月刊 百四丈滝 2月号 特集 : まさかのラッセル泥棒 & 氷壺アイスクライミング
- GPS
- 11:46
- 距離
- 21.4km
- 登り
- 2,142m
- 下り
- 2,129m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
この時期は一里野温泉の駐車場から山毛欅尾山観察舎の案内に沿って進みます |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は随所にあり、その日によって異なります。 雪の経験が深く、冷静な判断ができることが条件です。 |
写真
感想
月刊百四丈滝の最難関、2月号を実現するにはコンディションがすべてです。この日は穏やかな晴天ということで厳冬期らしからぬ天気、もうこの日を逃すとチャンスはないかもというくらいで気合い入れて4時半前にスタートします。
ハライ谷ルートから行くのが一番効率的なのですが、先週の下見で地獄の林道片斜面を味わってしまってあれはちょっと・・・という訳で片斜面を歩かなくて良い導水管尾根から行くことにします。
取り付きは比較的容易でした。ただ導水管は雪を融かすためむき出しになっておりまたその周辺には雪に穴が開いてたりするのが近寄れません。なので痩せ尾根みたいな感じですがどんどん登っていきます。
新雪が積もったので少々ラッセルを強いられます。今回は足への負担を軽くするためG3のカーボン板で軽量ですがセンター幅は105、長さは178と少し物足りませんがまあ我慢します。
登りつめると檜倉方面からのトレースがあります。おっとこの太さはpon2oonのトレース、しかもまあまあ新しい・・・誰だ?と大体面子は数えるほどです(笑)
しかり場分岐が近づくとponのトレースがなくなりました。あれ?ここで止めた?でも滑走跡がない・・・と気になりながらもしかり場分岐からノートレースなことに満足して(笑)危険な痩せ尾根を進みます。
口長倉までは先週下見したので予定したルート、斜度が緩めのラインで巻きます。すると下の方にトレースが・・・カモシカやイノシシではない、ストックの跡が見えます。しかり場分岐を巻くとはかなりの通・・・と思いながら進みます。するとそのトレースに近づいていき、ついに合流することになりました。やっぱりトレースがあると楽ですね(笑)今日は甘んじて少しでも楽させていただきます。
標高が上がると雪は新雪の乗っているところとガリガリ、氷のようなところとに分かれます。クトーの食いつきもあまりよくなく、と言って氷を避けると雪庇に近づく・・・となかなか難しい美女坂の登りでしたが、なんとかスキーで登り切りました。
美女坂の頭まで来ればもう少しです。スキーだとスイスイ歩けます。それでもまあまあ距離はありますが、標高2050m付近まで来たら雪庇の方に近づくと、おーキタキタ、百四丈滝〜水量が少なくて氷壺の口が小さいのが特徴!天気もバッチリと写真を撮っていると、あれ?氷壺を登ってる人がいる!あ、スキーの滑った跡が四塚山方面から〜なるほど。これはもう滝壺まで滑れという指令!という訳でシールを剥がして無垢のパウダー大斜面を標高300m分滑ります。ふわふわと滑っては写真を撮り、いよいよ氷壺に到着!すると登っていたのはかの大魔神さんとサブさんということが分かりました。まぁ2月にここに来るのは猛者しかいないので選択肢は限られてますね・・・で、大魔神さんに「アイゼン持ってる?」って聞かれてあると答えたら氷壺登ったら〜と言われて登ることに。しかし本物の氷なので、ピックストックでは刺さらず、アイゼンもかなり蹴り込んでやっとグリップするという状態ですがなんとか登りました。水量が少ないのでずぶ濡れにはなりませんが、なかなか貴重な体験となりました。下りはもっと怖くて慎重に慎重に下ります。もし滑落したら絶対止まりませんから氷で怪我するだけです。
地獄の登り返しはponのラッセルに甘えさせていただき楽勝?でした。「こんなにラッセル泥棒して委員会」から召集されそうです(笑)
