オリジナルシートからのコピペで大きく段落が崩れ、修正後してもUPで崩れてしまうので、見にくいかと思います。ご希望であればオリジナルWordシートをお送りしますので、ご連絡下さい。
ご指摘頂ければ幸いです。更に精度を上げたいと思います。
続けて日本産キク科植物検索表(改定版)を予定しています。
日本産シソ科検索表
本検索表は日本の野外で見られるシソ科植物を網羅し,園芸や農作は除外した.植物の分類は日進月歩であり,更に分類が進展する可能性が高く、最新の情報をもって判断されたい.逆に,固有群を除く細分類(亜種以下)に関しては,特に考慮する必要性を感じない.記述は標準的な特徴を示しており,例外も少なくない.また,時間を掛けずに見た目で同定出来るよう根・果実・時期的に変化する根生葉など短時間でその場では観察しにくい特徴は少なくした.よって決定的な同定手段ではなく,あくまでも正確な同定への手引きと考えて頂きたい.言い換えれば,植物研究用ではなく,植物愛好者用の同定というべき内容である.使用については,1株だけの観察ではなく,複数株の観察による平均的な特徴を踏まえるのが望ましい.記述に関しては,ネット上の様々な情報や原記載を参照した.帰化植物では特に分布を示していない.
<用語>
主に増村征夫(2006)を参照した.
草体=株全体.葉=主に大きな茎葉を指す.浅裂=深い鋸歯縁.中裂=葉の片幅の1/2裂ける.深裂=葉の片幅の2/3裂ける.全裂=主脈まで裂ける(葉の裂け状態の境界は明瞭ではない).楓葉状に裂ける=全体的に半円形-広楕円形で掌状に深裂-全裂.菊葉状に裂ける=全体的に長楕円形-広卵形で縁が中裂-深裂.シダ葉状=主脈に対して左右対称に深裂-全裂.
1a.木本(海浜では地を這う様に低木化する)・・・2.
1b.草本(時に丈が高まり基部が木質化する)・・・25.
2a.花冠の長さは5mm以上・・・3.
2b.花冠の長さは5mm以下.葉は広楕円形・・・(ハマクサギ属)12.
3a.花冠は唇形・・・4.
3b.花冠は車形・・・13.
4a.花冠は全体的に白基調で黄色味を交える・・・5.
4b.花冠は全体的に紫基調で白色味を交える(白花もあるが黄色を交えない)・・・(ハマゴウ属)6.
5a.葉は長楕円形,五出複葉.沖縄(石垣、西表島)・・・(ハマゴウ属)オオニンジンボク.
5b.葉は卵形,単葉で対生する.本州(近畿地方以西)、四国、九州、沖縄・・・(ハマクサギ属)ハマクサ
ギ.
6a.葉は通常単葉で対生,広卵形-広楕円形で葉先は伸長しない.砂浜.本州、四国、九州、琉球・・・ハ
マゴウ.
6b.葉は通常複葉・・・7.
7a.葉は倒卵形-楕円形、葉先は長く伸長しない.通常三出複葉.奄美大島以南・・・ミツバハマゴウ.
7b.葉は楕円形-長楕円形、葉先は長く伸長する・・・8.
8a.枝先の大きな葉の長さは幅の3倍以下・・・9.
8b.枝先の大きな葉の長さは幅の約3.5倍・・・10.
9a.複葉の2列目の小葉に明瞭な柄がある.琉球(八重山)・・・ヤエヤマハマゴウ.
9b.複葉の2列目の小葉に柄がない.主に庭木・・・タイワンニンジンボク
10a.花柱や花糸は花冠から長く突出し目立つ.下唇は特に長くなく通常巻いているので目立たない.花
色は濃い紫色.小葉は5-7枚,通常全縁.主に庭木・・・セイヨウニンジンボク.
10b.花柱や花糸は花冠から短く突出し遠目からは目立たない.下唇は大きく長く伸長して目立つ.花色
は薄い紫色・・・11(以下は情報が不足で,また花冠では区別出来ず,葉の様子も不安定).
11a.葉は通常全縁-低い鋸歯縁.主に庭木・・・ニンジンボク.
11b.葉は通常鋸歯縁-浅裂.主に庭木・・・クサニンジンボク.
11c.葉は通常数個の粗い中裂.主に庭木・・・ホソバニンジンボク.
12a.花筒は長さ4mm以下.海岸.琉球・・・タイワンウオクサギ.
12b.花筒は長さ2mm.琉球(石垣島)・・・ルゾンクサギ.
13a.花冠は長さ5mm以内,花弁は広楕円形で薄赤紫色.花糸は白色,葯は黄色.花柄は花冠より短い
(各種に白花型がある)・・・(ムラサキシキブ属)14.
13b.花冠は対と異なる・・・(クサギ属)18.
14a.葉は厚い広楕円形で葉先は丸い,絨毛で覆われて特に裏は白くなる.小笠原諸島(父島(絶滅)、兄
島)・・・ウラジロコムラサキ.
14b.葉は広楕円形で葉先は伸長して尖る・・・15.
15a.葉は先半が数個の鋸歯縁.本州(岩手県で絶滅)、四国、九州、琉球・・・コムラサキ(コシキブ)
15b.葉は全体に細かい鋸歯縁・・・16.
16a.枝や葉など全体的に白い細毛で覆われる.本州(宮城県以西)、四国、九州・・・ヤブムラサキ
16b.白い細毛は疎ら・・・17.
17a.葉は長さ10cm前後.山地.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・ムラサキシキブ.
17b.葉は長さ20cm前後.海岸.本州(東海地方以西)、四国、九州、琉球・・・オオムラサキシキブ.
18a.花筒は非常に長く花弁の約5倍,花弁は強く反曲する.琉球・・・リンドレイクサギ.
18b.花筒は長くても花弁の2倍,花弁は時に縁が内側に巻く・・・19.
19a.花弁は白色・・・20.
19b.花弁は赤色系・・・23.
20a.葉は硬質,楕円形で葉先は単純に尖る.種子島、トカラ列島の宝島、琉球・・・イボタクサギ.
20b.葉は軟質,広楕円形-広卵形で葉先は細く突出して尖る・・・21.
21a.葉の表面はほぼ無毛で光沢がある.九州(南部)、沖縄(久米島)・・・アマクサギ.
21b.葉の表面に毛があり光沢が弱い・・・22.
22a.葉の基部は円形.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・クサギ.
22b.葉の基部は心形.四国(南部)、九州(南部)、沖縄・・・シュウロウクサギ.
23a.花冠は赤紫味が強く,散形花序で隙間がない.本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球・・・ボタン
クサギ.
23b.花冠は赤味が強く,円錐花序で隙間がある・・・24.
24a.花冠全体が深紅色・・・ヒギリ.
24b.花冠は深紅で花弁のみ薄色で2色に見える・・・シマヒギリ.
25a.花柱や花糸は下唇と同長か長く,通常花冠から突出し目立つ・・・26.
25b.花柱や花糸は下唇より短く,通常花冠内に収まり遠目からは目立たない・・・60.
26a.花冠は縦に開き,雄しべ4本と花柱1本は花冠から長く上へ突出して下側へ湾曲する.北海道、本
州、四国、九州・・・(カリガネソウ属)カリガネソウ(ホカケソウ)
26b.花冠は通常筒型で雄しべや花柱は前方に突出する・・・27.
27a.花筒は2cm以上,通常単独で付く.花柱のみ花筒から突出する・・・(アキギリ属)28.
27b.花筒は1cm以下,通常花は密集して付く・・・30.
28a.花冠は紫色.本州(中部地方-近畿地方)・・・アキギリ.
28b.花冠は紫色と薄黄色が混じる・・・シボリミヤマアキギリ.
28c.花冠は薄黄色・・・29.
29a.花期は8-10月.花冠は薄黄色.本州、四国、九州・・・キバナアキギリ.
29b.花期は6月中旬-7月中旬.花冠は白に近い薄黄色.本州(長野県、岐阜県、愛知県)・・・キソキバナ
アキギリ.
30a.葉は線形-狭披針形・・・(ミズトラノオ属)31.
30b.葉は長楕円形-より幅広い・・・32.
31a.花冠は淡い紫色.葉は3-4輪生.本州、四国、九州・・・ミズトラノオ.
31b.花冠は淡い白色.葉は4-6輪生.本州、四国、九州・・・ミズネコノオ.
32a.葉は長さ2cm以下,楕円形-長楕円形,ほぼ全縁で葉先は鈍く,主脈だけが目立つ・・・33.
32b.葉は長さ2cm以上で,対と異なる・・・36.
33a.草体は立ち上がる・・・34.
33b.草体は立ち上がらず,地面に伏す.主に高地・・・(イブキジャコウソウ属)35.
34a.花冠は筒型で唇形.丈20cm.やや乾地.北海道、本州、九州・・・(イブキジャコウソウ属)イブキ
ジャコウソウ(低地で立ち上がったもの)
34b.花弁は均一に裂け,車形に近い.丈20cm以上.湿地.北海道、本州・・・(ハッカ属)ヒメハッカ
(丈1m以上で倒伏=ハイヒメハッカ)
35a.葉の表面に毛を持たない.北海道、本州、九州・・・イブキジャコウソウ(海岸性=ハマジャコウソ
ウ).
35b.葉の表面に粗い毛を持つ.本州(北アルプス)・・・ヒメヒャクリコウ.
36a.葉は羽状複葉・・・(アキギリ属)37.
36b.葉は単葉・・・38.
37a.花冠は青紫色.本州(神奈川県〜近畿地方の太平洋側)・・・ナツノタムラソウ.
37b.花冠は薄青色-白色.本州(埼玉県、神奈川県、山梨県。長野県、岐阜県、福井県)・・・ミヤマナツ
ノタムラソウ.
37c.花冠は薄黄色.鈴鹿山脈に特産.本州(三重県、滋賀県、岐阜県)・・・ウスギナツノタムラソウ.
38a.花冠は一見して数段の車座状に付く・・・39.
38b.花冠は穂状花序か総状花序に付く・・・42.
39a.花冠は葉腋から花柄が伸び集散花序または密錐花序となる.下唇は細長く裂ける・・・(ダンギク
属)40.
39b.花冠は葉腋に車座に付く.下唇は単純・・・(ハッカ属)41.
40a.葉は長楕円形・・・ハナシキブ.
40b.葉は楕円形.九州・・・ダンギク.
41a.葉は長楕円形,葉先はやや伸びて弱く尖る.北海道、本州、四国、九州・・・(ニホン)ハッカ.
41b.葉は卵形,葉先は鈍い・・・ヨウシュハッカ.
42a.葉は卵形,葉先は鈍い,紛らわしい場合は明瞭な鋸歯縁ではない・・・43.
