また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 1133737
全員に公開
フリークライミング
甲信越

小川山クライミングトリップ

2017年04月29日(土) 〜 2017年05月07日(日)
 - 拍手
kaakaka その他1人
天候 29日:晴れ、30日:晴れ、1日:昼前により雨、3日:晴れ、4日:晴れ、5日:晴れ、6日:曇り、7日:晴れ
過去天気図(気象庁) 2017年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
俺じゃないけどクジラ岩
俺じゃないけどクジラ岩
カサブランカ5.10a(b)
カサブランカ5.10a(b)
ジャックと豆の木5.10b/c(c)
ジャックと豆の木5.10b/c(c)
露岩スラブ3級
ルーとメイ
キングチョック
混み合うテント場
混み合うテント場
ジャーマンスープレックスとブラック&ホワイト
ジャーマンスープレックスとブラック&ホワイト
クレイジージャム5.10d
クレイジージャム5.10d

装備

共同装備
テント 登攀用具 キャンプ用具一式

感想

GWは前半29日〜1日まで、後半3日〜7日までのクライミング生活
色々あったので今回は長め。
短編小説ばりの量になると思うので、あしからず。

簡易版
・4月29日:三日月ハング1級、エイハブ船長1級、穴社員3級、穴社長二段×
  30日:龍の子太郎1P目5.9RP、カサブランカ5.10aFL、ジャックと豆の木5.10b/c×
・5月1日:露岩スラブ3級 
・5月3日:コンケーブ3級、the two monks二段×、ギガント初段、キングチョックライト3級、キングチョックレフト1級、ルー2級、メイ3級、ダイレクトファルコ二段×
・5月4日:ジャックと豆の木5.10b/cRP
・5月5日:サブウェイ3級、サブウェイ延長1級×、ジャーマンスープレックス5.10cRP、ブラック&ホワイト5.10bRP
・5月6日:クレイジージャム5.10dRP、神の瞳初段
・5月7日:瑞牆山 ガリガリ君1級×

■day1(29日)■
初日

AM2時千葉より出発したが、GW初日の為か深夜だが車が多く4時間近くかかって廻り目平キャンプ場に到着。

前回来た時に何かと便利だったキャンプサイトC付近の水場とトイレの中間地点から2人なら十分なスペースを見定めてテントを張った。

相方がやや遅れて来るというので、近場のビクターへ向かう。

ビクターの岩は過去に何度か来ていたが、リード帰りに残った時間とかで中途半端なタイミングばかりだったので、今回はビクター1級を狙ってみるが、相変わらず初手が遠くて微妙。リーチがあれば一瞬で終わる課題なのに中々に手強い。

結局、上手く行かないので、後から来た人達がトライしている宿題の三日月ハング1級を触ってみる。

隣でムーブを見させて貰っていたので一発目のトライで少し調整。

その後の2トライくらいですんなり三日月カチを捉えて、案外、保持感も良かったのでクロスでリップのガバを出して少し緊張するマントルを返して完登となった。

幸先良い一級ゲット。

調子を良くしてモファットトラバース1級を触ってみるが、悪くて撃沈。

う〜ん・・・。

相方が到着したとの連絡があってテントに戻り、相方と合流してタープ設営。
リビングと寝室を備えた拠点が出来上がった。

昼過ぎから林の中ボルダーへ。

今回の一つの目標であるエイハブ船長1級をトライする。

相変わらずの賑わいでマットはジム状態で安心して上部もやれそうだ。

縦カチからのスローパーデッドムーブに苦手意識があって正直な所、自信がない。

さて、一便目。

以前は保持だけで精一杯で足をしっかり置く余裕がなかったが、初手の左手ガバも持てすぎるくらい持てている。余裕を持ってレイバック気味に初手の左脇を刻んでスローパーを叩くが掛かる気配がない。