美女坂の滑降は凍っている部分はバランスに気をつけないと危険です。この辺りも厳冬期と残雪期の違いの一つになります。美女坂を滑り終えたらシールを貼って登り返し、そのままシールで滑ったり登ったりを繰り返して口長倉の巻きに突入します。この大魔神トラバースは絶妙の斜度で作られていて効率的なのですが、かなりの急斜面にもあるので精神衛生上よくないです。もし踏み外して落ちたら這い上がるのにどれだけ時間がかかるのか、というレベルです。それとは関係ありませんがシールを剥がしてスキーを履く時にスキーを滑らせてしまい谷側に15mほど滑り落ちて止まりました。ブレーキはセットされてましたが雪が柔らかく止まりが悪かったようです。
そんなこんなでしかり場分岐に戻って来たときにはもう体力使い果たした感満載でした。それでもスキーで滑り登り返しも登り、疲れ果てた体に「クソー!」とか言いながら誰もいない雪山を歩き、いよいよラストの導水管尾根のスキー滑降。ワカンのパーティーのトレース、スノボの滑降跡などあり割と入ってる人多いんですね。導水管に落ちないよう注意して下ります。
いよいよ導水管も地中に埋まり、そうするともうあと少し、最後は崩落地跡で薮のない40度くらいの斜面を気持ちよく滑って県道岩間線に合流してゴール!ハライ谷を滑った大魔神さんとサブさんのトレースもあり、無事に安堵。
結果、予定外に氷壺まで滑って下りることになり、それはそれは貴重な体験となりました。それでもほぼ計画通りの下山時刻となったので、ponラッセルと大魔神巻きのおかげだと思います。百四丈滝だけでも体力お腹いっぱいなのに、これで0時スタート四塚山にも行くって、さすが北陸最強軍団。格の違いを感じました。私もまだまだ鍛錬が必要です。
コメント
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momochannさん、おはようございます。
お邪魔させていただきます。
この時間で「おはようございます」を言うのはmomochannさんだけにしております。
アナタにしてみればこの時間は勿論朝ですよね。
さてさて、スンゲーことをやってのけますたわね。
いくら好天気だとかトレースがあったとかを差し引いても圧巻としか言い様が
ないわ。
見ているこっちが怖くて仕方ありません。
夏にmomochannさんと出会った加賀禅が全くの別世界(恐怖と美しさ)になっているのね。
でもこれでnakkiさんやkabukiyaさんに刺激を与えてしまったわね。
こんなスンゲー事をやっちゃうと次なる目標はちょっとやそっとの事で満足出来なくなるわよ。
(やっぱ地獄谷ダイブしかないかしら?)
私も昨日はとあるお山に出向いたんだけど、今回ばかりはmomochannさんに是非ともいて欲しいとつくづく思ったわ。
今の私も体重が激減でクタクタよ。
でもホント素晴らしいもの見させていただきありがとうございました。
今日はむたむたと出歩かないでゆっくりと昨日のハイライトの余韻に浸って休んでちょうだいよ。
Millerさんおはようございます!
コメントありがとうございます。
今年は月刊百四丈滝の毎月発行が目的なので、これを超える山行を狙ったりするつもりはないですよ〜もうお腹いっぱいですし
あ、でも地獄谷ダイブはありますね!これはさすがに残雪期になってからですね
ん?とあるお山で体重が激減って、もしかして小原林道から赤兎山か、はたまた取立山から大長山とか・・・
どっちもラッセル地獄を堪能できますね!周回遅れのレコお待ちしています
滝壺まで降りられたんですか!
予定外⁉な被写体様がおられたおかげで大きさが分かります、昨年3月より遥かに大きいですし形も上部が広いですねー。それと滝の水の出口が凄い。
昨年1発目で結構イイ状態のもの見れたので正直「もういいや!」って気持ちがあったのですが確かに刺激は頂きました!やっぱりまた見て見たい‼
momochannさんのせいですよ(笑)
でもスキーでもラッセルするほどだからまだ雪固まってませんよね?やっぱりつぼ足でしかり場まで行けるくらいにならないと私には厳しいなー。
やっぱりmomochannさんのレコで満足することにします(笑)
ホントにお疲れ様でした(^。^)
kabukiyaさんコメントありがとうございます!
何度見ても百四丈滝はいいもんですよ
しかもその時によって氷壺の形が違いますし〜刺激刺激(笑)
確かに昨日のコンディションを歩きでは相当ハードだったと思いますが(山スキーでも相当ハードです)、避難小屋泊まりならkabukiyaさんの体力があれば行けるのではないでしょうか?