42b.葉は楕円形系,葉先は尖り,通常鋸歯縁・・・45.
43a.葉の形状は不安定に縮れる・・・チリメンハッカ(ミドリハッカの変種).
43b.葉の形状は一般的な平面・・・44.
44a.花弁は薄い紅紫色で萼は濃い赤紫色.葉の表面はほぼ平滑・・・ハナハッカ(オレガノ).
44b.花弁は白に近い薄紫色-白色で萼は緑色.葉の表面は細かい網目皺が入る・・・マルバハッカ(アッ
プルミント).
45a.花冠は穂状花序で隙間なく密に付け,筒形で下唇は広がって下がらない・・・46.
45b.花冠は多少とも隙間を開けて付け,通常下唇が広がって下がる・・・56.
46a.花柱や花糸は萼を含めた花筒より明瞭に長く,一見して花穂はそれらで毛束に見える・・・(テンニ
ンソウ属)47.
46b.花柱や花糸は萼を含めた花筒と同長か短く,一見して花穂らしく見える・・・50.
47a.葉は楕円形-長楕円形,裏に星状毛を持たない.花冠は白色味が強い・・・48.
47b.葉は広楕円形-広卵形,裏に一時的でも星状毛を持つ.薄紅色を帯びる・・・49.
48a.葉の裏は無毛.北海道、本州、四国、九州・・・テンニンソウ.
48b.花序のすぐ下の葉の裏の主脈に毛が多い.北海道、本州、四国、九州・・・フジテンニンソウ.
49a.葉は広楕円形.本州(中部地方、近畿地方、中国地方)・・・ミカエリソウ.
49b.葉は丸みが強い.本州(広島県・島根県・山口県)、四国、九州・・・オオマルバノテンニンソウ.
50a.花穂は一部でも偏側性(茎の片側に偏る)がある・・・(ナギナタコウジュ属)51.
50b.花穂は偏側性がない・・・53.
51a.花冠は紅紫色,不明瞭な偏側性に付く.葉の縁は直線的.全国?・・・イワナギナタコウジュ.
51b.花冠は薄紅紫色,明瞭な偏側性に付く.葉の縁は緩く弧を描く・・・52.
52a.大型の苞は円形,表面に毛を持たない.北海道、本州、四国、九州・・・ナギナタコウジュ.
52b.大型の苞は台形,表面に毛を持つ.本州(福島県以西)、四国、九州・・・フトボナギナタコウジ
ュ.
53a.葉は長楕円形・・・54.
53b.葉は卵形-心形・・・55.
54a.葉は鈍い鋸歯縁.本州(関東地方以南)、四国、九州・・・(シモバシラ属)シモバシラ.
54b.葉は突出した鋸歯縁・・・(ハッカ属)ナガバハッカ.
55a.葉の鋸歯縁の先端は鈍く尖る,明瞭な柄を持つ.北海道、本州、四国、九州・・・(カワミドリ属)
カワミドリ
55b.葉の鋸歯縁の先端は鋭く尖る,ほぼ柄を欠く・・・(ハッカ属)ミドリハッカ(スペアミント).
56a.花冠はほぼ白色で上唇に青い斑点を持つ.北海道(西南部)、本州、四国、九州・・・(ヤマハッカ属)
ヒキオコシ(エンメイソウ).
56b.花冠の上唇に青い斑点を持たない・・・(ニガクサ属)57.
57a.萼はほとんど無毛.葉の縁の鋸歯は細かい.全国・・・ニガクサ.
57b.萼に細毛を持つ.葉の縁の鋸歯はやや粗い・・・58.
58a.九州(南部)、沖縄・・・コニガクサ.
58b.本州以北・・・59.
59a.草体全体に顕著な柔毛を生やす.北海道、本州・・・エゾニガクサ.
59b.葉の表面か脈上に粗毛が疎らにあり、茎には上部の節にだけ柔毛がある.北海道、本州・・・テイ
ネニガクサ.
59c.柔毛が短い.葉の鋸歯が大きい.本州(東北地方)・・・イヌニガクサ.
60a.草体は木本に近い大型,基部は木質化する.花冠は葉腋から1個-数個が列を成して垂れ下がり,寸
胴の筒型で長さ3cm以上,赤紫色系・・・(ジャコウソウ属)61.
60b.対とは異なる.草体は一般的な草本.花冠は唇形,長い場合は基部が細くなる・・・63.
61a.花柄は葉柄より明らかに長い.本州(神奈川県以西)、四国、九州の主に太平洋側・・・タニジャコウ
ソウ.
61b.花柄は葉柄に近い長さ・・・62.
62a.葉や茎に立毛で覆われる.本州(中部地方)、四国(愛媛県)・・・アシタカジャコウソウ.
62b.葉や茎は特に立毛が顕著でない.北海道、本州、四国、九州・・・ジャコウソウ.
63a.花序は球体で葉腋に付く.八重山・・・(イガニガクサ属) ナントウイガクサ.
63b.花序は球体にならず一般的・・・64.
64a.花冠は暗紫色,下唇は舟状で蕊が収まる.北海道、本州(近畿地方以北の日本海側)・・・(ヤマハッ
カ属)クロバナヒキオコシ.
64b.花冠は対の様ではない・・・65.
65a.花冠の下唇は花筒から強く括れて広がり,先端は二分して各片は丸まる・・・(オドリコソウ
属)66.
65b.花冠は対の様ではない・・・68.
66a.葉は間隔の空いた数段に車座に付く.葉は中裂して先端は丸い.本州、四国、九州、琉球諸
島・・・ホトケノザ.
66b.葉は上部に集中して付く・・・67.
67a.葉は弱い鋸歯縁で先端は鈍い.上部の葉は赤紫色を帯びる.全国・・・ヒメオドリコソウ.
67b.葉は明瞭な鋸歯-中裂して先端は尖る・・・モミジバヒメオドリコソウ.
68a.花冠の上唇は大きく花長の半分を占め、下唇の上に傘状に被る・・・69.
68b.花冠は対の様ではない・・・75.
69a.花冠は茎の先に穂状に集中して付く・・・(ウツボグサ属)70.
69b.花冠は葉腋にも付く(花穂状の場合は中間に葉が混じる)・・・(オドリコソウ属)72.
70a.明瞭な葉柄を持つ.北海道-本州の高地で花色が濃くなり走出枝を出さないものをミヤマウツボグサ
とするが基本は区別しない.北海道、本州、四国、九州・・・ウツボグサ.
70b.葉柄を持たない・・・71.
71a.本州中部以北の高山・・・タテヤマウツボグサ.
71b.園芸種・・・セイヨウウツボグサ.
72a.花冠は黄色.葉に斑が入る・・・キバナオドリコソウ(ツルオドリコソウ).
72b.花冠は赤紫色系-白色・・・73.
73a.葉に斑が入る.北海道・・・フイリオドリコソウ.
73b.葉に斑が入らない・・・74.
74a.花冠は白色-薄赤紫色,花期は3-6月.北海道、本州、四国、九州・・・オドリコソウ.
74b.花冠は薄黄色,花期は7-8月.山梨県北岳の亜高山帯の沢筋の草地や林縁・・・キタダケオドリコソ
ウ.
75a.花冠は萼の中心線に対して斜めに伸び,開口部は萼と同じ方向を向かない・・・76.
75b.花冠は萼の中心線上に伸び,開口部は萼と同じ方向を向く・・・113.
76a.花冠は萼の中心線に対して下向き,開口部は萼の中心線より下がる・・・(ヤマハッカ属)77.
76b.花冠は萼の中心線に対して鎌首を上げたように上を向き,開口部は萼の中心線より上がる・・・(タ
ツナミソウ属)88.
77a.葉先の直前で深裂する(深裂しない葉も混じる)・・・78.
77b.葉先の直前で深裂しない・・・80,
78a.葉先の裂片は単純な針形.本州(東北地方南部-中部地方)・・・カメバヒキオコシ.
78b.葉先の裂片は広がって粗い鋸歯縁(単純な針形も混じる)・・・79.
79a.花冠は長さ9-11mm(通常花柄と同長か短い).本州(長野県-滋賀県)・・・ハクサンカメバヒキオコ
シ.
79b.花冠は長さ12-15mm(通常花柄より長い).本州(北陸-東北地方の日本海側)・・・タイリンヤマハ
ッカ.
80a.花冠の上唇に紫色の斑点がある・・・81.
80b.花冠の上唇に紫色の斑点がない・・・82.
81a.花糸(葯)や花柱は下唇の中にある.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマハッカ.
81b.花糸(葯)や花柱は下唇から出る.・・・ヒキオコシ.
82a.花冠の筒部は長く,底辺は下唇のほぼ3倍・・・83.
82b.花冠の筒部は短く,底辺は下唇と同長か2倍以下(筒部が長いものも混じる、特にサンインヒキオコ
シ)・・・84.
83a.花柄が短くて花冠が密集する,萼の裂片の先端は角張る程度.本州(岐阜県以西)、四国、九州・・・
アキチョウジ.
83b.花柄が長くて花冠が分散する,萼の裂片の先端は細く尖る.本州(愛知県以東の中部地方および関東
地方)・・・セキヤノアキチョウジ.
84a.葉は幅広くて広卵形,長さは幅の1.5倍近く.本州(山梨県、長野県南部、静岡県、愛知県)・・・コ
ウシンヤマハッカ.
84b.葉は卵形,長さは幅の2倍近く・・・85.
85a.花冠の長さは12-20mm.萼の裂片の先端は長三角形状に尖る.本州(北陸地方西部-山陰地方)、九
州(北部)・・・サンインヒキオコシ.
85b.花冠の長さは10mm以下・・・86.
86a.萼の裂片の先端は単純な三角形状に尖る.花冠の長さは8-9mm.本州(関東西南部-中部地方東南
部)・・・イヌヤマハッカ.
86b.萼の裂片の先端は細まって尖る・・・87.
87a.花冠の長さは約10mm.本州(福島県以西の太平洋岸)、四国、九州・・・タカクマヒキオコシ.
87b.花冠の長さは6mm以下.本州(東北-中部)、四国・・・ミヤマヒキオコシ.
88a.花冠は黄色・・・タロコタツナミソウ.
88b.花冠は白色-青色系・・・89.
89a.花冠は白色,筒部は非常に細長く開口部手前で急に拡がる.小笠原諸島の父島、兄島の固有
種・・・ムニンタツナミソウ.
89b.花冠は白色-青色系,白色の場合は筒部が太短い・・・90.
90a.花冠の筒部は短くて通常下唇と同長か短く,長さは10mm以下・・・91.
90b.花冠の筒部は長くて通常下唇より長く,長さは10mm以上・・・94.
91a.葉は卵形,葉先は鈍くてほぼ全縁.北海道、本州、九州・・・ヒメナミキ.
