念願の黒部峡谷(黒部ダム〜阿曽原温泉〜欅平〜黒薙温泉)



- GPS
- 32:00
- 距離
- 27.1km
- 登り
- 1,812m
- 下り
- 2,776m
コースタイム
- 山行
- 8:22
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 9:34
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
復:欅平〜(黒部峡谷鉄道 トロッコ列車)黒薙駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
下ノ廊下・水平歩道滑落注意、足元だけでなく頭上要注意(ヘルメット・ライト必要) |
その他周辺情報 | ・大町温泉郷(りんご園) ・黒薙温泉(宇奈月温泉の源泉) |
写真
感想
実行できなかった黒部峡谷行きであったが、日程を調整して念願の絶景を楽しみに川崎から普通列車で前泊する大町温泉郷に向った。 (宿にお願いした翌日の朝食と昼食の弁当の量の多さにビックリ!)
翌朝、大町温泉郷から扇沢駅へバスで行く予定が、一台のタクシーのお陰でバスより若干安く行くことができ少し嬉しくなった。
前日までとは違って絶好の青空に恵まれ、黒部ダムの放水と立山連峰を眺めた後、黒部ダム駅に戻り登山口からダム下流へ下りた。
黒部ダム下に架かる木橋を渡り黒部川左岸からダムを見上げると、巨大な建造物も大自然の中では小さな異物に見えた。ダム下を流れる黒部川は、水量、水音ともに迫力満点であった。
この日のために新調したヘルメットを付け黒部川沿いを行くと幾つもの沢があり、そこを超えるための丸木橋は毎年雪崩で壊れるのであろうか、どれも新しかった。内蔵助谷出会を過ぎ対岸に鳴沢小沢ノ滝や新越ノ滝が見え一層渓谷美を際立させていた。
次第に高度を上げ峡谷は深くなり、黒部川は水量を増し、深緑に色を変え眼下を走るように流れているのを眺めながら歩いた。 途中、登山道が崩落のため通れず、高巻くことになったが、下ノ廊下歩行以上に緊張度を高めて、はしごを一歩々登り下りした。
黒部別山谷出会の谷を越えた先で、大町温泉郷の宿で作ってもらった大きなおにぎりを頂いたが完食は出来なかった。
その先の白竜峡は、更に峡谷が険しく狭くなり、対岸の岩壁が迫り、黒部川は水しぶきと轟音を響かせ眼下を流れており、ここが下ノ廊下の核心部であることを実感した。足元は花崗岩の滑りやすい場所が連続しており、登山道に付けられたワイヤーを握りしめ奇観を目に焼きつけながら歩を運んだ。
歩き始めて5時間40分、剱沢に架かる吊橋から有名な激流の交差する十字峡をしばらく眺めた。 更に峡谷は深くなり、90mほど下をS字に流れ岩盤を削る黒部川の力強さを目にした。
対岸前方の岩壁に三角の人工物が二つ見え、近づくと「関西電力」「黒四発電所」の文字が見え、地図で黒部第四地下発電所がこの奥にあることを確認した。
長い東谷吊橋を渡り黒部川右岸から洞門を通り仙人谷ダムにたどり着いたときは、さすがにホットした感があった。ダムの上を渡り事務所からトンネルを通り関西電力専用軌道を歩いて仙人谷ダム全容を見た後、更にトンネルを抜け仙人谷駅であろう場所から外に出て宿泊先の阿曽原温泉小屋を目指した。仙人谷と阿曽原谷の間は「高熱隧道」と呼ばれるだけにトンネル内は暖かく蒸気でメガネがくもった。
阿曽原温泉小屋は、平日にもかかわらず多くの登山者で賑っており、案内された10畳部屋は既に九州からの団体さん13名が休んでいた。(計17名)夕食はご主人のお話付きの評判カレーライスで、しっかりと2杯いただいた。
二日目も晴天、小屋のご主人に見送られ阿曽原から欅平を目指し出発した。阿曽原谷を越え樹林を登り水平歩道に出ると遠く山々の下に黒部川が見え山の奥深さを改めて感じた。
折尾ノ大滝で休憩し、折尾谷の隧道を通抜け更に行くと岩壁を刳り抜いた水平歩道がその先まで続いており、右眼下には200mほどの谷が見え緊張の連続であった。「大太鼓」付近からの奥鐘山西壁の雄大な景観には圧倒された。
志合谷の長い隧道を通りながら小説「高熱隧道」に記述されていた志合谷での泡雪崩の場面が想い出された。
蜆谷の隧道を通り鉄塔近くの水平歩道終点のプレートを見て下ノ廊下と水平歩道を歩きとおしたことを実感した。
高度約200mの急なシジミ坂を下り、欅平駅から黒部渓谷鉄道に乗車して黒薙駅経て秘境の一軒宿黒薙温泉に夕方到着した。
宇奈月温泉の源泉で疲れを癒し、地ビールで無事完歩を祝した。
精神がすり減るような緊張感の連続であったが、雄大な大自然と圧倒する黒部峡谷の絶景、奇観にふれてた大満足の山行であった。
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