スノーシューで行く東北の隠れた名峰 栂峰1541m
- GPS
- 08:28
- 距離
- 18.8km
- 登り
- 1,223m
- 下り
- 1,224m
コースタイム
- 山行
- 7:51
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 8:29
天候 | 晴れのち曇り、10:30頃から小雪、登山口周辺は小雨。下界は晴れ、夕方頃は晴れて下界から見えるようになっていました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
スタート地点付近積雪2m。全線積雪、26日以降の新雪のため、MSR Lightning Ascent 25を以ってしても25〜40cm沈みます。登山口付近と蔵王神社下が急登ですが、総じてなだらかなトレイル。新雪で雪庇が埋まり気味でしたが、雪質からして雪崩の心配はあまりなさそう。 |
写真
装備
個人装備 |
バックパック カリマーDale28
アッパーシェル TNFアイシクルジャケット
ミッドレイヤー モンベルプラズマ1000ダウンジャケット(携行のみ)
スキンズA200ロングスリーブサーモ
ロワーシェル TNFキチャトナパンツ
CW−Xエボリューションロングタイツ
SOSフリースキャップ
TNFバイザー+モンベルメッシュスクリーン
グローブ Blackdiamondソロイスト(下山時)+サロモン insulated(登行時)
シューズ サロモンS-LAB X ALP
ソックス スマートウール
ゲイター SEA TO SUMMITアルパインゲイター
スノーシュー MSR Lightning Ascent
アイゼン グリベル エアーテック ニュークラシック(携行のみ)
軽アイゼン モンベルチェーンスパイク(携行のみ)
ピッケル Blackdiamondレイブンプロ(携行のみ)
ポール LEKI MAKALOUカーボンライトAS
ファーストエイドキット
ハイドレーション+ポカリスエットイオンウォーター1.5L(▲0.7L)
携行食 クリフバー5(▲2)+塩熱サプリ
携帯携トイレ1(▲1)
iPhoneSE+Geographica+Runmeter
ソニーDSC-HX30V
ツエルト ファイントラックFAG0104
ヘッドランプ TIKKA RXP
|
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備考 | 平地から全線スノーシュー+ポールだったため、アイゼンとピッケルは全く余計だった。 |
感想
3月最終週は、山形の実家へ。
前日火曜日は蔵王温泉スキー場で、雪崩の恐れやら少雪やらで過去3年ほど滑れなかった横倉の壁を15本程攻めて今年の滑り納め。壁の横にリフト掛けてくれとは言わないが、リフトの乗り場があと2ピッチ下だと壁の残り1/4を直滑降せずに楽しめるんだが。
実家から南方に、米沢市田沢地区の奥にあることに由来する通称「田沢山」がある。東側に三角形の高倉山を抱いて屏風のように聳える山で、西側のピークは栂峰と飯森山のいずれか(不明)。福島の日中ダムから飯森山、小屋から栂峰までの登山道はあるものの、この2つのピークを結ぶ道も東側ピーク1515峰への道もない、マイナー観ありありの薮山だが、BCスキーヤーの間では知られているらしい。
どうやら豪雪地である山形県置賜地方の方言らしく、同じ県内の他地域の人にすら通じないのだが、春先の晴天高温で湿った雪が朝の冷え込みでクラストした上を歩くことを、「堅雪渡り(かたゆきわたり)」と言う。遥か昔だが、春休みには田んぼの上をショートカットして遊びに行ったり、裏山に入ってシュプールも出来ないガリガリバーンをスキーした。
残雪期で堅雪渡りが使えれば、3つのピークのうち少なくとも2つは日帰りでも落とせるだろうと期待して帰省。
日曜からの雪で新雪が積もって誤算その1、天気予報で雨マークが続くのが誤算その2だったが、麓の天気が一番良さそうな予報だった水曜日29日を実行日に設定。
(登山口まで)