91b.葉は明瞭な鋸歯縁・・・92.
92a.葉柄は葉の半長より明瞭に短い.本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄・・・コナミキ.
92b.葉柄は葉のほぼ半長・・・93.
93a.茎や葉に微毛を密生する.四国、九州(南部)・・・ケミヤマナミキ.
93b.茎や葉に微毛は目立たない.本州(関東地方以西)、四国、九州・・・ミヤマナミキ.
94a.海岸の砂地に生える.花冠は2個が並んで同じ方向を向く.北海道、本州、四国、九州・・・ナミキ
ソウ.
94b.土質に生える.通常花冠は穂状花序を作る・・・95.
95a.葉は楕円形-長楕円形,鋸歯縁は鈍い・・・96.
95b.葉は卵形-広卵形,紛らわしい場合は先が歯丸い鋸歯縁が明瞭・・・97.
96a.北海道、本州(北部、長野県).葉先は伸長して弱く尖る・・・エゾナミキ.
96b.九州(熊本県).葉先はあまり伸長せず尖らない・・・セイタカナミキソウ.
97a.花冠は密な花序ではなく、葉腋に疎らに付く.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマタツナミソ
ウ.
97b.花冠は草体の上部に穂状花序に付く・・・98.
98a.葉の長さは1cm以下・・・99.
98b.葉の長さは1cm以上・・・100.
99a.花冠は紫色.丈20cm以下.本州(関東地方以西)、四国、九州、奄美大島・・・コバノタツナミ(ビ
ロウドタツナミ).
99b.花冠は白色-薄紫色.喜界島・・・ヒメタツナミソウ.
100a.南西諸島・・・101.
100b.九州本土以北・・・103.
101a.卵形の葉は基部が円形.屋久島・・・ヤクシマシソバタツナミ(ネット上では下記ヒメアカボシタツ
ナミと混同されているようで,和名のみではなく,学名で参照した方が良い.ヤクシマシソバタツナ
ミの種学名はlaetviolacea).
101b.卵形の葉は基部が心形・・・102.
102a.丈10cm以下.葉先は鈍く丸まって全体的に楕円形に近い.屋久島高地・・・ヒメアカボシタツナミ
(種学名はrubropunctata,下記アカボシタツナミソウと連続する).
102b.丈10cm以上.葉先は短く伸長して全体的に三角形に近い.屋久島低地、沖縄・・・アカボシタツナ
ミソウ(沖永良部島、奄美大島、与論島はやや小型になりアマミタツナミソウとされる).
103a.花冠の下唇に斑点を持たない・・・104.
103b.花冠の下唇に斑点を持つ・・・105.
104a.葉の裏面は全体に細毛を生やす.特に主幹茎の毛は開出する.本州(新潟県以西の日本海側)・・・ホ
クリクタツナミソウ.
104b.葉の裏面は葉脈のみ細毛を生やす.特に主幹茎の毛は下向き.本州(主に日本海側)・・・デワノタツ
ナミソウ.
105a.花冠は斜め上(60度)に立つ.特に主幹茎は僅かに上向きの微毛を持つ.北海道、本州(近畿地方以
北)・・・エゾタツナミソウ.
105b.花冠はほぼ垂直に立つ・・・106.
106a.特に主幹茎は目視でほとんど無毛.本州・・・ヤマジノタツナミソウ.
106b.茎に細毛が目立つ・・・107.
107a.葉は長卵形で明瞭に幅より長い,よく葉脈に白色の斑が入る.特に主幹茎の毛は上向き.本州(西
部)、四国、九州・・・ツクシタツナミソウ.
107b.葉は卵形-短卵形で幅と長さが同じか僅かに幅より長い程度,時に葉脈に暗色の斑が入る・・・
108.
108a.節間は詰まり,葉の長さより狭い.よく葉脈に暗色の斑が入る.草体は全体に寸詰まり・・・109.
108b.節間は伸び,葉の長さと同長か長い.葉脈に暗色の斑は入らない.草体は全体に間延びする・・・
111.
109a.特に主幹茎の毛は開出する(横に開く).本州(福島県以西)、四国、九州・・・トウゴクシソバタツナ
ミ.
109b.特に主幹茎の毛は下向き.本州(福島県以南)・・・ホナガタツナミソウ.
109c.特に主幹茎の毛は上向き・・・110.
110a.葉は厚味があり,脈は表面で凹む.九州(対馬)、本州(広島県)・・・アツバタツナミソウ.
110b.葉は一般的で対の様な特徴を持たない.本州(福島県以西)、 四国、九州・・・シソバタツナミ.
111a.特に主幹茎の毛は上向き.本州(中国地方)、四国・・・ハナタツナミソウ.
111b.特に主幹茎の毛は下向き.本州(関東、中部、近畿、中国)、四国・・・オカタツナミソウ.
111c.特に主幹茎の毛は開出する(横に開く)・・・112.
112a.葉裏に腺点がある.通常主幹茎は赤味を帯び,花冠の筒部は薄紫色.本州、四国、九州・・・タツ
ナミソウ.
112b.葉裏に腺点がない.通常主幹茎は緑味を帯び,花冠の筒部は白色.本州(福島県以西)、四国、九
州・・・イガタツナミ.
113a.花冠はほぼ釣鐘型で下を向いて開く,白色.本州(関東以西の太平洋岸)、四国、九州、琉球列
島・・・(スズコウジュ属)スズコウジュ.
113b.花冠は唇形・・・114.
114a.葉は羽状複葉・・・115.
114b.葉は単葉で深裂-全裂する・・・(メハジキ属)120.
114c.葉は単葉で裂けない(明瞭に鋸歯縁になる場合も多い)・・・121.
115a.小葉は長楕円形で明瞭な鋸歯縁.本州・九州・・・(ルリハッカ属)ルリハッカ.
115b.小葉は楕円形-広卵形・・・(アキギリ属)116.
116a.花冠は白味が強い.葉は基部にロゼット状に集中する.丈20cm以下.本州(紀伊半島以西)、四国、
九州・・・ハルノタムラソウ.
116b.花冠は淡黄色.本州(鈴鹿山脈)・・・ウスギタムラソウ.
116c.花冠は紫味が強い.丈20cm以上・・・117.
117a.雄しべは上唇に沿い,先端は巻くように強く下向きに曲がる.本州、四国、九州、沖縄・・・アキ
ノタムラソウ(茎や葉や萼に細毛が密布=ケブカアキノタムラソウ).
117b.雄しべの先端は強く巻かない・・・118.
118a.茎に長い柔毛が密に生える.小葉の葉先は鈍い.本州(岐阜県、愛知県、三重県)・・・シマジタムラ
ソウ.
118b.茎はほとんど無毛・・・119.
119a.小葉の葉先は尖る.本州(神奈川県、東海地方、近畿地方)・・・ナツノタムラソウ.
119b.小葉の葉先は鈍い.本州(埼玉県、神奈川県、山梨県。長野県、岐阜県、福井県)・・・ミヤマナツノ
タムラソウ(ケナツノタムラソウ).
120a.花冠には毛は目立たない.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・メハジキ
120b.花冠は白色の長毛で覆われる.北海道、本州(神奈川県)・・・モミジバキセワタ.
121a.花冠は暗紅紫色で白い縁取りがある.本州(神奈川県以西)、四国、九州・・・(マネキグサ属)マネキ
グサ(葉の鋸歯が深くて先端が尖る=キレハマネキグサ)
121b.花冠は対のような配色ではない・・・122.
122a.葉は広線形,中央部分の側縁は平行・・・123.
122b.葉は楕円形-円形,中央部分の側縁は弓曲・・・130.
123a.花冠の長さは5mm以下・・・124.
123b.花冠の長さは10mm以上・・・126.
124a.花冠は主に茎の頂点に総状に付け,薄紫色.葉の鋸歯縁は鈍い.本州(中国地方)、九州(北部)・・・
(イヌコウジュ属)ホソバヤマジソ.
124b.花冠は茎の途中の葉腋に環状に付け,白色.葉の鋸歯縁は鋭い・・・(シロネ属)125.
125a.花冠は長さ3mm.葉の長さは4cm以下.北海道、本州、四国、九州・・・コシロネ(サルダヒコ,
イヌシロネ).
125b.花冠は長さ5mm.葉の長さは4cm以上.北海道、本州、四国、九州・・・ヒメシロネ.
126a.葉は全縁で裏側に巻く.北海道、本(中部地方以北)・・・(ムシャリンドウ属)ムシャリンドウ.
126b.葉は鋸歯縁で裏側に巻かない・・・(イヌゴマ属)127.
127a.茎の稜に明瞭な毛を生やす・・・128.
127b.ほぼ無毛か茎の稜に目立たない刺毛を生やす程度・・・129.
128a.葉先の極先端は鈍い.花弁の紫色は薄く,白筋は目立たない.北海道、本州・・・エゾイヌゴマ.
128b.葉先の極先端は尖る.花弁の紫色は濃く,白筋は目立つ.北海道名寄市や千葉県で知られる・・・
オトメイヌゴマ.
129a.茎の稜に疎らに短い刺毛を持つ.本州(中部地方以西)、四国、九州、沖縄・・・ケナシイヌゴマ.
129b.茎の稜に密に短い刺毛を持つ.北海道、本州、九州・・・イヌゴマ.
130a.花冠は白色,上唇は立ち上がって細く二分する.本州(関東地方、近畿地方)・・・(ニガハッカ属)ニ
ガハッカ.
130b.花冠は白色-紫色,上唇は対の様にならない・・・131.
131a.花冠の下唇は山折りになる・・・132.
131b.花冠の下唇はほぼ平ら・・・137.
132a.花冠は白色-黄色・・・133.
132b.花冠は薄紫色-赤色・・・134.
133a.花冠は白色で下唇は黄色.葉は楕円形-長楕円形・・・(イヌゴマ属)セイヨウイヌゴマ.
133b.花冠は全体白色.葉は短卵形.九州(吐喝喇島以南)、沖縄・・・(ヤンバルツルハッカ属)ヤンバルツ
ルハッカ.
134a.花冠は薄赤色で下唇に赤色の筋が入る.葉は長卵形.北海道、本州、四国、九州・・・(メハジキ属)
キセワタ.
134b.花冠は薄紫色で下唇に赤色の筋が入らない・・・135.
135a.葉は長卵形.花冠の下唇に紫色の小斑点を散らす・・・(イヌハッカ属)ミソガワソウ.
135b.葉は三角形に近い短卵形・・・(ラショウモンカズラ属)136.
136a.花冠の下唇に紫色の斑点を持つ.本州、四国、九州・・・ラショウモンカズラ.
136b.花冠の下唇に紫色の斑点を持たない.本州(兵庫県、和歌山県)・・・オチフジ.
