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更新日:2014年05月06日 訪問者数:32331
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高山の野鳥図鑑(ライチョウ他7種・動画付)
日本アルプスなどの高山でよく見られる野鳥について簡単にまとめてみました。紹介する野鳥:ライチョウ、ホシガラス、イワヒバリ、カヤクグリ、キセキレイ、トビ、ウソ、ルリビタキ
alpsdake
1.ライチョウ
ライチョウ(雷鳥、学名:Lagopus muta japonica H. L. Clark, 1907、ライチョウ科ライチョウ属)
日本の本州の高山帯のみに隔離分布する亜種で、ニホンライチョウとも呼ばれる。
主な生息地:火打山と焼山、北アルプス、御嶽山、南アルプス(白山と中央アルプスでは絶滅したものと見られている)
総個体数の推定値3,000ほど、環境省レッドリストの絶滅危惧IB類、国指定の特別天然記念物(1955年2月15日指定)
ライチョウの形態
全長37cm、翼開長59cm。
左上:オス、冬羽から夏羽へ移行中(2003年4月27日、燕岳周辺)
右上:オス、夏羽(2002年6月7日、小河内岳)
左下:メス、冬羽から夏羽へ移行し始め(2003年4月27日、大天井岳周辺)
右下:メス、夏羽(2013年7月9日、御嶽山)
ライチョウの生態
一年中高山帯に生息する。植物の芽や種子を食べる。稀に昆虫類を食べることもある。曇り時にハイマツがある登山道周辺で見られることが多く、人が近づいてもほどんど逃げない。
繁殖期にはつがいで縄張りを形成し、オスは見張りをするのみで、卵や雛の世話をしない。
非繁殖期には群れで行動し、積雪期には雪に穴を掘って寝る。
画像上:メスの親と3羽の幼鳥(2002年7月27日、燕岳)
画像下:ライチョウの群れ(2003年11月23日、上河内岳)
ライチョウ食事中 in 乗鞍岳 Rock Ptarmigan(Lagopus muta japonica) - YouTube
夏羽のメス、2013年7月21日、乗鞍岳の高山帯、高山植物の芽などを食べている様子
ライチョウのメス食事中(御嶽山にて) - YouTube
冬羽から夏羽に移行中のメスが、植物をついばんでいました(2014年5月2日)
ライチョウのオス(南アルプス烏帽子岳にて) - YouTube
食事中の夏羽のオスがハイマツの中に入って行きました(2014年6月14日)
ライチョウの雛と見守る母親 Lagopus muta japonica - YouTube
乗鞍岳でライチョウの母親とその雛たちが観察できました(2014年7月12日)
ライチョウの雛
2013年7月9日、御嶽山
飛行する様子
夏羽のメス、2013年7月21日、乗鞍岳
2.ホシガラス
ホシガラス(星鴉、学名:Nucifraga caryocatactes、カラス科ホシガラス属)
和名は、黒っぽい体に多くの白い斑点があり、星が散らばって見えることに由来する。
学名の属名は「砕くもの」、種小名は「木の実」を意味する。
ホシガラスの形態
全長35cm、翼開長59cm、雌雄同色、頭部は焦茶色
画像:蝶ヶ岳、2013年10月8日
ホシガラスの生態
高山帯から亜高山帯にかけて生息する。繁殖期にはつがいで生活し、縄張りを持つ。針葉樹の種子をもぎ取って、特定の場所に運んで食べる。ハイマツの実が大好物。夏期には昆虫類も食べ、人間の残飯も食べる。「ガーガー」としわがれた声で鳴く。
画像:御嶽山の高山帯でホシガラスが食べたハイマツの実、2013年9月10日。
ホシガラス食事中 Spotted Nutcracker (Nucifraga caryocatactes) - YouTube
ホシガラス(地面に落ちたハイマツの種子を岩の下に隠しているようにも見える)、2013年10月8日、蝶ヶ岳
3.イワヒバリ
イワヒバリ(岩雲雀、学名:Prunella collaris、イワヒバリ科)
和名は、高山の岩場に住み、大きさや鳴き声やヒバリに似ていることに由来する。
学名の属名は「小さな褐色の鳥」、種小名は「首輪のある」の意味。
イワヒバリの形態
全長18cm、翌開長30cm、雌雄同色
画像左:成鳥、乗鞍岳、2013年7月21日
画像右:幼鳥、御嶽山、2013年9月10日
イワヒバリの生態
日本アルプスや富士山の高山帯などで繁殖する。地上を歩きまわって、昆虫や植物の種子などを捕食する。
画像:植物の種子を食べる幼鳥、御嶽山、2013年9月10日
イワヒバリ 食事中 Alpine accentor - YouTube
地面に落ちた種子を捕食中のイワヒバリ、2013年5月21日、乗鞍岳
4.カヤクグリ
カヤクグリ(茅潜、学名:Prunella rubida、イワヒバリ科)
和名は萱の生えた下を潜る生態に由来し、藪の中を好むミソサザイに体の色が似ていることから江戸時代には「おおみそさざい」と呼ばれていた。学名の属名は「褐色の小鳥」、種小名は「赤い」を意味する。
カヤクグリの形態
全長14cm、翌開長21cm、雌雄同色
画像:乗鞍岳、2013年7月21日
カヤクグリの生態
日本の固有種、高山帯から亜高山帯で繁殖し、冬には低地に移動して生活する。ハイマツやシャクナゲの茂みなどに巣を作る。地上を歩きまわって草の種子や昆虫などを食べる。
画像:昆虫を捕獲した様子、乗鞍岳、2013年7月21日
カヤクグリ食事中 Japanese accentor (Prunella rubida) - YouTube
地面に落ちた種子を捕食中のカヤクグリ、2013年5月21日、乗鞍岳
羽繕い中のカヤクグリ Japanese accentor preening - YouTube
白山の平瀬道のハイマツ上で、カヤクグリが羽繕いを行っていました(2014年7月29日)
カヤクグリのさえずり Japanese accentor singing - YouTube
カヤクグリが剱岳の早月尾根でさえずっていました(2014年8月2日)。
5.キセキレイ
キセキレイ(黄鶺鴒、学名:Motacilla cinerea robusta、セキレイ科セキレイ属)
和名は、下部が黄色の鮮やかなセキレイであることに由来する。
学名の属名は「たえず動く小さな者」、種小名は「灰色の」を意味する。
キセキレイの形態
全長20cm、翌開長26cm、オスは喉部が黒い
画像:渓谷を飛行中の様子
キセキレイの生態
平地から高山帯にかけて沢や渓谷沿いなどに生息する。
水辺を歩いて水生昆虫を採食したり、飛んでいる昆虫をフライングキャッチしたりする。
画像:昆虫を捕獲したオス、乗鞍岳、2013年7月21日
キセキレイのさえずり in 乗鞍岳 Grey Wagtail singing - YouTube
ハイマツの上でさえずるキセキレイのオス、2013年7月21日、乗鞍岳
6.トビ
トビ(鳶、学名:Milvus migrans lineatus、タカ科トビ属)
日本で最も普通に見られる猛禽類
和名は、空高く飛ぶ鳥であることに由来する。俗名は「トンビ」。
学名の種小名は「渡りをする」を意味する。
トビの形態
全長オス59cm、メス69cm、翌開長157-162cm、雌雄同色、尾羽が凹形
画像:トビの頭部詳細
トビの生態
南西諸島を除き日本全国で繁殖している。死んだ魚や鳥獣を食べる。鳴き声は「ピーヒョロロ」。
画像:上空を飛びながら獲物を探す様子
食べかけのモリアオガエルを足でつかんで移動するトビ、2013年6月17日、夜叉ヶ池
トビ 白山翠ヶ池 Black Kite - YouTube
白山の山頂部を飛び回り、翠ヶ池に着地したトビ、2013年8月3日、白山
7.ウソ
ウソ(鷽、学名:Pyrrhula pyrrhula Linnaeus, 1758、アトリ科)
和名は、ウソ(口笛)を吹くような鳴き声であることに由来する。
学名の属名と種小名は「炎のような色の鳥」を意味する。
ウソの形態
全長16cm、翌開長26cm、オスは喉部が赤い
画像:白山室堂、2013年6月25日
ウソの生態
繁殖期は亜高山帯で生活し、冬になると低地や南で移動して越冬する。鳴き声は口笛のような「フィーフィー」。昆虫や木の実などを食べ、春には木の芽や花芽を食べる。
画像:上が幼鳥、下がナナカマドの実を食べるオス、御嶽山、2013年9月10日
ナナカマドの実を食べるウソ Pyrrhula pyrrhula griseiventris - YouTube
ナナカマドの実を食べるオスと後ろで見守る幼鳥、御嶽山、2013年9月10日
アカウソ
木の種子を食べる亜種アカウソ(学名:Pyrrhula pyrrhula rosacea )
左がオス(下部が淡い赤色)、右がメス
8.ルリビタキ
ルリビタキ(瑠璃鶲、学名:Tarsiger cyanurus 、ツグミ科)
和名は、オスの体の色が瑠璃色であるヒタキ(火打石を叩くような鳴き声)であることに由来する。
学名の属名は「特徴的な足を持つ鳥」、種小名は「青い尾の」を意味する。
ルリビタキの形態
全長14cm、翌開長22cm
脇はオレンジ色、尾は瑠璃色、オスの上面は瑠璃色、メスの上面はオリーブ色。
画像左:オス、越百山、2013年8月13日
画像左:メス、越百山、2013年8月13日
ルリビタキの生態
亜高山帯で繁殖し、冬には低山や平地へ移動して越冬する。非繁殖期は雌雄単独で縄張りを作り生活する。
画像:幼鳥、越百山、2013年8月13日
ルリビタキのさえずり Red-flanked bluetail - YouTube
ルリビタキ(オス)のさえずり、白山、2013年6月25日
参考文献
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この記録へのコメント

