不帰の嶮には行かずの件〜大雪渓−白馬岳−栂池
- GPS
- 33:40
- 距離
- 17.7km
- 上り
- 2,101m
- 下り
- 1,514m
コースタイム
- 山行
- 6:32
- 休憩
- 2:28
- 合計
- 9:00
天候 | 1日目 曇り時々晴れ 2日目 雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありませんが大雪渓では落石を見ました。 |
その他周辺情報 | ゴンドラで下山後、近くの「栂の湯」700円 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ヘルメット
|
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感想
さてさて、今年の「馬場・猪木 VS ブッチャー・デストロイヤー」いや、つまり、その、今年のメイン”え”ベントということですが、去年、タテバったり?ヨコバったり?して、アノ3つの頂の征服を完了したあとだけに、師範代、ナベちゃんと3人で、さあ、どこにするかいなあ?と思案の末、結局、大雪渓から白馬岳、不帰の嶮から唐松岳に定めて、師範代が早くからバスや小屋の個室の手配に駆けずり回り、準備万端整いました・・・・が、なんともまあ、お天気が・・・微妙、しかもルート上の重要ポイントとなる天狗小屋も・・・閉鎖・・・で悪条件が整ってます。
が、まあ、行ってみないことには、ということで、蒸し暑い金曜の夜、新宿を出発。
さて、今回は「走る、登る、歌う」三拍子そろったKayo姫が赤ヘルを携えて参戦、さあさあどんな山行になりますやら。
新宿を出発した毎日アルペン号、快調に飛ばして予定の時間通りに猿倉荘下の駐車場に到着。支度を整えて5時に猿倉荘を出発。まずは大雪渓のはじまる白馬尻小屋を目指します。
歩き始めて少したった頃、背中の具合が何かヘンだと思ったので振り返ると、ザックに掛けたヘルメットホルダーの掛け金が外れて、ヘルメットで厳重に保護していた今回の山行で「イチバン大事なモノ」がピンチ。と、思ったら、その「イチバン大事なモノ」が落っこちて・・・あわててメンバーに助けてもらい、事なきを得ましたが、行動開始早々に「イチバン大事なモノ」を持ってるのがバレちゃって・・・。
そんなことがありましたが、気を取り直して進みます。雪解け水でどうどうと流れる沢の音を聞きながら歩いていくと、だんだんと山容が目の前に開けてきます。お天気も大丈夫そうです。
さすがに花で名高い白馬岳、麓からいろいろな花が出迎えてくれます。名前は帰ってから調べる?ってことで、ところどころでカメラに収めながら、何度か沢を渡りながら進んでいくと、1時間ほどで写真で見慣れた「おつかれさん!ようこそ大雪渓”べ”」の碑 白馬尻小屋に到着です。すでに「生ビール」の文字が気になりますが、ここは小休止にとどめて、上に向かって広がる大雪渓に進みます。
しばらく行くとついに現れました、大雪渓。今年はまだ雪がたくさん残っているということで6本爪の軽アイゼン、それに落石注意ということでヘルメットも着用・・・なんですが、ワタシはちょっと事情?があって、ここではヘルメットは着けません。ワタシ、着けてませんが白いヘルメット=1枠1番タイガースタントン、Kayo姫は赤ヘル=3枠5番カヨノウタヒメ、ナベちゃんは緑=6枠12番ビオロンヒキナベ、師範代は橙色=7枠13番シャリバテヨージン・・・はからずもJRAになってしまいましたが、新しくお仲間に入りたいヒトは、ヘルメットの色は黒、青、黄、ピンクですよ。
雪渓に出るとウワサに聞いた通り、涼しい風が渡ってきます。お天気も薄日がさしてきて、とってもイイ気持ちです。風の具合で涼しい風にときおり生暖かい風がまじったり、雪面にモヤがかかったり、いろいろ変化します。大きなクレバスあり、下山途中?(雪の融け具合でさらに下にころがっていくんでしょうかね)の大きな石あり、左右の沢からの落石の音もたまに聞こえてきますが、ルート上には影響なし。
さすが、ハイシーズンです。何組かのツアーが前を歩いていて、ときおり渋滞もあります。広い雪渓ですから追い越せそうですが、ルートを外れると、とつぜんズボッと踏み抜いて大自然のなかでイリュージョン(たぶんそんなことはないと思いますが)あるいはツルッと滑って、大勢が見守る中、そのまま白馬尻小屋まで「ふりだしに戻る」、もしくは途中でクレバスに落ちて、そのまんま永久冷凍人間(これもないなあ)になりそうなので、おとなしく列についていきます。