137a. 葉は広線形に近い長楕円形で葉先は伸長して尖り,数えにくい程の細かい鋸歯縁.北海道、本州(東
北、関東、中部,近畿)、四国、九州・・・(チシマオドリコソウ属)チシマオドリコソウ.
137b.葉はせいぜい楕円形に近く,通常粗い鋸歯縁・・・138.
138a.葉はやや横広の半円形,基部が心形で明瞭な鋸歯縁.北海道、本州、四国、九州・・・(カキドオシ
属)カキドオシ.
138b.葉はざっと見て縦長の楕円形・・・139.
139a.花冠は白色で長さ5mm以下,草体の頂点には付かず,節の葉腋に環状に付ける・・・(シロネ
属)140.
139b.花冠は長さ5mm以上,通常草体の頂点にも付ける・・・141.
140a.花冠は長さ5mm,萼の先端は尖る.北海道、本州、四国、九州・・・シロネ(茎の節間や葉の下面
に長毛がある=ケシロネ).
140b.花冠は長さ3mm以下,萼の先端は鈍い.北海道、本州、四国、九州・・・エゾシロネ.
141a.草体は小柄,丈約5cm.葉は長さ1cm前後.花冠の長さは1cm以下.屋久島、奈良県春日山・・・
(クルマバナ属)ヤクシマトウバナ(コケトウバナ).
141b.葉は長さ3cm以上.広域分布・・・142.
142a.花冠は通常,上唇は短く葯が露出し,先端は尖る.下唇の裂けは深く,中央片や左右片は縦長.葉
が鋸歯縁の場合は不規則・・・(キランソウ属)143.
142b.花冠は通常,上唇は長く葯が隠れ,先端は尖らない.下唇の裂けは浅く,中央片は楕円形.葉が鋸
歯縁の場合は規則的・・・156.
143a.花冠は白色-薄紫色・・・144.
143b.花冠は紫色・・・149.
144a.葉は基部の小歯の次に小歯を持った大きな裂片があり,葉先に向けて幾つかの小歯を持つ.本州、
四国、九州・・・オウギカズラ.
144b.葉は楕円形で粗い鋸歯縁・・・145.
145a.小笠原(父島、母島、妹島).葉先は丸い・・・シマカコソウ.
145b.琉球・・・146.
145c.本土・・・147.
146a.通常葉の最大幅は中央部.奄美大島、徳之島、喜界島、沖永良部島・・・オニキランソウ.
146b.通常葉の最大幅は中央より前方.奄美大島以南・・・ヤエヤマキランソウ(ヤエヤマジュウニヒト
エ).
147a.花穂を形成しない(葉が混在する).本州(主に太平洋岸)、四国・・・ツクバキンモンソウ.
147b.花穂を形成する・・・148.
148a.花穂の花冠は密.本州、四国・・・ジュウニヒトエ(キランソウとの交雑=ジュウニキランソウ).
148b.花穂の花冠は疎ら.本州(近畿地方以北)・・・ツルカコソウ(毛が密生=ケブカツルカコソウ)
149a.葉の表面に光沢がない・・・150.
149b.葉の表面に光沢がある・・・154.
150a.通常花穂は高く,花冠は間が空くように密に付けない.葉の鋸歯縁は鈍く,葉先は鈍い・・・ルリ
カコソウ.
150b.花穂の花冠は重なるように密に付ける・・・151.
151a.葉先は鋭角に尖る・・・152.
151b.葉先は鈍角に鈍い・・・153.
152a.葉の鋸歯縁はほぼ均一で浅い.北海道、本州、九州・・・カイジンドウ.
152b.葉の鋸歯縁は不均一で深く,特に中央前方の1対は大きい.本州(茨城・栃木・群馬・埼玉・東
京)・・・ヒイラギソウ.
153a.全体に毛深い.葉の鋸歯縁は粗く数えられる程度,葉脈は緑色.北海道、本州、四国、九州・・・
キランソウ(ジゴクノカマノフタ).
153b.全体に毛が薄い.葉の鋸歯縁は細かい,葉脈は紫色になりやすい.北海道、本州、九州(日本海
側)・・・ニシキゴロモ.
154a.葉を主に全体的に紫色掛かる.一般に背が高く花穂が伸びる・・・セイヨウジュウニヒトエ.
154b.葉脈などが紫色掛かるが全体的に緑色.背は低く花穂は伸びない・・・155.
155a.本州(関東-中部)・・・タチキランソウ(エンシュウニシキソウ).
155b.九州(南部)、沖縄諸島・・・ヒメキランソウ.
156a.花冠は全体的に短い筒型,下唇は上唇より僅かに長くて下方に向かわない・・・(シソ属)157.
156b.花冠は全体的に唇型,下唇は上唇より明瞭に長くて通常下方に向かう・・・161.
157a.茎に短毛を密生する・・・158.
157b.茎の毛は疎ら・・・160.
158a.葉の鋸歯縁は基部まで明瞭.葉の表面に短毛と長毛がある.本州(中部以南)、四国、九州・・・トラノ
オジソ.
158b.葉の鋸歯縁は基部で不明瞭.葉の表面は短毛のみ・・・159.
159a.葯は白色-褐色.本州、四国(主に瀬戸内水系の山間)・・・セトエゴマ.
159b.葯は赤紫色.本州(中部以南の太平洋側)、四国、九州・・・レモンエゴマ.
160a.葉の質は厚くて硬く,緑色・・・エゴマ.
160b.葉の質は薄くて軟らかく,緑色か赤紫色・・・シソ.
161a.通常の株では花穂は小さな車座を形成し(花穂が縦に伸びない),茎先や葉腋に密に多数付く・・・
162.
161b.花穂は車座を形成しない(花穂が縦に伸びる)・・・172.
162a.葉の表面は細かい網目状の皺に覆われる・・・(コウスイハッカ属)セイヨウヤマハッカ(皺状の葉を
持つものは外来のハーブ種が多い).
162b.葉の表面は極粗い皺筋が入る程度・・・(トウバナ属)163.
163a.萼に長毛が目立つ・・・164.
163b.萼は短毛が疎らにある程度・・・170.
164a.九州(西海岸、北部沿岸島嶼)、沖縄.茎に毛が濃く密生する・・・オキナワクルマバナ.
164b.九州山間部以北・・・165.
165a.萼片の先端は針先状に伸長して尖る.本州(青森-福井県の主に日本海側)・・・オオクルマバナ(クル
マバナとの中間型=ニッコウクルマバナ).
165b.萼片の先端は長三角形に尖るが伸長しない・・・166.
166a.花冠の長さは15mm以上.本州(東北地方-北陸地方)・・・ミヤマクルマバナ.
166b.花冠の長さは10mm以下・・・167.
167a.花穂は茎頂点に1輪だけ付く.開花期は6-7月.本州(東北地方南部-中部地方)・・・ヒロハヤマトウ
バナ.
167b.花穂の車座は茎の途中に数段付ける・・・168.
168a.花冠は紅紫色.北海道、本州、四国、九州・・・クルマバナ.
168b.花冠はほぼ白色・・・169.
169a.葉裏の葉脈に生える毛は葉脈の幅半分より長い.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマクルマバ
ナ.
169b.葉裏の葉脈に生える毛は葉脈の幅半分より短い.北海道、本州、四国、九州・・・イヌトウバナ.
170a.花冠の長さは8mm以上,白色.花穂の輪は多くて2段.本州(中部地方以西)、四国、九州・・・ヤ
マトウバナ.
170b.花冠の長さは6mm以下.花穂の車座は数段・・・171.
171a.花冠は白色で僅かに紅紫色.葉裏に腺点が疎らにある.北海道、本州(近畿地方以北)・・・ミヤマト
ウバナ.
171b.花冠は淡紅紫色.葉裏に腺点がない.本州、四国、九州、琉球・・・トウバナ.
172a.葉は長さ3cm以下,やや厚みがあり,葉脈は主な脈が弱く分かる程度,側縁は低い鋸歯が数対ある
程度,葉柄はほとんど可視出来ない・・・(イヌコウジュ属)173.
172b.葉は薄く,葉脈は細部まで明瞭,明瞭な鋸歯縁,通常葉柄が見える・・・174.
173a.葉は楕円形.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマジソ.
173b.葉は広線形.本州(中国地方)、九州・・・ホソバヤマジソ.
174a.通常花冠の下唇中央に紫色の斑点を持つ.大型の葉の葉腋に小葉を持つ.本州(宮城県以南)、四国、
九州・・・(アキギリ属)ミゾコウジュ.
174b.花冠の下唇中央に紫色の斑点を持たない.葉腋に小葉を持たない・・・175.
175a.葉は楕円形で基部はくさび形・・・(イヌコウジュ属)176.
175b.葉は卵形で基部は心形に近い・・・177.
176a.葉の縁の鋸歯はやや低く10対以上.全国・・・イヌコウジュ.
176b.葉の縁の鋸歯は大きく10対以下.全国・・・ヒメジソ.
177a.葉の鋸歯と葉先は尖る・・・(イヌハッカ属)イヌハッカ(チクマハッカ).
177b.葉の鋸歯と葉先は丸い・・・(イヌゴマ属)ヤブチョロギ(ヤブイヌゴマ).
《主な参照文献》
・山渓ハンディ図鑑1 増補改訂新版 野に咲く花.平野隆久,畔上能力,2013.山と渓谷社,664 pp.
・山渓ハンディ図鑑2 増補改訂新版 山に咲く花.門田裕一,永田芳男,畔上能力,2013.山と渓谷社,
616 pp.
・増補改訂版 図説植物検索ハンドブック 埼玉2882種類.NPO法人埼玉県絶滅危惧植物種調査団,
2016.さきたま出版会,527 pp.
・ひと目で見分ける320種 ハイキングで出会う花 ポケット図鑑.増村往夫,2006.新潮文庫,190 pp.
・これら以外に,必要な原記載や著作物を参照した.
《主なHP》
・撮りたてドットコム Plants Index Japan.管理人 いがりまさし,www.plantsindex.com/.
・四季の山野草.管理人 M.Ohtake,https://www.ootk.net/cgi/shiki/shiki.cgi.
・あの頂を越えて,野山の花.管理人 不明,https://www.onedayhik.com/php/hanalist.php?id=
10.
・みんなでつくる日本の花アルバム.管理人 不明,mountain.jpn.ph/WebAlbum/HanaAlbum/
JHanaAlbum.aspx.
・野山の花たち -東北と関東甲信越の花-.管理人 kaochin,hanatachi.sakura.ne.jp/main_top.
html.
・松江の花図鑑.管理人 よしゆき,https://matsue-hana.com/hana/. ・三河の植物観察.管理人
katou,mikawanoyasou.org/index.htm.