小雪舞う峠を越えて小屋地区へ。登山口まで4.2kmを残し、集落内で道路除雪区間終了…。除雪されていないことよりも積雪が凄い。登山口5:30スタート予定のところ、5:17長い林道歩きを始めるが、ツボ足では踏み抜きの嵐だったため、即座にスノーシューを装着。(GPXトラックが引き返しているのは、ヘッドラップ消灯確認のため…。)降雪前と思しきBCスキーヤー1人のトレースと並行に、栂峰神社に安全祈願し、スノーブリッジを渡り、2時間近くを要してようやく登山口到着。途中融雪水が道路を横切って2m以上の深さの谷になっている箇所があり、下流のスノーブリッジを渡った。その時の積雪次第だが、スノーブリッジが落ちたら突破に難儀しそう。
(登山口から1102ピーク)
入山ポイントが分からず一時逆方向に向かったが、砂防ダム下に怪しげなスノーブリッジ(下に橋があるのでアーチ状になっていない)を発見し、渡った。以降は登りでは見極め難いトレイルをスキップして尾根沿いを登行。細かいアップダウンがある尾根道に倦み始めたところで、トレイルに合流。ヤドリギ密集地を通過すると間も無く1102ピーク。西の視界が開けたが、飯豊連峰は本山方面は雲の中、2つ真っ白なピークが見えた。BCスキーヤーのトレースは深雪のため登山口で消失。
(1102ピークから栂峰)
尾根道を概ね真っ直ぐ、時折雪庇や吹き溜まりによるアップダウンを巻きながら進み、急登を超えると蔵王神社(山頂稜線)。蔵王神社は、祠なしの木札だけらしい。ここまで4時間以上掛かるのは全く予想外、飯森山方面が雲に飲み込まれているのも残念。頭上の青空を慰みに、早速栂峰に向かう。緩い下りから緩い登りが繋がっていくが、樹木の根元に吹き溜まる雪で歩き難く、少しでも足元がフラットなルートを見つけながら進む。
樹氷の間を登り詰めると、栂峰山頂。ほぼ5時間所要。夏場は大きな栂の木々に囲まれて風景が見えないらしいが、積雪推定5mの今は周りが見える。これは晴天だったら相当素晴しかろう。が、1515ピーク・吾妻山方面は雲、飯森山方面も雲、飯豊方面も雲。天気が良ければ朝日連峰、月山、蔵王連峰、南の磐梯山も望めそうだが、麓も霞み、残念ながら見えたのは米沢盆地の南半分くらいまで。相当な眺望が得られるのは、冬期の数少ない晴天日限りか。
(栂峰からスタート地点まで)
超ファストハイカーの私の脚で山頂まで5時間。1515峰も飯森山も片道2km程で、スタート地点から登山口までの所要時間をそのまま持ってくると往復にはそれぞれ2時間を要する見込みながら現時点では眺望期待できず、ということで、下山することにした。
間も無く雪が降り出し、小雪の舞うなかを1102ピークまで降り、更に一般道路のような広いトレイルを真っ直ぐ降りて杉植林帯へ。概ねトレイルに沿ってどんどん標高を下げ、登山口到着。天候小雨。超絶に重たくなった湿雪を跳ね上げながら林道を戻って、13:46スタート地点到着。想定を大幅に上回る8時間半で本日の山行終了。会ったのは多数のウサギの足跡、上部ではカモシカと思しき足跡、麓ではタヌキの足跡。見かけた生き物は雉複数回のみの終始無人。風もなく、聞こえるのは自分が発する足音と衣擦れのみの静かな山行だった。
スタート地点付近の家の前で、除雪に感謝(←これ大事ですよ。公道以外の除雪はその家の人がしてるんです。)しながら転回して帰路についた。
ハイクタイム:8時間29分
距離:18.83km
登り:1201m
降り:1201m
登って理解。飯森山は、栂峰より50m高いが2km奥。地図によれば栂峰の右にあるはずだったが、これまでどれがそうか分からず。右の稜線を下って水平移動した先のピークがそれだった。
「堅雪渡り」どころか、標高差こそないものの、黒戸尾根往復と同じ距離(水平移動距離)を全線スノーシューで歩いた。数年前に買ったものの試し履きしかしていなかったスノーシューを図らずもフル活用したが、履いて歩く距離じゃないかな。厳しかー。
ゴールデンウィークなら残雪歩きで大分楽に行けるかもしれない。登山口へのアプローチ確実な福島日中ダムから。
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