どういう持ち感なのかわからないホールドへのデッドムーブというものが根っからの苦手で萎縮してしまう。

周りの人から「スローパーにあるダイク出っ張りにあるカチに止める」とそこまで情報を仕入れてトライ。

2便くらい出してデッドが止まる。おお、二年越しの一手。

止まってしまえば持ち感もいい。

足を上げて見るからにガバへデッドの送り、悪いと言われるリップも持ててるので、ニーで身体をズリ上げて左手もガバへ。

マントルが厳しいのか?と警戒するも、その先にホールドがしっかりあって、もっとつるつるなのかと思っていたくじら岩ピークは思ったよりも汚くてがっかりしながら降りた。

おお、登れた。ジムでのセッションの日々は無駄では無かったようだ。

ボルダーの取り敢えずの目標としていた忍者返し、デッドエンド、エイハブ船長の3大クラシックの3本目がようやく登れた。

先に二段を登ったりしていて順番がおかしな事になっていたが、一つの目標が終わったというのは感慨深い。

終わってしまえば、3本は同じ1級なのかもしれないが、カチの強度は明らかにエイハブ船長が一番上。忍者返しがV5ならエイハブ船長はV6な気がした。

その後は、順番がまたしてもあべこべになるが、穴社員3級を1撃した。
以前はこの穴社員も結構苦戦した気がするが、ポッケへの恐怖心なくなり、カチもガバといえるくらいに持てているので、足が切れまくってても何とかなった。

よくリードで3級くらいのムーブが続くとされる時に引き合いに出される課題なので、登れて嬉しい。

この勢いでと、穴社長二段を触ってみる。

初手ポケットも悪くないし、核心くらいまでは行けるだろうと取り付いて見たが、下部ムーブを調整している間に、ポケットからすっぽ抜けて指の爪側をざっくり削れて血が止まらなくなり、トライ中止。

しょうがないので、太鼓判初段が何だかお買い得な気がしたのでやってみるが、過去に登れた太古三級が出来ない。相変わらず気持ち悪い。

諦めてその日は終了。

下山。といってもテントまで20分くらいで降りてきて村まで買い出しに行って夕飯はポトフにした。

夜は寒くて何度か目が覚める。

■day2(30日)■
初日に目標の一つだったエイハブ船長が終わったので、今日からメイン課題。

今回の目的は次のステップへ上がるためにクラック入門。

この挑戦の為に、コツコツ葛西ロックランズにあるクラック壁で練習してきた。
フィンガーに入る靴選びから始まり、書籍やらブログやらを読み漁って何とかクラックのみでリードが出来る程度にはなった。

相方はクラックはやらないが本チャンはやるので、カムは借りて妹岩へレッツゴー。

マラ岩への道は以前にシルクロード敗退の記憶がある。
あのクラシカルなクライミングのプレッシャーに再び向き合う気力は未だ湧いてこない。

対岸へ渡る道は、水量がやや多く靴を脱いで渡渉。痛いくらいに冷たくて目が覚める。

講習会の団体と会の団体が先行していたので、独占されても困ると思い、道の先を譲って貰う。

いざ、ついてみるとカサブランカと龍の子太郎に取り付くPTは一組でその後に一人入っているだけだという。

後続もマラ岩上部へ向かっていって拍子抜けするくらいのんびりと順番待ちが出来た。

人の登りを見つつ、久しぶりに触るキャメロットをロープスリングにまとめて整理する。一応今回用意したカムは、
・キャメC4の#6〜#0.3+#3、#1
・キャメC4の#4〜#0.3
・X4の0.2が1本、ベーシックカムの0.50が1本

ジムのクラックではテーピングをしないので、見よう見まねで覚えたグローブになるテーピングをしつつ準備を進める。なんか親指巻き忘れたけどいいや。

順番がやってきたのでタツノコタロウ1P目5.9をトライ開始。

出だしが良くわからなくて少しもたもた。

飛び出してしまえば、ハンドジャムは決まるしフットジャムも良く決まって高度を上げていったが、最後の少しボコッと出っ張っている部分で手が先行して行き詰まる。左足がフットジャムが決まって、右足がスメアハイステップなのに足が上がってこない。

ハンドジャムも微妙だし、行ったり来たりしながらカムを決めまくって無理やり身体をあげようとしたら壁から離れてしまってドボン。

おいおい5.9で落ちたぞ。

仕切り直して2便目は落ち着いてフットジャムを高くして置いてから核心に入ったら余裕を持って超える事が出来た。

さて、カサブランカ5.10a。これを登らないと始まらない。

先に登っている人の登りをガン見。決めているカムもしっかり確認していざトライ。
それなりにフレアして決めにくい場所もあるけれどタツノコタロウよりもジャムも決まりやすくてスイスイ高度が上がる。