著者:齋藤昌弘
[email protected]
[email protected]
X. 2022
ご指摘頂ければ幸いです。更に精度を上げたいと思います。
続けて日本産キク科植物検索表(改定版)を予定しています。
日本産シソ科検索表
本検索表は日本の野外で見られるシソ科植物を網羅し,園芸や農作は除外した.植物の分類は日進月歩であり,更に分類が進展する可能性が高く、最新の情報をもって判断されたい.逆に,固有群を除く細分類(亜種以下)に関しては,特に考慮する必要性を感じない.記述は標準的な特徴を示しており,例外も少なくない.また,時間を掛けずに見た目で同定出来るよう根・果実・時期的に変化する根生葉など短時間でその場では観察しにくい特徴は少なくした.よって決定的な同定手段ではなく,あくまでも正確な同定への手引きと考えて頂きたい.言い換えれば,植物研究用ではなく,植物愛好者用の同定というべき内容である.使用については,1株だけの観察ではなく,複数株の観察による平均的な特徴を踏まえるのが望ましい.記述に関しては,ネット上の様々な情報や原記載を参照した.帰化植物では特に分布を示していない.
<用語>
主に増村征夫(2006)を参照した.
草体=株全体.葉=主に大きな茎葉を指す.浅裂=深い鋸歯縁.中裂=葉の片幅の1/2裂ける.深裂=葉の片幅の2/3裂ける.全裂=主脈まで裂ける(葉の裂け状態の境界は明瞭ではない).楓葉状に裂ける=全体的に半円形-広楕円形で掌状に深裂-全裂.菊葉状に裂ける=全体的に長楕円形-広卵形で縁が中裂-深裂.シダ葉状=主脈に対して左右対称に深裂-全裂.
1a.木本(海浜では地を這う様に低木化する)・・・2.
1b.草本(時に丈が高まり基部が木質化する)・・・25.
2a.花冠の長さは5mm以上・・・3.
2b.花冠の長さは5mm以下.葉は広楕円形・・・(ハマクサギ属)12.
3a.花冠は唇形・・・4.
3b.花冠は車形・・・13.
4a.花冠は全体的に白基調で黄色味を交える・・・5.
4b.花冠は全体的に紫基調で白色味を交える(白花もあるが黄色を交えない)・・・(ハマゴウ属)6.
5a.葉は長楕円形,五出複葉.沖縄(石垣、西表島)・・・(ハマゴウ属)オオニンジンボク.
5b.葉は卵形,単葉で対生する.本州(近畿地方以西)、四国、九州、沖縄・・・(ハマクサギ属)ハマクサ
ギ.
6a.葉は通常単葉で対生,広卵形-広楕円形で葉先は伸長しない.砂浜.本州、四国、九州、琉球・・・ハ
マゴウ.
6b.葉は通常複葉・・・7.
7a.葉は倒卵形-楕円形、葉先は長く伸長しない.通常三出複葉.奄美大島以南・・・ミツバハマゴウ.
7b.葉は楕円形-長楕円形、葉先は長く伸長する・・・8.
8a.枝先の大きな葉の長さは幅の3倍以下・・・9.
8b.枝先の大きな葉の長さは幅の約3.5倍・・・10.
9a.複葉の2列目の小葉に明瞭な柄がある.琉球(八重山)・・・ヤエヤマハマゴウ.
9b.複葉の2列目の小葉に柄がない.主に庭木・・・タイワンニンジンボク
10a.花柱や花糸は花冠から長く突出し目立つ.下唇は特に長くなく通常巻いているので目立たない.花
色は濃い紫色.小葉は5-7枚,通常全縁.主に庭木・・・セイヨウニンジンボク.
10b.花柱や花糸は花冠から短く突出し遠目からは目立たない.下唇は大きく長く伸長して目立つ.花色
は薄い紫色・・・11(以下は情報が不足で,また花冠では区別出来ず,葉の様子も不安定).
11a.葉は通常全縁-低い鋸歯縁.主に庭木・・・ニンジンボク.
11b.葉は通常鋸歯縁-浅裂.主に庭木・・・クサニンジンボク.
11c.葉は通常数個の粗い中裂.主に庭木・・・ホソバニンジンボク.
12a.花筒は長さ4mm以下.海岸.琉球・・・タイワンウオクサギ.
12b.花筒は長さ2mm.琉球(石垣島)・・・ルゾンクサギ.
13a.花冠は長さ5mm以内,花弁は広楕円形で薄赤紫色.花糸は白色,葯は黄色.花柄は花冠より短い
(各種に白花型がある)・・・(ムラサキシキブ属)14.
13b.花冠は対と異なる・・・(クサギ属)18.
14a.葉は厚い広楕円形で葉先は丸い,絨毛で覆われて特に裏は白くなる.小笠原諸島(父島(絶滅)、兄
島)・・・ウラジロコムラサキ.
14b.葉は広楕円形で葉先は伸長して尖る・・・15.
15a.葉は先半が数個の鋸歯縁.本州(岩手県で絶滅)、四国、九州、琉球・・・コムラサキ(コシキブ)
15b.葉は全体に細かい鋸歯縁・・・16.
16a.枝や葉など全体的に白い細毛で覆われる.本州(宮城県以西)、四国、九州・・・ヤブムラサキ
16b.白い細毛は疎ら・・・17.
17a.葉は長さ10cm前後.山地.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・ムラサキシキブ.
17b.葉は長さ20cm前後.海岸.本州(東海地方以西)、四国、九州、琉球・・・オオムラサキシキブ.
18a.花筒は非常に長く花弁の約5倍,花弁は強く反曲する.琉球・・・リンドレイクサギ.
18b.花筒は長くても花弁の2倍,花弁は時に縁が内側に巻く・・・19.
19a.花弁は白色・・・20.
19b.花弁は赤色系・・・23.
20a.葉は硬質,楕円形で葉先は単純に尖る.種子島、トカラ列島の宝島、琉球・・・イボタクサギ.
20b.葉は軟質,広楕円形-広卵形で葉先は細く突出して尖る・・・21.
21a.葉の表面はほぼ無毛で光沢がある.九州(南部)、沖縄(久米島)・・・アマクサギ.
21b.葉の表面に毛があり光沢が弱い・・・22.
22a.葉の基部は円形.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・クサギ.
22b.葉の基部は心形.四国(南部)、九州(南部)、沖縄・・・シュウロウクサギ.
23a.花冠は赤紫味が強く,散形花序で隙間がない.本州(関東地方以西)、四国、九州、琉球・・・ボタン
クサギ.
23b.花冠は赤味が強く,円錐花序で隙間がある・・・24.
24a.花冠全体が深紅色・・・ヒギリ.
24b.花冠は深紅で花弁のみ薄色で2色に見える・・・シマヒギリ.
25a.花柱や花糸は下唇と同長か長く,通常花冠から突出し目立つ・・・26.
25b.花柱や花糸は下唇より短く,通常花冠内に収まり遠目からは目立たない・・・60.
26a.花冠は縦に開き,雄しべ4本と花柱1本は花冠から長く上へ突出して下側へ湾曲する.北海道、本
州、四国、九州・・・(カリガネソウ属)カリガネソウ(ホカケソウ)
26b.花冠は通常筒型で雄しべや花柱は前方に突出する・・・27.
27a.花筒は2cm以上,通常単独で付く.花柱のみ花筒から突出する・・・(アキギリ属)28.
27b.花筒は1cm以下,通常花は密集して付く・・・30.
28a.花冠は紫色.本州(中部地方-近畿地方)・・・アキギリ.
28b.花冠は紫色と薄黄色が混じる・・・シボリミヤマアキギリ.
28c.花冠は薄黄色・・・29.
29a.花期は8-10月.花冠は薄黄色.本州、四国、九州・・・キバナアキギリ.
29b.花期は6月中旬-7月中旬.花冠は白に近い薄黄色.本州(長野県、岐阜県、愛知県)・・・キソキバナ
アキギリ.
30a.葉は線形-狭披針形・・・(ミズトラノオ属)31.
30b.葉は長楕円形-より幅広い・・・32.
31a.花冠は淡い紫色.葉は3-4輪生.本州、四国、九州・・・ミズトラノオ.
31b.花冠は淡い白色.葉は4-6輪生.本州、四国、九州・・・ミズネコノオ.
32a.葉は長さ2cm以下,楕円形-長楕円形,ほぼ全縁で葉先は鈍く,主脈だけが目立つ・・・33.
32b.葉は長さ2cm以上で,対と異なる・・・36.
33a.草体は立ち上がる・・・34.
33b.草体は立ち上がらず,地面に伏す.主に高地・・・(イブキジャコウソウ属)35.
34a.花冠は筒型で唇形.丈20cm.やや乾地.北海道、本州、九州・・・(イブキジャコウソウ属)イブキ
ジャコウソウ(低地で立ち上がったもの)
34b.花弁は均一に裂け,車形に近い.丈20cm以上.湿地.北海道、本州・・・(ハッカ属)ヒメハッカ
(丈1m以上で倒伏=ハイヒメハッカ)
35a.葉の表面に毛を持たない.北海道、本州、九州・・・イブキジャコウソウ(海岸性=ハマジャコウソ
ウ).
35b.葉の表面に粗い毛を持つ.本州(北アルプス)・・・ヒメヒャクリコウ.
36a.葉は羽状複葉・・・(アキギリ属)37.
36b.葉は単葉・・・38.
37a.花冠は青紫色.本州(神奈川県〜近畿地方の太平洋側)・・・ナツノタムラソウ.
37b.花冠は薄青色-白色.本州(埼玉県、神奈川県、山梨県。長野県、岐阜県、福井県)・・・ミヤマナツ
ノタムラソウ.
37c.花冠は薄黄色.鈴鹿山脈に特産.本州(三重県、滋賀県、岐阜県)・・・ウスギナツノタムラソウ.
38a.花冠は一見して数段の車座状に付く・・・39.
38b.花冠は穂状花序か総状花序に付く・・・42.
39a.花冠は葉腋から花柄が伸び集散花序または密錐花序となる.下唇は細長く裂ける・・・(ダンギク
属)40.
39b.花冠は葉腋に車座に付く.下唇は単純・・・(ハッカ属)41.
40a.葉は長楕円形・・・ハナシキブ.
40b.葉は楕円形.九州・・・ダンギク.
41a.葉は長楕円形,葉先はやや伸びて弱く尖る.北海道、本州、四国、九州・・・(ニホン)ハッカ.
41b.葉は卵形,葉先は鈍い・・・ヨウシュハッカ.
42a.葉は卵形,葉先は鈍い,紛らわしい場合は明瞭な鋸歯縁ではない・・・43.
42b.葉は楕円形系,葉先は尖り,通常鋸歯縁・・・45.
