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更新日:2021年10月11日 訪問者数:173
ジャンル共通 技術・知識
バリエーションルート登山道は「憲法」が保障?「法律」の規定は?「登山禁止」にできるのか?
tadak
「自由に山を歩いてもいい?悪い?【登山道】を「法律」と「マナー」から学んでみよう」と言うホームページがありますが登山道とは何かが語られてなく、その先の話も意味のないものになっていると思います。
◎登山道とは何か、法令の規定から見ていきましょう。
1、 長野県登山安全条例の登山道

長野県登山安全条例20条の指定登山道にはバリエーションルートも含まれています。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/tozanjorei/documents/02_tozanjorei.pdf
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/tozanjorei/tozanjorei.html

バリエーションルートの扱い(長野県登山安全条例の登山道、上記ホームページ)
「指定登山口から山頂までの全ての登山道が指定登山道となるため、バリエーションルートや通常知られていない登山道であっても指定登山道に該当します。」

条例は憲法94条「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」との規定を受け、地方自治法14条1項「普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。」と規定されていて、法令に違反する条例は作れないことから、長野県登山安全条例の登山道の考え方は自然公園法に違反するものではありません。

2、自然公園法の公園事業(9条)に基づく登山道(歩道)

自然公園法2条6項「公園事業:公園計画に基づいて執行する事業であつて、国立公園又は国定公園の保護又は利用のための施設で政令で定めるものに関するものをいう。」
これを受け自然公園法施行令1条1号の道路(歩道)
国立公園の公園計画作成要領(環境省自然環境局長通知で法律ではありません)
https://www.env.go.jp/park/doc/law/keikaku03_1.pdf

自然公園法施行令1条1号の歩道(公園利用のための施設としての登山道)の整備計画について
「高度の登山技術又は深い経験を必要とする専門的な登山ルート(ロッククライミング、沢登り、藪こぎ、山スキー等のいわゆるバリエーションルート)は計画しないこと。」(11頁)と記載してあります。
バリエーションルートも環境省は登山道であると認識している証です。
各国立公園ホームページの管理計画書を見れば自然公園法施行令1条1号の歩道は分かりますが、全ての登山道が指定されているわけではありません。
バリエーションルートや通常知られていない登山道はいくらでもあります。

また、都市公園には都市公園法施行令に禁止行為として「公園管理者が指定した立入禁止区域内に立ち入ること」(18条4号)という規定がありますが自然公園にはありません。

3、 道路法に基づく登山道
 道路法3条1項の道路の種類は
1号、高速自動車国道
2号、一般国道
3号、都道府県道
4号、市町村道
の4種類だけ
富士山など歩道が道路法の認定を受けた登山道があります。
唯一、通行禁止にできる登山道です。(道路法に基づき)

4、 その他、法令の規定がない登山道(道)

道とは人が通行する所
憲法22条の公衆の通行が保障される所と考えられます。
通行の自由の根拠(4頁)
https://www.pref.yamanashi.jp/kankou-sgn/documents/houkokusho_1.pdf
◎バリエーションルートなど登山道の通行と違法性阻却
1、 刑法35条 「法令又は正当な業務による行為は、罰しない。」

人を殴ったら暴行罪、鼻血がでたら傷害罪です。
ボクシングなぜ暴行罪、傷害罪にならないですか?
(非親告罪なので相手の同意があろうと検察庁は公訴します)
「正当な業務による行為は、罰しない」プロでもアマチュアでも同じです。
ボクシングはスポーツ文化で通常ボクシングをする行為は罰(公権力は行使)しないということです。
違法性は阻却され処罰されることはないのです。

登山も100年以上つづくスポーツ文化、通行の自由(公衆の通行)が憲法で保障されており、山を歩くなど通常行う行為は罰しないと理解できます。

但し、公共の福祉に反しない事が条件ですので私有地は私権の衝突場面で調整が必要です。
公有地の内の公共用財産以外は私権を設定できるので同様だと考えられます。
又、公共の福祉に反する行為については別段法律の定めがある場合は公衆の通行はできません。

2、 国立公園など自然公園内の登山道と自然公園法の違法性阻却

環境省の国家公務員および地方公務員は憲法を守る義務があります。
憲法13条の個人尊重、生命、自由及び幸福追求権については国政の上で、最大の尊重を必要とする。が行政の基本であります。
これを受け、自然公園法の目的(1条)には、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健に資する。であります。
自然公園で登山というスポーツ文化を行うことは保健活動であり目的の法令行為と言えます。
但し、自然の風景地を保護と言いう条件がついており、同法23条の利用調整区域。同法20条3項16号の湿原その他これに類する地域のうち環境大臣が指定する区域。は公衆の通行はできません。

自然公園法の21条(特別保護地区)などの植物の損傷について。
この規定は故意、過失(誤って)は問わない。また、自然公園法施行令1条1号の歩道(公園事業道路)上であっても除外規定はありません。
人間の踏む圧力はかなりなもので苔類などはひとたまりも無く通常歩いただけで損傷してしまいます。
全ての登山道に木道や舗装道が整備されているわけでもなく、直ぐに違法行為につながるのでは安心して利用などできません。
なぜ登山道を除外していないか?過失を除外していないのか?と考えると刑法35条の違法性阻却が思い当たります。
自然公園を利用するスポーツ文化はいろんなものがあり、それぞれ除外規定を設けるのは困難なので、利用者の違法性を阻却とする事で、法システム上問題も無く合理的で、分かり易くしてあると思います。

登山というスポーツ文化は正当業務行為。憲法22条の公衆の通行および自然公園法の目的(1条)の利用の増進を図ることにより、国民の保健に資する。は法令行為であり刑法35条「法令又は正当な業務による行為は、罰しない。」に合致すると理解できます。

3、 自然公園以外の国有林について

自然公園内は土地所有者の私権は自然公園法により制限されているのでそれ以外の国有林について考えます。

林野庁の国家公務員および地方公務員は憲法を守る義務があります。
憲法13条の個人尊重、生命、自由及び幸福追求権については国政の上で、最大の尊重を必要とする。が行政の基本であります。
これを受け、国有林野の管理経営に関する法律3条には国有林野の管理経営の目標は、住民の福祉の向上に寄与することにあるものとする。であります。
国民に幸せ向上が管理の目標です。

憲法22条が保障する公衆の通行は法令行為、海岸、河川、山など国民共有の財産である自然公物の使用は自由が原則です。(根拠、下記ホームページ4頁)
https://www.pref.yamanashi.jp/kankou-sgn/documents/houkokusho_1.pdf

それゆえ国有林野の経営管理に関する法律には立入禁止との記載はなく、立入禁止にする管理権限はありません。
都市公園には都市公園法施行令に禁止行為として「公園管理者が指定した立入禁止区域内に立ち入ること」(18条4号)という規定がありますが、国有林野の経営管理に関する法律および施行令にはありません。

総務省e-Gov法令検索すればすぐ分かります。

 読んでいただいて有難うございます。
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