ツアーの皆さんが休憩中に追い越してペースを上げますが、気温が上がるとだんだん雪の具合が変化するのと、疲れもでてくるので、徐々にしんどくなってきます。2時間ほどで大雪渓を登りきりました。雪渓の終わるころ、少し上から落石があり、それが下に向かってどんどん転がっていき、最後はルート上のツアーの列に向かっていきましたが、大丈夫だったですかねえ。電車の一番前に立って、線路の石を見て動体視力を鍛えて、道場で受け身、体育館で回転レシーブの練習・・・はしてきませんでしたが、幸い落石にはあいませんでした。
一旦アイゼンを外し、小雪渓まで荒物屋の行商のおっさんみたいに?腰にぶら下げて歩いていきます。白馬尻小屋で言われたように、小雪渓はそれほど長くないトラバースで、道も切ってありましたが、それでも何かの拍子に滑ったらたいへんなことになりますから、慎重に通過しました。
そこから先は避難小屋を経由して、ほんぢつのお宿、頂上宿舎まで、色とりどりに咲き乱れるお花畑を楽しみながら・・・の予定だったんですが、さすがにキツくなってきました。荷物が重い。息も荒くなる。こうなると、だいたいいつものパターンで5分に1回休憩。道が折り返すたびに休憩。あそこに小屋が見えているのに・・・なかなかたどり着かないワケです。
結局、猿倉荘から6時間ほどで村営白馬岳頂上宿舎に到着です。ちょっとゼイタクして個室を利用。午後になるとお天気も気になるし、白馬山荘のカフェでちょっとゆっくりもしたいし、とりあえず部屋に荷物を置いて、ほとんど空身で白馬岳頂上を目指します。小屋のすぐ上の稜線に出ると、広い道がそのまままっすぐ白馬山荘に続き、さらにその上が白馬岳の頂上です。背中の荷物がないって何て快適なんだろうと思いながら白馬山荘。「生ビール、待ってろよ!」と言いながら山頂へ。
富山県側は真っ白でしたが、長野県側は多少眺望があり、まあ、今日の天気なら、ヨシとしましょう。それよりもおなかがすいて、ビールも飲みたい・・・最後はサザエさんのエンディングみたいに白馬山荘のカフェに駆け込んでカンパーイ。こんなところで、こんな景色を眺めながら、こんなものをいただいて、シアワセでございます。
小屋に戻って少しゆっくりして、夕食をいただいた後、小屋に常駐のガイドさんに明日の唐松岳方面のコンディションを聞いたところ、どうも思わしくないようで、とりあえず明日の朝起きてから判断しようということになりました。今日の天気も心配でしたが、結局、最後まで崩れることなく、首のあたりがヒリヒリするくらい日焼けまでしているので、なんとか良いほうに変わってくれないかと願いながら1日目終了。
わずかな望みをもって朝目覚めると・・・あらら、やっぱり。屋根をたたく雨音が。これではとうてい不帰の嶮はムリということで、とりあえず栂池方面に向かい、行程は短いけど今日は白馬大池山荘に宿泊することにしました。当初の予定通りであれば唐松岳への稜線上のどこかで(絶景を見ながら)食べるはずだった朝食代わりのお弁当を部屋で食べて、意を決して雨の中を出発しました。
昨日来た白馬岳山頂を通り、小蓮華山を経由して白馬大池を目指します。が、風雨は強まるばかりで、おまけにほぼ稜線上のため、隠れる場所もなく、マトモに雨風を受けます。フードに当たる雨粒がバチバチと音をたてて、周囲の音もよく聞こえないくらいです。とにかく急ぎたいワタシとKayo姫はどうしても速足になるので、ときおり後続のナベちゃんと師範代を待つことになりますが、こんな状況で待っていると余計に長く感じられます。やさしい師範代などはこの風雨の中、ライチョウの卵を温めていたのに違いありません。(笑)
小蓮華山に向かう途中、風の通り道になった鞍部では、あまりに強い雨と風で、思わず身をかがめるような場面もあり、考えることは「吹き飛ばされるなら富山県」。長野県側はおおむね断崖絶壁のため、吹き飛ばされると望みはありません。ゼツボーです。まあ、こんな台風並み、っていうか台風のさなかにカッパ着て外を歩くなんてことはやったことがないわけで、その点では貴重な経験させてもらいました。
そんなわけで写真を撮る余裕もなく(2日目の写真、ほとんどありません)、楽しみにしていた初「コマクサ」も、後から来たナベちゃんが「コマクサの群落、よかったですね」「え?あったの?」ってなもんで、むかし、広すぎてウンザリして素通りしてしまったルーブル美術館展示のミレーの「落穂ひろい」を思い出しましたよ。ああ、そういえばプラド美術館でもピカソの「ゲルニカ」すっ飛ばしたし。
