は・・・
一方、山で無くなった幼馴染は親の考えで一ノ関にあるお寺様の樹木葬へ葬られています。初期費用のみで墓石は有りません。無縁になっても困る事はなさそうでした。でもお寺さんは個人経営なので継ぐ者が居なければ管理者不在になります。そして土地は公共のモノになり、都市計画や巨大プロジェクトで・・・・、やはり骨になっても安住の地はなさそうです・・かな。
kintakunteさん、うちの墓も、墓石の下には裸地の空間があり、お骨はその地面にまいています。他に移すときは、回収は出来ます。
墓にかかわる件ですが、自分で判断できる条件が、得られる状況へ進んでゆきそうな半面、代々続いてきたことの後始末ないし継承の重みが、かかって来そうな境遇ですね。
私より若いとはいえ、いずれ、自分のこともふくめて、実家の墓地の今後を決める時がきますね。
いまの条件では、永代供養の形にする手が通常のようですが、奥様の意向をしっかり聞いておくことが大事かな。
おはようございます。
自分もお墓のこと、少し考えはじめました。様々な思いがありますが、家族の思いを大切に、対処していきたいと考えています。
akagera02 さん、初めまして。
家族構成や地域的な条件によっても、対応は大きく違ってくると思います。
家族の出来事のなかで、また友人・先輩の方などの体験も聞きながら、話し合って行くのが大事と思います。
私の場合は、せめて父が亡くなったときに、出来れば複数の意見を聞いて、今後をよく教えてもらうべきでした。
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