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更新日:2013年09月16日 訪問者数:23338
ジャンル共通 技術・知識
山で天気図を書くコツ
天気図を書くのは難しいことではありません。学校で天気図を書いたことがある人でも山でも天気図を書いてみましょう!天気図を書くことで天気にも詳しくなりますし、ひょっとしたら高気圧を呼び込める念力が備わるかも知れません(^^)/
天気図を書いてみよう!
スマホで気象庁のレーダーが見られる時代ですが、まだまだ山では携帯はつながらない場所の方が多いですね。
一方、天気図をとるのは昔からの日本の山の素晴らしい伝統です。スマホがつながってもつながらなくても自分で天気図を書いて天気予報までやれるようにしましょう!

天気図を書くのはそんなに難しいことではありません。
山で書く天気図は一般的に教えられている天気図の書き方と同様ですが、少し違う面もあります。
そのあたりを覚えてもらえればと思います。
1.天気の記号を覚えよう!
天気の記号を覚えるには、最初は「快晴」、「晴れ」、「曇り」、「雨」、「雪」、「霧」の6つだけでいいです。
天気の記号を覚えておくと、登山中の記録も楽です。常日頃の日記でも役に立ちますね。
基本の6個は今すぐ覚えてしまいましょう!
 
かんたんですので、すぐに覚えられますね。

快晴:何も書きません。ピーカンです。
晴れ:縦に1本。
曇り:二重丸になるようにします。
雨:塗りつぶします。
雪:雪印のマークのように書きます。横棒に×または×に横棒。
霧:丸に点のように真ん中だけ塗りつぶします。空中に霧の水滴がある感じです。
■次は、雨の種類を覚えましょう!
雨の種類を右にカタカナで書きます。
 
雨強し:カタカナの「ツ」を書きます。
にわか雨:「ニ」を書きます。
霧雨:「キ」と書きます。

簡単なので、今すぐ覚えてしまいましょう!
■雨の種類が覚えられたら「雪」の種類は簡単です。
雪の種類は、雨と同様に覚えれば簡単です。
 
雪強し:カタカナの「ツ」を書きます。
にわか雪:「ニ」を書きます。
■わすれちゃならない「雷」の記号。
雷は半分をぬりつぶす。
「みぞれ」は雷と似ていますが、覚え方は、雨と雪が混じったのが「みぞれ」ですので、そうやって覚えた方がいいかも知れません。
■その他の記号は適当に覚えておけばよいです。
その他の記号
 
左のような記号は放送されるのは珍しいです。そのために放送されると嬉しいものです。

そこいらの登山初心者との差別化のためにこれらの記号は全部覚えてしまいましょう!

ちなみに、左は手書き処理の画像でマウスで書いたものですが、もう少し上手に書いた方がいいかと思います(^^ゞ すいません。
■不明の場合は×印
不明の場合は「×」印。
 
天気不明も船舶の報告などでよくあります。
×印です。簡単ですね。
2.天気図用紙を買いましょう!!
天気図用紙は大きな書店や登山具店にも売っている店もありますが、アマゾンでも購入できます。値段は630円ぐらいです。

種類は、
「ラジオ用天気図用紙No.1」とNo.2」があります。さらに小型版があります。No.1は初心者用です。私はNo.2よりNo.1の方が好きですので今でもNo.1を使っています。
理由は、メモ欄を使って天気予報を文章化してみたり、色々とメモを書けるからです。
どちらにせよ、初心者の人はNo.1がいいと思います。
天気図用紙はアマゾンでも買える
50枚綴りで630円ですから1枚あたり12円ぐらいになります。
写真を拡大してみてください。
左の写真No.1の天気図用紙(初心者用)です。
左側に地名などが書かれています。また、左下には天気記号が記載されています。
ちなみにNo.2は、これらの記載がなくて天気図自体が広く印刷されています。
天気記号をあらためて見てください。
左の写真を拡大して天気の記号を覚えてください。
小型天気図はウルトラライト
小さいですがちゃんとした天気図用紙です。
慣れてくれば軽量化につながります。
ただ、台風時期は台風の発生時のフィリピンあたりの情報が書けない欠点があります。
3.風向・風力の書き方を覚えよう!
天気図を書く場合、特に風向は重要です。それは、等圧線を書く助けになるからです。風は等圧線にほぼ平行に吹きます。このあたりは後述します。
北北東の風、風力4、晴れ
左の図は、「北北東の風、風力4、晴れ」を意味しています。

風向は16方位で表現します。

風向が「北」であれば上方向に書きます。
風向が「南西」であれば左下方向に書きます。

分かりますね?