まあそれでもなんとか「コマクサ」には会うことができて、もうボロボロ、グショグショになりながら、白馬大池山荘にまさに「たどりつい」たところ、小屋はごった返してをりまして、受付のところで話を聞いておりますと何やら妙なフンイキ。受付のおにいさんによると「今日はもともと満員のところ、この状況では、ますます避難してくる人が増えると思われます。今、この時間なら栂池に下山がオススメ」ということで、さらに「栂池なら温泉、メシ、お布団も暖かいし」と悪魔のささやきで追い打ちをかけてきます。
ん〜、せっかく今日はここまでと覚悟を決めて、荒れ狂う雨風のなか「アイヤ〜、アイヤ〜」(もお悪いことしませ〜ん。マジメに生きま〜す。たのむから、もおカンニ〜ン)と言いながら「風雪流れ旅」してきたのに、さらにここから3時間、「風雪流れ旅 Part2」はちょっとキツイなあ。
さてどうしたもんか、「悪魔のささやき」も考えようによっては「天使の誘惑」なわけで、結局、ほんぢつ2度目の意を決して、そのまま栂池に下りることに決めました。あいかわらず天候の回復のきざしはありませんが、小屋を出発、大池をぐるっと回って乗鞍岳に向かいます。
道は大池のほとりを通りますが、ところどころに雪も残っており、ヘタをすると「山中でドボン」水もしたたるいいオッサン(姐さん)になるキケンもあります。もうすでに身も(ココロも)グショグショとは言え、さすがにそれは避けたいところ。そこを慎重に通過すると山頂にむかう道はハイマツの中、大きな岩がゴロゴロの道。雨で濡れているし、ああ、あそこ、滑りそうだと思ったら、案の定、ツルッといって・・・ああ、ハイマツ・クッションってキモチいい。
クセになりそうです。今日もヘルメットで護っている「イチバン大事なモノ」も無事です。ありがとう!ハイマツさん。
途中、小さな雪渓があり、一瞬でしたが夏毛と冬毛のハイブリッド”ライチョウ”に会うことができましたが、微妙な傾斜でここでもツルリ。上りではなかったので「振り出しにもどる」ことはないものの、斜度があれば「イッキに下山」・・・というよりもずーっと戻って来れないこともあるわけで、気をつけねば。
下山はけっこう大きな石がゴロゴロした道が続きます。おまけに降り続く雨で、半ば渓流になっている個所も出てきました。天狗原の手前でツアーのグループに追いつき、ちょっと渋滞する中、こんどは後ろから「ドボン」の音。Kayo姫、左足水没。
水没してませんがワタシの靴の中もさすがに長時間雨の中でグジュグジュ。「晴れたミソラ」ではなくて「荒れたミソラ」に2人の「く〜つ〜が〜なる〜♪」でした。
白馬大池山荘を出てから2時間半ほどでようやく栂池ヒュッテに到着。ああ、助かった〜。Kayo姫、前回同じコースを歩いた時には稜線上でカミナリ様に遭遇、命からがらココまで下りてきたらしいですが、今回もヒドかったですね。これだけの天気でナベちゃんのカメラが水浸し、師範代のスマホが動作不良、ワタシの小さいカメラとタブレットも動作不良で被害甚大となりましたが、あの荒天のなか、不帰の嶮には不行の件となったものの、無事に帰ることができてよろしゅうございました。
ロープウェイとゴンドラを乗り継いで栂池に下りて、観光案内所で紹介されたお宿に入ったあとは、さっきの悪魔のささやきに感謝感謝。温泉に入って、濡れたものをぜんぶ着替えて、食べきれないほどの美味しい夕食をいただいて、ああ何てシヤワセ。
詳しくは下⬇の師範代の感想に譲るとして、冒頭から出てきた「イチバン大事なモノ」ですが、ぢつはコレ、山上から絶景を見ながら食べるはずの「メロン」だったんですけど、30リットルのザックにはどうしても収まらなかったので、外付けのヘルメットの中で厳重に保護されてました。頂上の小屋で出すまえに消灯の時間、下山後のお宿でも夕食はお腹いっぱい。結局、みんなの口に入ることなく、「白馬縦走メロン」は心に残るおもてなしをしていただいた宿のオカンに贈ってきました。あははは。
遡る事ちょうど1年前の7月最終休日、剱岳登頂を終えた私達は、東方に後立山連峰
を眺めながら立山三山の稜線を歩いていました。
正面手前にそびえる三角錐の鹿島槍ヶ岳をかわきりに五竜岳〜唐松岳〜鑓ケ岳〜杓子
岳〜白馬岳ののびやかな稜線が日本海へと繋がっています。
「いつかあの稜線を歩いてみたいな」の願望が湧いてくるのは自然の摂理とも言うべ
きで、この瞬間に2017年山行計画が決まったと言っても過言ではありません。
「逆じゃネ? 普通は「いつかは剱」でしょ!」との声が聞こえてきそうですが、
後立山をすっ飛ばして剱・立山に来てしまった私達には、キチンと間を埋める責任を
果たさなければなりません(*_*)?