フェイスの12台をトライする時みたいに心を落ち着かせて確実に一手一手出す。
木の根がクラックから飛び出していていたが、その後の事を考えて我慢。
何度かレイバックになりそうになるのを体幹で強引に止めたりしながら中間の核心を超えて、最後の1メートル手前でガッツリレストして完登。フラッシュ成功。

10aでこの満足感。トラッドは気持ちいいのか悪いのか良くわからないが、気分は良い。

さて次だ。とジャックと豆の木に取り付くが、いきなりよくわからない。

最初に右のカンテに出てしまい、ワイドに入ったと思ったらワイド登りを強いられて苦戦してテンション。

その後も中間のハンドも微妙でテンテンでトップアウト。
最後のフィンガーも右スラブへ逃げてしまった。

あれ、これ難しい。やばい。

トップロープで一回練習するも力は残って無くて敗退となった。

下山して前日の鍋に食料を足して夕飯にして風呂には入らずにその日は終了。

やっぱり夜は寒い。

翌日は天気が悪いみたいだが、晴れを期待して床に入った。

■day3(1日)■
5月になった。今日は平日だし雨予報なので昨日よりもテント場も人が少ない。
空を見上げると好天に恵まれた昨日までと一変して、空はどんよりと灰色だ。

しかしながら健康的に目覚めて気分は悪くない。朝食の準備に取り掛かる。

今回の為に、ホッドサンドプレートを購入したので朝食は楽しみの一つだ。

トマトスライスにアボガドをマヨネーズと醤油で味付けてチーズで挟む。

シンプルだけど中々に美味。後半にはこれにツナが加わった。

昨日のジャク豆で身体はボロボロ。筋肉痛が始まっているので今日はレストしつつのボルダーとした。

直ぐに撤退出来るエリアという事で、親指岩下エリアへ。

簡単な課題は登っているが、ここには過去に敗退した露岩にあるスラブ3級がある。

悪い手と悪い足での一手物だが、過去にトライして抜けられなかった。

何としても落としたい。

準備をしているとポツポツと小粒がマットを濡らし始める。

やばいと思って打ち出すが、やっぱり悪い。

雨が強くなって岩を濡らし始めたが、気合の一手が止まって何とか本降りになる前に課題を手中にする事が出来た。

結局雨は降ったり止んだりだったのでその日は撤収。

峠を越えて小海の近くにある滝見の湯へ行き&佐久方面へ観光に向かって終わった。

■day4(3日)■
前日は仕事で丸々レスト。

関西クライマーの奥様も合流し、回復した身体でボルダーへ。

GW後半初日とあって続々車が入ってくる。
とりあえず再度準備を整えてビクターへ出発。

アップでコンケーブ3級を一撃。三日月ハングもやっているし、マントルも同じなのでこんなもん。隣の4級も強引に落とした。
その後はモファットトラバース1級をもう一度やってみたり、逆モファット初段もやってみたりするが核心が出来ない。

two monks二段をトライする人たちがいてムーブを教えて貰ったのでトライしてみたが、豚鼻からのリップ立ち込みが出来ないで終了。

最後にコンケーブのスタートからジャンプしてリップを叩くコンケーブジャンプもやってみたら成功した。グレードは同じ3級だろうか?

人が増えてきてトライもし難くなってきたので崩壊エリアへ移動。

キングチョックライト3級を数便で落として、レフト1級をトライ。
最初は二手目が止まる気がしなかったけれどyou tubeみてたら右の岩との隙間にトゥ入れてて試してみたら余裕で繋がった。
簡単だけど立体的で楽しい課題だった。

その後はその横のスラブとルー2級とメイ3級を落として、ギガント初段へ。
何となくホールドも良いし簡単そうだったからやってみたら数トライで落とせた。
強度は確かに初段か?
その後はトポには乗ってないファルコダイレクト二段をトライするけれど出来ず。
面白いのでまた来たい。

