◆他パーティの低体温症
追い越して行ったパーティの女性(67)は、歩き方がよろよろとしだし、無関心でスローな受け答えをし出したので、休憩をとる。
カロリーメイトを食べ、お湯を5杯飲み、ダウンを着る。(小屋から6時間後)
男性二人に介助され下山。途中より体調も戻り、足取りもしっかりする。下山まで13時間。
2002年7月、同じトモラウシ山で、同じような天候で、愛知の女性4人と、福岡の8人のパーティが、山頂付近で1人づつ亡くなっている。
2006年10月7日、祖母谷温泉から、白馬岳を目指したガイド1名と女性6名。
雨であったが、午後から晴れるとの予想で出発。
白馬山荘まで、2時間弱の清水平から、みぞれになり風が強くなる。
白馬稜線前で、雪混じりの強風(時には風速25m)。強風のため倒れ始め、歩行困難に。
救助要請のため、メンバーをビバーク状態にし、ガイドは白馬山荘に向かう。
ガイドも低体温症になり、山荘に着くころは、全身の震えで立ってられないほどとなる。
山荘の従業員が救助に向い、4名救助されたが2名が死亡。
翌日、ビバーク地点で2名の死亡。小屋から300mのところだった。
発症から死亡まで2時間と思われる。
トムラウシや上記の例でも、衣服がびしょ濡れだったと証言した人は、以外に少なかった。
そこで事故調査委員会が注目したのが、最終日に十分なエネルギー補給を行っていたかだった。
初日から最終日まで、栄養摂取は十分なものではなかった。
(荷物の軽量化のため、食料の量が少ない、インスタントはカロリーが少ない)
悪天候の行動は、多くのエネルギーを消費するため、晴天時より炭水化物を多くとる必要があるが、
不足し、低体温症の第一の要因になったものと考えるべきである。
トムラウシでは、雨具は問題なかったが、
亡くなった方の何人かは、その下にダウンやフリースを着用していなかった。
それは、低体温によって、自分の置かれた状態が判断できなかったと思われる。
低体温症の最も恐ろしい点は、意識レベルが下がり、自分で防御する行動ができなくなることにある。
トムラウシでは、34℃ででる震えがなく、一気に意識がなくなって死亡した例があるが、
これは震えを起こすだけのエネルギーすらなかったためと思われる。
症状の進行は、早ければ15分で1℃下がり、体温を上げるエネルギーがなければ加速度的に進行する。
夏山で低体温症が起こる状況−雨、気温10℃以下、風速10m以上の状況で起こっている。
しかし、年齢、疲労、栄養状態、ウエア等でこの条件外でも起こる可能性はある。
回復できる処置は−風を避けた場所でのビバークも必要になる。
濡れた衣服を脱ぐ、重ね着をする。
ペットボトルで湯たんぽを作り、わきの下、股間部を温める。
心肺停止の時は、人工呼吸、心マッサージをする。
追い越して行ったパーティの女性(67)は、歩き方がよろよろとしだし、無関心でスローな受け答えをし出したので、休憩をとる。
カロリーメイトを食べ、お湯を5杯飲み、ダウンを着る。(小屋から6時間後)
男性二人に介助され下山。途中より体調も戻り、足取りもしっかりする。下山まで13時間。
2002年7月、同じトモラウシ山で、同じような天候で、愛知の女性4人と、福岡の8人のパーティが、山頂付近で1人づつ亡くなっている。
2006年10月7日、祖母谷温泉から、白馬岳を目指したガイド1名と女性6名。
雨であったが、午後から晴れるとの予想で出発。
白馬山荘まで、2時間弱の清水平から、みぞれになり風が強くなる。
白馬稜線前で、雪混じりの強風(時には風速25m)。強風のため倒れ始め、歩行困難に。
救助要請のため、メンバーをビバーク状態にし、ガイドは白馬山荘に向かう。
ガイドも低体温症になり、山荘に着くころは、全身の震えで立ってられないほどとなる。
山荘の従業員が救助に向い、4名救助されたが2名が死亡。
翌日、ビバーク地点で2名の死亡。小屋から300mのところだった。
発症から死亡まで2時間と思われる。
トムラウシや上記の例でも、衣服がびしょ濡れだったと証言した人は、以外に少なかった。
そこで事故調査委員会が注目したのが、最終日に十分なエネルギー補給を行っていたかだった。
初日から最終日まで、栄養摂取は十分なものではなかった。
(荷物の軽量化のため、食料の量が少ない、インスタントはカロリーが少ない)
悪天候の行動は、多くのエネルギーを消費するため、晴天時より炭水化物を多くとる必要があるが、
不足し、低体温症の第一の要因になったものと考えるべきである。
トムラウシでは、雨具は問題なかったが、
亡くなった方の何人かは、その下にダウンやフリースを着用していなかった。
それは、低体温によって、自分の置かれた状態が判断できなかったと思われる。
低体温症の最も恐ろしい点は、意識レベルが下がり、自分で防御する行動ができなくなることにある。
トムラウシでは、34℃ででる震えがなく、一気に意識がなくなって死亡した例があるが、
これは震えを起こすだけのエネルギーすらなかったためと思われる。
症状の進行は、早ければ15分で1℃下がり、体温を上げるエネルギーがなければ加速度的に進行する。
夏山で低体温症が起こる状況−雨、気温10℃以下、風速10m以上の状況で起こっている。
しかし、年齢、疲労、栄養状態、ウエア等でこの条件外でも起こる可能性はある。
回復できる処置は−風を避けた場所でのビバークも必要になる。
濡れた衣服を脱ぐ、重ね着をする。
ペットボトルで湯たんぽを作り、わきの下、股間部を温める。
心肺停止の時は、人工呼吸、心マッサージをする。
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