剱岳・リベンジ達成！
ichi11
体力度について
- GPS
- 13:00
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,885m
- 下り
- 1,871m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 2:57
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 3:27
- 山行
- 7:17
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 9:42
| 天候 | 8/18曇りのち雨 8/19曇り・雨のち晴れのち小雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
・室堂〜別山乗越〜剣山荘 室堂から雷鳥坂下まで標高差200m下がり、そこから別山乗越まで550m登り。 道は良い。 ・別山乗越〜剣山荘 剣山荘まで300m近く下り。 別山乗越から左、剱御前下の道は今年は雪渓3か所の横断あり（アイゼン不要）。 別山乗越から右、剱沢キャンプ場経由の道の方は雪渓横断一か所で歩きやすい。 ・剣山荘〜剱岳山頂 道は整備されている。岩場は雨天時は細心の注意を。 |
| 予約できる山小屋 |
|
写真
カニのヨコバイ下部。岩の取りつきの一歩目の足掛かりを探す。赤ペンキで印があるのでわかります（後続がいて、写真撮る余裕はありませんでした）。
2
赤ペンキで印があるのでわかります（後続がいて、写真撮る余裕はありませんでした）。
前剱の先の上りのクサリ場。遠くから見るととんでもない所を歩くようだが、一度通ってしまえばそれほどでもない？（喉元過ぎれば何とやらか…）
1
装備
| 個人装備 |
ヘッドランプ(1)
予備電池(4)
1/25
000地形図
山と高原地図(1)
コンパス(1)
笛＆緊急身分証(1)
筆記具(1)
保険証(1)
飲料(2)
ティッシュ&トイレットペーパー
テーピングテープ中&細
ファーストエイドキット(1)
タオル&バンダナ&手拭
携帯電話（スマートフォン）(1)
計画書(1)
レインコート上下(1)
防寒着・夏用(1)
ストック(1)
時計(1)
非常食(4)
シャツ等着替え(1)
|
|---|
感想
昨夏、大雨のため登頂できなかった剱岳の雪辱戦。今夏は天候が安定せず、この週もどっちつかずの良くない天気だが、比較的雨は降らなさそうと判断し決行した。よく考えると昨夏とまったく同じ時期だ。
【初日】
室堂に着いてターミナルを出ようとしたら、いきなりの強い雨。雨装備をきちんとして歩き出したら、ほとんど雨が止む。称名川にかかる浄土橋までかなり下って、そこから別山乗越まできつい登り返しだ。一山越えていく感じである。
南側の立山の向こうに黒い雲がかかり出した。雨が追いかけてきそうだ。遠くで時々雷鳴もしている。急いで雷鳥坂を登る。
別山乗越までは霧のような弱い雨で済んだ。北の方、剱岳を見れば、少し雲はかかっているが、姿が見えている！その向こうには少し青空もあるではないか。
ところが、剱御前小屋で休憩して外に出ると、もう強い雨になっているではないか。
再度雨装備をきちんとして歩き出す。
左に剱御前下の道を取った。今夏は昨夏より残雪が多い。昨夏は1か所だけだった雪渓が3か所あった。昨夏上りで使った道で、何となく覚えていたのでよかった。
かなり雨に打たれて1時間、ようやく剣山荘に着く。
夜8時ころに雨は上がり、星空が見えていた。
あすは期待できると思ったが…。
【2日目】
夜明けとともに出発する予定が、かなりの雨。去年と同じ展開だ。またしても断念かと半分ほど考えていたが、6時すぎ、雨が小降りになる。天気予報は回復方向と伝えていたので、意を決して向かう。
一服剱まではあっさりと登る。雲に閉ざされ、山頂はおろか前剱も見えない。
まもなく前剱へのガレ場上りが始まる。下山時にはここで事故が多発しているという。やや浮石があるが、そこまでザレて滑りやすいわけではない。難所を通過した後、気が緩むのだろうか…。
前剱からが核心だ。
いきなり絶壁に横にクサリが渡してある場所に出た。雨が少し降り出した。
初めてのルート、どこに足場をかけるのかよくわからない。
後から来たグループに先を譲って様子を見た。
よく見ると、足場はそれなりに幅がある。岩とクサリをしっかり掴めば問題なかった。
それにしても雲が出て少し雨もぱらついて、周りを見れば深山絶壁といった趣き。
平蔵の頭を過ぎて、いよいよカニのタテバイだ。絶壁をほぼ垂直に登っていく。
足場がしっかりしているので問題はなかった。登り切った所のテラスが大変狭く、
その先に雲がかかった平蔵の頭がぼんやり見えて、その方がむしろ畏怖を覚える。
タテバイを越すと早月尾根ルートとの合流点を通って、ようやく山頂に出た。
山頂はそこだけ少し晴れていて、後は真っ白だった。
360°の絶景が見られると聞いていたが、何も見えない。
が、2年越しで登頂を果たしたのだから、それで良しとしよう。
北方稜線がほんの一時見えた。一般者進入禁止、穂高岳のジャンダルムのようだ。
明治期に登頂した陸軍測量隊が、山頂で平安期の錫杖を発見したという話があった。
錫杖がどこに埋められていたのか、それを示すものがあるか探したが見つからなかった。おそらくは、祠が今据えられている場所にあったのだろうか。