バイクできたkuroさんも到着した連絡もあったし、いい時間になったので撤収。

外へ買い出しに行き風呂へ。風呂も混んでてナナーズも混んでた。

戻ってくると車が溢れかえっていた。

夜は鍋。後はチーズをベーコンで巻いて焼いたりしながら贅沢に過ごした。

■day5(4日)■
さて、メイン課題の日だ。
背負う物をボルダーマットからいつものバリアントに変えて出発。

ジャックと豆の木を今日こそものにする。

前回よりも水量が減っていて靴を脱がずに対岸に渡る。

妹岩は有名な人の講習会がやっていたが、それ意外に人は居なくてタツノコとカサブランカはトップロープがあったが、ジャックと豆の木は空いていた。

さっそくアップがてらにトライ。朝一パワーを信じる。

序盤のワイドは左の縦ホールドを使う事がわかり、足を広げてワイド部分は#5を決めて進む。前回カンテに回ってしまい苦労した箇所だったが、力も残っているしすんなり行けそうな気がした。

しかしワイドを抜けてハンドのパートで左のフェイスホールドが途切れてからのハンド3手がうっかり決めた#1に阻まれて進めない。

何度か粘って見たが結局そこでフォール。

後半は苦戦しつつもノーテンで抜けてワンテンとなったが、やはりこのルートは長くて疲れる。

最後のフィンガーパートもそのまま左フェイスのポケットを使えば、右のスラブに逃げずにトップアウト出来る事もわかった。抜け口でベーシックカムの#0.5も決まる。

次で落とせる。

少し休んで2便目

前回と違って今度は朝一パワーがない。クラックの中の冷たい感触に指先が滑る気がして力が入る。

結局さっきと同じ所でフォール

何度もやってみるが、上手く行かない。手が先行しすぎてフットジャムが進んでいない。

ギリギリのルートでギリギリのムーブが出来ないなら納得出来る。

だがこれは10台。下手くそだから登れないのだ。

何でだ〜?と弱気が声になる。愚痴っても仕方がないのに。

必死になってボロボロのトップアウト。

難しい。

他メンバーがレギュラーを登っていたりするのを見学したりしつつ、レスト。

幸運な事に講習会で張ったトップロープを回収に先生が登る姿を見ることが出来た。

安定している。その登りはまさに10台のそれで、イメージが固まった気がした。

3便目

トップロープ入れて通算5便目。
もう自分が何をするべきかわかっている。
頭が澄み切って集中出来ている事がよく分かる。

出だしに恐怖心はなく、直ぐに#5を決めて左手の縦ホールドを使って高度を上げて、#5をズラして上がる。

身体のバランスを考え、足を安定させつつ上げて行く。

呼吸も良く、フェイスの限界グレードをトライしている時と似たような感触がある。

プロテクションの位置も頭に入り、使えそうなサイズを残し、甘い部分に#1を決めて行く。

そして核心を抜け、最後のフィンガーも逃げずにクラックに身体を残したまま終了点にたどり着いた。

あ〜よかった。

終わってば確かにフェイスのグレードとそう差がない気がする。

むしろその日の終わりに触ったレギュラーの方が難しい気もするが、美しいあのラインを登れた事が素直に嬉しい。

後半は少し時間が残ったので、マラ岩のメインフェイスに降りてエクセレントパワーを見上げる。記憶の中にあるよりは小さく見えた。

スペシャリストのある洞窟を覗いてみるとトライしている気配があった。

全てがボルダー1級の核心くらいの課題らしい。

奥様と別れ、夕刻になり、夕食。

色々細かい食材が残っているので鍋にする。

kuroさんのシャウエッセンも徴収。

味付けは白だしと醤油だったかな?
〆はうどんにしようと思ってたけど腹いっぱいになって炭水化物は殆ど無し。

■day6(5日)■
夜明けとともに目が覚める。

相方が喉が痛いと言っている。テント生活も続いて疲れて来たみたいだ。

自分もジャク豆で強引なジャミングのせいで全身が痛い。右肩がズレたように痛むのと、あまり使っていない前腕の外側の筋肉に痛みがある。

クラックは体幹を使うのか腹斜筋もよく効いていてぼちぼちフルパワーは厳しい。

今日はレストとして、ボルダーへ。

ビクターの沢側にあるサブウエイ3級でアップ。と思ったが、これが案外難しい。
何とかムーブを作って完登したが全力のトライだった。

続いてトポにはないサブウエイのSDスタート延長サブウエイ1級をトライ。

