知られざるトレイル天国-香港- Sense of Wonder in Hong-Kong
- GPS
- 24:33
- 距離
- 17.1km
- 上り
- 1,841m
- 下り
- 1,814m
コースタイム
- 山行
- 2:06
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 3:01
- 山行
- 3:23
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 3:45
天候 | 曇り/晴れ、最低気温23℃、最高気温29℃、湿度95% 日本での初夏から夏の陽気、短パン半袖で十分。 テン泊ではシュラフカバーで十分(ただし蚊対策は必要) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
4月7日(金) 福岡→香港 4月8日(土) 将軍澳→(Bus)→西貢→(Taxi)→西灣亭→(マクリホーストレイル)→鹹田灣 4月9日(日) 鹹田灣→(マクリホーストレイル)→北潭凹→(バス)→彩虹 4月10日(月) 香港→福岡 |
コース状況/ 危険箇所等 |
トレイルは整備され明瞭、危険個所はない。 危ないのは、黒くて小さい「ヤツ」だけだ。 |
その他周辺情報 | 香港山海徑倶楽部 http://sankaikei.com/ トレイル状況(AFCD/魚農自然護理署)https://goo.gl/QqQYWu 天気予報(香港天文台)https://goo.gl/S4e4YV 香港公共交通機関観光協会 https://goo.gl/QiJWII |
写真
感想
【香港で山歩きはできるのか】
久しぶりの海外出張は初めての香港。
若竹屋の酒を扱ってくれている Sake Bar 「OKRA Hong Kong」に新酒サンプルを届けに行くことになっていた。営業が大の苦手な僕は行くつもりがなかったのだけれど、副社長が「たまには社長が行っておいで」と言う。ウチのシャドウプレジデントの命令だから、仕方がない。
でも、どうせなら登れるところがないかな〜、と検索してみると…おぉっと〜ビックリ!素敵なロングトレイルがあるではないですかっ!亜細亜の魔都、魅惑の香港にまで赴いてトレイルハイキングをするなんて我ながら酔狂とは思いますが、せっかくなので歩いてみよ〜っと★
今回のお目当ては「マクリホース・トレイル(麥理浩徑、MacLehose Trail)」と白い砂浜。ホーボージュンさんが楽しいレコを「Akimama」にアップしていたので、ソコに決めた。出国前夜まで押した仕事のため、なんだか準備不足の気もするが、とりあえず50Lザックにシェルターと寝袋と雨具は積んだから、なんとかなるかぁ?と、今回も相変わらずの行き当たりばっ旅なのだ。
仕事のはずなのだが、どう見てもバックパッカーの風体で香港空港に降り立った。出だしから、やっぱり忘れ物している。や、忘れ物というか…財布を開くと空っぽなんだよ。まぁパスポート忘れなかっただけでもマシか。とりあえずカードで香港ドルをキャッシングして、上環エリアに向かう。
【香港の夜は…やっぱり覚えてない(笑)】
「OKRA Hong Kong」は上環エリア、古き良き香港と新しくて刺激的な香港が交差する、魅力的なエリアにある。坂道と階段が交差する角々には、スノッブ達が夜な夜な集まる怪しい店が立ち並んでいた。ホットパンツと肌けた上着の女性たちを横目に、飲みすぎて上気したままOKRAに戻ってきた。
そこでMaxが握りだす鮨と言ったら…Amazing!とかFantastic!とか、ああ貧弱なボキャブラリーが恨めしいけど、とにかくそんな言葉しか出ないくらい旨かった。そして一緒に時間を過ごしてくれた楽しい香港の仲間たち。ゲラゲラ笑って、何度も乾杯して、I was really fun! てな感じで、酔いつぶれたね。どうやって帰ったのかなぁ、ホテルまで。やっぱり覚えてないや(笑)。
【とにかく歩いてみよう】
翌日の昼近く、ココどこだっけ?とぼんやりしつつ、目が覚めた。
マクリホーストレイルのステージ1から歩くつもりだったけど、こんな時間になったら途中まではエスケープだな。ということで、西湾亭からスタートすることにした。どうやって西湾亭まで行くんだっけ…と考えていたら、地図を忘れてきたことに気づいた。このままでトレイルに入って…も、いいか。シェルターもシュラフもあるんだし、何とかなるさ。とにかく歩き始めよう!的ノリでホテルを出たんだな。