と言う事で、この夏の最大イベントは、白馬三山〜不帰瞼〜唐松岳への後立山連峰
縦走の旅へと出かける運びとなりました。
今回ゲストとして、北アルプス山々の経験も豊富なkayoさんが参戦する事となり、
華やかなムードの山行になりそうなのですが、出発直前にきて荒天予報が、、、
(事前準備)
後立山縦走にあたり、克服すべき課題がいくつかあります。
・猿倉〜大雪渓〜白馬岳山頂は、登りっぱなし6時間以上の長丁場、心肺機能
のタフさが必要です。
・白馬岳〜唐松岳 縦走路においても、7時間超のアップダウンをこなせる
持久力が要求されます。
・不帰瞼では、着実な岩場通過のテクニックと高度感への慣れが必要です。
それに備えて、各自独特のトレーニングを工夫してきました。
愛鷹山、天狗岳(北八ヶ岳)、檜洞丸(丹沢)での長時間行程練習
天狗岳(岩場)、乾徳山での岩場通過(不帰嶮)への対応
会社ビル(1F〜19F)階段での筋トレ!
等々、決して気休めとも言えない(かな??)準備をして本番に臨んでいます。
もちろん、コース設定の件、体力重視の件、天候の件、今回も大師匠から多くの
事前アドバイスをいただいた事は言うまでもありません。
(コース解説)
白馬岳への各コースは、数多くの記事、レポートで紹介されている名コースです。
簡単な感想を一言だけ、、、
(猿倉〜大雪渓〜白馬岳山頂)
前述のように長丁場、標高差1700mを超える長い行程です。 雪渓の中は歩き
易い歩幅で休むような感覚で、葱平の急登は小刻な歩幅で体力温存を重視して
行程を進めましたが、、、稜線手前「頂上宿舎」が目前に見えてからがなんと
長い事か。。(>_<) 「あとひと踏ん張り!」と自分に言い聞かせつつ、よう
やく稜線に辿り着きました。
そこには、白馬ならではの広大なお花畑、快適な稜線歩道が広がっています。
(白馬岳〜三国境〜小蓮華山〜白馬大池)
ここは、天気が良ければ、日本有数の快適&絶景を楽しめる稜線区間かと思い
ます。 今回の大雨&強風の中でも、時々垣間見るように、山肌、登山道、大池
のダイナミックさが感じられる瞬間を楽しむ事ができました。
同時に、登山道脇の砂礫には 風雨に耐え健気に咲いているコマクサが、「花の
百名山」でもある事をさり気なく主張している優しさに溢れた散歩道です。
(白馬大池〜乗鞍岳〜栂池自然園)
下山に使ったこの区間、大きな岩がゴロゴロ、雪渓を横切り、段差のある急斜面
等々、決して気楽なコースではありません。 濡れた岩肌、凍結した岩の隙間も
あり、意外と神経をすり減らした行程となりました。
(予定コースの変更)
唐松岳までの縦走を予定していた2日目の朝、起床と同時に聞こえてきたのは
叩きつけるような雨音(*_*; すでに前日小屋常駐ガイドさんから「縦走困難」
の情報は受けていましたが、この豪雨の中、不帰嶮に向かう事は、その名の
通り登山者4名「帰らず」となる事は目に見えています。
「栂池方面に下りよう」とルート変更後、出発前の待機時間に、私 往年のF1
名ドライバー ニキ・ラウダの「勇気ある撤退」シーンを思い出していました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1976年F1チャンピオンシップは、最終戦の日本グランプリでワールドチャン
ピオンが決定するまでもつれたシーズンでした。 ポイントをリードしていた
ニキ・ラウダは、日本グランプリを無難に完走すれば、ワールドチャンピオンの
名誉に輝く状況でしたが、決勝当日の富士スピードウエイはコースが川のように
流れる大雨の中のスタートとなりました。
この状況をニキ・ラウダは「危険過ぎる」と判断し、わすか2周で自らレースを
離脱して、その年のチャンピオンタイトルを失う事になりました。
その行為に、生死をさまよう程の大事故(同年)を起こした後遺症か?とマス
コミに書かれたり、フェラーリチームオーナーとの関係がギクシャクする事に