43a.葉の形状は不安定に縮れる・・・チリメンハッカ(ミドリハッカの変種).
43b.葉の形状は一般的な平面・・・44.
44a.花弁は薄い紅紫色で萼は濃い赤紫色.葉の表面はほぼ平滑・・・ハナハッカ(オレガノ).
44b.花弁は白に近い薄紫色-白色で萼は緑色.葉の表面は細かい網目皺が入る・・・マルバハッカ(アッ
プルミント).
45a.花冠は穂状花序で隙間なく密に付け,筒形で下唇は広がって下がらない・・・46.
45b.花冠は多少とも隙間を開けて付け,通常下唇が広がって下がる・・・56.
46a.花柱や花糸は萼を含めた花筒より明瞭に長く,一見して花穂はそれらで毛束に見える・・・(テンニ
ンソウ属)47.
46b.花柱や花糸は萼を含めた花筒と同長か短く,一見して花穂らしく見える・・・50.
47a.葉は楕円形-長楕円形,裏に星状毛を持たない.花冠は白色味が強い・・・48.
47b.葉は広楕円形-広卵形,裏に一時的でも星状毛を持つ.薄紅色を帯びる・・・49.
48a.葉の裏は無毛.北海道、本州、四国、九州・・・テンニンソウ.
48b.花序のすぐ下の葉の裏の主脈に毛が多い.北海道、本州、四国、九州・・・フジテンニンソウ.
49a.葉は広楕円形.本州(中部地方、近畿地方、中国地方)・・・ミカエリソウ.
49b.葉は丸みが強い.本州(広島県・島根県・山口県)、四国、九州・・・オオマルバノテンニンソウ.
50a.花穂は一部でも偏側性(茎の片側に偏る)がある・・・(ナギナタコウジュ属)51.
50b.花穂は偏側性がない・・・53.
51a.花冠は紅紫色,不明瞭な偏側性に付く.葉の縁は直線的.全国?・・・イワナギナタコウジュ.
51b.花冠は薄紅紫色,明瞭な偏側性に付く.葉の縁は緩く弧を描く・・・52.
52a.大型の苞は円形,表面に毛を持たない.北海道、本州、四国、九州・・・ナギナタコウジュ.
52b.大型の苞は台形,表面に毛を持つ.本州(福島県以西)、四国、九州・・・フトボナギナタコウジ
ュ.
53a.葉は長楕円形・・・54.
53b.葉は卵形-心形・・・55.
54a.葉は鈍い鋸歯縁.本州(関東地方以南)、四国、九州・・・(シモバシラ属)シモバシラ.
54b.葉は突出した鋸歯縁・・・(ハッカ属)ナガバハッカ.
55a.葉の鋸歯縁の先端は鈍く尖る,明瞭な柄を持つ.北海道、本州、四国、九州・・・(カワミドリ属)
カワミドリ
55b.葉の鋸歯縁の先端は鋭く尖る,ほぼ柄を欠く・・・(ハッカ属)ミドリハッカ(スペアミント).
56a.花冠はほぼ白色で上唇に青い斑点を持つ.北海道(西南部)、本州、四国、九州・・・(ヤマハッカ属)
ヒキオコシ(エンメイソウ).
56b.花冠の上唇に青い斑点を持たない・・・(ニガクサ属)57.
57a.萼はほとんど無毛.葉の縁の鋸歯は細かい.全国・・・ニガクサ.
57b.萼に細毛を持つ.葉の縁の鋸歯はやや粗い・・・58.
58a.九州(南部)、沖縄・・・コニガクサ.
58b.本州以北・・・59.
59a.草体全体に顕著な柔毛を生やす.北海道、本州・・・エゾニガクサ.
59b.葉の表面か脈上に粗毛が疎らにあり、茎には上部の節にだけ柔毛がある.北海道、本州・・・テイ
ネニガクサ.
59c.柔毛が短い.葉の鋸歯が大きい.本州(東北地方)・・・イヌニガクサ.
60a.草体は木本に近い大型,基部は木質化する.花冠は葉腋から1個-数個が列を成して垂れ下がり,寸
胴の筒型で長さ3cm以上,赤紫色系・・・(ジャコウソウ属)61.
60b.対とは異なる.草体は一般的な草本.花冠は唇形,長い場合は基部が細くなる・・・63.
61a.花柄は葉柄より明らかに長い.本州(神奈川県以西)、四国、九州の主に太平洋側・・・タニジャコウ
ソウ.
61b.花柄は葉柄に近い長さ・・・62.
62a.葉や茎に立毛で覆われる.本州(中部地方)、四国(愛媛県)・・・アシタカジャコウソウ.
62b.葉や茎は特に立毛が顕著でない.北海道、本州、四国、九州・・・ジャコウソウ.
63a.花序は球体で葉腋に付く.八重山・・・(イガニガクサ属) ナントウイガクサ.
63b.花序は球体にならず一般的・・・64.
64a.花冠は暗紫色,下唇は舟状で蕊が収まる.北海道、本州(近畿地方以北の日本海側)・・・(ヤマハッ
カ属)クロバナヒキオコシ.
64b.花冠は対の様ではない・・・65.
65a.花冠の下唇は花筒から強く括れて広がり,先端は二分して各片は丸まる・・・(オドリコソウ
属)66.
65b.花冠は対の様ではない・・・68.
66a.葉は間隔の空いた数段に車座に付く.葉は中裂して先端は丸い.本州、四国、九州、琉球諸
島・・・ホトケノザ.
66b.葉は上部に集中して付く・・・67.
67a.葉は弱い鋸歯縁で先端は鈍い.上部の葉は赤紫色を帯びる.全国・・・ヒメオドリコソウ.
67b.葉は明瞭な鋸歯-中裂して先端は尖る・・・モミジバヒメオドリコソウ.
68a.花冠の上唇は大きく花長の半分を占め、下唇の上に傘状に被る・・・69.
68b.花冠は対の様ではない・・・75.
69a.花冠は茎の先に穂状に集中して付く・・・(ウツボグサ属)70.
69b.花冠は葉腋にも付く(花穂状の場合は中間に葉が混じる)・・・(オドリコソウ属)72.
70a.明瞭な葉柄を持つ.北海道-本州の高地で花色が濃くなり走出枝を出さないものをミヤマウツボグサ
とするが基本は区別しない.北海道、本州、四国、九州・・・ウツボグサ.
70b.葉柄を持たない・・・71.
71a.本州中部以北の高山・・・タテヤマウツボグサ.
71b.園芸種・・・セイヨウウツボグサ.
72a.花冠は黄色.葉に斑が入る・・・キバナオドリコソウ(ツルオドリコソウ).
72b.花冠は赤紫色系-白色・・・73.
73a.葉に斑が入る.北海道・・・フイリオドリコソウ.
73b.葉に斑が入らない・・・74.
74a.花冠は白色-薄赤紫色,花期は3-6月.北海道、本州、四国、九州・・・オドリコソウ.
74b.花冠は薄黄色,花期は7-8月.山梨県北岳の亜高山帯の沢筋の草地や林縁・・・キタダケオドリコソ
ウ.
75a.花冠は萼の中心線に対して斜めに伸び,開口部は萼と同じ方向を向かない・・・76.
75b.花冠は萼の中心線上に伸び,開口部は萼と同じ方向を向く・・・113.
76a.花冠は萼の中心線に対して下向き,開口部は萼の中心線より下がる・・・(ヤマハッカ属)77.
76b.花冠は萼の中心線に対して鎌首を上げたように上を向き,開口部は萼の中心線より上がる・・・(タ
ツナミソウ属)88.
77a.葉先の直前で深裂する(深裂しない葉も混じる)・・・78.
77b.葉先の直前で深裂しない・・・80,
78a.葉先の裂片は単純な針形.本州(東北地方南部-中部地方)・・・カメバヒキオコシ.
78b.葉先の裂片は広がって粗い鋸歯縁(単純な針形も混じる)・・・79.
79a.花冠は長さ9-11mm(通常花柄と同長か短い).本州(長野県-滋賀県)・・・ハクサンカメバヒキオコ
シ.
79b.花冠は長さ12-15mm(通常花柄より長い).本州(北陸-東北地方の日本海側)・・・タイリンヤマハ
ッカ.
80a.花冠の上唇に紫色の斑点がある・・・81.
80b.花冠の上唇に紫色の斑点がない・・・82.
81a.花糸(葯)や花柱は下唇の中にある.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマハッカ.
81b.花糸(葯)や花柱は下唇から出る.・・・ヒキオコシ.
82a.花冠の筒部は長く,底辺は下唇のほぼ3倍・・・83.
82b.花冠の筒部は短く,底辺は下唇と同長か2倍以下(筒部が長いものも混じる、特にサンインヒキオコ
シ)・・・84.
83a.花柄が短くて花冠が密集する,萼の裂片の先端は角張る程度.本州(岐阜県以西)、四国、九州・・・
アキチョウジ.
83b.花柄が長くて花冠が分散する,萼の裂片の先端は細く尖る.本州(愛知県以東の中部地方および関東
地方)・・・セキヤノアキチョウジ.
84a.葉は幅広くて広卵形,長さは幅の1.5倍近く.本州(山梨県、長野県南部、静岡県、愛知県)・・・コ
ウシンヤマハッカ.
84b.葉は卵形,長さは幅の2倍近く・・・85.
85a.花冠の長さは12-20mm.萼の裂片の先端は長三角形状に尖る.本州(北陸地方西部-山陰地方)、九
州(北部)・・・サンインヒキオコシ.
85b.花冠の長さは10mm以下・・・86.
86a.萼の裂片の先端は単純な三角形状に尖る.花冠の長さは8-9mm.本州(関東西南部-中部地方東南
部)・・・イヌヤマハッカ.
86b.萼の裂片の先端は細まって尖る・・・87.
87a.花冠の長さは約10mm.本州(福島県以西の太平洋岸)、四国、九州・・・タカクマヒキオコシ.
87b.花冠の長さは6mm以下.本州(東北-中部)、四国・・・ミヤマヒキオコシ.
88a.花冠は黄色・・・タロコタツナミソウ.
88b.花冠は白色-青色系・・・89.
89a.花冠は白色,筒部は非常に細長く開口部手前で急に拡がる.小笠原諸島の父島、兄島の固有
種・・・ムニンタツナミソウ.
89b.花冠は白色-青色系,白色の場合は筒部が太短い・・・90.
90a.花冠の筒部は短くて通常下唇と同長か短く,長さは10mm以下・・・91.
90b.花冠の筒部は長くて通常下唇より長く,長さは10mm以上・・・94.
91a.葉は卵形,葉先は鈍くてほぼ全縁.北海道、本州、九州・・・ヒメナミキ.
91b.葉は明瞭な鋸歯縁・・・92.