下りはいきなりカニのヨコバイ。下り一歩目の足場の確認が大事と言われていたが、
赤ペンキで示したあった。しかしもし印が示されていなかったとしたら、ここは足場を探すのに手間取る場所かもしれない。
前剱まで戻る途中、平蔵のコルの先で突然道の真ん中にいたライチョウに会う。
緊張していた道のりの途中で、少しほっとする。
前剱から先のガレ場は慎重に下る。雲がかかって、下った峰がどんどん見えなくなる。一服剱まで戻った時、一瞬前剱やそこに連なる鋭い尾根の姿が見えた。
剣山荘まで戻って達成感に浸っていたが、朝の出発を遅らせたので急いで室堂まで戻って、扇沢行きの最終バスに乗らないといけない。帰路は剱沢キャンプ場経由の道を取る。青空が広がっていた。振り返って剱岳を見るが、雲がかかって姿は見えない。
別山乗越まで来てあらためて時刻表を調べると、30分時間を間違えていた。
かなり急いで雷鳥坂を下った。浄土橋までたどりついて、そこからまた室堂まで登り返しだ。
何とか15分前にターミナルに着いたが、きつかった…。
一泊二日の急行山行でちょっときつかった。しかし、3,000mに1m足らないとはいえ、3,000m峰を登らずにいたのは心残りであったし、何より「岩の殿堂」と言われる剱岳を登ったことは、槍・穂高を登ったことと合わせて、達成感を感じた山行だった。
剱岳は今回の別山尾根ルートが一番ポピュラーで、他のルートよりアクセスは良いとはいえ決して楽ではない。岩の殿堂と言われるこの山を登る魅力は、早月尾根であったり、長次郎谷、北方稜線ルートなどバリエーションルートなのだろう。
とはいえ「剱岳 点の記」で描かれていたように、明治期まではどこから登るかルートさえわからなかったという山に、一般登山者が登れるということは、あらためて有難いことだと感じる。
次に来る機会があれば、もう少し時間を費やしてこの山の魅力を知りたい。
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昨年のリベンジ・・と書かれていたので、どんなリベンジだったっけ？と思い
昨年のレコから読んできました。
昨年は立山、鹿島槍〜唐松の縦走だったのですね、思い出しました。
たまたま私は今年、立山と唐松にそれぞれ日帰りで登ったので
雷鳥坂は、もうこんなに雪が溶けたんだ〜！とか思いながら読んでました。
ところで剱岳へは先週、私の知り合いが日帰りで登り(早月尾根ピストン)、
来週は友人が１泊で登る予定なので、続けて皆さんが剱に登られているな〜と
思ってます
popieさん、早速ありがとうございます
そうかpopieさんも立山に行ったんだ！
取り急ぎ、popieさんのレコ読んでから書いています。
popieさんが立山に行って２週間ちょっと経って今回行きましたが、
残雪の量が全然多かったんですね
槍・穂高に登った人は、剱岳にも登りたくなると聞いていましたが、
私も完全にその口です（笑）。で、リベンジになったと。
別山は剱岳を望む絶好の場所ですが、前回に引き続き今回もそこからの剱岳全景を見ることはできませんでした（剱岳下山後に登るつもりでしたが、雲がかかっているのがわかっていたし、急ぎ室堂へ戻る必要もあったので登りませんでした。）。
popieさんのお知り合い、日帰りで早月尾根ピストンとはかなりの健脚ですね
ichiさん、こんばんは。昨年の再チャレンジ、今回は見事達成でおめでとうございます！（展開というかプロセスが私と酷似していますね
画像1枚1枚じっくり拝見させて頂きました。この写真37、38の絶壁にカニのタテバイ、ヨコバイ、どれも壮絶ですね。大キレットやジャンダルム同様、冒険心にそそられてしまいます。こうしたエリアでは一瞬のミスや見落としが命取りになるでしょうけれど、もし本当に危ない箇所があるとすれば名所の難所よりも、それ以外でほんの少し気が緩んでしまうような所で・・・なのかもしれませんね。いずれにしても計画通りの今回の山行、素晴らしいです。ぜひいつか、山頂からの絶景を眼にすべく、再々チャレンジされてください。私もここは生涯1回は登ってみたいなぁ。
ありがとうございます。何とか登ってきました。
ryoさんが３年越しで念願の大キレット通過を叶えたことと比べれば、私の方の達成感はryoさんほどではないですが、それでも心残りをつぶせたのは良かったです
ryoさんの方との違いは、こちらは山頂からの視界がほぼ効かなかったことですかね。
個人的には写真37,38の絶壁が、視覚的にも「うわっ！」と思った場所でした。雨が降り始めて風も強くなった中で初めて通過する場所でしたので、緊張感が走りました。後続の人に先を譲って様子を見たのは正解でしたwww。様子がわかってしまえば、視覚で感ずるほど危険な場所ではなかったです。
それにしても、と思ったんですが、その場所は別に通過しなくても山頂には行けるんです。下山路があるわけですから。剱岳は人気ある山だから渋滞を避けるため登山路・下山路を場所によって分けている、あるいは登山路向き・下山路向きの道があるのだと思いますけど、本当に天候の状況が悪かったら登山者も少ないので、危険な岩場をわざわざ通過する必要はないのかもしれません。でもそうなると、岩の殿堂である剱岳を登る魅力が減るのかな？
明治期までは山頂に登るルートがなく、苦労して山頂に向かった先人のことを考えると、
きちんとそのことを噛みしめて苦労して登るのが良いのかもしれませんが…
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