ゲスト
登録日:
投稿数: 0
2013/11/2 22:49
撲滅の一途になるのではと危惧しています。
そうですね、地球温暖化の影響等で他の動物の進出も影響したのか、直近の調査ではライチョウの全国の個体数が約2000羽にまで減少しました。
何か対応策はないものか、と思うこの頃です。
登録日: 2010/1/26
投稿数: 2674
2013/11/3 7:16
南アルプスで鹿による食害
nonkibouさん おはようございます

ライチョウの調査は信州大学の生態学研究室( http://cert.shinshu-u.ac.jp/eco_lab/modules/tinyD1/ )などで行われているようですね。
地球温暖化の影響で、南アルプス南部の高山帯に鹿が上がってくるようになり、ライチョウの餌となる高山植物を食べ尽くしてしまう食害があるようですね。
登録日: 2014/9/28
投稿数: 139
2014/12/4 21:26
お邪魔しましたo(^o^)o
実際に見たこと無い野鳥が…しかも動画で

素晴らしいですo(^o^)o

野鳥が好きで山歩きしてます⤴

これからも参考にさせて頂きます✨😌✨
登録日: 2010/1/26
投稿数: 2674
2014/12/12 6:20
高山でしか見られない野鳥
beakさん おはようございます

山での野鳥との出会いを楽しみにしています。
ライチョウとイワヒバリは高山帯でしか見られませんが、あまり人を恐れないようで、他の野鳥と比べてすぐ近くでも観察できる印象があります。
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