92a.葉柄は葉の半長より明瞭に短い.本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄・・・コナミキ.
92b.葉柄は葉のほぼ半長・・・93.
93a.茎や葉に微毛を密生する.四国、九州(南部)・・・ケミヤマナミキ.
93b.茎や葉に微毛は目立たない.本州(関東地方以西)、四国、九州・・・ミヤマナミキ.
94a.海岸の砂地に生える.花冠は2個が並んで同じ方向を向く.北海道、本州、四国、九州・・・ナミキ
ソウ.
94b.土質に生える.通常花冠は穂状花序を作る・・・95.
95a.葉は楕円形-長楕円形,鋸歯縁は鈍い・・・96.
95b.葉は卵形-広卵形,紛らわしい場合は先が歯丸い鋸歯縁が明瞭・・・97.
96a.北海道、本州(北部、長野県).葉先は伸長して弱く尖る・・・エゾナミキ.
96b.九州(熊本県).葉先はあまり伸長せず尖らない・・・セイタカナミキソウ.
97a.花冠は密な花序ではなく、葉腋に疎らに付く.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマタツナミソ
ウ.
97b.花冠は草体の上部に穂状花序に付く・・・98.
98a.葉の長さは1cm以下・・・99.
98b.葉の長さは1cm以上・・・100.
99a.花冠は紫色.丈20cm以下.本州(関東地方以西)、四国、九州、奄美大島・・・コバノタツナミ(ビ
ロウドタツナミ).
99b.花冠は白色-薄紫色.喜界島・・・ヒメタツナミソウ.
100a.南西諸島・・・101.
100b.九州本土以北・・・103.
101a.卵形の葉は基部が円形.屋久島・・・ヤクシマシソバタツナミ(ネット上では下記ヒメアカボシタツ
ナミと混同されているようで,和名のみではなく,学名で参照した方が良い.ヤクシマシソバタツナ
ミの種学名はlaetviolacea).
101b.卵形の葉は基部が心形・・・102.
102a.丈10cm以下.葉先は鈍く丸まって全体的に楕円形に近い.屋久島高地・・・ヒメアカボシタツナミ
(種学名はrubropunctata,下記アカボシタツナミソウと連続する).
102b.丈10cm以上.葉先は短く伸長して全体的に三角形に近い.屋久島低地、沖縄・・・アカボシタツナ
ミソウ(沖永良部島、奄美大島、与論島はやや小型になりアマミタツナミソウとされる).
103a.花冠の下唇に斑点を持たない・・・104.
103b.花冠の下唇に斑点を持つ・・・105.
104a.葉の裏面は全体に細毛を生やす.特に主幹茎の毛は開出する.本州(新潟県以西の日本海側)・・・ホ
クリクタツナミソウ.
104b.葉の裏面は葉脈のみ細毛を生やす.特に主幹茎の毛は下向き.本州(主に日本海側)・・・デワノタツ
ナミソウ.
105a.花冠は斜め上(60度)に立つ.特に主幹茎は僅かに上向きの微毛を持つ.北海道、本州(近畿地方以
北)・・・エゾタツナミソウ.
105b.花冠はほぼ垂直に立つ・・・106.
106a.特に主幹茎は目視でほとんど無毛.本州・・・ヤマジノタツナミソウ.
106b.茎に細毛が目立つ・・・107.
107a.葉は長卵形で明瞭に幅より長い,よく葉脈に白色の斑が入る.特に主幹茎の毛は上向き.本州(西
部)、四国、九州・・・ツクシタツナミソウ.
107b.葉は卵形-短卵形で幅と長さが同じか僅かに幅より長い程度,時に葉脈に暗色の斑が入る・・・
108.
108a.節間は詰まり,葉の長さより狭い.よく葉脈に暗色の斑が入る.草体は全体に寸詰まり・・・109.
108b.節間は伸び,葉の長さと同長か長い.葉脈に暗色の斑は入らない.草体は全体に間延びする・・・
111.
109a.特に主幹茎の毛は開出する(横に開く).本州(福島県以西)、四国、九州・・・トウゴクシソバタツナ
ミ.
109b.特に主幹茎の毛は下向き.本州(福島県以南)・・・ホナガタツナミソウ.
109c.特に主幹茎の毛は上向き・・・110.
110a.葉は厚味があり,脈は表面で凹む.九州(対馬)、本州(広島県)・・・アツバタツナミソウ.
110b.葉は一般的で対の様な特徴を持たない.本州(福島県以西)、 四国、九州・・・シソバタツナミ.
111a.特に主幹茎の毛は上向き.本州(中国地方)、四国・・・ハナタツナミソウ.
111b.特に主幹茎の毛は下向き.本州(関東、中部、近畿、中国)、四国・・・オカタツナミソウ.
111c.特に主幹茎の毛は開出する(横に開く)・・・112.
112a.葉裏に腺点がある.通常主幹茎は赤味を帯び,花冠の筒部は薄紫色.本州、四国、九州・・・タツ
ナミソウ.
112b.葉裏に腺点がない.通常主幹茎は緑味を帯び,花冠の筒部は白色.本州(福島県以西)、四国、九
州・・・イガタツナミ.
113a.花冠はほぼ釣鐘型で下を向いて開く,白色.本州(関東以西の太平洋岸)、四国、九州、琉球列
島・・・(スズコウジュ属)スズコウジュ.
113b.花冠は唇形・・・114.
114a.葉は羽状複葉・・・115.
114b.葉は単葉で深裂-全裂する・・・(メハジキ属)120.
114c.葉は単葉で裂けない(明瞭に鋸歯縁になる場合も多い)・・・121.
115a.小葉は長楕円形で明瞭な鋸歯縁.本州・九州・・・(ルリハッカ属)ルリハッカ.
115b.小葉は楕円形-広卵形・・・(アキギリ属)116.
116a.花冠は白味が強い.葉は基部にロゼット状に集中する.丈20cm以下.本州(紀伊半島以西)、四国、
九州・・・ハルノタムラソウ.
116b.花冠は淡黄色.本州(鈴鹿山脈)・・・ウスギタムラソウ.
116c.花冠は紫味が強い.丈20cm以上・・・117.
117a.雄しべは上唇に沿い,先端は巻くように強く下向きに曲がる.本州、四国、九州、沖縄・・・アキ
ノタムラソウ(茎や葉や萼に細毛が密布=ケブカアキノタムラソウ).
117b.雄しべの先端は強く巻かない・・・118.
118a.茎に長い柔毛が密に生える.小葉の葉先は鈍い.本州(岐阜県、愛知県、三重県)・・・シマジタムラ
ソウ.
118b.茎はほとんど無毛・・・119.
119a.小葉の葉先は尖る.本州(神奈川県、東海地方、近畿地方)・・・ナツノタムラソウ.
119b.小葉の葉先は鈍い.本州(埼玉県、神奈川県、山梨県。長野県、岐阜県、福井県)・・・ミヤマナツノ
タムラソウ(ケナツノタムラソウ).
120a.花冠には毛は目立たない.北海道、本州、四国、九州、琉球・・・メハジキ
120b.花冠は白色の長毛で覆われる.北海道、本州(神奈川県)・・・モミジバキセワタ.
121a.花冠は暗紅紫色で白い縁取りがある.本州(神奈川県以西)、四国、九州・・・(マネキグサ属)マネキ
グサ(葉の鋸歯が深くて先端が尖る=キレハマネキグサ)
121b.花冠は対のような配色ではない・・・122.
122a.葉は広線形,中央部分の側縁は平行・・・123.
122b.葉は楕円形-円形,中央部分の側縁は弓曲・・・130.
123a.花冠の長さは5mm以下・・・124.
123b.花冠の長さは10mm以上・・・126.
124a.花冠は主に茎の頂点に総状に付け,薄紫色.葉の鋸歯縁は鈍い.本州(中国地方)、九州(北部)・・・
(イヌコウジュ属)ホソバヤマジソ.
124b.花冠は茎の途中の葉腋に環状に付け,白色.葉の鋸歯縁は鋭い・・・(シロネ属)125.
125a.花冠は長さ3mm.葉の長さは4cm以下.北海道、本州、四国、九州・・・コシロネ(サルダヒコ,
イヌシロネ).
125b.花冠は長さ5mm.葉の長さは4cm以上.北海道、本州、四国、九州・・・ヒメシロネ.
126a.葉は全縁で裏側に巻く.北海道、本(中部地方以北)・・・(ムシャリンドウ属)ムシャリンドウ.
126b.葉は鋸歯縁で裏側に巻かない・・・(イヌゴマ属)127.
127a.茎の稜に明瞭な毛を生やす・・・128.
127b.ほぼ無毛か茎の稜に目立たない刺毛を生やす程度・・・129.
128a.葉先の極先端は鈍い.花弁の紫色は薄く,白筋は目立たない.北海道、本州・・・エゾイヌゴマ.
128b.葉先の極先端は尖る.花弁の紫色は濃く,白筋は目立つ.北海道名寄市や千葉県で知られる・・・
オトメイヌゴマ.
129a.茎の稜に疎らに短い刺毛を持つ.本州(中部地方以西)、四国、九州、沖縄・・・ケナシイヌゴマ.
129b.茎の稜に密に短い刺毛を持つ.北海道、本州、九州・・・イヌゴマ.
130a.花冠は白色,上唇は立ち上がって細く二分する.本州(関東地方、近畿地方)・・・(ニガハッカ属)ニ
ガハッカ.
130b.花冠は白色-紫色,上唇は対の様にならない・・・131.
131a.花冠の下唇は山折りになる・・・132.
131b.花冠の下唇はほぼ平ら・・・137.
132a.花冠は白色-黄色・・・133.
132b.花冠は薄紫色-赤色・・・134.
133a.花冠は白色で下唇は黄色.葉は楕円形-長楕円形・・・(イヌゴマ属)セイヨウイヌゴマ.
133b.花冠は全体白色.葉は短卵形.九州(吐喝喇島以南)、沖縄・・・(ヤンバルツルハッカ属)ヤンバルツ
ルハッカ.
134a.花冠は薄赤色で下唇に赤色の筋が入る.葉は長卵形.北海道、本州、四国、九州・・・(メハジキ属)
キセワタ.
134b.花冠は薄紫色で下唇に赤色の筋が入らない・・・135.
135a.葉は長卵形.花冠の下唇に紫色の小斑点を散らす・・・(イヌハッカ属)ミソガワソウ.
135b.葉は三角形に近い短卵形・・・(ラショウモンカズラ属)136.
136a.花冠の下唇に紫色の斑点を持つ.本州、四国、九州・・・ラショウモンカズラ.
136b.花冠の下唇に紫色の斑点を持たない.本州(兵庫県、和歌山県)・・・オチフジ.