もちろん氷壺の横でテント泊ってのも魅力的です(笑)
あ、氷壺に土下座忘れてました!というか、人間が小さすぎて土下座しているのか休憩しているのかよく分かりません(笑)
昨日のような好天、絶対月間百四丈の滝二月号発刊だと期待していました。でもまさかあのトレースがmomochannさんだったとは・・・私たち軟弱ワカンパーティは一里野スキー場ゴンドラで上がって檜倉の林道からいつもの登り返しのないようなルートで行こうとするとスキーのトレースが?メンバーの一人が大魔神さんと同じ山岳会で午前0時から入山して白山へ行くという情報を得ていましたのですが、どうも違う?しかも下山予定の導水管尾根からみたいだし、林道からコルまでのトラバースもいい感じで誰だろう?って思っていました。おかげでしっかりトレース使わせていただきました、ありがとうございます。スキーの後をワカンで歩いても体重の思いおじさん達はごぼる(北陸の方言、福井ではがぼると言うみたい)と文句言いながら大展望を楽しみました。60歳以上で病気持ちが5人、最重度の障碍者1名、初心者などの怪しいトレース、笑ってください
syounenkさんコメントありがとうございます。
一里野スキー場から登って下りは導水管ルートだったのですね!
昨日はとてもいい天気で眺望と雪山を堪能されたと思いますが、ゆっくり歩くのも贅沢だと思います・・・体力全部使い切ると苦行になりますので(汗)
実はどこかでお会いしているかも知れませんね。今度ピンクヘルメット見かけたら声をかけてみてくださいね!
厳冬期の百四丈でこれだけの好天というのは今後あまり期待できませんね。
思いがけない出会いもあり、大満足の山行になったのではないでしょうか。
こんな景色は写真でもあまり見ることができないので貴重な体験をさせてもらいました。
#今回も片斜面を行ったのかと思いましたがさすがに導水管でしたね。さすがです。
Sanchanさんコメントありがとうございます!
そうなんです。これを厳冬期と呼んでいいのかどうか?というくらいいいコンディションでした。今日は5時間くらい昼寝しましたよ(笑)
ちなみに大魔神隊はハライ谷を滑って片斜面をいかれました(笑)
片斜面が怖いって言うと、百四丈滝の斜面に比べたら全然!と当たり前のようでしたが、それは口長倉としかり場分岐の巻きルートで明白になったのでした(笑)
これは大魔神さんの記録です。
http://kataya.sakura.ne.jp/17ski/hyakuyojou.html
いつも拝見しております。
コメントは初めてかもしれませんね。
私も昨年4月に徒歩ですが百四丈滝へ行きましたが、
厳冬期の2月の景色はまるで違った山のような険悪な山の様相ですね。
そこをいともサラリと行ってしまわれるのも凄いことです。
ましてや見事な快晴、素晴らしい絵を楽しませてもらいました。
百四丈滝、あの滝の造形は私もまた見たいと思うほどです。
でもスキーでは行けるかなぁ〜
tekapoさんコメントありがとうございます。
以前に一度コメントでやりとりさせて頂いたような気もしますが、気のせいかもしれません
その昨年4月のレコ拝見させていただきました。去年は雪が少なかったので氷壺も随分小さく茶色くなってましたね。私も最初に見たのは4月でやはり茶色くなっており、純白のが見たい!と思ってました
日帰りは何度行ってもハードですが、何度見ても素晴らしいです
3月の終わりの晴天の日、13時前後だと虹が出ますので是非!
有言実行でカッコいいです^^
2月の氷壺デカいですね、真っ白でとても神秘的です。
青氷も綺麗だし四塚山の景色も素晴らしい・・・溜息しか出ません。
もみもみと前回の檜新宮での土下座のご利益ありましたね(笑
私も早く見に行きたいです!
nakkiさんコメントありがとうございます。
昨年の3月もかなり大きかったですが、2月の特徴は口が小さく締まってることですね
もみもみの木と檜新宮の土下座のご利益は大きかったです〜まさかのラッセル泥棒で楽できて予定外の氷壺へ滑降できましたので!
3月号は泊まりで行って七倉山まで足を伸ばして火の御子峰も拝んでこようかと考えています
2月号待ってました!
労せずして絶景を拝ませて頂いてしまい申し訳ないです^^;
しかしながら己の技術では眼で拝むこと叶わずで…。
ため息しか出ない景色ですー。
一年通しての1番のハイライトな季節なんじゃないかと思いますね。
夏はたおやかな白山一帯も厳冬期となると凶悪になりますね´д` ;
今後もお気を付けて連載なさって下さい笑
henjintakkunさんコメントありがとうございます。
はい、2月号が一番ハイライトでしょう。3月は可能なら上旬と増刊号で下旬の2回行こうかと企んでます(笑)
henjintakkunさんは経験と訓練を積めばいずれ行けるようになると思いますよ。あとは滝にかける熱い思いさえあれば・・・
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