MTRやバスの乗り間違いやらをしつつ、トレイルの入り口まで辿り着いたよ。
歩き始めてみれば、地図は要らないほど整備されたトレイルだった。準備不足は褒められたもんじゃないけど、何とかなっちゃったもんね。と二日酔いの頭が開き直ってるぞ。さておき、香港のハイカーは日本よりある意味、自由だ。
まず、がっつりハイカースタイルな人が30%。スニーカー履きで運動するつもりでいるよ的スタイルが40%。街からオシャレな格好のママやってきた人が30%。色んな人たちがこのトレイルを歩いていた。思った以上に多いハイカーに、普段はなるべく人のいないルートを選びたい僕としては、ちょっと残念な気分にもなりかけた。ただ前述のとおり、香港ハイカーのマンウォッチングは面白い。高い確率で若者は音楽を鳴らしながら歩いている。しかも一緒に大声で歌ってる。それがRADWIMPSだったりするのでウケる(笑)。
【砂浜テン泊は最高で最悪】
岬の登りを越えて現れたビーチは、美しかった。
鹹田灣は香港でも知る人ぞ知る、人気のビーチらしい。車では来られないこの砂浜にはハイカーやファミリーが集まり、それぞれの海を楽しんでいる。僕は海の家「海風ストア」で喉と腹を満たして、シェルターを張るつもりだった小さな岬をもう一つ越えた所にある大灣に向かった。
そこはとても贅沢な浜辺だった。
白い砂と蒼い海にはほとんど人がいない、つまりこの素敵な視界をほぼ独り占めした場所だった。シェルターを張り、マットを引いて寝転んで、煙草を一服。う”〜ん、染みるなぁ〜。幸せな気分のまま、ワインもマグに注いで喉に流し込む。目に映る青・蒼・藍のグラデーション。波の奏でる潮騒が耳を覆い、舌を潤す果実の香り、五感のすべてが満たされながら、それでいて痺れているような感じ…。これだから旅はやめられないんだよなぁ。
言葉通りにトリップしたまま、日は暮れていった。
持参したキンドルで本を読んでは(この日は米沢万里さんの『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を再読)、月明かりに照らされた波打ち際をぼうっと眺めたりした。気温は23℃、何も羽織らずとも良いので知らぬ間に寝落ちしていたようだ。午前3時前のころ、フト目覚めたので小用をたしつつ煙草に火をつけ、そのまま海を眺めていた時の事。
キラ、と海が光る。
青い光が、キラまたキラリと光って見えるのだ。ザパンと響く潮騒に合わせて、さほど大きくない波の頭が崩れるその刹那に、青い燐光が左右に淡い稲妻のごとく広がるのが見て取れた。これはいったい何だ…?と不思議な光景に見とれていたが、やがて気づいた。これは夜光虫が光っているんだ!
…最高の気分ってこんな感じ。
そんな風に海を眺め続けていた1時間後に、僕は最悪な状態で眠れなくなった。
どうやら蚊に刺されたらしい。
あの嫌な飛翔音も、刺された痛みもほとんど感じなかったので、最初はそこまで気にしなかった。ところがむき出しになっていたスネから下、ふくらはぎを中心に刺された、その場所の痒みがひどくて眠れなくなったのだ。
この痒みは日本の蚊とは比較にならないもので、汗が出るレベル…。掻きむしると間違いなく皮膚を割くだろうと我慢をするのだが、肉体と精神のせめぎ合いはその双方を消耗するだけの虚しいものだと気づかされる結末だった。
【香港の槍ヶ岳、シャープピークに登っ…た?】
大灣の砂浜の背後に、鋭く立ち上がる山の画像を見ていた。
香港の槍ヶ岳と呼ぶ人もいるらしい、その名も「Sharp Peak(シャープピーク)」という。標高は468mなのだが、山容はアルパインチックでカッコイイ!ということで、シャープピークは今回の目的地の一つでもあった。
夜明けとともに、蚊に刺されまくった足をボリボリ掻きつつビーチに出る。辺り一面、ガスだ。背後にあるはずのシャープピークも当然見えない。
さて、どうすんべぇ?
痒みのせいで眠りが浅かったので、昼までのんびりビーチで過ごしつつ様子を見ていたが、一向にピークは晴れてこない。まぁ仕方ない。4月の香港は雨期の手前だ、雨に降られなかっただけでもヨシとしようではないか。そう思って出発することにした。
30分程でシャープピークへの分岐である大浪坳だ。
ゴールの北潭凹まで4kmだし、相変わらずガスは出ているけど登っておこうかな。そう思って登山道へと進んでみた。こんなガスの中でも結構なハイカーの数で、渋滞までしている。「モウイーシー!(すみませ〜ん)」と言いつつ、団体さんを数組追い抜き高度を上げていく。あれ…?シャープなピークはどこだよ?
