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Yamareco

記録ID: 102625
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白馬・鹿島槍・五竜

高瀬ダム・濁り沢周辺,カモシカ調査

2011年03月09日(水) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
1.0km
登り
1m
下り
24m
天候 うす曇り
過去天気図(気象庁) 2011年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
北葛沢三号橋
高瀬トンネル
サルのものが多い
サルのものが多い
足跡を撮るTomさん
足跡を撮るTomさん
先端が齧られているが・・
先端が齧られているが・・
カモシカだ!
もう1頭いた
降りてくる
この画面の中央のやや左下に見える小さな岩の所にいた。
この画面の中央のやや左下に見える小さな岩の所にいた。
どんどん降りてくる
1
どんどん降りてくる
30mもない
子どもだ 可愛い!
3
子どもだ 可愛い!
食べている
サルの糞
テンの糞か
高瀬ダム
濁沢・吊り橋
まだいたッ!
遊んで入いるみたい
1
遊んで入いるみたい
サルが来た

感想

 一昨年2月に森の支配人,森のくらしの郷のTomさんから『カモシカ調査に行きませんか』と言う誘いを受け、この地域の調査に同行するようになって3年目にしてやっとカモシカに会えた。
 カモシカ調査はTomさんが環境省からの依頼で冬期に決められた定点を廻って固体や棲息痕を確認すると言うもの。手段として車を使うので高瀬ダム堰堤上のトンネルを越えて濁沢のつり橋まで入り、歩いたのはその先だけ。なので山行記録に書くのは気が咎めるが情報提供と言うことでお許し願うことにする。

 調査は定められたポイントを巡回して目視によるカモシカの固体視認,足跡や食痕等の棲息痕を調べると言う仕事。20ヶ所近くある定点のそれぞれで15分間,目視による固体の発見の他,足跡や食痕等,生息痕の発見に努める。
 決定的なのはやはり固体を発見することだが、そのような幸運は一冬に1〜2例ある程度で、それだけを目的にするわけには行かないので痕跡の発見が重要な仕事になる。
 定点を正確に把握するために、時には雪に埋もれた欄干をスコップで掘り出して確認することから始め、次にその周辺の足跡と食痕を調べる。
 灌木の枝先の芽の部分が齧られていれば『前年の春から現在までに何者かに食べられたと言う事実が分かる』と言う程度のゆるい痕跡調査でしかなく、しかも競合するサルの食痕との違いが明確でなく『?』をつけるものが大半である・・,と言う風に状況証拠の発見と記録に終始する地味な仕事である。
 サルは前肢で枝を掴んで食べることが出来るので樹肌がきれいに剥ぎ取られている場合はサルの食痕と特定できる。カモシカにはそれが出来ないので先端のみを齧り取られている場合が殆どであるが、今食べたばかりのサルの食痕を確かめると先端だけを齧り取ったものが見つかることがある。
 そうなるとカモシカのものは推測の域を出なくなる。なので足跡と食痕が同時に見つからないと特定するのは難しく、そして見つかる足跡の殆どはサルのものである場合が多い。
 このように視認が難しいだけでなく、生息痕の発見も容易ではないと言うことなのだが、居ることは確実なのでわずかでも痕跡の発見には大きな意味がある。

 このようにして20ヶ所近くある定点を1つ1つ調べて七倉ダム上の七倉山荘のゲートまで来た時(10:36)、Tomさんが『いたッ!』と叫んで右手斜面の中腹を指しカメラを構えた。『ここは目撃例が多い所』なのだが『これまで一度も会えなかった』のだとやや興奮気味。
 カモシカは2つの斜面が凹角をなして合わさる、周辺に比べればやや緩やかな窪地のような所に立っていて上に登ろうとする姿勢をとっていたが、一転して右下に降り始めた。Tomさんの『もう1ついるッ!』と言う声に右手を探すと上の個体の少し右下にひと回り小さい個体がいるのが認められた。明らかに親子である。
 しばらく見ていると2頭は何と下に降りようとしていた。『下にある栂の葉を食べたいんじゃないか・・』とTomさん。その言葉通り、下にいた小さい方の個体がどんどん降りてきて温泉パイプの保護柵を乗り越え、さらに下って至近距離と言えるところまで降りて来ると言う願ってもない展開となった。
 11:00,目の前15〜20mの所に子どもが全身を現し、栂の葉を食べ始める。時々こちらの様子を見たりするがあまり警戒している感じではない。『人を怖がらないのは観光客に見られて慣れているから・・』『親が恐がらないから子も安心している』とTomさん。親は茂みの中で見えにくいが、20分ほど食べて一旦上の方に戻り、そこでじっとして動かなくなった。食事の邪魔をしたようだ。
 11:50『まだ食べたりないんだ。やっぱり気にはなるんだろう・・』『いなくなればまた降りて来るに違いない』と言うことでその場を離れ高瀬ダムに向かう。

 ダムの堰堤を登ってトンネルを抜け、濁り沢のつり橋の前に車を停めてそこから歩く。と言ってもつり橋を渡って不動沢の手前の梯子の辺りまでざっと見て廻るだけ。昨年はサルの食痕と足跡を丹念に見て廻ったが、今回は目につく食痕がなかったので早々に引き上げる。雪は締まっていてツボ足で充分だった。
 『雪が融ける前に手ぬぐいもって湯俣まで行こう』とか、『雪のブナ立尾根を登りたい』等と言う話しが毎回出るが一向に実現せず、宙に浮いたままだ。
 帰りにもう一度探すと先刻の位置から少し右手にいて食べていた(13:15)。子どもしか見えなかったが、食べると言うより遊んでいる感じでまだ帰る気配はなかった。食べ始めて2時間余り,親が近くで見守っているのだろうが、余ほど安心な場所のようだ。

 この日見た生き物は、カモシカのほかにサル,テン,カモ,カケス等。サルの群れには数回会ったが、止めた車に近づいて目の前でポーズをとった奴がいた。多分,ダッシュボードのビスケットが見えたのだろう。誰がやるかッ!
 葛温泉付近では対岸の林の中を駈け廻るテンを,ダムではカモ,路傍では珍しくカケスを見る。他にサルとテンの糞も。

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