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更新日:2015年08月07日 訪問者数:7341
ジャンル共通 技術・知識
地形図の崖印
qed
地形図の崖印
地形図の崖印について最近初めて知ったことがあったので紹介したいと思う。
例に挙げているのは神奈川県の丹沢山地北部にある神ノ川流域の一部で、北緯35度30分03秒、東経139度06分35秒あたりである。
【写真1】
伊勢沢出合、左岸から右岸を見る。
【図1】
伊勢沢出合付近の地形図。
赤い文字のAのあたりから伊勢沢の対岸を撮った写真が【写真1】である。
なお、神ノ川は南側が上流である。
【写真1】は伊勢沢出合の左岸から右岸を撮った写真である。見ての通り岩壁、すなわち崖(がけ)になっている。
【図1】は伊勢沢出合付近の地形図である。神ノ川の左岸には崖記号が連なっている。実際、神ノ川とその左岸上部にある林道は標高差が十メートル以上はあり、林道と川の間は崖地形となっている。ところが、写真で示した伊勢沢出合右岸は崖地形となっているにも関わらず、崖記号は描かれていない。なぜか?
他にも「崖なのに崖記号がない」という場所にいくつも気づき、どうも落ち着かないので調べてみたらすぐに分かった。

国土地理院の「地図記号一覧」から「がけ」の説明文を見ると次のように書かれている:
「高さ3メートル以上かつ長さ75メートル以上のものを表示しています」
地形図の読み方はだいたい習得したつもりでいたのだが、崖記号を描いてもらうには幅75m以上にわたって崖となっていなければいけない、ということは今回調べて初めて知った。
地形図だけを頼りに初めての場所へ行くときは、地形図に描かれていない崖に要注意である。(特に下りのとき)
2015/08/07 追記
boukenguy様よりコメントを頂いたので補足する。
boukenguy様のご指摘通り、伊勢沢出合右岸付近は等高線の間隔が非常に狭いので、通常の登り降りがほとんど不可能であることは崖記号が無くとも容易に想像できる。したがって、実践的には崖記号があってもなくてもほとんど違いは無いのだが、そうとも言えない場合があるのでもう一例挙げる。次の例は、神ノ川をさらに上流へ進み、仏谷と金山谷に分岐しているあたり(北緯35度29分27秒、東経139度07分05秒付近)の図と写真である。
【写真2】
金山谷出合から上流側を見る。
この写真では分かりにくいのだが、出合右岸(左手側)は高さ10m程度はありそうな崖となっている。
【図2】
金山谷出合から上流(南側)を見た写真が【写真2】である。
【写真2】では分かりにくいのだが、金山谷右岸の出合付近は切り立った崖になっている。しかし、地形図をみるとなだらかな斜面に見え、とても崖や急傾斜があるとは思えないのである。
本当は最初からこちらを例に挙げたかったのだが、崖であることが明瞭な写真がなかったため、仕方なく伊勢沢出合付近を例として挙げることにした。
崖記号になっていないのはともかくとしても、なぜ等高線の間隔が狭くなっていないのかは非常に不思議である。
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コメント

崖の表記
はじめまして。
地形図の表記で先ほどの様な高さ3m以上長さ75m以上とあるものの、地形図のその場所を見ると明らかに崖ですね。と言うのは等高線の幅を見れば一目瞭然で、等高線と等高線の間が0.5mmの場合、その部分の傾斜は39度です。表記された地形図ですと明らかにそれよりも幅がないという事は見るからにしてその角度以上にはなるかと思います。すなわち一般に見れば壁か崖です。
2015/8/7 10:14
Re: 崖の表記
boukenguy様
コメントを頂きありがとうございます。おっしゃること、ごもっともです。
本文にもう一例追加致しましたので是非ご覧ください。
2015/8/7 19:41
沢にある滝でも同じことが言えます。
始めまして。
沢を歩くと、20m近く落差がある直爆なのに、地図には全く表示も無ければ、等高線も詰まってないところが良くあります。自分の推測では、沢に沿った方向の測定点の分解能を考えると、大きな落差の所では等高線が詰まってなければなりませんが、沢に直角な方向では、そのような場所はゴルジュで狭くなっているので、測定分解能よりも沢の幅が狭くて、ちょうど測定点が粗いためにとんでいる状態で、測定点を結んで等高線を書くと、なだらかになってしまうのではないかと思っています。
2018/4/25 20:21
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