http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-100078.html
山装備はその機能を地形や雪の状況に応じて引き出して使い分けする必要があります。今回は、もともとは山スキーを使うはずでした。出発してすぐに山スキー用の兼用靴がバックル部分で破砕して、使用不能に。いったん登山口にもどって、山靴とスノーシューに切り替えました。
深雪や角度のある斜面ではてこずるだろうな、と思って上がりました。いよいよその場面になって、まどろこしい思いをしました。
スノーシューは、スキー板と違って、傾斜のある斜面を電光形に上がる際に、エッジを効かせて横滑りを防ぐことが、まず不得手です。スキーだと雪に潜りこみにくいし、体重をバランスよくかけてエッジを効かせると、支えになります。
が、スノーシューは、体重をかけると雪にもぐりこみながら、雪から抵抗を受けて板面(デッキ)を水平に保てません。斜面に沿って流れ落ちる傾向も強い。
体重を移したときの沈み込みも、大きい。
スキー板では新雪の下にある前回の降雪層の表面のクラスト部分に食いこんでこらえてくれたりします。でも、デッキ面の面積が劣るスノーシューだと、内部にクラスト面があっても、さらに下まで、沈み込みます。
こうなると、取り回しが悪いし、体力のロスが大きい。
履いたスノーシューは、車にたまたま積んでいたカミさんのもので、25インチ、通常サイズのスノーシューでした。ステンレス製の長さ5センチほどの爪が要所に付いています。
この爪は、積雪が浅い緩い斜面では十分です。しかし、雪が深く斜度があるところでは、雪が流れて、いっしょに滑ってしまう。
5センチの爪では、支えになりません。また爪を長くするのも、スノーシューの軽快さが失われます。
取り回しの面では、スノーシューを山靴に固定するバインディングが、私が使ったものは、改善の余地がありました。もともと、スノーシューが広がりだした
10年少し前に、導入したものです。しっかりした3本、4本締めのバインディングでなく、甲の部分を包み込んでホールドし、1本で締め付けるタイプ。横方向の強い力をかけるのに不安があり、雪面に横側面からエッジング気味に蹴りこむのに躊躇しました。ワカンでも力を入れて、よくやる斜め側面蹴りこみです。シューを静かに雪面に食い込ませるのですが、これが構造上もうまくいかない。
スノーシューは、靴に対してデッキが自由に動くのが、行動しやすくて売りなんですけれど。その可動性の切り替えとか、加減ができるタイプがあると、いいかもしれません。
この次に導入する機会があれば、爪はやはり同等にしっかりしたもの。そして、バインディングが安全上も3本締め以上で、フレームとデッキと靴との一体感がより強いものにしたいと思います。
当面は、今回のような山はスキーを使う。あとは、斜面が読めるときは、スノーシューだけでなく、ワカンも携行する、などでしょうか。
スノーシューというのは、条件を選ぶ装備ですね。
春に使って、苦労したこともあります。
http://trace.kinokoyama.net/josinetu/oze0305.htm
tanigawaさんこんにちは
スノシューは条件を選ぶ道具というの、その通りと思います。山スキーで行けなくてスノシューでよかったところは、これまでほとんどありませんでしたから、
「スノシューは山スキーができない人が使うもの」という認識です。
でもスノシューも進化中で、最近の物はけっこう横滑りしないものもあるようですよ。でも小さくないので、小さめの山スキーのほうがマシだったりします。
yoneyamaさんへ。
スノーシューは、体験的にいうと、
*表面がしっかり締まった雪なら、ある程度の斜度でも大丈夫。
*柔らかい、もぐる雪でも、斜度が緩いなら、大丈夫。
でも、斜度があって、やわらかくもぐる雪、
表面が流れ落ちる雪(春の湿り雪もふくめて)、
などは、かなり苦手ですね。
yoneyamaさんも見ていると思うのですが、札幌の秀岳荘には、ずっと古くから(1970年代前半から)、元祖スノーシューを置いています。
ネット部分は、クジラの仲間かアザラシの皮のニカワ質部分を、ねじりのばして、紐化したもの。
枠(フレーム)は木製。
昔は大小3枚ほどを展示していました。
あれには、クランポン(爪)はない。
やはりふかふかの雪の平原や高原を歩くために、生まれてきた道具なのでしょう。
現代では、いろんな改良が加えられてきていますが、使用する条件が制約される面は、根本的にありますね。
急な柔らかい雪面のラッセルなどは、今回のように短い区間で荷が軽いときは、まだしのげます。
でも、長い行程になると、きびしいですね。
クランポンが、より効きのいいタイプを、試してみたい気がします。10センチ以上あれば、傾斜がある流れる雪面でも踏ん張ってくれるかもしれません。そんな製品はまだありませんが。
ふかふかの急な雪面で、シュ―が潜り込んでしまう条件では、とりまわしの悪さはどうしようもありませんね。もぐったスノーシューを引き上げるだけでも、体力を消耗します。
深雪にたいする山スキーの踏破力を改めて見直しました。
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