なりチームを離れる結果となりますが、多くのファン、有識者はF1の安全性
重視を認識させた「勇気ある撤退」と絶賛されることとなりました。
その後、ニキ・ラウダは2度のワールドチャンピオンを獲得し、70才近くになる
現在も自動車業界で活躍しています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
と登山とはまったく関係のない話を書いてしまいました。(読んでくれた方あり
がとうございますm(__)m)
自動車レースと登山はともに快適さと危険が同居しているスポーツです、目先
の願望を叶える事が必ずしも最良の選択ではない事を見事に教えてくれる実話
ではないでしょうか。
自然現象には逆らえず、「不帰嶮」は「行かずの嶮」となりました。
(下山後)
3日間の行程予定が、結局2日目で栂池まで下山してきた私達には、素敵な
「おもてなし」が待っていました。
急遽観光案内所で手配をしてもらったロッヂ「若松荘」は、気さくで優しい
「おかあさん」が「よく来たね〜」と快く出迎えてくれました。
スキースノボのオフシーズンかつ15時過ぎの予定外の宿泊客に、大急ぎで部屋
の準備をしてくれたにも拘わらず、清潔な室内、自家製の野菜、お米をふんだん
に使った美味しい食事、サービスのデザート等々、強烈な風雨の中を歩いてきた
私達にとっては、極上の快適さを与えてくれます。
宿の主人も加わり、栂池の自然の話、宿の歴史の話、初対面とは思えないような
会話も楽しむ事ができました。
「素敵なお客さん」と手を振り見送ってくれた「おかあさん」、私達にとっても
「素敵なおかあさん」でしたヨ(^^♪
(2900mの風雨に耐えたメロン!)
毎年、山行のお伴にデザート、ワイン等を家から担いできてくれるStanton、
「そんな気を遣わないで!」と言いつつも、同行メンバーは密かに楽しみにして
います。
今年もStantonは、「流しそうめんにしようか?」「スイカにしようか?」と
60Lのバックパックの購入を検討していた(*_*)?ようですが、結局白馬には、
ザック外付けホルダーヘルメットの中に「大事なもの」とメロンを担いできて
くれました(^^)/
当然「いつ食べられるのかな?」と私達の期待は膨らみます。 私なんぞは、
頂上山荘の夕食バイキングでリンゴデザートのおかわりを1回控えて、胃腸に
余力を残した程でした(^_-)-☆
ところが! 夕食後会話を楽しんでいるうちに消灯時刻、2日目大事なメロンは
再びザックにくくられ、標高2932mの白馬岳山頂に到達、劣悪な自然環境の中
850mの栂池まで3県(長野、富山、新潟)にまたがる旅のお伴をする事となり
ました。
さて、栂池 若松荘での夜、無事に生還祝いのメロンパーティかと思いきや、
「アレ〜〜! Stanton座布団を枕に寝てしまっているヨ〜(;_;)」
結局大事なメロンは、白馬岳制覇の後、暖かく迎えてくれた若松荘のおかあさん
にStanton自らの手で贈呈される事になりました。
風雨に耐えぬいたメロン さぞおいしく喜んでくれた事でしょう。
メロンにありつけなかった私達ですが、間違いなく最良の選択だったと思って
います(^^)/。
(まとめ)
白馬岳は綺麗な山容、広大なお花畑、超設備充実の山小屋と 登山経験が比較的
少ない方でも行きやすい山のイメージがあるかもしれません。
しかし、紛れもなく3000mクラスの高山であり、天候が崩れた時の環境は下界
では体験できない程の(最近の日本の天気はちょっとおかしいですが、、)猛威
を見せつけてきます。
しっかりと体力、気力を充実させて臨む山であると感じた2日間でした。
また 地元の人たちとのふれあい、一緒に同行した仲間との会話と温かみに溢れ
た3日間でもあり、楽しい「旅」を終えた事に感謝しています。
お疲れさまでした。
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