どうやら道を間違えたようだ。
明瞭だが分岐の多いトレイルを、しかも海外でガスの中、地図も持たずに歩き進むなんて、ちょっと無茶だったかも知れないな〜。と思いつつ、それでもまさにそんな歩き旅をしていた20代の頃のバックパッカー旅を思い出して楽しかった。
【再び香港の夜】
北潭凹でバスに乗り、都心に戻ってきた。
2日間で約17km、7時間弱の短いトレイルハイクだったけど、楽しかったな。あとは観光でもして帰国しよう。さて旺角の安宿で荷解きして、最初に向かったのは薬局だ。足の痒みが増して、堪らなかったのだよ。
ところで香港では僕の英語がまったく通じないし、聴き取りも出来ない…。薬局のお爺さんを前に、僕は懸命にゼスチャーした。
「プゥ〜〜ン、ガッ!オ〜ノォ〜!カユイカユイ!プリーズギブミー、メディスン!」(蚊がやってきて噛まれた!カユイカユイ!薬ちょうだ〜い!)
爺さんはニコリともせずに(むしろ憐れみを湛えた眼差しで)僕に塗り薬を渡してくれたよ。
露店を冷やかしながら暗くなるまで街中を歩き回り、買い食いだけでお腹いっぱになった香港最終日の夜をすごし、月曜日に僕は機上の人となった。
久しぶりの海外だったけど、楽しかったな。香港は知られざるトレイル天国だった。きっとまた来るだろう。今度は蚊のいない季節にね。
あ、溜まっていた仕事に忙殺され、帰国後三日目にしてようやくレコを書くことが出来たけど、僕の足はまだカユイです…。
コメント
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香港!いいですね
実は香港好きなんですよ
日本人から見たら一長一短あるかもしれませんが、食とマネーにかけるパワーがすごいなあ、と思います。変換前の香港はもっと激しかったと聞いておりますが
こんなリゾート(?)エリアがあるんですね。私はそちらまで行ったことはないですが(相方はあるかな?)。
旺角の写真見てまた行きたくなっちゃいましたよ。
感想を楽しみにしております
初めての香港でしたが、確かに街中にはパワーが溢れてましたね〜。
香港には四大トレイルがあって、その総延長は約300kmにもなるそうです。
うーん、次は台湾3000m級の高山を縦走してみたいなぁ、なんて思っています
香港営業でしたか!
OKRA hong kong のマネージャーさん、ホットパンツで奇抜な可愛いマネージャーさんですね!^ ^
トレイルのハイカーも色んなスタイルの人が楽しんでいるようで、海外にはこのようなスタイルのトレイルルートが多いのですかね?
蚊に刺されて大変だったようですが、またの海外レコを楽しみです。(^^)
営業に行ったハズなのですが、遊んだ記憶しかありません
香港のハイカーは、ザックやウェアは山仕様なのに靴だけがスニーカーの人が多かったです。あと、女性はピッタリしたタイツ姿の人ばかりで、目のやり場に困りましたね〜
お疲れ様でした。
お帰り。
日本国内、行った事は無くとも何やらで見慣れた雰囲気が漂うけれど
ここは違った異国の様子に、観る物が珍しくて行ってみたくなるね。
しかし、ワカさんらしい4日間でしたね、
場所は違ってもパターンは同じだ。(笑)
yasu
パターンは同じって…💧「スタイル」って言ってよ(笑)
(^ー^)お疲れ様でしたぁ〜♪
香港のトレイルに行くって聞いた後にチョット調べてみました。
(・0・。) ほほーっ 九州オルレっぽい感じだな〜って思いました。
九龍半島東から西へ全長100キロ面白そう
分割で行く事も出来るし、うん・・・その内香港行った時に(笑)
で、次、香港に行くときは万能薬の「タイガーバーム」を忘れずに
タイガーバームは虫にも効くの?
そしてチアキちゃんは香港に行っても
山じゃなく食に向かうよね、きっと
タイガーバームは虫刺され抜群です
液体ムヒみたいな感じ。
虫除けにもなりますよ
後、学生時代は、試験勉強の時の眠気防止で目元に塗ってました(笑)
メントールだから、スースーして涙ボロボロやった
山じゃなくて食に向かう。。。正解
タイガーバームの香りをまとった女、チアキ…
香港遠征でしたかー!!って、仕事ついでですね🎵よかですなー!!
地図を見たら以外と多くの軌跡があって日本人も多く歩かれてるようで(@_@)
で、ワカさんも虫に刺されましたかー!
私も先週末の国見で久しぶりに虫に刺されたのか噛まれたのか、水曜日まで腫れてました・・(>_<)
おまけに今日はギックリ腰・・天中殺かも・・(T_T)
あっ、ちなみに昨日は近くのアグリガーデンスクール&アカデミーの入学式に行ってたので、帰りに顔を出させて貰いましたー(^^)
ご来場ありがとうございました!
挨拶も出来ずにすみませんでした〜。
昔から悪い虫に刺されてばかりデス
そして「ついで登山」得意です
ぢゃないですよね(笑)
カフェで笑いそうになりました(*・ω・)
仕事の「ついで」よ?
ハイクの「ついで」ぢゃないよ?
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