早池峰山 〜ハヤチネウスユキソウを見に〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 4.9km
- 登り
- 665m
- 下り
- 665m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
http://www.city.hanamaki.iwate.jp/shisetsu/801/804/p004010_d/fil/20160612-02.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
森林限界を超えた後はガレ場が続く。両側にロープあり道迷いはない。 河原の坊コースは大雨による登山道一部崩落の為現在通行止め。 |
写真
感想
深田久弥氏「日本百名山」早池峰の項にはこうある:−
【ある秋の夜、私は盛岡の東郊の丘の上に立った。前面には華やかなネオンサインの街が拡がっていたが、背後を向くと全くの暗闇で一点の灯も見えない。「日本のチベットと言われる所以ですよ」と案内の人が言ったが、その暗闇の奥の広大な地域こそ、北上高地と呼ばれる人煙疎な地であった。その高地の中の最高峰が早池峰である。
なお、今は早池峰山と呼ばれるが、山は余計である。】
まずは登山口から樹林の中を歩き始める。途中出てくるクマ除けのドラムを 叩きながら緩やかな道を30分ほど歩くと樹林帯を抜け目の前に早池峰山、振り返ると薬師岳と展望が一気に開けた。 標高1300〜1400mくらいで森林限界を超える感じなので随分森林限界の低い山である。
蛇紋岩の岩塊斜面が樹林の上昇を食い止めているからだそうだ。
ここからは周りの景色を 眺めながら岩場の道を登っていくが、生憎とかすみがかかっておりハッキリした眺望はない。但し、対面の薬師岳は終始綺麗に見えていた。
登山道の脇にはかねてより見たかった固有種のハヤチネウスユキソウが現れ始めた。
ハヤチネウスユキソウは 「蛇紋岩植物」と呼ばれる植物の一つで、全体に白い綿毛をかぶり「早池峰の女神」といわれるだけあり、本当に気品のある花である。
スイス・エーデルワイスの近似種であるらしいが、名前はドイツ語の Edel (高貴な) Weiss (白)に由来する。エーデルワイスの学名 Leontopodium は〈獅子の足〉の意で、これは毛皮状の葉にくるまった花がライオンの足を思わせるためらしい。
エーデルワイスは、スイスでも自生しているのを見るのは困難なほど減少しているそうだ。約90年ほど前にスイスに高山植物保護法が出来たのも、エーデルワイスが土産や薬草用に乱獲され著しく減少したのがきっかけだという。
日本でも各地で固有種が消滅・減少しているようであるが、少なくとも登山者も一人一人が自然破壊に繋がるような行為は自重すべき、と改めて思う。
早池峰山も巡視員・ボランティアの方を見かけたが、頭が下がる思いである。
ハヤチネウスユキソウがエーデルワイスのようにならぬことを願うばかりである。
おおむねガレ場の道を1時間半ほど登って天狗の滑り岩に到着。
大きな岩に鉄梯子が2つかかっているが、 それほど長いわけでもなく三点支持で慎重にいけば問題はないレベルである。
この梯子がかかっているのは実に巨大な岩であり、このような岩が氷河期に凍結破砕作用によって大きく割られ、それが移動して岩塊斜面ができたと考えられているようである。
対面の薬師岳1645mはほぼすべて緑の樹林におおわれており、花崗岩主体の山であるのはとても面白い。
今回は河原の坊コースにおいて、登山道が一部崩壊しており使用できなかったが、次回チャンスがあれば小田越コースと合わせ周回してみたいものである。
尾瀬・至仏山、谷川岳にも蛇紋岩であるが故に同様のホソバヒナウスユキソウがあるので、それも見てみたい。
これが【興味の連鎖】。
だから山は止められない。
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