簡単だと思っていたが、これが初手から難しく苦戦する。

何とか初手が取れるようになったが、その時にはよれよれで敗退となった。

ボルダーが疲れたので、相方とマットを置いて、kuroさんと宿題であるジャーマンスープレックス5.10cへ向かう。

いい加減登れるようになったであろうと楽観的な気分。

一度道を間違えてわざわざガマスラブまで行ってから引き返して、悪い道を使って到着する。

ガマスラブも誰も居なかったが、八幡沢エリアも誰も居ない。

クラックも空いていたしリードはもう流行らないのかもしれない。

さて、さて。

ジャーマンスープレックス5.10cは中間の真っ白になっている場所が、よくわからなくて過去に惜しい所まで来て繋がらずに宿題となっているルート。

ボルト感覚も短いので安心出来るが、難しい。

一応保険に持ってきた出だしのフレークに効かせるカムは、適当に選んで来たが#1と#0.75が決まったので一応ダブルで決めて行く。

出だしのマントルからして記憶以上に難しい。

何とかボルトより左側でマントル返して右にトラバースして直上ラインに来るが、やっぱり一手一手が緊張する。

で、結局核心でフォール。

今日は曇り空なので日が当たると反射して見えなくなるフットホールドがしっかりと見えるので、入念に足を確認してトップアウト。

kuroさん曰く出だしは右のフレーク使ってたというので、それで試してみたら呆気なく下部は突破。一気に核心まで行けてトップアウト。

一応核心はやっているしRPとしても良い気がしたけれど納得いかないので、
一便目でやった左側のマントルを返してトライして無事完登となった。

さて、帰るか。と思ったが左にあるブラック&ホワイト5.10bが気になる。

中間部でランナウトさせられる事で有名なルートなので怖いけれどトライ。

一応セルフ用に足元にある水平クラックに#1を効かせてkuroさんがぶっ飛んでも止まるように保険を掛けて離陸。

ってかなり悪い。

仕方がないので左のフレークを使いつつ突破。

グレードは出だしについてるのかよ。

有名なランナウトはガバガバだが2回乗り込まなければならないのでちょっと緊張する。失敗すれば地面にドボンだ。

んでもってスラブパート。

フェイスやってれば踏みもしない足で乗り込むが、ビビリが入った瞬間身体が壁から離れてフォール。

やっちまった〜。

そんなに難しくないのに油断してしまった。

2便目でRP

下山するとボルダーに残っていた相方がグロッキーしていた。

テントに戻って買い出しと風呂。
夕食はナナーズでムネ肉が安かったので、野菜と炒めて味付けはレモンとカレー
最後は焼きうどんにしたら酒が良く進んだ。

■day7(6日)■
残る事あと2日。決戦ノ日。

大本命のクレイジージャム5.10dを打つ。

微妙な曇り空の下、朝一からザックを背負って親指岩へ出発。

短いアプローチでゼーゼー行ってる。

小川山レイバックは大学生とよく城ヶ崎で見かけるメンバーが居て10人待ちだとか。

クレイジージャム側は葛西で高校生を教えている先生と、同じ葛西の常連夫婦がいて、両方アップだったので直ぐに順番が回ってくるので待つ。

やっぱり何度見ても綺麗なクラック。

数年前に小川山レイバックを登りに来た時に裏に回って見上げた時には、登れる気なんて一切しなかった。登り方すら想像できなかった。

これは、二間バンドを始めてみた時と同じ感動だった。

あの憧れのルートに取り付く。

触るからには落とす。

幸いな事に熟練者の登りを見てからのトライで、カムの番手まで確認出来たのが自信を与えた。

昨年にトップロープで触らせて貰ってなんだかんだで登れてしまったルートだったが、リードとなると緊張感が違う。

キャメを#4を1本 #3〜#1を2set、#0.75〜#0.3まで1set

さて。

出だしはハンドジャムで立上り、#0.75を決めてフィンガーはサムカムで決まる。

足を上げてシンメトリーになっているジャム効かなそうなシンハンドに#1を入れてフェイスの足で立ち上がる。

ちょっと必死になって疲れてランナウト気味になるが、何とか逆手のハンドまで来れた。

そこから先は快適なハンドなので焦らずに手を進めて#2を決めて安全を確保。

ワイドを意識しつつ突っ込みすぎないようにしながら#2をもう一発決めて、ハンドジャムで数手歩いてから#3を決める。

ワイドに身体が入った所で#4を入れてワイドパート突入。