137a. 葉は広線形に近い長楕円形で葉先は伸長して尖り,数えにくい程の細かい鋸歯縁.北海道、本州(東
北、関東、中部,近畿)、四国、九州・・・(チシマオドリコソウ属)チシマオドリコソウ.
137b.葉はせいぜい楕円形に近く,通常粗い鋸歯縁・・・138.
138a.葉はやや横広の半円形,基部が心形で明瞭な鋸歯縁.北海道、本州、四国、九州・・・(カキドオシ
属)カキドオシ.
138b.葉はざっと見て縦長の楕円形・・・139.
139a.花冠は白色で長さ5mm以下,草体の頂点には付かず,節の葉腋に環状に付ける・・・(シロネ
属)140.
139b.花冠は長さ5mm以上,通常草体の頂点にも付ける・・・141.
140a.花冠は長さ5mm,萼の先端は尖る.北海道、本州、四国、九州・・・シロネ(茎の節間や葉の下面
に長毛がある=ケシロネ).
140b.花冠は長さ3mm以下,萼の先端は鈍い.北海道、本州、四国、九州・・・エゾシロネ.
141a.草体は小柄,丈約5cm.葉は長さ1cm前後.花冠の長さは1cm以下.屋久島、奈良県春日山・・・
(クルマバナ属)ヤクシマトウバナ(コケトウバナ).
141b.葉は長さ3cm以上.広域分布・・・142.
142a.花冠は通常,上唇は短く葯が露出し,先端は尖る.下唇の裂けは深く,中央片や左右片は縦長.葉
が鋸歯縁の場合は不規則・・・(キランソウ属)143.
142b.花冠は通常,上唇は長く葯が隠れ,先端は尖らない.下唇の裂けは浅く,中央片は楕円形.葉が鋸
歯縁の場合は規則的・・・156.
143a.花冠は白色-薄紫色・・・144.
143b.花冠は紫色・・・149.
144a.葉は基部の小歯の次に小歯を持った大きな裂片があり,葉先に向けて幾つかの小歯を持つ.本州、
四国、九州・・・オウギカズラ.
144b.葉は楕円形で粗い鋸歯縁・・・145.
145a.小笠原(父島、母島、妹島).葉先は丸い・・・シマカコソウ.
145b.琉球・・・146.
145c.本土・・・147.
146a.通常葉の最大幅は中央部.奄美大島、徳之島、喜界島、沖永良部島・・・オニキランソウ.
146b.通常葉の最大幅は中央より前方.奄美大島以南・・・ヤエヤマキランソウ(ヤエヤマジュウニヒト
エ).
147a.花穂を形成しない(葉が混在する).本州(主に太平洋岸)、四国・・・ツクバキンモンソウ.
147b.花穂を形成する・・・148.
148a.花穂の花冠は密.本州、四国・・・ジュウニヒトエ(キランソウとの交雑=ジュウニキランソウ).
148b.花穂の花冠は疎ら.本州(近畿地方以北)・・・ツルカコソウ(毛が密生=ケブカツルカコソウ)
149a.葉の表面に光沢がない・・・150.
149b.葉の表面に光沢がある・・・154.
150a.通常花穂は高く,花冠は間が空くように密に付けない.葉の鋸歯縁は鈍く,葉先は鈍い・・・ルリ
カコソウ.
150b.花穂の花冠は重なるように密に付ける・・・151.
151a.葉先は鋭角に尖る・・・152.
151b.葉先は鈍角に鈍い・・・153.
152a.葉の鋸歯縁はほぼ均一で浅い.北海道、本州、九州・・・カイジンドウ.
152b.葉の鋸歯縁は不均一で深く,特に中央前方の1対は大きい.本州(茨城・栃木・群馬・埼玉・東
京)・・・ヒイラギソウ.
153a.全体に毛深い.葉の鋸歯縁は粗く数えられる程度,葉脈は緑色.北海道、本州、四国、九州・・・
キランソウ(ジゴクノカマノフタ).
153b.全体に毛が薄い.葉の鋸歯縁は細かい,葉脈は紫色になりやすい.北海道、本州、九州(日本海
側)・・・ニシキゴロモ.
154a.葉を主に全体的に紫色掛かる.一般に背が高く花穂が伸びる・・・セイヨウジュウニヒトエ.
154b.葉脈などが紫色掛かるが全体的に緑色.背は低く花穂は伸びない・・・155.
155a.本州(関東-中部)・・・タチキランソウ(エンシュウニシキソウ).
155b.九州(南部)、沖縄諸島・・・ヒメキランソウ.
156a.花冠は全体的に短い筒型,下唇は上唇より僅かに長くて下方に向かわない・・・(シソ属)157.
156b.花冠は全体的に唇型,下唇は上唇より明瞭に長くて通常下方に向かう・・・161.
157a.茎に短毛を密生する・・・158.
157b.茎の毛は疎ら・・・160.
158a.葉の鋸歯縁は基部まで明瞭.葉の表面に短毛と長毛がある.本州(中部以南)、四国、九州・・・トラノ
オジソ.
158b.葉の鋸歯縁は基部で不明瞭.葉の表面は短毛のみ・・・159.
159a.葯は白色-褐色.本州、四国(主に瀬戸内水系の山間)・・・セトエゴマ.
159b.葯は赤紫色.本州(中部以南の太平洋側)、四国、九州・・・レモンエゴマ.
160a.葉の質は厚くて硬く,緑色・・・エゴマ.
160b.葉の質は薄くて軟らかく,緑色か赤紫色・・・シソ.
161a.通常の株では花穂は小さな車座を形成し(花穂が縦に伸びない),茎先や葉腋に密に多数付く・・・
162.
161b.花穂は車座を形成しない(花穂が縦に伸びる)・・・172.
162a.葉の表面は細かい網目状の皺に覆われる・・・(コウスイハッカ属)セイヨウヤマハッカ(皺状の葉を
持つものは外来のハーブ種が多い).
162b.葉の表面は極粗い皺筋が入る程度・・・(トウバナ属)163.
163a.萼に長毛が目立つ・・・164.
163b.萼は短毛が疎らにある程度・・・170.
164a.九州(西海岸、北部沿岸島嶼)、沖縄.茎に毛が濃く密生する・・・オキナワクルマバナ.
164b.九州山間部以北・・・165.
165a.萼片の先端は針先状に伸長して尖る.本州(青森-福井県の主に日本海側)・・・オオクルマバナ(クル
マバナとの中間型=ニッコウクルマバナ).
165b.萼片の先端は長三角形に尖るが伸長しない・・・166.
166a.花冠の長さは15mm以上.本州(東北地方-北陸地方)・・・ミヤマクルマバナ.
166b.花冠の長さは10mm以下・・・167.
167a.花穂は茎頂点に1輪だけ付く.開花期は6-7月.本州(東北地方南部-中部地方)・・・ヒロハヤマトウ
バナ.
167b.花穂の車座は茎の途中に数段付ける・・・168.
168a.花冠は紅紫色.北海道、本州、四国、九州・・・クルマバナ.
168b.花冠はほぼ白色・・・169.
169a.葉裏の葉脈に生える毛は葉脈の幅半分より長い.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマクルマバ
ナ.
169b.葉裏の葉脈に生える毛は葉脈の幅半分より短い.北海道、本州、四国、九州・・・イヌトウバナ.
170a.花冠の長さは8mm以上,白色.花穂の輪は多くて2段.本州(中部地方以西)、四国、九州・・・ヤ
マトウバナ.
170b.花冠の長さは6mm以下.花穂の車座は数段・・・171.
171a.花冠は白色で僅かに紅紫色.葉裏に腺点が疎らにある.北海道、本州(近畿地方以北)・・・ミヤマト
ウバナ.
171b.花冠は淡紅紫色.葉裏に腺点がない.本州、四国、九州、琉球・・・トウバナ.
172a.葉は長さ3cm以下,やや厚みがあり,葉脈は主な脈が弱く分かる程度,側縁は低い鋸歯が数対ある
程度,葉柄はほとんど可視出来ない・・・(イヌコウジュ属)173.
172b.葉は薄く,葉脈は細部まで明瞭,明瞭な鋸歯縁,通常葉柄が見える・・・174.
173a.葉は楕円形.北海道、本州、四国、九州・・・ヤマジソ.
173b.葉は広線形.本州(中国地方)、九州・・・ホソバヤマジソ.
174a.通常花冠の下唇中央に紫色の斑点を持つ.大型の葉の葉腋に小葉を持つ.本州(宮城県以南)、四国、
九州・・・(アキギリ属)ミゾコウジュ.
174b.花冠の下唇中央に紫色の斑点を持たない.葉腋に小葉を持たない・・・175.
175a.葉は楕円形で基部はくさび形・・・(イヌコウジュ属)176.
175b.葉は卵形で基部は心形に近い・・・177.
176a.葉の縁の鋸歯はやや低く10対以上.全国・・・イヌコウジュ.
176b.葉の縁の鋸歯は大きく10対以下.全国・・・ヒメジソ.
177a.葉の鋸歯と葉先は尖る・・・(イヌハッカ属)イヌハッカ(チクマハッカ).
177b.葉の鋸歯と葉先は丸い・・・(イヌゴマ属)ヤブチョロギ(ヤブイヌゴマ).
《主な参照文献》
・山渓ハンディ図鑑1 増補改訂新版 野に咲く花.平野隆久,畔上能力,2013.山と渓谷社,664 pp.
・山渓ハンディ図鑑2 増補改訂新版 山に咲く花.門田裕一,永田芳男,畔上能力,2013.山と渓谷社,
616 pp.
・増補改訂版 図説植物検索ハンドブック 埼玉2882種類.NPO法人埼玉県絶滅危惧植物種調査団,
2016.さきたま出版会,527 pp.
・ひと目で見分ける320種 ハイキングで出会う花 ポケット図鑑.増村往夫,2006.新潮文庫,190 pp.
・これら以外に,必要な原記載や著作物を参照した.
《主なHP》
・撮りたてドットコム Plants Index Japan.管理人 いがりまさし,www.plantsindex.com/.
・四季の山野草.管理人 M.Ohtake,https://www.ootk.net/cgi/shiki/shiki.cgi.
・あの頂を越えて,野山の花.管理人 不明,https://www.onedayhik.com/php/hanalist.php?id=
10.
・みんなでつくる日本の花アルバム.管理人 不明,mountain.jpn.ph/WebAlbum/HanaAlbum/
JHanaAlbum.aspx.
・野山の花たち -東北と関東甲信越の花-.管理人 kaochin,hanatachi.sakura.ne.jp/main_top.
html.
・松江の花図鑑.管理人 よしゆき,https://matsue-hana.com/hana/. ・三河の植物観察.管理人
katou,mikawanoyasou.org/index.htm.
著者:齋藤昌弘
[email protected]
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X. 2022
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