慣れないと風向はすぐには書けません。北北東と北東の差はわずかですので余り気にせずに書く方を優先しても構いません。
風力の書き方
風力は、風速とは異なりますが、覚え方として、「風力を2倍にすると風速○メートル/秒に近い」です。

風力ゼロの場合は何も書きません。

風力1の場合はFではなくて、野菜の芽が出たように書きます。

風力2で「F」の文字になります。

その後は風力が一つ増えるごとに線を増やしていきます。

風力が6になったら右側は最大です。

風力が7になったら反対側に書きます。
風力が7以上になったら右側の6本はグチャグチャと書いても大丈夫です。
4.気圧を書く
異論があると思いますが、山で天気図を書く場合は気温を省略してもいいです。

気圧を右側に書きます。気温を書く場合は左側に気温を書きます。

気圧は、1012ヘクトパスカルの場合は「12」とだけ書きます。これで1012ヘクトパスカルを意味します。998ヘクトパスカルの場合は、98でいいです。998でもいいです。
基本的に気温は書かなくてもいい
異論があると思いますので少し触れてみます。

天気図を書く場合において重要なことは気圧配置です。等圧線を書く場合には気温は不要です。マチガイ防止の観点もあります。

気温を必要とするのは、夏の雷を予測する場合です。その場合、日本列島の自分のいる山に近い場所の気温を書けばいいです。それと富士山の気温は重要です。平地との気温差で雷の発生を予測できます。

日本列島はごちゃごちゃしているので気圧と気温を書くと間違えやすいのも気温を書かない理由の一つです。暗がりやヘッドランプの光で書くとマチガイやすいものです。その予防という意味もあります。

しかしながら、冬山の場合、ハバロフスクやウラジオストックや長春や北京の気温は興味本位だけでなく冬型の強さを知る意味でも書いた方が良いです。夏なら不要です。そのあたりの場所は数もまばらでゴチャゴチャしていないのでマチガイも少ない訳ですから書いても書かなくてもどっちでもいいということです。

気温を書かないことに異論がある人は気温も書いてください。本来それが正しい天気図の書き方になります。
5.さあ、ラジオをつけて天気図を書いてみよう!
ゴチャゴチャと書いても頭に入っていかないと思いますので、AMラジオをつけて何はともあれ天気図を書いてみましょう!ラジオが自宅にない人はネットの「らじるらじる」でも聞くことが出来ます。

ちなみに、NHK第2です。山では周波数を確認しておくといいですね。それを忘れた場合は少し前の時間からNHK第2の周波数を探してみましょう!

放送時間:
朝 9:10
夕16:00
夜22:00

「気象通報」という番組名です。放送は各時20分間です。
スタートは「石垣島」から(^^)/
 
天気図を書くスタート地点は石垣島です。
石垣島から日本列島を北上していきます。
書きながらその地に思いをはせるといいかも知れません。

北海道のあとはカラフトからシベリアに入ります。その後に朝鮮半島に入ります。昔は千島のウルップ島に測点がありましたが今はありません。ちなみにウルップ島にウルップソウが沢山咲いていたので名付けられたそうです。
観測地は日によって微妙に変わる場合もあります。その場合でも印刷はされていますので慌てないで対応してください。
フィリピンのラワーグは最初から覚えておいていいと思います。
台湾の「恒春」のあとは「長春」に移動
初心者がいちばん戸惑う順番が、台湾の「恒春」のあとに「長春」に移動することです。

でも、もう大丈夫ですね。
6.船舶の報告や漁業気象は大切
船舶の報告というのは、外洋に出ている船舶から報告された気象データのことです。
漁業気象というのは、低気圧や高気圧や台風などの情報のことを言います。
気象通報は登山者だけでなく漁業の船のためのものですからそういう表現が使われているのだと思います。

さて、船舶の報告と漁業気象のポイントは位置です。

船舶の報告は緯度と経度を聞いて、その場所に情報を記入します。漁業気象による低気圧・高気圧の位置も同様です。

緯度と経度を直接記入することが難しかったら最初はメモでもいいです。しかしながら、緯度経度の数値にすぐに慣れてきますので、その位置に直接書いた方がいいです。迅速に天気図が書けることになりますからね。

海洋ブイや船舶の報告は丸○印が書かれていないので○を書いてから風力や天気などを記入します。

このあたりは一度や二度では無理ですが、三回目ぐらいで上手に書けると思います。
だいたいの位置と緯度経度を覚える
放送では、あらかじめだいたいの位置(東シナ海とか)を表現してから緯度経度をアナウンスします。

そのだいたいの位置の言葉を聞いたら指でだいたいの位置を指してそのあたりの緯度経度を意識すると迅速に場所を特定できるようになります。
低気圧・高気圧の書き方
低気圧は「L」、高気圧は「H]と書きます。
正確な位置は「×」印を書きます。
移動速度はキロメートルは省略して方向を矢印で書きます。

なお、昔は台風や熱帯低気圧は無限大「∞」の煙霧のような記号を使って書いていましたが、今は台風は「T]、熱帯低気圧は「TD」と書くのが一般的です。
前線の書き方
前線には4つあります。

寒冷前線は低気圧から左側に走ります。下に湾曲した感じです。

温暖前線は低気圧の右側に走ります。丸みを帯びた感じで上に凸のように書きます。

停滞前線は水平な感じで横たわります。

閉塞前線は寒冷前線が温暖前線に追いついてしまったものですので立っているのがふつうです。
台風の情報はもっとも重要
台風が接近しているときに山には出かけないものの、長期の縦走で山に入る場合は台風の動きはもっとも重要なものです。

台風の気圧、風速、今後の予想進路などは、直接書かずにメモでもよいと私は思います。

台風の動きで気圧配置は大きく変わっていくものですので、台風の情報のときは特に周りの人は静かにして絶対に聞き漏らさないようにして欲しいものです。

昔は台風の記号が違っていましたが、今では台風を「T」と表現するようですので隣に番号を書くといいかと思います。×印は正確な位置を示します。
7.等圧線を書こう!
等圧線を引くのは難しいものです。
放送では代表的な等圧線の位置を教えてもらえますが、その他の等圧線は自分で考えて線をかかなければなりません。実際にはそれなりの気象学の知識が必要ですが、あんまり気にせずにダイナミックに線を引いていきましょう!

等圧線はその名のごとく同じ気圧の場所を線で結んだものです。
各地の気圧を参考に線を書いていきます。
表現されていない地形的な低気圧がある場合もありますので場合によっては一つぐらい無視をしてもよい場合もあります。あるいは、発表されていませんが風向が渦をまいているような場合は自分で低気圧の印を付けて円を書いてもよいと思います。
温暖前線と寒冷前線の間は真っ直ぐ目に線を引く
理由はさておき、気象庁が発表する天気図を見ても、温暖前線と寒冷前線の間は真っ直ぐ目に等圧線が引かれています。
これを真似をするとそれなりに立派な天気図に見えます。
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風向に等圧線を合わせてみる
風は上空では等圧線にほぼ平行に吹きますが、地上や海上だと摩擦のために少し角度をもちます。

その角度は、陸上だと30度ぐらい。海上だと20度以下ぐらいです。

これらを念頭において等圧線を引くと曲線などが引きやすいと思います。
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風が強い場所は等圧線が密
等圧線は同じ気圧を結んだ線ですが、同じ気圧の場所を結んでも風が強い場所は等圧線が密になることを念頭に置けば引きやすいと思います。
書くときには遅いですが…
山で天気図を書くときには遅いですが、日々、天気図に慣れていると等圧線を引きやすいものです。

←左は一年前の気象庁の天気図です。ヤマレコでも記録に掲載されていますね。
8.なにはともあれ、練習してみよう!
案じるより産むがやすし。
なにはともあれ天気図を書く練習をしてみましょう!

そして、自分で実際に書いた天気図と気象庁が発表する天気図を比べてみましょう!
それだけで格段に天気について詳しくなります。

自分の書いた天気図をもとに天気予報をするのは楽しいものです。

「天気図」+「観天望気」+「気象庁の天気予報」など、これで山の中での天気予報はバッチリです。ついでですが、山でスマホが使えてレーダーの情報が見られるか確認はしてみてください。レーダーは降雨等には最も有効ですので使ってくださいね。
左は超下手ですが今しがた慌てて書いた地上天気図です。

慌てて書いたので等圧線の位置が少し変です。まあ、見本にはしないでください(*^^*)

※等圧線の位置のメモは別紙に書いたので左側にはメモってありませんでした。
日本付近の拡大
気象庁の正解の天気図
9.まわりの者は静かにしましょう!
真剣に天気図を書いているときに周りがうるさいと頭にきてしまいます。それ以上に大切な情報を聞き逃したら最悪です。そのことに誰かが気付いて「天気図とっているから静かにしようね!」という注意の声が聞こえるととても嬉しいものです。

となりのテントからラジオの気象通報の音声が聞こえなくてもイヤホンで聞いている場合があります。とくに16時の気象通報の時間は静かにしましょう!20分間です。また、夜10時でも同様です。
10.常日頃、テレビの気象番組は注意深く見ましょう!
気象や天気予報の知識を得るばかりではなく、天気の移り変わりの「感覚」もつかめます。そういう意味で毎日の気象番組は意識して見ていらっしゃると思いますが、山の天気は地上とは違うことも意識しながら天気を身近なものにしていきましょう!
11.自分で書いた天気図を使った天気予報
自分で書いた天気図は各地の天気が記載されています。これは低気圧や高気圧の移動とともに雨の区域や晴天の区域が近づいてくるのが実感できます。そのあたりの感触はホームページの天気図では少ないものです。これが天気図を書く大きなメリットでもあります。

高気圧が近づいてきても北高型や高気圧の後面に入ると天気が悪くなります。それらの「事実」が各地の天気を見るとよく分かります。

低気圧や高気圧のスピードは気象庁の天気図にも記載がありますが、自分の手で記入するとマラソンランナーのトレーナーのような気分になります。西から近づいてくる高気圧が可愛く見えてくるから不思議です。

その感覚を拡大していくと、「念力」をかけると高気圧がよい方向に近づいてきてくれるのを感じます。「すぐれた登山家は山の天気を変えられる」とまで言われます。本当かどうか別として、「晴れ男晴れ女」となるためには天気図をとるのは案外と効果があるような気がします。

まあ、そのあたりは半分は冗談ですが、西側から晴天の区域が近づいてくればZ旗をかかげてもよいことになります。
 
 
 
 
Z旗:負けられない勝負に挑む時、『勝利』を祈願して用いられる場合もある。(ウィキペディアより)
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