苦しい。ハンドジャムがバチ効きなので落ちる不安はないが、以前は固めの靴で効いたトゥ&ヒールがアナサジだと決まらない。

左手ハンドと、右手プッシュで足をズリ上げるが、数センチ進むだけであんまり効果的ではなかった。

フットジャムを進めようとして#4を蹴って奥へ入れてしまう。

効いてるかどうか怪しいがもう直せる状況でもないし、手持ちも殆ど残ってないので、行くしかない。

下でガンバの声が聞こえる。頑張る。

結局右手もハンドジャムを効かせて右足スメアで強引に左手を進めてワイドを抜け出して、フェイスホールドを掴むと#1を決めてレストポイントに到達。

最後は斜上したフィンガーの数手。トップロープならば何も考えないで行けるパートだ。

下で小川山レイバック側から上がっている人たちにクレジャムから登ると伝えてくれているのが聞こえる。登ることしか考えられなくてそこまで気が回って居なかったので助かる。

フィンガーに#0.3を入れて固め取りしようかと思ったが、あんまりホールドを潰したくないので突っ込む。

左足をフットジャム効かせて、右足スメア、フィンガーから抜け口のハンドを効かせるが頼りない。

色々考えるが仕方がないので、突っ込む。

手首を効かせてスメアで何とか抜け出せた。

親指岩のトップに居る人たちの姿が見えて、各方面からガンバの声が聞こえる。

相当必死な顔をしているのだろう。

最後のマントルも記憶以上に良くてトップアウト。

今回最大の目標を達成した瞬間だった。

トップが混み合っているので少しだけ景色を堪能して降りる。

降りてきてニヤニヤしながらフラフラと。

応戦してくれていた人たちとグータッチ。本当に感謝。

相方ともグータッチしてロープを解いて落とす。

ギアは投げ出すが、何もする気が起きない。

手は震えて腰が抜けたような感じだ。

限界グレードが登れた時に得られる最高の瞬間だった。

このルートで自分の持っているものを出し切るようなクライミングが出来たことは本当に幸せな事だと思う。

少しだけ落ち着いて、ギアを片付けて下山。

昼食はテントでホットサンドを食べてボルダーへ。

石楠花エリアは河原に近いせいか丸っこくてフリクションクライミングが主体で中々に厳しい。

扇岩の真ん中の2級をトライしてみるが、やっぱり難しい。

最初は人が居なかったがあっという間に混雑してきたので撤収。

少し下って例の初段。神の瞳をトライする。

もう身体ボロボロ。疲れてどうにもならない感じだったけれど、スタートは普通にバンザイでガバカチスタートだし何とかなる事を期待してやってみる。

が、案外難しい。エイハブ船長より簡単だとか言ってた人が居たけれど、やっぱりこっちの方が難しいじゃないか。

初登時には左手のリップが使えなかったらしいが、お買い得初段としての不動の地位を持っている今となれば限定は気にしない。ていうか無理。

微妙な足の調整でリップを叩くまでは直ぐに来れて、最後のマントルがかなりギリギリだったけれど、1時間かからずに登る事が出来た。

疲れたので撤収。

テントに戻って風呂&買い出し。

最後の夜は派手に行きたいものだが食材が余ってもなぁ。

テント場に返ってくると随分人が減っていて、静かなもんだった。

昨日食べた鶏肉のカレー炒めが美味すぎたので同じメニュー

いい加減疲れてさっさと眠った。

■day8(7日)■
今朝は気持ち遅めに目が覚める。

朝一ボルダーへ飛び出していっていた相方も今日はもう登る気がないみたいだ。

とは言え撤収があるので、早めに置きて最後の朝食。

ホットサンドにあんことバナナ、練乳にチーズ挟みが美味すぎる。

さっさと撤収して9時には廻り目平キャンプ場を出発。

相方の希望で瑞牆山へ移動する。

二ノ谷エリアを目指すがその手前でガリガリ君一級と出会ってしまいトライ。

これがまた難しい。

疲れきった身体に無理言ってトライするが、ムーブが完成しかけた所で電池切れ。

午前中には撤退となった。

流石に8日間レストはあったものの疲れた。

駐車場で昼飯を食べて解散となった。

最終日は予想通り渋滞もなくさっさと帰れた。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1483人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら